ヨガインストラクターになって、たくさんの人にヨガを伝えたいと思いませんか?
夢をふくらませて、将来は海外でヨガインストラクターとして働くことに興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
コロナ渦の現在、ヨガレッスンの形も変化しつつあります。対面でレッスンができないというジレンマはありますが、見方を変えてポジティブ思考に転換することは可能です。
さまざまなオンラインレッスンが潮流になってきている昨今、日本にいながらオンラインを使用して、海外にいる外国人にもヨガが教えられるのではないでしょうか?
コンピューターとネット接続さえあれば、世界中のどこからでも、国籍を問わず、あなたのヨガレッスンが発信できる時代になったのです。
筆者のプロフィールとヨガとの出会い
私はイタリア在住20年、ヨガインストラクターのYokoです。
1年の語学留学のつもりが、ローマ人の夫と結婚、出産、育児。まさに光陰矢のごとしです。ヨガとの出会いは約15年前のこと。私とヨガの出会いはいつも、人生の苦しい時にやってきました。
苦難の時期に出会ったイタリア人女性のヨガの先生の影響をうけ、私も彼女ようにヨガを教えたいと思うようになりました。イタリアでインストラクターの資格を習得し、現在にいたります。
海外のヨガ(教室の雰囲気、もしくはインストラクター)はどんな空気の中で行われているのか、みなさんご興味ありませんか?
日本人である私が、現地でヨガを教えられるのかしらと最初は不安もありました。ところが、実際に教え始めると、意外や意外、外国人であるというネックはほとんど感じませんでした。
もちろん、最初は緊張の極致、上手くレッスンができないと自分を批判したり、やっぱり無理だわ!なんてあきらめそうになったこともあります。
そんなとき、私と同じようにイタリアで働く外国人ドクターの言葉が背を押してくれました。
「外国人だって、言葉の壁があったって、君のレッスンが受けたい人は君のところに来るんだよ!僕のところに来る患者さんだって同じだ。僕のイタリア語だって下手だけど、それでも外国人の僕に診てほしいって来るんだから」
さらに、イタリア人の友人からもこんな励ましの言葉が。
「もし、イタリア人のヨガクラスと日本人のヨガクラスが同じ時間にあったら、私は日本人の先生を選ぶと思う!だって、ヨガってやっぱり東洋の文化でしょ?それならばやっぱりイタリア人より日本人に信頼をおくわ!」
外国人であるということは、経験を積んでいけば、ヨガやそれを教える技量とは無関係であることを実感しています。
もちろん、ある程度の語学力は必須。ポーズの取り方、アジャスト、きっちり説明する必要があります。しかし、イタリア語の文法があってるとか、まちがってるとか、そんなことは問題ではないのです。
私のクラスに3年近く通ってくださっている生徒さんたちは、わたしの文法がまちっていたり単語の選択を誤っていれば優しく訂正してくれます。
また、そんな言葉の間違いが笑いを誘い、逆にクラス全体をあたたかい雰囲気にしてくれることもよくあります。
「先生のイタリア語のシャバアーサナは、すごくリラックス出来るから録音させて」と生徒さんから言われびっくりしたこともあります。
最近では悩みごとの相談にのって欲しいなんて言われたり。私のヨガレッスンを受けたいという生徒さんが、着実に増えているのは、とても嬉しいものです。
つまり、海外でヨガインストラクターをしていくのに大事なことは、あなたの人としての魅力、熱意、あなたの伝えるヨガそのものなのです。
そして、自分自身を批判しないことが最大のポイントです。
うん、私にもできるかも!と思い始めてきたでしょう?
さて、思い切って私も海外でヨガレッスンを始めてみようと決めたら、あなたはどんなヨガレッスンをしようと思いますか?
海外のヨガ事情を知ることで、自分のヨガレッスンの形態を見つけれるきっかけや、他のインストラクターのレッスンにないオリジナリティを発見できる機会にもなると思います。
それでは、私の住んでいるイタリアと日本のヨガとイタリアの違いを見てみましょう。
イタリアと日本のヨガの違い
日本のヨガはアメリカから輸入されたヨガが中心ですし、RYTの資格などがメジャーですよね。
イタリアでは、最近になってアメリカから到来したヨガも普及し、RYT指定のティーチャーコースも増えてきています。一方で、70年代にインドにてヨガを学んだ先生がこちらに帰ってきて教え始めたというケースが多いです。
私の先生もその1人です。
ASHTANAGA YOGAというと日本ではPATTABI JOIS先生ですが、こちらではヨガスートラを書いた聖人PATANJALI先生を指すことの方がまだまだ多いのが実情です。
最近はいろいろなヨガ教室も増えて、スポーツクラブの中でも気軽にヨガレッスンを受けることができるようになりました。
どんな種類のヨガ教室があるの?
イタリアでは、ヨガ教室というといわゆるハタヨガが中心です。
それ以外では、クンダリーニヨガ、ヴィンヤサヨガ、アイアンガーヨガ、ビクラムヨガ、パワーヨガ、アヌサラヨガ、シヴァナンダヨガ、インヨガなどがあり、アイアンガーヨガ、クンダリーニヨガはこちらではメジャーです。
ラフターヨガも一時期とても人気でしたが、最近はあまり目にしなくなりましたね。エアリアルヨガもここ2,3年でちょこちょこと増えていますが、まだまだ一般的とは言えません。
伝統的なヨガ、武士道と禅を融合したオダカヨガもイタリア発です。背骨のウェルネスを重視したスパインヨガという、イタリア人の先生が作った独自のメソッドもあります。
意外にも、日本よりもバラエティ豊富なヨガ教室が存在します。
しかし基本は昔ながらのハタヨガ、瞑想がセットになった教室が多いですし、ヨガ哲学もとても重要視されているのが実情。ヨガは生き方やスピリチュアルなものと捉えられているのです。
実際のヨガ教室ってどんな感じなの?
それでは、昔からのヨガ教室をのぞいてみましょう。
扉を開けるとお香の甘い香りが漂ってきます。壁にはヒンドゥー教の神様の絵が掛けてあったり、OMのシンボルや仏像が置いてあったりと、日常を忘れる異空間にいるような気分になります。
さまざまなシンボルのデコレーションは、無意識に働きかけるパワーがあるものとして、大切にされているのです。ヨガのポーズも動物や植物、聖人の名前がついているように、シンボリズムとヨガは密接につながっているというのを感じさせられます。
また、ロウソクも大事なアイテムですね。ネガティブなエネルギーを浄化してくれるものとして、教室ではよく使用されます。
インド特有のマントラ音楽の時や、Newage系アーティストの歌うマントラがレッスン中には流れています。
こんな非日常的な空間に一歩足を踏み入れると、ヨガのプラクティスがとてもスピリチュアルで神聖なものに感じられます。視覚、聴覚、嗅覚に語りかけてくるヨガ教室の雰囲気は、プラクティスをより集中させてくれる重要な要素なのです。
レッスンの流れは?
レッスンの始めに、OM Shanti Shanti Shantiなどのマントラを唱えてからレッスンが始まります。これは、「さあ、今から外の世界に向いている感覚や心を自分の内なる世界へ移動させますよ」という大切な意味が隠されています。
そして、1~2分間の沈黙のあと、呼吸を組み合わせたストレッチ、ポーズを行っていきます。その後、プラナヤーマと続き、サヴァアサナでリラックスという流れが主流です。
プラナヤーマの後にマントラやそれぞれのチャクラを刺激する母音を唱えたり、トラタカというロウソクの炎に集中する浄化プラクティス、ビジュアリゼーション(色や、シンボル、時には幸せを感じる瞬間だったり)の練習から短い瞑想を行ったりもします。
リラックスの最後に先生がヨガ哲学に関する一節を読むことも。
ヨガのレッスンというと、日本ではやはりポーズが中心になることが多いと思います。こちらでは、ヨガのいろいろなプラクティスが360度ひとつのレッスンに組み込まれています。
もちろん、レッスンの時間は限られています。インストラクターがどこに重きを置くかでレッスン内容は大きく変わってきますね。
実はイタリアにもあるヨガアシュラム
ヨガアシュラムはインドにしかないと思いがちですが、イタリアにも実はあるのです。
一番よく知られているのは、ウンブリア州アッシジの町にあるANANDA YOGA ASHRAMですね。パラハマンサ・ヨガナンダの弟子であったスワミ・クリヤナンダ先生が設立した世界に8つあるアシュラムのひとつです。
滞在型のコース、一日体験のコース、瞑想セミナーなどが体験できます。そして、もうひとつはリミニのトラリヴィという町の山の中にあるSATYANANDA ASHRAM ITALIA。
スワミ・サティヤナンダ先生はスワミ・シヴァナンダ先生の弟子にあたります。現在はオンラインレッスンも行っているようなので、もちろん日本からも参加が可能です。
どちらもスピリチュアルなヨガ哲学を大切に受け継いだコースを行っていて、インストラクターコースも完備しています。
イタリアのインストラクターコースはどんな感じ?
イタリアには日本でもおなじみのヨガアライアンスによるRYT認定コース、CONIというオリンピック委員会認定コース、イタリアヨガ協会認定、そして州認定コース、先生独自のコースといろいろな種類があります。
経験豊かな年配の先生たちは、インドで学んできた、もしくはインドで学んできた先生のもとで経験を積んだ、というような形が主流。認定コースができ始めたのはここ最近です。
イタリアでどのインストラクターコースを選ぶのか迷ったとき、ヨガをスポーツととらえるのか、それとも哲学ととらえるのか、ここが大きなポイントになります。
私の習得した州認定コースでは、ヨガをスポーツとはとらえていません。もちろん、ポーズの勉強、アナトミーも一通り勉強しますが、瞑想、哲学、そして自分自身を知るということがとても重要視されていました。
個人的にはまず、こんな先生になりたいとかこの先生のレッスンが好き、というその先生を見つけるのが一番だと思います。
その先生がたどってきたインストラクターコースを調べて、一番自分に合ったコースを見つけるのが近道になると思います。
まとめ
ある程度の語学力さえ身につけば、海外でインストラクターコースを受けることは難しいことではなく、さらにそれを生徒さんたちに教えることも可能です。
海外で学んだヨガを日本に持ち帰り、他と一線を画するヨガインストラクターとして活躍することも夢ではないですよ!
このコロナ渦だからこそ、オンラインを最大限に活用し、国境を越えたヨガインストラクターの道を開いてみませんか?!あなたのレッスンを受けたいと思う人々が、きっと世界中にいると信じて!
ヨガのインストラクター講座はオンラインでも開催されています。興味のある方はこちらをご覧ください。
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