ヨガスタジオに行くといろいろなヨガのクラスがあり、どのクラスが自分にあっているのか迷うことはありませんか?
実は私たちが行っているヨガは、ハタヨガと呼ばれるヨガをルーツとしています。
今回は、そのハタヨガについてお話ししていきます。
目次
1. ハタヨガの歴史
私たちが「ヨガをしよう!」と思った時にまず行うことは、体を動かしてヨガのポーズをとることではないでしょうか?
しかし、ヨガの経典である『ヨーガ・スートラ』によると、ヨガの最終目標は“YOGAS CHITTA VRITTI NIRODHAH.”と書かれている通り、“心の働きを止めること”です。
そして、自己を大いなる存在と結び一体化させ、真の自己と出会うことだと語られています。
ヨガの歴史は、大きくわけると4つの期間にわけることができます。
第1期であるヴェーダ時代、人々の心は必要な時だけ働き、その他の時は心が停止状態になっていたと言われています。
第2期に入ると、人々の心は一点に集中することはできましたが、止滅の心を保つことはできなくなりました。しかし、師の教えにより死滅の心の状態へと戻ることはできていました。
第3期である『ヨーガ・スートラ』が書かれた時代に入ると、人々の心は一箇所に留まることなくたえず何かを思い、落ち着きなく動いている状態でした。しかし、師の教えにより『ヨーガ・スートラ』の教えや経典を理解することはできていました。
第4期に入ると、人々の心は集中することも師の話や経典を理解することも難しい状態へとなっていきます。
心は外見やお金などのことでいっぱいになり、本来の自分がわからない状態へとなっていきました。自分で心をコントロールすることが難しい状態となってしまった人々を、第1段階の心の状態へと導くための方法としてハタヨガが誕生します。
ハタヨガが誕生する以前の経典は心を重視する内容でしたが、16世紀ごろに書かれたハタヨガの原典である『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』には、ヨガのポーズ、呼吸法、浄化法など、体を変えることで心をコントロールしようとする具体的な実践方法が紹介されています。
私たちが生きている現代もヨガの歴史の中では第4期に含まれていますので、ヨガの最終目標とするところに戻るためには、体を改革していくハタヨガを実践するしか方法はないと考えることができます。
ヨガの4つの道
『バガヴァット・ギータ』が書かれた時代、ヨガの最終目的である「真の自己と出会う」為には4つの方法がありました。
②バクティヨガ:神への信愛の道
③ラージャヨガ:瞑想の道
④ジニャーナヨガ:知識の道
これらのうち、どの道でもその道を突き進めば、最終的に到達するところは同じだとされています。
また『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』には、“ハタヨガはラージャヨガへのはしごのようなものである”と書かれていますが、ここでいうラージャヨガとはサマーディーの意味であり、“ハタヨガは精神的な高みに到達しようとする人のためのはしごである”という意味になります。
体を使うことを重視するハタヨガですが、最終的には精神的にも他のヨガと変わりない境地に達することが記されています。
ハタヨガの意味
ハタヨガのハ(ha)は、太陽または陽のエネルギー、
タ(tha)は月または陰のエネルギーを意味します。
また、太陽と月のエネルギーは、活動力と落ち着き、分析力と共感力、吸う息と吐く息、暑さと寒さ、男と女、右と左、心と身体などの相反するものを示唆しています。
左鼻から入ってくるエネルギーであるイダーと、右鼻から入ってくるピンガラーというエネルギーも陰と陽を表します。
ハタヨガは、あらゆる相反する二つのエネルギーのバランスを調和させることを目的としています。
ハタヨガの代表的な6つの流派
ヨガ人口が増えると共に、4つの道を元にしたヨガの流派が誕生しました。これらも全てハタヨガをルーツにしています。
②アシュタンガヨガ:パタビ・ジョイス師により南インドで始まったヨガ
③アイアンガーヨガ:アイアンガー師によりインドで始まったヨガ
④シヴァナンダヨガ:シヴァナンダ師の教えに基づき考案されたヨガ
⑤クンダリーニヨガ:アメリカを中心に広まったヨガ
⑥クリシュナマチャリヤのヨガ:アイアンガー師やパタビ・ジョイス師の師であり、近代ヨガの父と言われているクリシュナマチャリヤ師が考案したヨガ
2. 初心者にオススメな理由と5つの効果
呼吸とポーズを合わせて行うハタヨガは、基本的に一呼吸一動作で行いますので、年齢など関係なく初心者の方でも安心して取り組むことができます。
しかし、ハタヨガをルーツに派生したヨガの中にはアシュタンガヨガなど運動量の多いヨガクラスもありますので、初めはハタヨガクラスからの受講をオススメします。
体への効果
① 体の柔軟性が高まる
身体の正しい使い方を知ることで、歪みや慢性痛を解消するとともに普段使っていない筋肉を効果的に刺激します。日常生活では行わない動きが多いので、体の柔軟性の向上が期待できます。
② しなやかな筋肉がつく
インナーマッスルを使った一呼吸一動作のゆっくりとした動きや、エネルギーの流れを効果的にするバンダを使った動きは、体幹を効果的に鍛えます。
また、ヨガでは自重を支えるための動きしか行わないので、しなやかな筋肉を作ることができます。
③ ホルモンバランスを整える
深い呼吸と全身を使ったポーズは、自律神経のバランスを整えます。また、身体を正しく使ったポーズは背骨や骨盤の歪みを整えることで血流の流れをスムーズにし、乱れがちなホルモンバランスを整えます。
心への効果
④ ストレス解消&メンタルバランスの安定
呼吸や自分の身体の各部位を意識してヨガを行うことで、日頃見落としている自分の身体の状態や心の状態に気づくことができます。自分で自分を客観的に見つめる時間を持つことが心にゆとりを生み、ストレスを解消しメンタルバランスを整えます。
また、ヨガの深い呼吸は自律神経が集まっている横隔膜を刺激しますので、自律神経と副交感神経のバランスが整い、睡眠の質を高める効果も期待できます。
⑤ 集中力アップ
ヨガの練習を続けていくと、今行っている動作に意識を集中する力が自然とついていきます。そうすると不思議なことに、ヨガをしている時間以外でも何かに集中する力がついていきます。
また、ヨガで行う鼻呼吸は脳に不必要な負担をかけることなく記憶力をアップさせるとも言われています。
3. インストラクターの基本?ハタヨガのレッスンを身につけよう
インストラクターとして初めて行うクラスは、基本的なことを行う「ハタヨガ」のレッスンとなることが多いです。
初めてのレッスンは、緊張もしますよね。ポーズのどこをどのように伝えるかばかりに気がいってしまい、生徒さんに目を向けることができなくなりがちです。
しかし、生徒さんによっては苦手なポーズもあります。しっかりとしたアドバイスが必要になることもあるでしょう。
それぞれのポーズのどこに意識を向けてほしいか、ポイントをしっかりと絞りまとめることが重要です。伝えきれないことは、レッスンの前後にもポイントを付け加えても良いのです。
初めての方ややり始めたばかりの生徒も参加するクラスだからこそ、生徒さんが楽しいと思える変化を見つけてもらえるようにしたいですね。
4. ハタヨガの学び方
ハタヨガのポーズは、動画や書籍で学ぶこともできますが、対面で指導してもらいたい方にはヨガスタジオのクラスに参加することをオススメします。
一人で行う場合は無理をして身体を痛めることもありますので、呼吸が浅くなっていないかなど確認しながら、ゆっくりとしたペースで進めるようにしてください。
YouTubeで学ぶハタヨガ
【永久保存!】初心者でもOK!中井まゆみ先生の太陽礼拝!|講師:中井まゆみ
【身体の硬い方向け】やさしいハタヨガ〜初心者さんにもオススメです〜
書籍で学ぶハタヨガ
ヨガスタジオで学ぶハタヨガ
FLOW ARTS Yogaスタジオ
オハナスマイル ヨガスタジオ
→https://www.ohanasmile.jp/schedule/
たくさんのヨガスタジオがありますので、通いやすい場所のヨガスタジオを探してみてください。伝統的なヨガを練習したい方には、常温のヨガスタジオをオススメします。
“全米ヨガアライアンスRYT200“で学ぶ〜より深く知りたい方に〜
動画や書籍、ヨガスタジオで練習をしていくうちに、身体の使い方が合っているのかどうかわからない、もっと深くヨガについて知りたいと思うことがあるかもしれません。
その時は、思い切って“全米ヨガアライアンスRYT200“の資格取得を目指してはいかがでしょうか?
この資格は、ヨガインストラクターを目指す人が最初にとる資格だけあって、ヨガの基礎を広く知ることができます。
また、スタジオのレッスンではあまり行えない、ハタヨガのポーズ以外で大切な呼吸法や浄化法の基礎も学ぶことができますので、より具体的な方法を知ることができるでしょう。
インストラクターの資格を取ると、自分のために始めたヨガで多くの人の手助けもできるかもしれません。
ハタヨガを行なって身体と心を整え、ストレス社会といわれる今の時代を自分らしく輝いていきましょう!