ヨガレッスンで定番、猫のポーズのバリエーションとして片足を上げたキャットスプリットをご存知でしょうか?
実はこちらのポーズ、ヨガ発祥の地インドでは、猫ではなく〝トラ〟を表しており「虎のポーズ」と言います(サンスクリット語ではヴィヤガラーサと呼びます。)
トラのような強さとしなやかさを兼ね備えた虎のポーズは、心身の緊張をほぐし体幹を安定させることから「アーサナ(ヨガポーズ)の準備の王様」とも呼ばれているようです。
そんな虎のポーズについて、やり方と効果をみていきましょう!
虎のポーズのやり方
- 四つ這いになる
- 片足を後ろへ蹴り出す
- ひざを伸ばしたまま、足を高く上げる
- 胸を前の壁へ向ける
- ゆっくり5呼吸する
虎のポーズの効果
体幹を強くする
体幹とは、腕・足・首〜頭を除いた〝胴体部分〟になります。どこか一部の筋肉ではなく、お腹や胸、背中などにある筋肉を総称した呼び方です。
そのため、体幹には様々な役割がありますが、主に姿勢を支えたり、お腹を引き締めるときに活躍します。
虎のポーズでは、ただ足を上げるのではなく、中心軸である背骨を支える筋力を使うため体幹が強化されていきます。
骨盤・姿勢を美しくする
虎のポーズでは、左右のお尻の高さを並行に保つことで骨盤を支えるお腹の力が養えます。さらに、お尻の筋力を使って足を持ち上げることで、後ろから骨盤を支える力も育ちます。
骨盤を支える力があれば、座っているときや立っているときでも美しい姿勢が自然と保てるようになります。
肩こり・腰痛の改善
肩こりや腰痛は姿勢の悪さから起こります。筋肉は伸び縮みすることで、血流をよくして栄養素を細胞へ運びますが、デスクワークなどで同じ姿勢がつづくと栄養不足となり、やがて「コリ」を発生させます。
かたくなった筋肉によって神経が刺激されると、腰痛などの痛みを引き起こすこともあります。虎のポーズによって姿勢を改善させることで、肩こりや腰痛もラクになっていきます。
ぽっこりお腹解消
重力によって内臓が下がると下っ腹が出やすくなります。虎のポーズで足を持ち上げ、尚且つ下腹部を天井方向に引き上げることで、インナーマッスルが鍛えられてお腹を凹ませる力がつきます。
インナーマッスルは脂肪をエネルギーとしているため、鍛えることで脂肪燃焼にも効果を発揮します。
内臓を支える筋力を養うことは消化力にもつながり、ダイエットに最適です。
虎のポーズのコツ
手で床を押す
足に注目してしまうポーズですが、まずは体幹の安定性がポイントになります。
手首だけに重心がのりやすい体勢ですが、床を押す力が弱いとお腹が重力のままに床の方へ下がり、肩もすくみやすくなります。
このポーズでは、手のひら全体で床を押すように意識しましょう。跳ね返す力が身体を持ち上げ、足も持ち上げやすくなります。
お尻の高さを左右同じにする
このポーズでは、持ち上げている足につられて同じ側のお腹が横に傾きやすくなります。
すると、伸ばしたい筋肉は伸びず、鍛えたいところの力を使うことができません。足を持ち上げるときに、左右のお尻は同じ高さで保つように心がけましょう。
骨盤を保つためのインナーマッスルが働くと、お腹の辺りに強さを感じることができます。
腰は反らない
身体を反るようなポーズでは腰を中心にしてしまいやすいですが、ケガをする危険性があるため注意しましょう。腰はお腹の力で守ることが大切です。その代わり、胸と股関節の柔軟性で反るようにすると美しいポーズがとれます。
股関節については、上記で説明したように左右のお尻の高さを意識すれば大丈夫です。
胸は、軽くアゴを引き、首の後ろを伸ばしながら、デコルテを前の壁へ向けるようにします。肋骨まわりの柔軟性が高まり、美しく安全に背骨を反らせることができます。
虎のポーズおすすめYouTube3選
【基礎代謝を上げたい方におすすめよヨガポーズ/トラのポーズ/基礎代謝アップを目指して底力を上げよう!】
虎のポーズの基本がわかる5分動画です。動きがシンプルなので、体幹系が苦手な初心者さんでもチャレンジしやすいでしょう。
足を顔に近づける動きとセットで行うことで、胸の伸びる感覚がわかりやすくなります。左右の足それぞれにガイドがあるので、ぜひ一緒にやってみてください。
【5分で美尻〜上がるんだ我がおケツ】
こちらの動画では、虎のポーズのバリエーションが紹介されています。基本的な虎のポーズに加え、足を横に開くことで股関節の柔軟性をアップすることがでができます。
また、腕で身体を支える時間が長いため、アームバランス(腕を使ったヨガポーズ)の練習にもなります。ヨガに慣れてきた初級〜中級者におすすめです。
【お尻を鍛えて脚力もアップ!股関節も安定するヒップアップヨガ】
人気ヨガインストラクター 田村佳代さんによるレッスン動画です。虎のポーズから始まり、その他にもお尻や足を鍛えるポーズをとっていきます。通常のヨガレッスンのように楽しみたい方におすすめです。
虎のポーズに関するFAQ
対策としては、まず、ひざの下へブランケットや厚手のタオルを敷きましょう。そして、足幅はこぶし1.5〜2個分空けます。足の付け根の真下にひざをセットし、太ももが床に対して垂直になることがポイントです。足の甲と、両手で強く床を押し、胸・背中を持ち上げる意識も持ちましょう。
虎のポーズでは体幹とお尻を強化したいため、お腹とお尻に強さがあるかどうかをチェックしてみましょう。
〈お腹に強さを感じない場合〉
お腹に力強い感覚がない場合は、体幹がうまく使えていません。おへそを背中へ引き寄せ、骨盤を動かさないように注意しながら足を持ち上げてみましょう。
〈お尻に強さを感じない場合〉
お尻に強さを感じない場合は、持ち上げている足が外側に開いてしまっている(マットの中央から離れてる)可能性があります。足を上げる前に、頭頂・へそ・肛門が1本の線でつながっているのをイメージしてみましょう。その延長線に足先が来るよう、足を持ち上げます。このとき、左右のお尻の高さにも注意しましょう。
〈負荷が弱い場合〉
お腹やお尻の注意点を守りつつも効果が感じづらい場合は、負荷を大きくしてみましょう。まずは、足を上げたまま、反対側の腕を頭の高さまでアップします。まだまだ余裕があれば、持ち上げている手と足を、背中の後ろで組みます。
まとめ
虎のポーズは体幹を強化することで、姿勢改善やぽっこりお腹解消に効果的です。
体幹を使うためには、手で床を押すことがポイントになります。腰が反れやすいポーズですが、骨盤を平行に保ち、お尻の力で足を持ち上げ、胸の柔軟性で身体を反らせましょう。
お腹の引き締め、足を中心軸に合わせる意識を持つことで、効果を実感することができます。
負荷が弱い場合は、バリエーションを変え、身体の感覚を楽しんでみましょう。