今回はサギのポーズのやり方と効果をご紹介します。
名前の由来は、アオサギが首を伸ばした姿勢に似ていることから付けられました。ふくらはぎやモモ裏の柔軟性、お腹や体幹にアプローチすることができます。
サギのポーズのやり方
クラウンチャーサナ
- 両膝を曲げた割座になる
- 片足を前に伸ばし、片足の割座に移る
- 伸ばしている足を胸に引き寄せ、足裏をつかむ
- 抱えている足を、斜め上へ蹴り出す
- 骨盤を立て、お腹と太ももを近づける
- 目線を集中させ、5呼吸する
サギのポーズの効果
足のむくみ解消
足のむくみはリンパの停滞によって起こりますが、リンパには重力によって下に溜まるといった特徴があります。
第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉は、下に溜まったリンパの循環を全身に促してくれます。むくみをスッキリさせることが目的の場合は、主にふくらはぎ・ひざ裏の伸び感を出すと効果的です。
更に、足を天井に蹴り出す力を養うことで血行がよくなりリンパの流れがアップします。
美脚
足の形は生まれつきと諦めてしまう人もいますが、筋肉の硬さや筋力不足から歪みが発生している可能性もあります。足を組むクセがある人や、片足に重心を乗せやすい人は、ある程度の歪みをヨガで改善することが期待できます。
サギのポーズでは、ひざ裏・もも裏の柔軟性を高めると同時に、骨盤を支える筋力をつけることができます。
足を伸ばしている側のお尻が浮きやすいので、床へ坐骨を着けるようにしましょう。骨盤の傾きを意識することで、足に関わる筋肉にアプローチすることができます。
股関節・下半身の柔軟性アップ
体の硬さは同じ姿勢が30分以上続くことが原因です。デスクワークはもちろん、立ち仕事でも長時間の姿勢が続けば、血流が悪くなり、不快に感じたり、ひどいと血栓ができてしまいます。
日頃、イスや床に座っているときはひざが曲がりますが、そのときハムストリングスと呼ばれるもも裏の筋肉が縮みっぱなしになり股関節が硬くなります。人の体には200個程の関節がありますが、股関節はそのなかでも最大の関節です。
サギのポーズでは主にハムストリングスの柔軟性を高めることで、股関節が自由に動かせるようになっていきます。
冷え性改善・血行促進
先に説明したように、むくみ解消・股関節の柔軟性アップができると、冷え性も改善されていきます。
サギのポーズは股関節を柔らかくしますが、股関節は上半身と下半身の流れが行き交うポイントです。ここの流れが悪いと、心臓によって送り出される血液が足先まで届かずに冷えた状態になります。
体の温かさは血液によるものです。血液の流れがよくなれば、冷たい体液も温かくなり、その温かさが全身を循環してくれます。
次のような症状がある場合は、サギのポーズは控えましょう。
- ひざに痛みがある
- 足首にトラブルがある
- 生理中
サギのポーズのコツ
足を力強く蹴る
足が持ち上がらない、姿勢が辛いと感じる原因に、下半身の筋力不足が考えられます。
サギのポーズでは、伸ばしている足を斜め上方向へ蹴り出すように意識しましょう。蹴り出すエネルギーが自然に骨盤を立たせ、姿勢が安定します。
蹴り出す感覚がわかりづらい場合は、足裏で、手を遠くに押し出すようにするといいです。
お腹を引き寄せる
サギのポーズでは足を強く蹴り出すことで、そのエネルギーが跳ね返り、お腹に力が入ります。
お腹を背中の方へ引き寄せることで中心軸が強くなります。蹴り出している足とお腹をさらに近づけるようにすると、骨盤が起き上がり姿勢をキレイに保つことができます。
姿勢がキレイになると肩の力が抜け、ゆとりある呼吸ができるようになります。
ひざを伸ばすことに執着しない
初心者さんは、ひざを伸ばしきれない可能性があります。足をピンッと伸ばすことで背中が丸まると、呼吸が浅くなり効果が半減されてしまいます。
ひざは曲がっても大丈夫です。背中を伸ばすことを優先し、ひざ裏は伸び感がでるところでストップしましょう。
おすすめYouTube3選
【サギのポーズ中級者ヨガ/美脚効果・冷え性の予防改善】
eviGym(エビジム)パーソナルトレーニングジム
こちらの動画は、説明がシンプルでわかりやすいです。また、ひざを伸ばしきれない人に向けたアドバイスも紹介されています。
開始0:54分を見るとわかるように、もも裏の筋肉がかたい人は、つい足を伸ばすことを優先して腰が丸まりやすいです。
ヨガでは基本的にどのポーズでも背筋を伸ばすことを優先しましょう。
動画内でも紹介されているように、必要に応じてひざを曲げることがポイントです。
【ヨガポーズ図鑑vol.49/クラウンチャアーサナ/足の裏表を同時にストレッチ】
Koki Yoga
こちらの動画では、左右の足それぞれについて細かく確認することができます。持ち上げている足の効果と、曲げている足のひざの注意点が主な内容となっています。
同チャンネルには数多くの動画がアップされているため、太ももの前後の柔軟性を高めてからサギのポーズに挑戦するのもおすすめです。
【ヨガ動画/サギのポーズ】
公式 株式会社えがお
ひざが痛いという人には、こちらの動画がおすすめです。長座でのサギのポーズが紹介されています。
また、体幹の使い方がわからないといったヨガ初心者さんには、開始1:08分の身体の使い方が参考になります。お腹を足に近づけるようにすることで、自然に体幹のスイッチが入ります。
FAQ(よくある質問)
床に着いている足が曲げづらい場合は、無理をせず、足を前に伸ばすようにしましょう。長座姿勢から片足を持ち上げているような状態になります。
また、低めのイスに座りながら行う方法もおすすめです。イスを使った方法では、ひざを曲げている足は日常で座るときと同様に床へ下ろします。このとき、体がフラつかないように、かかとやつま先は浮かないよう注意します。
この姿勢から片方の足裏を手でつかみ伸ばしていきます。
手で足を持ち上げようとすると肩に力が入り、腕に大きな負担がかかってしまいます。手で足裏にぶら下がるようなイメージで、肩の力はゆるめましょう。
そのぶん、足を斜め前に力強く蹴り出します。下半身に力を入れることで、上半身はリラックスすることができます。すると、呼吸がしやすくなり、辛かったポーズも快適に変わっていきます。
どこに力が入り、どこがリラックスしているか、体や呼吸の変化を観察しながら行うことでヨガ本来の楽しさを実感することができます。
まとめ
サギのポーズは、持ち上げている足のふくらはぎからもも裏を伸ばすことで、効果を得ることができます。主な効果は、むくみ・冷え性の改善、美脚、股関節の柔軟性アップです。
人によっては、床に下ろしている側のひざが痛い場合もあります。ひざに違和感や痛みが出る場合は、片足だけ他のバリエーションを取り入れましょう。