初心者には、「ハタヨガ」がおすすめと勧められて始める方も多いと思います。でも、クラスに出てもどんなヨガなのか、いまいち分からないと思ったことはありませんか?
現代のヨガの基礎ともなった「ハタヨガ」。動くヨガ全てのことを表しているとも言われています。歴史は古く謎に包まれた部分もあるのだとか。どのようなヨガか気になりますよね。
それでは、「ハタヨガ」について歴史や背景も踏まえてご紹介します。
ハタヨガの歴史や誕生した背景
古代から続くヨガの一流派として「ハタヨガ」は誕生しました。諸説は様々あるようですが、ゴーラクシャ・ナータ師が11世紀〜12世紀頃にハタヨガを体系化しまとめたとされている話が有力です。
「ゲーランダ・サンヒター」「ハタ・ヨガ・プラディーピカ」「シヴァ・サンヒター」の3つの教本を基本にポーズと呼吸を組み合わせた、身体を動かすことに重視したヨガとして初めて考案されたのです。
その後、「ハタヨガ」を学んでいた弟子たちの中に現代に伝わるヨガの創始者たちがいました。実にほとんどの聞いたことのあるヨガの名前ばかり。
アシュタンガヨガ
アイアンガーヨガ
パワーヨガ
インテグラルヨガ
ビクラムヨガ
など
つまり、多くの現代のヨガは、「ハタヨガ」から派生したヨガでもあるのです。
このような歴史を背景に、現代で呼ばれる「ハタヨガ」は、動くヨガの総称としても使われることも。まさに「ハタヨガ 」は現代ヨガの元祖とも言うべき存在なのです。
ハタヨガの意味は”陰陽”!その特徴を紹介
ハタヨガはサンスクリット語で「太陽と月」のヨガと言う意味です。
ハ=太陽、タ=月は、陽と陰、動と静にも置き換えられ、相反するものを示します。
身体の中の動きも相反する力が働いていると捉え、その調和をとることによって、バランスを整えるよう考えられています。
ポーズと呼吸を基本とした「ハタヨガ」は、現在でも続けられている基本となるポーズを位置付けました。さらに。心と身体の源である「気」を重視しながら、「ハ=吸う」と「タ=吐く」力を使い、バランスよくコントロールすることで対なる存在を調和させようと考えられています。
それまでは、瞑想が中心の初心者には取り組みずらかったヨガですが、身体からのアプローチになることで、より分かりやすく取り組みやすくなり、多くの人に広がっていったのです。
ハタヨガの5つ効果
「ハタヨガ」は、自分の心や身体に目を向け、身体的、精神的にもバランスをとって整えることを重視しています。
そんなハタヨガには、実際どんな効果があるのでしょう?
1.柔軟性が良くなる
体全体を使ったポーズを取り組む「ハタヨガ」では、今まであまり使わなかった筋肉を使っていくことで、全体的に柔軟性の向上に期待ができます。
同じ生活リズムだけでは、体は常に同じ部分を同じようにしか使っていません。様々なポーズを取ることで、鍛えることが足りない部分や柔軟性の足らない部分へと目を向けられるようになります。
2.バランス感覚が良くなり、身体への負担が軽減
ハタヨガは、基本的に腹式呼吸で行います。お腹への意識や背筋を伸ばし支えることで、体幹が自然と身について行きます。身体への負担はたっている時の姿勢にも関わっています。バランスが崩れた身体を支えるには負担が大きいのは予想できますよね。
ハタヨガによってバランスが整えられ、中心を意識することで身体への負担が軽減します。
3.身体の巡りが向上!体質改善にも効果的
身体の中にはリンパ液や血液と行った水分が巡っています。また細胞も水分を含んでいますね。呼吸による身体の奥へのアプローチや身体を伸ばしたり使ったりすることで、滞っていた水分が動き身体の巡りがよくなります。
血行の促進などにより体温が温まり、不調続きの体質などの改善にも効果が期待できます。
4.睡眠の質が良くなる
腹式呼吸はしっかりと横隔膜を動かすことで自律神経を整える効果があります。さらに、ゆったりとした呼吸は、副交感神経を優位にしてリラックス効果をもたらしてくれます。
慌ただしい日々の中でのひとときの落ち着き。日々の精神が安定し、睡眠の質をよくしてくれるでしょう。
5.体幹を鍛えて、腰痛にも効果あり!
ハタヨガでは、バンダを引き締める技法があります。喉やお腹、肛門などのポイントを引き締めることで、ポーズを取る中で意識します。例えばお腹のバンダを引き締めることは、いわゆる丹田を意識することと同じです。身体のコアを支えて、体幹を鍛えてくれる効果があります。
下腹部を引き締めることはお腹の奥の筋肉をしっかりと使うことにもなり、姿勢や腰痛の改善などにも効果が期待できます。
ハタヨガの代表的なポーズや呼吸法って?
ハタヨガは身体からのアプローチを重視し考えらたヨガです。「チャイルドポーズ」や「半ねじりのポーズ」など代表的なヨガのポーズが生まれ、現代にも伝えられています。
「チャイルドポーズ」は、ストレス緩和やリラックス効果が期待できます。また、背中や腰のストレッチにも効果的です。
「半ねじりのポーズ」は、消化器など内臓へのアプローチができ、便秘の緩和などにも効果があります。さらに、お腹周りの引き締めや姿勢改善、腰痛の緩和などにも効果が期待できます。
いずれも深い呼吸法と共に行うことで、自分の内へと集中をしていきます。
呼吸法には、腹式呼吸と鼻呼吸が基本です。「ハ=吸う」と「タ=吐く」をバランスよく行ったり、片鼻ずつ呼吸を行うことで、「気」を整えることに着目しています。
深い呼吸法と共にポーズを行うことで身体への様々な効果を期待できる「ハタヨガ」は、誰でも取り組みやすく、現代でも多くの人を魅了しているのです。
ハタヨガは初心者にもおすすめ!
ヨガ初心者など様々な方におすすめ
「ハタヨガ」は、活発的な運動量を必要としないので、初めての人にもおすすめです。初級者向けのクラスなら、難しいポーズも入らないので安心してレッスンを受けてもらうことができるでしょう。
年齢に関係なく取り組める「ハタヨガ」は、身体の柔軟性にも関係なく、自分のペースで取り組めます。
古典的なヨガに親しみたい人におすすめ
「ハタヨガ」は、現代のヨガの元祖と言うべき存在。今のヨガのように次から次へとポーズを移動するのに慣れない方に試して欲しいヨガです。
アーサナによる身体へのアプローチと呼吸の関係性や瞑想による心や精神の安定など昔から続けられてきたヨガの教え。「ハタヨガ」はその歴史にも触れることができるヨガの一つと言えるでしょう。
インストラクターの基本?ハタヨガのレッスンを身につけよう
インストラクターとして初めて行うクラスは、基本的なことを行う「ハタヨガ」のレッスンとなることが多いです。
初めてのレッスンは、緊張もしますよね。ポーズのどこをどのように伝えるかばかりに気がいってしまい、生徒さんに目を向けることができなくなりがちです。しかし、生徒さんによっては苦手なポーズもあります。しっかりとしたアドバイスが必要になることもあるでしょう。
それぞれのポーズのどこに意識を向けてほしいか、ポイントをしっかりと絞りまとめることが重要です。伝えきれないことは、レッスンの前後にもポイントを付け加えても良いのです。
初めての方ややり始めたばかりの生徒も参加するクラスだからこそ、生徒さんが楽しいと思える変化を見つけてもらえるようにしたいですね。
現代のヨガの基本「ハタヨガ」の魅力
「ハタヨガ」の魅力は、身体からの変化を感じやすく、初めての人でも体感しやすいことです。少しづつ深い呼吸にも慣れていくとさらに効果を感じやすいですね。
柔軟性の習得やコアの筋力を使い深い呼吸を続けることは、簡単のように見えて奥が深いです。身体の全てに繋がるヨガは、今でも多くの人を魅了しています。
ポーズの基礎を覚えることで、動きが激しいヴィンヤサなどにも取り組み安くなることでしょう。いろんなヨガを楽しみたいなら、「ハタヨガ」をまずは楽しんでみて欲しいと思います。