妊娠中に妊婦さんが行うマタニティヨガというのがありますが、産後のママにとって体調を整えるためにヨガをすることも非常に大事です。
かといって、産後すぐに1人でヨガのクラスを受けに行くのはなかなか難しいことですよね。
そんな産後ママに近年人気が高まっているのが、ベビーヨガ・ママヨガです。
ベビーヨガ・ママヨガとは、ママが赤ちゃんの体に触れながらヨガのポーズや動きを行いながら、スキンシップを取っていくヨガです。
ママと赤ちゃんにとって適度な運動になり、リフレッシュして楽しみながら親子の絆を深めることができるので、ヨガという枠を越えて“赤ちゃんの成長”にとって非常に重要という観点からも、需要が高まっています。
ここではそんなベビーヨガ・ママヨガの効果やポーズ、取得できる資格などを紹介していきます。
目次
ベビーヨガ・ママヨガとは?
ベビーヨガ・ママヨガとは、ママが赤ちゃんの身体に触れながら一緒に行うヨガのことです。
一緒にヨガを行うことで、産後のママと赤ちゃんの2人ともにプラス効果があり、ヨガの動きやポーズを通して親子の絆を深めるために有効なコミュニケーションツールの一つなのです。
ママにとっては、産後ママのストレス・産後うつのリスクの軽減、骨盤の歪みを整える効果や肩こりや腰痛の軽減効果の他に、リフレッシュにも効果的です。
赤ちゃんにとっては仰向けやうつ伏せ、お座りなど様々な動きを取ることで筋肉をバランス刺激して適度な運動になります。
さらに、赤ちゃんの発育や免疫力アップのサポートにも良い影響を与えてくれます。
赤ちゃんが産まれる前、マタニティヨガについてはこちらの記事をご覧ください。
→インストラクターとして【マタニティヨガ資格】を取得する3つのメリット
→ゼロからわかる【マタニティヨガ資格】おすすめスクール10選
なぜインストラクターにおススメなの?
インストラクターとして、生徒さんの心身の状態が良くなったり、身体が変わっていくところを間近で見ることができたりすることは、大きなやりがいや魅力ではないでしょうか。
産後ママと赤ちゃんの心身を理解することで、解剖学や生理学の面でもインストラクターとして専門的な知識を身に付けることができます。
ベビーヨガ・ママヨガは、これからさらに需要が増えることが期待されていますが、まだまだインストラクターが少ないのが現状です。
ヨガを通して赤ちゃんや産後ママのサポートをすることは、インストラクターとしての幅が広がり大きな成長に繋がるでしょう。
ベビーヨガ・ママヨガの効果
ベビーヨガ・ママヨガは、ママと赤ちゃんが触れ合うコミュニケーションで親と子の絆を深めてくれます。
毎日一緒にいるママと赤ちゃんにとって、言葉でやり取りができないことがストレスに感じてしまうこともあります。
ベビーヨガの触れ合いでママの愛情がさらに深まり、赤ちゃんの成長にも良い影響を与えてくれるという効果があります。
絆が深まるだけでなく、ママと赤ちゃんそれぞれに嬉しい効果があるので、ここからはそれぞれの効果を紹介していきますね。
ママヨガの4つの効果
1. 産後のストレス・体調ケア・リフレッシュ効果
産後ママの身体は、体力が落ちてホルモンバランスも不安定な状態です。そこから子育てがスタートするので、疲れや不安からストレスが溜まっていくこともあります。
ヨガのゆったりとした呼吸や動きで気分をリフレッシュ、産後の心身をほぐしてくれるので、産後ストレスや産後うつリスクの軽減に効果的です。
2. 骨盤ケアなど産後ダイエットのサポート
産後ママの骨盤は、歪みや広がりから違和感や痛みが起きたり、体重がなかなか戻らないことがあります。
ベビーヨガはヨガ初心者の方からでき、難しいポーズはないものの、骨盤を整えて筋力をアップする動きも多くあるので、産後ママの身体ケアにピッタリなのです。
3. 肩こりや腰痛の緩和
産後すぐの体調が不安定なままで子育てがスタートして、赤ちゃんを抱っこしたり、抱っこしながら家事をすることで、肩凝りや腰痛に悩まされるという声もよく聞きます。
ベビーヨガで肩周りをほぐしたり、腰を伸ばしたりすることで日々の凝りや痛みを適度に解消できて、疲れが溜まらないようにケアができます。
4. 赤ちゃんの体調・感情を把握できる
定期的にベビーヨガを行うことで、赤ちゃんの体調管理がしやすくなります。
身体が冷えている、熱っぽいなど、微妙な体調の変化にも気付きやすくなり、赤ちゃんの顔つきやしぐさなどでちょっとした感情の変化を理解しやすくなります。
ベビーヨガの3つの効果
1. 脳の活性化
ベビーヨガでは赤ちゃんの体に丁寧に触れていくので、赤ちゃんの五感に適度な刺激が送られ、脳や神経系の成長と発達を促すと言われています。
さらに、いつもと違う動きをすることで脳が普段よりも刺激されるので、夜の寝つきも良くなる傾向が多く見られます。
2. ママへの信頼感や安心感の向上
子育てで重要なことは、“いかにして良いアタッチメントを築くか”とも言われています。
“アタッチ”とは“ピタっとくっつく”ことを意味し、子育て心理学用語としてのアタッチメントとは、“乳幼児期に形成される情緒的な深い結びつき”という意味として捉えられます。
様々な研究において、運動ができる・コミュニケーション能力が高い・心が優しい・頭が良いなどの資質を育てるには“アタッチメント”が基盤になっているということが報告されています。
ベビーヨガはその“アタッチメント”を形成するのに有効な手段として、現在とても注目されているのです。
3. 運動機能・免疫力アップ
赤ちゃんはママのサポートによって仰向けやうつ伏せ、座る、ママの身体に乗るなど、様々な動きを経験します。
赤ちゃんは日常で使う筋肉が限られているので、ベビーヨガで筋肉や関節を刺激することで、バランス能力や身体の機能を助ける効果があると言われています。
またベビーヨガで筋肉を動かすことで、身体の緊張がほぐれて血行が良くなります。
血行が良くなると血液やリンパの流れが良くなり解毒力が上がるので、赤ちゃんの免疫力アップにも繋がるのです。
赤ちゃんは6か月頃から自身の力で免疫力を作る必要が出てくるので、ベビーヨガは免疫力アップのサポートに最適ですね。
ベビーヨガ・ママヨガの資格を取る2つのメリット
1. インストラクターとしての活動の場が広がる
ベビーヨガ・ママヨガを教えるにあたり、必ず資格が必要なわけではありません。
ですが、生まれて間もない赤ちゃんや産後すぐのお母さんと関わる仕事なので、講師として活動していくのであれば、専門的な知識と実技を学び、資格を取得することをお勧めします。
また、ベビーヨガ・ママヨガはヨガ未経験の方から取得でき、ベビーマッサージや産後ヨガなどの資格を同時に取得できるスクールもあります。
ベビーヨガ・ママヨガのインストラクターとして活動している方はまだまだ少ないのが現状です。
プロフェッショナルとして活動していきたいという気持ちがある場合は、充分な知識を学べるスクールで資格を取得することで、自信と信頼が得られるようになるでしょう。
2. ママの子育てやヘルスケアのために
資格を取る皆さん全員が、インストラクターの仕事をするわけではありません。
これからママになる方が、ご自身の子育てや体調を整えるための知識を身に付けるために資格を取るという方も多くいらっしゃいます。
産後のママの身体の状態や、赤ちゃんについて事前に学んでおくことで適切なセルフケアができ、産後のストレスや、ご自身と赤ちゃんの体調管理がしやすくなります。
またご自身の子育てが落ち着いた時に、その経験を活かしてベビーヨガインストラクターとして活動したいと考えるかもしれませんよね。
その時に、専門的な知識をしっかりと持っていることで、自信をもって行動できるようになるでしょう。
ベビーヨガ・ママヨガの資格を取る方法
ベビーヨガ・ママヨガの資格を取るには、オンラインスクールとスタジオに通学するスタイルがあります。
その1:オンラインスクールで資格取得
「オンラインベビーヨガ&ベビーマッサ―ジ講師資格スクール」
→https://www.s-culture.jp/tiho/osaka02.html
現在はオンラインをメインで開催しており、スタジオで行っている講座と同じ内容をオンラインで受講できるのが、スマイルカルチャーの“ベビーヨガインストラクター”の講座です。
1日で取得できる講座となっており、赤ちゃんの身体生理学と親子セラピーを学ぶことができます。
また、マタニティヨガ、ベビーマッサージの資格も同時に取得することもできるので、短期間で学びたい、基礎として学んでみたいという方におススメです。
その2:スタジオに通って資格取得
「ママ&ベビーヨガインストラクター養成講座」
→https://yoga-osaka-waraku.com/school-inst.html
大阪・堺のヨガスタジオ“waraku~和樂~”では、医療関係者や運動指導の専門家の監修のもとで作られたママ&ベビーヨガのメソッドを習得することができます。
日程は3日間・12時間で、ベビーヨガ・ベビーマッサージ・産後ケアについて学ぶことができます。体験説明会も開催されているので、通いやすい、日程が合うという方は早めにチェックしておきましょう。
その3:オンラインとスタジオの両方で資格取得
「日本ベビーヨガインストラクター協会(JBIA)認定ベビーヨガインストラクター養成講座」
→http://naon.xsrv.jp/babyyoga_tt/
JBIA(社)日本ベビーヨガインストラクター協会認定の資格が、東京・千代田区で取得できます。
初級・中級・上級と順番に受講していくスタイルになり、実技・理論・修了試験といったカリキュラムがあります。また、上級の講座では資格修了後のレッスンの開催方法などについても学ぶことができます。
日程は2~3日間・18時間の受講で、現在はオンラインでの講座も開催されています。
過去の講座では満員御礼で締め切られている日程も多くあり、人気の講座であることが伺えますね。詳しく知りたいという場合は早めに問い合わせてみましょう。
「べビママヨガインストラクター養成講座」
→https://jahayoga.com/yoga-koushi/jaha-trainer/
様々なヨガの養成講座を開催しているJAHAの“べビママヨガインストラクター養成講座は少人数での開催なので、ヨガが初心者という方にも安心して受講することができますよ。
ベビーヨガ・親子ヨガ・ママヨガ(産後ヨガ)・ベビーヨガマッサージのカリキュラムがあり、通学スタイルの場合では赤ちゃんを連れて参加することができるので、産後の方にも安心ですね。
通学は20時間+自宅学習5時間程度・3~4日間です。
卒業後の無料相談や初期の開業サポートなども手厚いので、資格取得後にインストラクターとして活動していきたいという方におススメです。
さらにJAHAでは、マンツーマンまたは少人数制の出張講座での養成も行っています。
千葉・東京・横浜・埼玉・北海道・岐阜・山形への出張もあるので、JAHAで資格を取りたいという方は一度問い合わせてみましょう。
「チャイルドボディセラピスト2級・1級」
→https://ymcschool.jp/lp/baby02/
仙台・福岡・名古屋・大阪にスクールがあるYMCスクールでは、医師監修の安心カリキュラムでベビーマッサージ・ベビーヨガとストレッチ・ベビーリフレクソロジー・赤ちゃんの栄養についてなど、豊富な内容で学ぶことができます。
また、受講についてはオンラインと通学スタイルから選ぶことができます。
2級では主にベビーマッサージをベースに学び、1級ではベビーヨガとストレッチ、栄養についてなど更に深めていきます。
2級は全16時間を1か月で修了、一級は全36時間を2ヶ月で修了していくので、両方受講しても3ヶ月で修了することができます。
より専門的な知識を身に付けることができるので、インストラクターや出産前のプレママ、子育て中のママだけでなく、看護師さんや助産師さん、保育士さんにも人気の講座です。
これを機にしっかりと専門的な知識を学びたい、将来インストラクターとして活動することを視野に入れている方におススメです。
知っておきたいベビーヨガのQ&A
定期的に赤ちゃんの肌に触れることで、赤ちゃんの体調の変化にいち早く気付くことができ、赤ちゃんだけでなくママやパパへのリラックス効果にも期待ができます。ベビーヨガは赤ちゃんと一緒にヨガのポーズを行っていくので、赤ちゃんが動くか動かないかの違いがあります。
ベビーマッサージはお風呂や就寝前のリラックスタイムに行うのがおススメです。資格が必要ではありませんが、初めてベビーマッサージを行う場合は、ベビーマッサージ教室などに行くことをおススメします。
各自治体の児童館などで開催されていることもあるので、お住いの自治体の情報を調べてみると良いでしょう。
生後一か月から行って良いと言われているところもありますが、その時期の赤ちゃんの体はまだまだ未発達な状態で、ヨガを行うことで赤ちゃんに負担をかけてしまう可能性があります。
リスクを避け、安心してベビーヨガを行うためにも、首が座った時期から参加することをおススメします。
またいつから始めてよいのか悩んでしまうという場合は、ベビーヨガを始める前にお医者さんに相談してからスタートすると良いでしょう。
ベビーヨガの対象年齢は1歳半くらいまでとなっています。赤ちゃんが自分で立ったり、歩いたりすることができるようになったら親子ヨガなど、ヨガの種類を変えて受けていくことができます。
特に授乳後や離乳食後は、体制によっては吐いてしまう可能性もあるので、食後1~2時間以上は空けて行うようにしましょう。何回か行うと、タイミングや時間帯が掴めるようになっていきますよ。
赤ちゃんの元気がない、食慾がない、熱はないが体がいつもより少し熱いなど、普段と様子が違う時は無理をせずにお休みしましょう。
また、月齢の小さい時は調子の良い日、悪い日があるので、調子が悪いと感じる時のヨガも避けるようにしましょう。もちろん、ママの体調がすぐれない時も無理をしないことが大切です。
赤ちゃんとママの体調が良い元気な時にベビーヨガをすることでよりリフレッシュができ、良い効果も出やすくなりますよ。
まずは無料でチェック!簡単にポーズ解説
ベビーヨガは、ヨガ初心者という方にも無理なく取り組むことができます。最後に、ベビーヨガの中でも比較的簡単なポーズを4つ紹介していきますね。
丹田呼吸
丹田(たんでん)とは、おへそから握りこぶし一つ分ほど下にある、いわゆる下腹部の部分のことです。
丹田呼吸とは、その丹田を意識して行う呼吸法です。
2.両手を赤ちゃんのお腹の辺りに沿えて、赤ちゃんと呼吸を共有すると良いでしょう。
3.丹田を意識しながら、鼻からゆっくりと息を吸い、胸に呼吸を入れていきます。
4.呼吸を止めて、取り込んだ呼吸が胸から下腹部に移動するようにイメージしながらお腹を膨らませます。
5.下腹部が膨らんでお腹がかたくなったら、ゆっくりと息を吐き、吐き切ったら何回か同じように呼吸を繰り返しましょう。
あぐらで座りにくい場合は、お尻の下に重ねたタオルかクッションを敷いて安定した姿勢をセットします。
ママはリラックス効果が高まり、赤ちゃんはアタッチメントの効果アップに期待できます。
胸を開くポーズ
2.ママがゆっくりと息を吐きながら、赤ちゃんの両手をバンザイのように上に伸ばして胸を開くようなポーズを取ります。
3.赤ちゃんが気持ちよさそうに伸びができたら、ママが息を吸いながら、赤ちゃんの腕をゆっくりと元の位置に戻してあげましょう。
ママの呼吸と赤ちゃんの動きを合わせて、楽しみながら何回か繰り返しましょう。
ママは赤ちゃんの顔がしっかりと見えて楽しい時間に、赤ちゃんは大きく身体を動かして運動機能が高まるサポートになります。
ブランコのポーズ
2.赤ちゃんの後ろ側の脇の下から両腕を入れて、赤ちゃんの足首をしっかりと掴み、赤ちゃんの体を支えながら持ち上げます。
3.赤ちゃんはやや前かがみになるような姿勢にして、安定したらママは膝立ちになります。
4.赤ちゃんを、振り子のようにゆっくりと左右・前後に揺らします。
5.何回か繰り返したらさらにゆっくりと立ち上がり、軽く膝を曲げてスクワットの姿勢で同じように左右・前後に赤ちゃんを揺らします。
6.ママは腰を少し落としてお腹を引き締め、ウエストをしっかりと捻じっていきます。
7.声をかけたり歌を歌ってあげたりしながら、リズムよくスイングしましょう。
このポーズは赤ちゃんの体を大きく動かしていくので、首がしっかりと座った5か月を過ぎた時期から行ってあげましょう。
ママは体幹アップとリフレッシュ効果、赤ちゃんにはバランス感覚が養われます。
ローリングバック
2.ママの足の甲の上に赤ちゃんのお尻を乗せて、ママのすねに赤ちゃんをもたれさせてあげるようにします。
3.ママの両手を赤ちゃんの背中にセットして、必ず指と指を絡めてしっかり手を組んで抱っこしてあげます。
4.ママはその姿勢から背筋を伸ばし、座骨から背骨を一つずつ意識しながらゴロンと後ろに倒れていき、またゴロンと起き上がります。
5.背骨をほぐすように気持ちよく、ゴロンゴロンと何回か繰り返しましょう。
このポーズでは、赤ちゃんは座った姿勢で大きく揺られるので、首が座った直後は避け、首がしっかりと安定した5か月以降から行うようにしましょう。
ママは上半身をほぐして心地よいリフレッシュ感が得られて、赤ちゃんは空間把握能力を高めてバランス感覚をアップする効果があります。
まとめ
ベビーヨガはインストラクターでなくても持っておきたい資格です。
ベビーヨガ・ママヨガを定期的に行うことで、日常生活にもプラスな効果が沢山期待できますね。
インストラクターとして仕事にする予定はないという場合も、赤ちゃんと産後ママの心身をより理解することができるので、プレママの時期にベビーヨガの講座を受講しておくことは大切だと感じられます。
また、産後にベビーヨガのクラスを受講して、ベビーヨガの楽しさと子育ての経験を活かしたいという気持ちからベビーヨガのインストラクターになったという方もいらっしゃいます。
これからまだまだ需要が広がるべビーヨガ、資格を取得して将来の可能性を蓄えておくのも良いかもしれません。
合わせてキッズヨガも取得しておくと、インストラクターとしての道がグッと広くなりますよ。
→キッズヨガ【完全ガイド】資格取得、効果、オンラインおすすめスクールまで