ホームヨガヨガポーズヨガの呼吸法【ウジャイ呼吸】を正しく行うための5つのポイント!ヨガの要はプラーナヤーマ

ヨガの呼吸法【ウジャイ呼吸】を正しく行うための5つのポイント!ヨガの要はプラーナヤーマ

一部のページは広告から収益を得ています(詳細へ
\ スキマ時間で資格が取れる! /spot_img

1. プラーナヤーマとは?

現在、日本で「ヨガ」と言えば、「アーサナ(ポーズ)」を一番にイメージする方が多いことと思います。そのアーサナと同じように、あるいはアーサナよりも重要とも言えるものが「プラーナヤーマ」です。

プラーナヤーマとは、サンスクリット語で「prana(プラーナ)」と「ayama(アーヤーマ)」という言葉から成り立っています。

「アーヤーマ」は「広げる」、「伸ばす」という意味、「ヤマ」は「指示する」、「管理する」といった意味になります。

そして「プラーナ」とは、目に見えない私たちの心と身体を動かす生命エネルギーを指し、宇宙のあらゆるところに存在すると言われています。

この生命エネルギーは、呼吸と一体となって動くと考えられ、呼吸を長く深くコントロールすることでエネルギーを内側に取り込み、巡りを促して生命力を育む古くから大切にされている練習法であり、「調気法」や「呼吸法」と訳されています。

ヨガを練習されている皆さんは普段のヨガプラクティスのなかで、アーサナの完成形や出来不出来だけにとらわれて練習をされていませんか?

現在のハタヨガの礎を築いたと言われる現代ヨガの父、T.クリシュナマチャリア師の教えでは、呼吸がヨガの中心であり、スムーズに呼吸があるところでアーサナを行うことが大切であると伝えられています。

スムーズな呼吸がなければ生命エネルギーの巡りは滞ってしまい、本来のヨガの目的からは離れ、単なるエクササイズと化してしまいます。

呼吸はヨガにとって要であり、呼吸を深めることで自律神経の変調を防ぐ、内臓機能の向上、脂肪燃焼効果を高める、精神の安定性を培うなどの多くの恩恵を受けることができます。

2. ウジャイ呼吸とは?

ヨガスタジオなどのクラスで、ヨガインストラクターや参加者の皆さんから「スー」「シュー」といった呼吸音を耳にしたことはありませんか?

まるでさざ波のような、もしくは洞窟のなかに風が通っていくような静かな摩擦音を出す呼吸法がウジャイ呼吸です。
朝ヨガ
日本語では「勝利の呼吸」とも訳されるウジャイ呼吸の「ujjayi(ウジャイ)」とは、サンスクリット語で「広がり」や「上昇」といった意味の「ウド」と、「成功」「征服」という意味を持つ「ジャヤ」から成り立っています。

この呼吸法が肺を拡張させ、胸を張った征服者のようなことから名付けられたと伝えられています。

このウジャイ呼吸はハタヨガの基本的な呼吸法でありながら、実際のヨガクラスでは、なかなかゆっくりと指導してもらえることが少ないかもしれません。

隣の人の大きな呼吸音に負けじと、音を無理に出そうと頑張ってしまい喉を痛め炎症が起きてしまったり、大きな摩擦音を意識するあまり余分な力が入ってしまい心地良い呼吸が出来なかったり、クラクラしてしまう…なんてことを経験された方も多いかもしれません。

古くから伝えられる伝統的な教えでは、ウジャイ呼吸は「自分にだけ聴こえ、隣の人には聴こえないくらいの音」と伝えられています。

しかし、現代では比較的大きな呼吸音を出すことが良いとされることもあるようです。

無理に呼吸音を大きく出そうとすると、身体に余計な力みが生じるため、本来の集中とリラックスを共存させるウジャイ呼吸とは大きくかけ離れてしまうため、始めから音を出そうとせず、ご自分の呼吸の音に耳を澄ますようにおこなってみてください。

練習の継続により、自然にウジャイ呼吸ができるようになっているはずです!

3. ウジャイ呼吸の効果

それでは、何故ヨガの練習で呼吸音を出す必要があるのでしょうか?

それは、見えない呼吸を意識しやすいように、また呼吸の質をより高めるためです。

さらに呼吸を意識的にコントロールすることで、気の流れである生命エネルギーをコントロールするためでもあります。(そのためプラーナヤーマは「調気法」とも訳されています。)

ご自分の呼吸音を聴きながらスムーズな呼吸に整えていくことで呼吸の質が高まります。また、ウジャイ呼吸が止まってしまうときは、ご自分の身体に無理にアーサナを強いていないか気づくことができます。

具体的なウジャイ呼吸の実践によって期待できる効果は、

1.身体を温める血行促進効果
2.肺の換気量の増大
3.内臓機能の活性化
4.基礎代謝の向上
5.体幹の強化
6.集中力の向上
7.思考や感情の働きが鎮まり安らぎを培う
8.心の安定を培う

などの効果が主にあげられます。

ご自分の呼吸に耳を傾けるように意識的に呼吸をすることで集中力が増し、思考が鎮まりやすくなり、アーサナのプラクティスが「動く瞑想」となるでしょう。

また「バンダ(骨盤底、腹部、喉の締め付け)」と言われる各部をロックするような力が養われるため、体幹を強化し、姿勢を正す力が養われ、腰痛予防などの効果も期待できるでしょう。

このバンダと言われる腹部などの引き上げにより、胸式呼吸の一種となり肺の換気量が増え、アーサナの質を高めたり、安全におこなうことにつながり、身体の安定感が増すことで心の安定にもつながります。

しかし、腹部を締め付けることから、食後すぐに行ったり、生理前、生理中や妊娠されている方は、強く引き締めるようなバンダはおすすめできませんのでご注意ください。

4.ウジャイ呼吸のおこない方、実践のための5つのポイント

それでは、多くの効果が期待できるウジャイ呼吸を早速試してみましょう!アーサナをおこないながらウジャイ呼吸を練習する前に、まずは座った姿勢で練習をすることがおすすめです。

1.安定した座り方を選び(安楽座やあぐら、椅子に座っても構いません)、背骨を下から順番に積み上げるように心地よい程度に背筋を伸ばします。

2.口から「はぁー」と息を吐き出してみましょう。

【ポイント①】ご自分の顔の前にガラスがあるとイメージして(もしくは実際に手を口の前に置いて)、そのガラスを曇らせるように(手を温めるように)、「はぁー」と口から息を吐き出してみてください。何度か試してみると喉の奥を閉める感覚がおわかりになることでしょう。この「喉を閉める」感覚をつかみましょう!

3.この感覚がつかめたら、今度は口から「はぁー」と息を吸い込んでみましょう。頭の後ろにガラスがあるとイメージして、そのガラスを曇らせるように、「はぁー」と口から息を吸ってみてください。息を吸い込むときも「喉を閉める」感覚をつかみましょう!

4.2と3の練習を繰り返し、喉を締める感覚がつかめたら、途中で口を閉じて鼻呼吸に切り替えてみましょう。顔の前と頭の後ろのガラスを曇らせるイメージをしながら、同じように喉を締めて呼吸をしてみましょう。

【ポイント②】鼻呼吸に切り替えたら、舌先を前歯裏側の上部(上あごと 前歯の堺)に置いて安定させましょう。
【ポイント③】喉を締める感覚がわかってきたら、骨盤底や腹部(おへそ周り)を軽く引き上げるように意識をしましょう。(次第にウジャイ呼 吸ができてくれば、この3つのバンダ(ムーラ・バンダ(骨盤底の締め付け)、ウディヤナ・バンダ(腹部の締め付け)、ジャランダーラ・バンダ(喉の締め付け)は自然に起こります。)
【ポイント④】ご自分の繊細な呼吸の音に耳を澄まし、大きな音を出そうとせず、頑張らずに行ってみてください。慣れてくると自然に摩擦音を出せるようになります。

5.座った姿勢での練習から、アーサナとともに練習してみましょう。

【ポイント⑤】動きが先ではなく、呼吸が動きを先導していくように、ご自分のウジャイ呼吸の音に耳を傾けながらアーサナを行ってみてください。

例えば、流れるように動く太陽礼拝などのヴィンヤサを行う際に、吸う息の始まりで動き出し、吸う息の終わりでアーサナに到達し、吐く息の始まりで次のアーサナへと動き出し、吐く息の終わりでアーサナに到達するというように、息を見つめながら行ってみてください。

5. いつものヨガの練習にウジャイ呼吸を取り入れてみましょう!

私たちは命ある限り、この呼吸とともに在ります。その呼吸に立ち返ることは命に立ち返ることであり、ヨガはその命の源に立ち返る営みです。

呼吸をおろそかにし、ヨガのアーサナの完成度や表面的な美しさなどにこだわり過ぎたり、人と比べて競争のようにアーサナの出来不出来にこだわる練習の仕方や、必要以上に大きなウジャイ呼吸の音を出そうとする頑張りは怪我や喉の炎症などを招き、エゴを強め、ヨガ本来の目的からは大きくかけ離れていってしまいます。

呼吸はヨガの中心です。

アーサナの完成度や新しいアーサナを達成することに楽しみを見出していらっしゃることも素晴らしいことですが、そのアーサナを深めるためにも、ご自分の静かな呼吸の音に耳を傾け、意識的な気持ちの良い呼吸をバロメーターに練習を続けてみてください。

さざ波のようなご自分から発する呼吸の音に耳を澄ますとき、あなたの内には安らぎが育まれ、心身の安定と調和という大きな恩恵がもたらされることでしょう。

横幕 真理
横幕 真理
今まで4000名(2024年10月1日現在)の受講生を抱える業界最大手のヨガ・ピラティススクールMAJOLIの社長。

自らプロデュースするヨガ・ピラティス講座や著書「New Me~わたしだけの新しい人生の見つけ方~」を通じて、多くの人々にウェルネスを通じて新しい人生の価値や可能性を伝えてる活動をしています。

ヨガ、ピラティス、ダイエットを通じて、現代を生きる女性のキャリアアップや生き方を提唱するメディア創りがしたい。 「ウェルネスで世界をハッピーに」そんな情熱とヴィジョンをもって、読者の心身の健康と豊かな人生をサポートするウェルネスストーリーを運営していきます♥
執筆者の最新記事

庄司ゆうこさんに横幕真理が聴く!「夢を叶えるマインドセット」

真理 みなさんこんにちは! 横幕真理です。 今回は、ヨガインストラクター養成スクールや、会員制ヨガスタ...

WINメディテーション創始者・兼下真由子先生に訊く「自己実現の方法」

真理 皆さん、こんにちは。 横幕真理です。 今回は、数々のトップアスリートやアーティストを自己実現に導...

ピラティスで腰痛が悪化する原因5つと対策4つ【エクササイズ例あり】

なぜピラティスで腰痛が悪化する人がいるの? 腰痛を改善するためにピラティスで気をつけるべきことは? 腰痛改善におすす...

『ビリギャル』小林さやかさんに横幕真理が聞く!ビリからのキャリアの築き方

「不可能への挑戦」とか「不可能を可能にする」という言葉には、かっこいい響きがありますよね。でも、それを現実に実行するとな...

この記事はお役に立ちましたか?よかったらコメントで教えて下さい。

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください

おすすめ関連記事

満月・新月の日におすすめ!ヨガ【月礼拝】のやり方をマスターしよう!

ヨガを練習されている方々の中には、太陽礼拝を練習に取り入れている方々が多くいらっしゃることと思います。 本来、ヨガ...

ヨガ八支則(はっしそく)とは?なぜヤマニヤマの教えは大事なのか

ヨガをしていると耳にする「八支則」や「ヤマニヤマ」とは、なんのことかご存知ですか? 「八支則」は、ヨガの哲学書「ヨ...

5分の朝ヨガYouTube【16選】初心者向きのおすすめ動画まとめ

おうち時間が増えた今、運動する機会がなく体が訛りがちです。そんなときは、おうちで手軽にできるヨガが一番! 身体的に...

英雄のポーズ4つのやり方と効果を紹介!股関節の柔軟性をUPしよう

ヨガのポーズは100、200あるとも言われています。 その中の一つである「英雄のポーズ」は、ヨガのレッスンでもよく...

2024年サップヨガまとめ!おすすめ体験スポット6選と資格取得先7選

春から夏・秋に向けて満喫できるサップ(SUP)ヨガ。海や川、湖を楽しめるアクティビティとしても人気があります。 サ...

2大瞑想「サマタ」と「ヴィパッサナー」あなたに適した瞑想はどっち?

瞑想の種類は、人の数だけ存在するといわれるほどに多様です。身体的なものから、呼吸や感覚を使ったもの、より微細なものなど様...

休憩だけじゃない!シャバーサナ【亡骸のポーズ】の効果ややり方を解説

シャバーサナ(シャヴァーサナ/シャバアーサナ)は、日本では、亡骸・死体・屍のポーズとも呼ばれています。サンスクリット語で...

ヴィンヤサヨガとは【解説】流れるように動く!ヴィンヤサヨガの4つの魅力

動くヨガは「とにかく運動をしたい、身体を動かしたい」と考えている人におすすめのヨガ。その中でもトップクラスの運動量を誇る...
最新記事

ピラティス【東京・丸の内】おすすめスタジオ5選 費用・アクセス・口コミ評判まとめ

東京・丸の内・日本橋にあるおすすめピラティススタジオ Zen Place 八重洲 料金 マットグル...

禁煙したい(させたい)方におすすめ!ピラティスエクササイズ5選

タバコをやめる時に大切なのは本人の意思と周囲のサポートです。あなたのまわりにタバコをやめたいと悩んでいる方はいらっしゃい...

ピラティスエクササイズで生理痛がこう変わった!私の生理痛緩和体験談

あるアンケートを参考にすると、生理痛が重いと感じている方は66%もいるそうです。(マイナビニュース・マイナビウーマン調べ...

ピラティス講師監修「マッサージガンの使い方ガイド」 初心者は足裏が間違いなし!

ピラティスインストラクターのchitoseです。 私は現在、理学療法士とピラティスインストラクターのWワークをしていま...

ピラティスマシンはどう違うの?代表的な4種類を徹底解説!

ピラティスマシンには、多くの種類があることを知っていますか? 身体を引き締めたり、姿勢を良くしたい人に人気のピラテ...

効果大!使って良かったダイエットグッズ【19選】口コミ評判まとめ

ダイエットグッズで自宅でも効率よくダイエットをしたい!でも、どんなものを購入して良いかわからない・・・という方必見! ...

100均で買えるおすすめダイエットグッズ【11選】口コミ評判まとめ

ダイエットをしたい!でもあまりお金はかけられない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか? そんな方におす...

ピラティス後に頭痛がする方へ、その原因と誰でも出来る対処法をお伝えします!

ピラティスをしている時や、ピラティスの後に頭痛がして心配になることがありませんか? 私はピラティスインストラクター...

人気記事ランキング

ライター体験談

資格合宿レポート

編集部おすすめ記事

ピラティスインストラクター資格はどこがいい?種類、選び方、PMA団体をご紹介

昨今、フィットネスがブームになり、その中でもピラティスはとても人気が高くなっています。 そんなピラティスですが、イ...

ヨガ・ピラティスのイベントまとめ【2024年10月まで】

このページでは誰でも参加できるヨガ・ピラティスのイベント情報を一覧で掲載します。 ぜひ参考にしてください。 ...

ピラティスインストラクター資格【通信講座】おすすめ7選

近年、人気が高く注目されているピラティス。 ご自身の身体のメンテナンスとしてピラティスを行ううちに、「インストラク...

ピラティス開業したい方必見!方法とフランチャイズ募集スタジオまとめ【2024年版】

ピラティスは小さなスペーがあればレッスンが出来るため、小規模でスタートできるビジネスです。 ピラティススタジオの開業は...

Interview

特別インタビュー

女性経営者
勝 友美


女優・ヨガインストラクター
松本 莉緒

日本のヨガ第一人者
ケン ハラクマ

ビリギャル
小林 さやか

モデル・実業家
MALIA.