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ヨガ講師かつ理学療法士の私が教える【ストレッチとヨガ】5つの違い

ストレッチをすると体がぐーんと伸びて気持ちがいいですよね。毎日のルーティンとなっていたり、トレーニングやウォーキング、ランニングの前後でも行うことがあるかもしれません。

今回、そんなケガの予防にもなるストレッチと、ヨガの五つの違いについてお伝えしていきます。

ストレッチとヨガの五つの違いとは?

1.筋肉の伸びと筋膜の広がりが違う

ストレッチは、目的とする筋肉を伸ばしてその柔軟性を改善させるエクササイズです。伸ばしたい筋肉が体のどこからどこまで付いているのか、どんな姿勢で行えば気持ちよくストレッチができるかを理解して行うことが大切です。

基本的に一つ、もしくは隣接している筋群を伸ばしていきます。

一方ヨガでは、一つの筋肉を伸ばすというよりも、筋肉から筋肉へと体全体の広がりを感じながら伸ばしていくような感覚です。

また、一つ一つの筋肉はそれぞれ筋膜に包まれていて、さらに筋膜は全身でつながっています。ヨガでは、まるで狭く硬くなっている筋膜にアイロンをかけて伸ばし、体全体を広げていくような感覚なのです。

つまり、ストレッチでは筋肉の伸びを、ヨガでは筋膜の広がりを感じているということです。

2.緊張を生み出す心か、静けさを目指す心か

ストレッチをしているときの心はどんな状態でしょうか。姿勢は保てているか、目的とする筋肉は伸びているか、痛みが起きていないかなど、心に緊張感を持ちながら、筋肉の状態に意識を集中させているのではないでしょうか。

これは、筋肉を効率的に伸ばしたり、傷めないようにするためには大切なことではありますが、心は自由ではないかもしれませんね。

次にヨガでの心の状態を考えてみましょう。

ヨガポーズを練習する時、伸ばされている筋肉や体中の筋膜の広がりを感じていきます。この時、体の感覚と同様に、心の状態が安定しているかということを重要視しています。

心が緊張しすぎたり緩みすぎたりしないよう、心と体のバランスを保つことを目指しているのです。

例えば、どこか体の一部で違和感を感じだしたら、心もザワザワと動きだし、不安な感情もおこっていきます。そのため、心と体を安定させ、静かに瞑想しているかのようにヨガの練習をしていくのです。

ストレッチであってもヨガであっても、心を緊張させすぎないことが大切ですね。

3.浅くて速い呼吸と深くてゆったりとした呼吸の違い

呼吸は、その時々の心と体の状態を映し出しているのではないでしょうか?

例えば、目上の人に会う時や、重要な会議で発言をする時など、緊張する場面を想像してみてください。呼吸が浅くなって心臓の鼓動も速くなり、体も硬くなっていきませんか。このように過剰な緊張を感じている時は、交感神経が優位となっています。

また、眠気を感じている時や、ゆったりとお茶を飲んでいる時、呼吸は自然に深く長くなり、心臓の鼓動も緩やかになります。全身の力が抜けて顔の表情も柔らかくなり、心も平和になりますよね。

このようなリラックスをしている時は、副交感神経が優位となっています。

ではストレッチをしている時は、どんな呼吸でしょうか?

ストレッチでは、目的とする筋肉を伸ばすということに意識を集中させるので、呼吸のことを忘れてしまうことが多いように感じています。

また、姿勢を整えたり、筋肉をしっかりと伸ばしたいと思いすぎると、かえって体が緊張して呼吸が浅くなったり、筋肉も硬くなってしまうことが予測されます。

そのため呼吸が浅くならないよう、緊張しすぎないようにしながらストレッチを行うことが大切です。

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ヨガの呼吸についても考えてみましょう。

ヨガの呼吸には、心と体を落ち着かせたり、体温を調節することもできるので、さまざまな効果が期待できます。ヨガのポーズを練習している時は、深くてゆったりとした呼吸を繰り返しながら、交感神経と副交感神経のバランスを整え、内臓の働きも促していきますので、常に呼吸を観察し続けています。

呼吸は、自律神経のバランスにも影響を及ぼします。安定した呼吸を目指しましょう。

4.姿勢の安定と体の中心を安定させることが違う

ストレッチを行うときには、目的とする筋肉をしっかりと伸ばせるように姿勢を整える必要があります。安定した姿勢を作ってストレッチを行うことで、より筋肉を気持ちよく効果的に伸ばすことができます。

またヨガでは、体の中心を感じて安定させることを大切にしています。呼吸のところでも、お話をさせていただきましたが、ヨガでは深い呼吸によって、おなかのまわりの筋肉を働かせて内臓の位置を安定させていきます。

つまり、内臓や体の中心を安定させながらヨガのポーズを練習していくのです。

余談ではありますが、理学療法研究においても、おなかまわりの筋肉を働かせて体幹の安定を作り出すことが、動き出す前の準備として重要だということがわかっています。

体の中心である体幹が安定することで、より手足の筋力を発揮することができたり、手足を広げて伸ばしやすくなるそうです。ヨガで大切にされてきたことは、現代の理学療法や治療においても取り入れるべき価値のある教えだと言えるのではないでしょうか。

ヨガでは、内臓や体の中心の感覚を大切にしているという違いがありますね。

5.ストレッチは局所、ヨガは全体

ストレッチ
ストレッチを行う時には、目的とする筋肉を伸ばすために、体の局所に意識を集中させていきます。筋肉を伸ばしすぎて、けがをしないためにも大切なことです。

ただ呼吸が浅くなると筋肉は硬くなるので、姿勢を整えて呼吸にも意識を向けておくことが必要ですね。

また一方で、ヨガの練習では体の中心を感じながら手足の末端まで意識を向けて、筋膜を伸ばし広げていくので、より体全体に意識を向けておくことが大切です。

ストレッチとヨガ、それぞれで意識を向ける場所が違っているようですね。

ストレッチとヨガの違いのまとめ

ストレッチは、目的とする筋肉の付着部を理解し、姿勢を整えて行うことで、筋肉を気持ちよく伸ばすことができます。筋肉の柔軟性を改善したり、関節の動く範囲を広げる、局所的な効果が期待できるエクササイズだと言えます。

一方ヨガでは、ヨガのポーズの練習によって、一つの筋肉を伸ばすというよりも全身につながる筋膜を深い呼吸とともに広げて心と体のバランスも改善していく、体全体を整えるエクササイズです。

ストレッチとヨガ、それぞれの良さや効果があるので、必要な時に選んで用いると良いのではないでしょうか。

例えば、ふくらはぎの筋肉が凝り固まっている時には、膝裏から足首後方についている下腿三頭筋をほぐすことを考えます。この時には、この下腿三頭筋を伸ばすことを目的にストレッチを行います。

また、足首を細くしたい、足の後ろ側全体の筋肉を伸ばしたい時には、ふくらはぎの下腿三頭筋だけではなく、足の指先から足の後ろ側全体の筋肉を伸ばしていくために、ヨガのハイランジやヴィラバドラー1のポーズを練習します。

このように、体のメンテナンスを行う時、その目的に合うエクササイズを選ぶことが大切なのです。

皆様、いかがだったでしょうか。
ストレッチとヨガ、それぞれに良さがあるということなのです。

毎日のボディメンテナンスの際に、ストレッチを行うと筋肉が伸びて気持ちが良いと感じたり、ヨガをすると体中が広がって心地が良いという感覚が生まれたなら、その心と体が喜ぶ感覚を大切にしてくださいね。

きっと今までよりも、ストレッチやヨガが好きになっていくことでしょう。
楽しんでください。

Kou ヨガ講師 / 理学療法士
Kou ヨガ講師 / 理学療法士
<経歴>
4年制大学を卒業後、会社員となるが、数年後、理学療法士を目指して、専門学校に通い理学療法士となる。その後、手術後から慢性期、在宅ケアまで、リハビリテーション全般を経験する。
その後、体調不良となり、一度、理学療法士を辞めて、ヨガインストラクター養成校に通い、ヨガインストラクターとして活動を開始する。
現在は、主にヨガインストラクターと理学療法士、ライターとして活動している。1男の母。

<資格>
理学療法士
RYT200ヨガインストラクター

<得意なテーマ>
①理学療法士として
主に整形外科的な肩こり、腰痛、膝痛などの痛みに対しての治療が得意で好きな治療分野です。身体の捻じれや姿勢不良などに対して、骨格や骨盤矯正、姿勢を整えて痛みの緩和 や改善を目指す治療を行っております。

②ヨガインストラクターとして
ハタヨガを中心に行っております。理学療法士としてのスキルも活かせるものが得意だと 個人的には思っております。そのため、肩こり改善、腰痛改善ヨガや骨盤矯正ヨガなどの体調不良や姿勢改善のためのヨガを得意としております。
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