こんにちは!ピラティスインストラクターのchitoseです。
今回は、産後ピラティスについてまとめました。
産後の身体は、ぽっこりお腹、骨盤まわりガタガタ、腹筋もなく起き上がれない、尿漏れ…など辛い状態になりますよね。
早くもとに戻したい!という気持ちはあるけれど、身体は本調子じゃないし…と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方は是非この記事を読んでみてください!産後はあせらなくて大丈夫です。ゆっくり産後の身体をリカバリーしていきましょう!
目次
産後ピラティスってなに?
ピラティスとはジョセフ・ピラティス氏が開発したエクササイズです。もともとは戦争で怪我をした兵士のリハビリのために発案されたものでしたが、現在は健康増進、ボディメイクなど多くの目的でおこなわれるエクササイズへと変化しました。
ピラティスは深い呼吸をおこないながら、体の中心部分となるインナーマッスルの強化を図るエクササイズです。身体に無理ない負荷で鍛えていけるため、腰や肩など身体を痛めている方や、妊婦さんにもおすすめのエクササイズといわれています。
妊娠・出産で体力や筋力が落ちたママでも無理なくできるプログラムで構成されているのが、産後ピラティス。身体に無理のないエクササイズといえども、産後の身体はとてもデリケートな状態にあります。
自己流のエクササイズ方法ではじめると身体を痛めてしまう可能性が高いので焦りは禁物。
しっかり産後ピラティスのポイントや注意点などについて知ってみましょう!
産後ピラティスはいつからできる?
産後の身体は全治3か月の大きな交通事故にあったような状態にあるといわれています。
事故であればベッドの上で安静にしていなければなりませんが、産後はそうはいきませんよね。さらに怪我とは異なり、妊娠、出産でホルモンの状態が大きく変わり産後の身体はとてもデリケートな状態です。
そんな状態にあるので産後のエクササイズは、ピラティスに限らず産後一カ月検診で医師に確認してからにしましょう。
帝王切開の方は産後8~10週から
産後6カ月経過するまでは、出産のためにゆるんだ関節や筋肉により身体は不安定な状態です。アクティブでハードな運動はさけ、無理ないエクササイズを行いましょう。
知っていて欲しい!産後の骨盤の真実
産後ママとお話していると、よくこんな言葉をお聞きします。
「産後に骨盤がひらいてしまったから早く体型を戻したい」
「骨盤をもとに戻すためにコルセットをしたいのですが、何がおすすめですか?」
「はやくダイエットをしてお尻回りを引き締めたい」
本当に妊娠、出産によって歪んだ骨盤まわりは、エクササイズにより戻るのでしょうか。
実は、骨盤は運動や、コルセットで締め付けて元に戻るわけでありません。
骨盤の開きは産後のホルモンバランスが整うのと共に産後4~6カ月で自然と元の状態に戻ります!
なので、無理に骨盤をもとに戻すようなコルセットの使用や、無理な運動をする必要はありません。
ではなぜ、多くの産後ママは骨盤回りの歪みを感じ続けるのでしょうか?
理由は2つあります!
・妊娠中、産後の筋力低下により姿勢がゆがんでいる
・産後の運動方法が誤っている
これらを産後ピラティスで整えることで、骨盤回りの悩みは改善していきます!
産後ピラティスで期待できる5つの効果
(1)衰えた筋肉を鍛える
妊娠時は、非妊娠時より活動量が減ることで筋肉量が減ります。
また、お腹が大きくなることで反り腰になり、お腹の筋肉をうまく使うことが難しくなります。そうなることで、姿勢保持に必要なお腹の筋力が低下していきます。
産後ピラティスでは、1人1人の産後の状態に応じたプログラムでエクササイズをしていきます。
産後のデリケートな身体に無理のない動き・負荷でエクササイズを行い、身体の中心となるインナーマッスルをはじめとした全身の筋肉を鍛えていきます。
(2)姿勢を改善し、骨盤の歪みを整える
妊娠中・産後の筋力低下により、姿勢の歪みを引き起こします。
また、妊娠中に姿勢が崩れることで骨盤回りの筋肉がうまく使えなくなることが多くあります。骨盤回りの筋肉がうまく使えないと、産後の悩みに多い“大きなお尻、ぽっこりお腹、足が太くなる”につながります。
骨盤回りの筋肉をしっかり使えるようにするには、骨盤をニュートラルな位置にただす必要があります。ニュートラルな位置とは、骨盤が傾いていない状態。横から体をみると骨盤がまっすぐにたっている状態をいいます。
骨盤のニュートラルを解説する動画
ピラティスは骨盤をニュートラルな状態でエクササイズしていきます。そうすることで、骨盤周囲の筋肉をしっかりエクササイズすることができ、姿勢の改善につながります!
(3)尿漏れを改善する
妊娠するとプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えます。プロゲステロンには子宮や膀胱まわりの筋肉を緩める作用があり、分泌が増えることで尿漏れを引き起こしやすくなるといわれています。
さらに、妊娠中におおきくなった子宮の下には骨盤底筋という尿を我慢するときに必要な筋肉があり、この筋肉が子宮の重さに耐えきれず伸びてしまいます。
そうすることで筋力低下を引き起こし、尿を我慢しにくい状態に陥ります。
産後ピラティスではこの骨盤底筋というインナーマッスルを強化していくため、尿漏れの改善に大きな効果が期待できます。
(4)浅い呼吸の改善
産後のママは浅い呼吸の方が多いように感じます。
妊娠後期になり、大きくなったお腹は呼吸に必要な横隔膜(筋肉)を押し上げます。そのため呼吸リズムが崩れ、妊娠中に浅い呼吸になりやすいのです。
習慣化してしまった浅い呼吸は、産後もそのまま続くケースが多くあります。
浅い呼吸は身体にデメリットしか及ぼしません。
・免疫力を下げる
・頭痛など自律神経の障害を起こしやすくなる
・肩こりになりやすくなる
産後ピラティスでは深い呼吸をしっかり身に着けていきます。
深い呼吸は自律神経系を調整し、リラックス効果もあるため産後の不調の改善に最適だと思います!
(5)産後のダイエット
ダイエットをしたい!という産後のママは多いと思います。私もその一人でした。ですがお伝えした通り、産後の身体はとてもデリケート。無理な運動は逆に不調を招く原因になりかねません。
産後ピラティスでは無理なエクササイズは行いません。
インナーマッスルを深い呼吸とともにエクササイズしていくことで姿勢を改善します。
姿勢が改善すると、身体の筋肉を効率よく使うことができ、自然に引き締まった身体にかわっていきます!
「とにかく体重をおとしたい!」のであれば筋肉を引き締める産後ピラティスは向いていないかもしれません。
「引き締まった美しい身体になりたい!」のであれば、産後ピラティスはしっかりあなたの身体づくりをお助けできると思います!
産後はピラティスとヨガどっちがおすすめ?
産後運動をはじめようと思った時に、ヨガも思い浮かびますよね!
ピラティスとヨガはどちらも身体に無理のない動きで筋肉を鍛え、精神面も整えるエクササイズという点では共通しています。大きく異なるのは目的です。
ピラティスは深い呼吸と身体の動きを連動させたエクササイズ。インナーマッスルを鍛え姿勢の改善を図ることを目的としています。
鍛えるだけでなく、ピラティスのエクササイズを通してストレスの軽減も図れます。
一方、ヨガは深い呼吸とポーズで心の安定を図ることを目的としています。
なのでピラティスとヨガ、どちらも産後の身体にはピッタリの手段だと思います!
引き締まった身体にしたいし、心の安定もはかりたい!場合は産後ピラティスを。心の安定を第一に考え、柔軟な身体を目指したい!場合は産後ヨガを選択するという方もいらっしゃいますよ。
産後の自身の状態や理想に応じて、選択していくことをおすすめします!
育児中の姿勢チェック!産後ピラティスはこんな人におすすめ!
産後の方とお話させていただくと、多くの方が肩こりや首の痛みを感じています。
私も産後は常に肩こりを感じていました。
産後ママの不調の多くは、育児中の姿勢が原因になっていると知っていましたか?
チェック項目を参考に、姿勢の歪みを確認してみましょう!
- 授乳中にママの背中が丸まり(猫背)首は常に下を向いている
- いつも決まった側の身体で赤ちゃんを抱っこしている
- 抱く時にお腹で赤ちゃんを支えて反り腰になっている
- 横座り・割り座(正座の状態から両あしを開き、おしりを床につけた姿勢)が多い
- お腹側に抱っこ紐をした時にいつも赤ちゃんの位置が腰にきている
何個あてはまりましたか?
1つでも当てはまった方は、産後ピラティスがきっと身体を楽にしてくれると思います!
我が子はもうすぐ2歳になりますが、毎日毎日抱っこを要求してきます(嬉苦笑い)。
抱っこ抱っこの時期は長く続きますよね。そんな毎日の良くない姿勢の積み重ねで、少しずつ不調を招きます。
なかなかエクササイズ時間がとれないママは、まずは毎日の姿勢から見直してみましょう!
- 授乳する時は膝の上にクッションを入れてママが猫背にならにようにする
- 授乳する時の姿勢は骨盤を起こして左右の座骨に均等に体重がかかるようにする
- お腹側で抱く時は赤ちゃんを高い位置で抱き、腰が反らないように注意する
無理に意識すると疲れ・ストレスの原因になりかねます。できる範囲で大丈夫。1日1回でも意識するか、しないかの差が大きいと思います。
私も意識できない日もあります。そんな日は、次の日に意識する回数を増やしてチャラにしています(笑)
そんな1回1回の積み重ねが、確実に姿勢の改善につながりますよ!
産後ピラティスはどれぐらいで効果がでるの?
こんな言葉を耳にしたことはありませんか?
「産後の体は産後6カ月の間に引き締めないと戻らなくなる」
「産後はできるだけ早く運動をはじめるほうがいい」
私はそうは思っていません。産後の回復は人によって異なります。
産後6カ月でようやく産前と同じような体調に戻ったという方も多くいらっしゃいます。なので、焦らずご自身の体調に応じてエクササイズをはじめて下さいね。
前にもお伝えした通り、妊娠によって開いた骨盤は自然にもとに戻ります。
開始時期は問わず、週2回程度産後ピラティスをおこなった例をもとに、効果がでるまでの期間をお伝えします。効果を感じるまでの期間は目的によって異なります。
産後のダイエットを目的にはじめた場合
筋肉がつくまでに約3カ月、見た目が変わるまでに約6カ月
骨盤まわりの歪みの調整を目的にはじめた場合
鏡をみて、姿勢が変わったと感じるまでに2カ月
肩こりなど不調の改善を目的にはじめた場合
良くなった!と感じるまでに1カ月
ピラティスを作ったジョセフ・ピラティス氏は「ピラティスを10回した後に自分自身で違いを感じ、20回後にはまわりが気づき、30回後には体質が変わってくる」という言葉を残しています。
継続が必要ということですね。
産後ピラティスは、無理ない頻度と負荷で楽しく続けられたらことが大切だと思います!
産後ピラティスをはじめる時に気をつけたいこと
私がいつも産後ピラティスを受ける生徒さんにお伝えすることがあります。
それは、“焦らないこと” 。
産後は身体だけでなく、心もデリケートな状態にあります。
早く体型をもとに戻したい一心で頑張る生徒さんが多いですが、産後の身体はもうすでに生活するだけで頑張っているのです。
焦ってやみくもにエクササイズするよりも、決まったエクササイズでも良いので毎日少しずつ継続することが大切です。
赤ちゃんが寝ている間の30分をエクササイズ時間にあてたとします。
赤ちゃんが15分で起きてしまったら、他のどこかでもう15分しないと…と思わずに15分も出来た!と自分をほめてあげましょう!
産後の生活は想像以上に大変です。
継続が大切とお伝えしましたが、そういかない日もあると思います。
続けないといけないというプレッシャーを捨て、エクササイズ1回1回を楽しみながら自身と向き合う時間にしていけるといいと思います!
自宅で出来る産後ピラティスのやり方<YouTube>
産後のピラティス、始めたいけど何を参考にしたらいいか悩みますよね。
そんな方にYouTubeを紹介します!
骨盤まわりの歪みを改善したい方はこれ!寝ながらゆっくりと骨盤まわりを動かしていくエクササイズです。
産後の悩み、ぽっこりお腹と尿漏れでお悩みの方はこれ!筋肉や骨盤まわりの解説もあります。
産後ピラティスが受けられるスタジオ2選
Zenplace
11の都道府県にスタジオをもつzenplace。産後リカバリーピラティスプランがあり、マンツーマンでのレッスンをしています。
身体の状態を丁寧なカウンセリングで把握し、プログラムを立ててくれるそうですよ!
BIRTH Pilates Studio
完全個室でマンツーマンレッスンのスタジオです。産後はデリケートな時期なので個室はありがたいですね。
マシンだけでなく小道具をつかったエクササイズも多く、自宅でもできそうなエクササイズを教えてくれるそうです!
おわりに
産後の身体は、いままでの身体が全てリセットされた状態にあります。産後ほど、より良い身体づくりをするのに適している時期はありません!
ですが、産後の女性はホルモンバランスが乱れ、心にも体にも大きなストレスがかかっているので無理は禁物です。
自分のペースでゆったりと身体に向き合えたら最高ですよね。
産後ピラティスは、産後の女性の心と身体の回復に最適のエクササイズです。
産後ピラティスを通して、理想の身体に近づくことを応援しています!
ピラティスとヨガの違いを詳しく知りたい方はこちらをチェック!
>>ピラティスとヨガの違いを徹底紹介!初心者が選ぶならどちらがおすすめ?