ヨガとピラティス、心身の健康に良いと言われるこの2つのエクササイズ。
「ピラティスとヨガってどっちが瘦せるの?」
「どちらが自分に合っているのかな?」
このような疑問を持っている方のために、この記事では、ピラティスとヨガの起源や効果、使用するツールやダイエット効果、「同じように見えて実際は何が違うの?」「こういう人にはこっちがおすすめ!」などを解説していきます。
ピラティスとヨガ、どっちがいいか迷っている人は参考にしてくださいね。
目次
ピラティスとヨガのエクササイズの共通点
- 身体を伸ばすことを重視したエクササイズ
筋トレなど多くのトレーニングが身体を縮める動きが多いのに対し、ピラティスやヨガでは身体を伸ばす動きが中心となっています。この『伸ばす』という動作が、身体のゆがみを整え、柔軟性を向上させる効果をもたらします。
心身の健康を促進
効果にも、以下の共通点があります。
- 身体のゆがみを整える
- 筋力と柔軟性を向上させる
- 新陳代謝を促進する
- 心と身体のバランスを整える
呼吸を重視したエクササイズ
ピラティスとヨガは、どちらも呼吸を非常に重視しています。正しい呼吸法を身につけることで、より効果的にエクササイズできるだけでなく、メンタルバランスの安定やストレス解消にも繋がります。
ピラティスとヨガのエクササイズの違い
ヨガの特徴
ヨガは、静止のポーズ(アーサナ)を中心としたエクササイズです。
- 様々なポーズを数秒間キープしながら、深い呼吸をおこなう
- ストレッチだけでなく、バランスを取ったり、きつい体勢をキープしたりする
- 単に止まっているのではなく、身体を伸ばしながら安定したポジションを作る
- 難易度は幅広く、初心者から上級者まで自分のレベルに合わせられる
- 身体に深く意識を向けることで、自己の状態や変化に気づくきっかけになる
- 多くのクラスでは最後に瞑想の時間が設けられている
ピラティスの特徴
ピラティスは、動きを中心としたエクササイズです。
- 流れるように常に身体を動かし続ける
- 体幹部のインナーマッスルを意識した動きが多い
- 形を追うのではなく、「動きの質」を重視
- 難易度は幅広く、初心者から上級者まで自分のレベルに合わせられる
- マットピラティス、マシンピラティスなど種類がある
- 寝た状態でのエクササイズが多く、運動不足の方や高齢者も安心
ピラティスとヨガの起源の違い
ヨガの起源
ヨガの起源は4500年ほど前のインダス文明。もともとのヨガは、単なる運動ではなく、日常生活全体を包括する修行法でした。
自分の心の在り方や精神の安定などを目的とし、以下のようなことを重視していました。
- 心の安定を重視する
- 日々の恵みに感謝する心を育てる
- 自分自身と向き合う時間を大切にする
現在、広く行われているヨガの多くは『ハタヨガ』と呼ばれるものです。ハタヨガは、主に体のポーズ(アーサナ)と呼吸法を中心とした流派のことです。
ちなみに、ヨガ発祥の地インドではハタヨガのようなポーズをとるヨガを実践している人は少数です。
『ハタヨガ』のエクササイズとしての効果が評価されるようになり、アメリカを中心に広まりました。その後、宗教的思想は弱まり、今では健康法のひとつとして、多くの人に認知されるようになっています。
関連記事:ハタヨガとは?5つの効果と初心者におすすめのポーズ
ピラティスの起源
ピラティスは、20世紀初頭にドイツ人のジョセフ・ピラティスによって考案されたエクササイズです。
元々は、『コントロロジー』という名前でした。
コントロロジーとは、
- 『コントロール』と『学問』を組み合わせた造語
- 身体の動きをコントロールしながら、全身のバランスを整えることを目指す
- ピラティス氏の身体や運動に対する独自の考え方、哲学
簡単に言えば、ピラティスが考案した健康法が『コントロロジー』
そして、『コントロロジー』を実践するために作られたエクササイズが今のピラティスです。
ジョセフ・ピラティスは第二次世界大戦中、看護師として働き、負傷した兵士たちに自身の健康法やベットの上で寝たままでもできるエクササイズを考案しました。
この経験が、後のピラティスエクササイズやコントロロジーの理論を生み出すきっかけであり、ピラティスがリハビリ発祥の運動と言われる理由です。
ピラティスとヨガの呼吸法の違い
ヨガの呼吸法
ヨガでは主に「腹式呼吸」を用います。
鼻から吸い、鼻から吐く呼吸が一般的です。ゆっくりと深く息を吸い、ゆっくりと吐き出すことで、副交感神経を活性化させ、リラックス効果が高まります。
ピラティスの呼吸法
ピラティスでは「胸式呼吸」を基本とします。
鼻から吸い、口から息を吐く呼吸が一般的です。胸を広げるように息を吸い、交感神経を適度に刺激することで、リフレッシュ効果が高まります。
このように、ヨガの呼吸法は心身をリラックスさせることに重点を置いているのに対し、ピラティスの呼吸法は体を活性化させ、よりコア、体幹部を引き上げることを目的としています。
しかし、どちらも目的によっては、呼吸法を変化させることがあるため、上記の呼吸法が絶対ではありません。
ヨガでは精神的な安定とリラックスを、ピラティスでは体幹の強化と身体機能の向上を目指すため、呼吸法もそれぞれの目的に合わせて違った特徴があるのです。
ピラティスとヨガの効果の違い
ヨガの効果
ヨガは、心身のバランスを整える総合的なアプローチを取ります。
- 腹式呼吸と瞑想によって、心身をリラックス
- ストレスホルモンの減少を促進
- 様々なポーズを通じて、全身の柔軟性をアップ
- 関節の可動域を広げ、動きやすさも改善
- 瞑想や呼吸法により、精神的な落ち着きをもたらす
- 集中力を高め、日常生活でのパフォーマンス向上にも
- 身体の歪みを整え、適切な姿勢に
- 背骨の柔軟性を高め、姿勢関連の不調を軽減
- 深い呼吸と汗をかくことで、体内の循環を促進
- 血液循環を改善し、新陳代謝を活性化
ピラティスの効果
ピラティスは、主に体幹部に意識を向けておこなうエクササイズです。
- コア(お腹、背中、腰)の筋肉を効果的に鍛える
- 全身の安定性を向上させる
- 深層筋を効果的に鍛え、内側から引き締める
- 身体の軸を強化し、全身のバランスを整える
- 体幹の筋力強化により、正しい姿勢をキープ
- 猫背や腰痛などの改善
- 体幹の安定性が増すことで、全身のバランスや動きが向上
- スポーツのパフォーマンス向上
- バランス感覚の向上により、転倒や捻挫などのリスクを減らす
- 関節や筋肉への無駄な負担が減り、怪我の予防にも
ピラティスとヨガのツールの違い
ヨガで使用する主な器具やツール
ヨガでは、ポーズをキープすることが多いため、安定性と快適さを重視したツールが使用されます。
ヨガマット
- 薄手で滑りにくく、安定性を重視した素材
- ピラティスマットと比べると、サイズは小さめ
また、以下のツールを用いることがあります。
- ヨガブロック
- ヨガストラップ(ヨガベルト)
- ボルスター
これらの器具は、ポーズをより安定させるためや、柔軟性が足りない部分をサポートしたりするために使用されます。
ピラティスで使用する主な器具やツール
【マットピラティス】
寝た状態や座った状態での動きが多く、クラスの目的に合わせてツールを使用します。
ピラティスマット
- ヨガマットよりクッション性が高く、厚みがある
- 寝た状態で手や足を延ばすため、ヨガマットと比べると、サイズは大きめ
また、以下のツールを用いることがあります。
- エクササイズボール(ピラティスボール)
- マジックサークル(ピラティスリング)
- セラバンド
【マシンピラティス】
以下のような専用器具(ピラティスマシン)を使用します。
- ベッド状の台にスプリングとスライド式の台座がついた器具
- 全身運動や筋力トレーニングに
- 負荷の調整が可能
- フレーム付きのベッド状の器具
- バーやスプリングを使って様々な運動が可能
- 上級者向けの複雑な動きも
- 椅子のような形状の器具
- 座位や立位でのエクササイズに
- バランス感覚の向上や下半身の強化に効果的
- 樽を半分にしたような半円筒状の器具
- 背中や腹部のストレッチに
- 姿勢改善や脊柱の柔軟性向上に効果的
ピラティスマシンを使用することで、より効果的に体幹を鍛えることや、特定の筋肉群にアプローチすることができます。
ピラティスとヨガ、ダイエットにはどっちがおすすめ?
単純に体重を減らしたいという目的であれば、有酸素運動などと比べると、どちらも消費カロリーや脂肪燃焼効果はあまり高くないため、短期的なダイエットには向いていないかもしれません。
しかし、痩せやすい身体や美しいボディライン作りを目指すのであれば、おすすめです。
ヨガのダイエット効果
- ストレス解消効果が高く、ストレス性の過食を防ぐ
- 睡眠の質を改善し、体調管理に役立つ
- 柔軟性の向上や体の歪み改善に効果がある
- リラックス効果が高く、長期的な継続が期待できる
ピラティスのダイエット効果
- インナーマッスルを効果的に鍛えられる
- 身体を効果的に動かせるようになることで、運動効率が良くなる
- 呼吸や姿勢が改善することで、脂肪が燃えやすい体質に
- 体幹の強化での、姿勢改善や身体の引き締め効果
運動に慣れていない人はもちろん、運動してみたけどあまり結果が出なかったという人にも、身体を整えることでより健康な身体になることでダイエットも成功しやすくなるかもしれません。
また、人によって、痩せやすい理由は異なるため、ピラティスとヨガを体験してみて、体調や身体の変化の違いをチェックしながら、より、自分に合っているものを見つけてみるのがいいでしょう。
ピラティスとヨガ、あなたに合うのはどちら?
ピラティスとヨガ、どちらも素晴らしい効果をもたらすエクササイズですが、個人の目的や好みによってどちらがあっているのかは異なります。
以下のポイントを参考に、どっちが自分に合っているのか選んでみてくださいね。
エクササイズや効果からみた、それぞれのおすすめな人
- ストレス解消を重視する方
- 柔軟性を高めたい方
- 精神的な安定や集中力の向上を求める方
- デトックス効果を期待する方
- 瞑想や精神性を大切にしたい方
- 体幹を強化したい方
- インナーマッスルを鍛えたい方
- 姿勢改善を目指している方
- スポーツのパフォーマンス向上を求める方
- 怪我の予防や回復に取り組みたい方
突然ですが、質問です!あなたは海派?山派?
海派 VS 山派。性格からみたおすすめは?
あくまで個人的な意見ですが、性格や好みからのおすすめもお伝えしておきます。
『好きなのはどっち?海派VS山派』
海派 → ヨガ
山派 → ピラティス
【海派】
海派の人は、エネルギーを発散する、どちらかと言えば外向的な側面が強いと言われています。そのためか、海派の人にはヨガが合っている人が多いように思います。
- 人との交流からエネルギーをもらう
- グループでの活動を楽しめる
- 新しい出会いや体験を求める
- 広大な海を眺めるのが好き
- 開放感を求める
- 波の音など、自然感が好き
ヨガのレッスンでは、身体を大きく広げるポーズが多いなど、ピラティスよりも開放感を味わえます。また、クラスでの一体感も、外向的な人にはぴったりかもしれません。
【山派】
山派の人は、エネルギーを内側に取り込む、どちらかと言えば内向的な側面が強いと言われています。
そのためか、山派の人にはピラティスが合っている人が多いように思います。
- 一人の時間からエネルギーを得る
- 深い集中力がある
- じっくり考えてから行動する
- 山の静けさや厳かさを好む
- 少しづつ登っていく達成感を楽しむ
- 自然のパワーを内に取り込む
ピラティスは、身体の内側に意識を向ける繊細な感覚が必要です。これは、内向的な人の集中力や細やかな観察力と相性が良いかもしれません。
- 外向的で、人との交流を楽しめる方
- 広い空間や開放感を好む方
- 体を大きく使う動きが好きな方
- 内向的で、集中力が高い方
- 静かな環境で自分と向き合える方
- 細かい動きや精密な作業が好きな方
もちろん、これはあくまで一つの見方です。実際には、海派で外向的でもピラティスが大好きな人や、山派で内向的でもヨガにはまる人もたくさんいます。
まとめ
ヨガとピラティスは、どちらも素晴らしい効果を持つエクササイズです。共通する部分もありますが、それぞれに違った特徴もあります。
心身のリラックスや精神的な安定を求めている場合は、ヨガがおすすめです。体幹強化や姿勢改善、効果的なボディメイクを目指すなら、ピラティスが適しているでしょう。
また、両方を組み合わせて実践することで、より総合的な効果を得ることもできます。
まずは体験レッスンなどで実際に体験してみて、どちらが自分に合っているか確かめてみてはどうでしょうか。