ヨガ資格を取得し、いざインストラクターを仕事にしようと求人を探すと様々な働き方があり迷う人もいるでしょう。
今回は、正社員とフリーランスの実態について現役インストラクターから集めた本音トークを紹介していきます。どちらが自分に合うかを照らし合わせてヨガインストラクターの人生を楽しんでください。
どんなキャリアプランがあるのか、働き方・年収については別の記事でもご紹介しているのでこちらも是非参考にしてみてください。
→ヨガインストラクターの働き方と年収
目次
現役ヨガインストラクターが「社員」を選んだ理由
ヨガスタジオによっては正社員だけではなく、アルバイト雇用で社員として働けるところもあります。雇用形態に違いはありますが、1つの会社の従業員としてインストラクターの道を選んだ3名にその理由を聞いてみました。
元々ヨガに興味があり、高校卒業後はスポーツトレーナーの専門学校へ進んだAさん。自分で求人を探すというよりは、その専門学校へ様々な企業が出向き説明会を開いていたようです。いくつかの説明会に参加したなかで、溶岩ヨガスタジオの店長さんの話し方などに憧れて入社を決意。
ヨガはほとんどやったことがなかったBさん。自営業の手伝いに飽きて求人を探していたら「無料でヨガが受けられる」と載っていたのが魅力的で溶岩ヨガスタジオで働くことに。正社員希望でしたが、子育てがありシフトの都合上アルバイト雇用でその会社へ入社。
エンジニアの仕事をしながら、生徒としてホットヨガに通っていたCさん。ヨガ講師からオーディションを進められ、転職するつもりは全くなかったものの話のネタとしてオーディションへ参加することに。合格してもヨガスタジオに就職する気はなかったそうですが、定年60歳で計算したときに残りの人生を知らない世界で送るのもいいかなと思い、そのまま入社。
現役ヨガインストラクターが「フリーランス」を選んだ理由
ヨガ業界では珍しくないフリーランス。資格取得後にフリーランスで活動する人から、ヨガスタジオで正社員を経てフリーに転身する人もいます。なぜフリーランスを選んだのか、その理由を聞いてみました。
溶岩ヨガスタジオで、正社員として店長も務めたAさん。お客様のため、スタッフのため、店舗のために毎日働くのは楽しかったそうですが、何かを考えたり想うパワーを人の為だけではなく自分にも向けてあげたいと思い、自身のやりたいことへ投資できるようにフリーランスへ転身。
「無料で溶岩ヨガが受けられる」といった魅力に誘われアルバイト社員になったBさん。アルバイトといっても、8時間労働・週5日勤務・残業ありという状況だったため、実際には自分がヨガを受けに行く時間を確保することが難しかったようです。また、会社の枠の中でしか活動ができないので、インストラクターとして個人的にSNS発信ができないこともありフリーランスへ転身。
ダンサーに憧れ、会社員になる気は全くなかったDさん。親など周りの意向もあり大学卒業後は都内大手の信託銀行へ就職することに。会社勤めをするなかで「いつ会社を辞めるか」常に考えていたようです。3年間の会社員時代では、ダンサー活動や、ダンススクールでのインストラクター業もこっそり始めていたそうです。退職後は、本格的にダンス業界のフリーランスへ転身。
30歳を目途に、自分がダンスを披露するのではなく後輩へのヒップホップダンス育成がメインになりました。継続するなかで自分の体のメンテナンスとしてヨガをはじめ、そのままヨガ資格を取得。元々、フリーランスのダンスインストラクターをする中でヨガインストラクターも同時にスタート。
ヨガスタジオ社員は、レッスン以外の業務が盛りだくさん
ヨガインストラクターの仕事というとヨガレッスンを思い浮かべますが、実はその他の業務も多忙だったりします。ここでは、社員になったときの業務内容や様子について詳しくシェアしていきます。
1人で開店から閉店まで行い、会員様のお出迎えやお見送り、レッスはもちろんのこと、他にもシフト管理から会員様の支払い管理まで行っていました。人員不足だったので業務のボリュームが多く大変でした。例えばシフト管理1つをとっても、自店舗スタッフのスケジュール調整から、フリーランス講師の予定を確認し、さらに他店舗のヘルプ調整も考えるといった工程がありました。
また、毎月会員様の休会・退会状況を確認しながら外注業者と連結して引落しをかけたり、ちゃんと支払いがされているのか確認作業も行っていました。その他にも、販売している商品や備品などの発注業務やPOPを飾るのもインストラクターの仕事です。レッスンはたくさんある業務の中の1つといった感じです。
シャワー掃除、入会手続き、レジ、シフト作成などを朝から晩まで自分たちで考え、店舗の運営を全てインストラクターがやっています。やることが多いので覚えることがめちゃくちゃあります。私の会社はベンチャー企業なので、毎月異なるキャンペーンが会社から言い渡されその都度新しいものを覚える必要もあります。
入社当時は、自分がレッスンデビューするだけでも大変だったので、他の業務が遅くなり、帰りが遅くなって先輩に怒られることもありました。また、私の勤務するホットヨガスタジオは体育大学の新卒採用が多いので「体を動かす」イメージで入社する子がいます。そういう子は、事務作業の多さにギャップを感じて辞めてしまうこともあります。配属された店舗の環境にもよりますが、先輩もみんな苦戦して通ってきた道なので助けを受けて乗り越えることはできると思います。
フリーランスでも、レッスン以外の業務はある?
フリーランスでは確定申告といって、1年間の収入をまとめた所得税の手続きを自分で行う必要があります。会社員なら経理担当者から「年末調整」と声をかけられ、言われるがままに所得税の調整が済んでいるケースがほとんどです。
しかし、フリーランスになると社長・営業・経理などの役割が全て自分に任されています。場合によってはレッスンの告知や場所の手配なども必要です。フリーランスでもレッスン以外の業務は大変なのか聞いてみました。
やっぱり確定申告は大変です。また、様々な企業と契約をしているのでそれぞれの会社から期日までに正しい金額がちゃんと振込みされているのか、月末に口座をチェックしています。過去には振込みが無かったこともありましたよ。私は長年やっているので当たり前だと思っていますが、会社員だった人がやるのはもしかすると大変かもしれないです。また、自分から温浴施設に「ヨガやりませんか?」と提案したこともあります。そのときは集客のために手作りしたチラシをポスティングして歩いたりしていました。
レッスンから運営まで、圧倒的に経験を積めるのはスタジオ社員
スタジオ社員になるとインストラクター業務だけではなく、希望すれば店舗運営やイベント企画に関わることができます。インストラクターに指導するようなトレーナー職への道もあります。ゆくゆくはフリーランスに転身したいといった人でも、社員として下積みするのもいい選択です。
スタジオ社員だととにかく色々なお客様と出会える点がメリットです。「どういうお客様がヨガに来るのか」を観察できるし、若い世代、子育て世代、ご年配の方など幅広く触れ合うことで自分にどんなヨガが向いているのかを知ることもできます。体験レッスンに来る新規のお客様と話す機会もたくさんあったので、入会になるかならないかのやり取りの練習も経験してきました。
「契約に繋げる」「数字を取らなきゃいけない」って思うと苦しくなっちゃうけど「この人の人生にとってヨガがあるといいよな~」って考えられるようになり、フリーに転身してからもそのときのスキルは役立ってます。例えば、キックボクシングのスタジオに出向いて「ヨガやりませんか~?」って営業をしたことでお仕事をいただけるようになりました。
資格を取ったばかりならまずは社員として働いてみるのがおすすめです。社員時代に店舗を運営するスタッフ側に立ったからこそ見えるものがありました。例えば、お客様から「あの先生良かった」「あの先生悪かった」などの声を直接聞くことで、お客様がどんなインストラクターを選ぶのかを知ることができます。またフリーランスになったとしても、スタジオと契約を結ぶときにはどんな人柄なのかが左右されると思います。
「レッスンだけやりに来て他の業務は何もしない」といった先生はできるだけ採用したくないというのが運営側の考えです。スタジオ側がどんな講師を望んでいるのかがわかっているとフリーランスとして契約先を探すときにも優位だと思います。
リスク無しで挑戦できるのは社員雇用の特典ですね。「やりたい」と言えばだいたい挑戦させてもらえます。目的や根拠が明確になっていれば会社側から「やれ!」って言われます。フリーランスだど失敗すると大損害だけど、正社員なので失敗したところで給料は毎月もらえます。店長だけでなく、一般のインストラクターでも会社を切り盛りしたいようなやる気のある子は運営もやらせてもらえます。
イベントはスタジオの会員様向けのものだけではなく、公園でのパークヨガや、海の近くの店舗だとビーチヨガなどもできます。こういったイベントのときは自分たちでチラシ作成をすることもあれば、本社を巻き込んで行うときもあります。
研修・勉強には、ヨガスタジオ社員が本当にいいのか?
ヨガの魅力にハマった人ならば学びをさらに深めたいと思うのではないでしょか。ある程度規模の大きいヨガスタジオでは、自社で研修や勉強会を設けていることがあります。未経験からスタートし資格取得までステップを踏めるケースも珍しくありません。
ヨガ講座は安いとは言えませんし、勉強に終わりもありません。フリーランスでは研修のお金は全て自己負担になります。やり繰りによっては税節にもなりますが、ヨガインストラクターを続けていくには学べる環境があると嬉しいですね。ここでは、会社で用意されている研修制度の裏側をご紹介します。
ヨガのスペシャリストが集まる場で、お金をもらいながら学べるのはすごく良い環境だと思います!昨日も骨盤ヨガの研修をしてきました。研修がたくさん用意されているので「ヨガを学びたい」「ヨガ講師になりたい」と思う人ならおすすめです。でも、あくまでも会社が用意するものなので、好きなヨガ講師の講座や、自分の深めたい流派などがあった場合は、時間の確保がしやすいフリーランスの方がいいかもしれませんね。
未経験者でも働けるヨガスタジオだとまだ体がヨガに慣れていない人も多いです。そのため、1日がかりの研修でいきなり身体へ負担をかけるとヘルニアや坐骨神経痛など、腰を痛めてしまう人も目立ちました。
帰宅して疲労をほぐせたらいいんですけど、次の課題やテストもあるので頑張り過ぎてしまう人もいます。ダンス経験がある子はケガも自己責任だと自覚しているし、自分の身体の可動域を知っているので無理せずにやっていましたね。本人のレベルに合せることは可能なので、強度の高いヨガポーズが困難なときは瞑想クラスやストレッチ系を進められていました。
フリーランスを選んだ理由でも話しましたが、1人で店舗をまわしていたので研修を受けたい場合は溜まっている仕事を放り投げて受けにいくような状況でした。他のスタッフの都合や周りの目もあり「無料でヨガを受けられる」といった研修制度を活用する人はほとんどいなかったです。
いま思えば研修目的なので当然ですが、ヨガレッスン無料に魅かれての入社は注意が必要です。私が実際にやってみて思ったのは、自分のためにヨガをしてリラックスや集中をするのは難しかったです。先輩や後輩がどんなふうにクラスを進めているのか見学するような感じでした。
研修制度で驚いたのは、ある年の新卒の子は会社が主催するRYT200(ヨガ資格)をほぼ強制的に取得させられていました。36万円のローンを組まされ、毎月の給料から1万円天引きされ3年間支払うわけです。もしローン返済前に辞める場合は一括で払わないといけない仕組みです。さすがに親御さんから嫌がられ、翌年からは本人の希望を尊重されるようになりましたね。
社員として働ける大手スタジオの魅力
ヨガ業界では、個人が経営するスタジオと、複数の店舗数を持つ大手のスタジオがあります。個人経営のスタジオではなかなか正社員採用は行っていません。そのため、ヨガ業界で正社員を希望する場合は必然的に大手スタジオになることがほとんどです。ここでは、大手スタジオの魅力をご紹介します。
本格的な個人スタジオだと「ヨガって何するの?」って人は足を運びにくいと思うんです。マイソールのクラスなんかだと尚更ですね。それが、ヨガをしない人でさえ聞いたことのある名の知れたスタジオなら、気軽に体験に来れるわけです。私がヨガをやっている目的の1つが「みんなヨガを知っておけばいいのに」という想いなので、スタジオに出勤するだけでヨガを全く知らない人たちに出会えるのは魅力的です。1回の体験でもいいので「ヨガってポーズを取ることだけじゃないんだ!」って理解してもらえれば嬉しいです。
会員制なので家族みたいな感じでみんなの成長を見れるのが楽しかったです。ステップアップのためにフリーに転身しましたが、お客様と離れたくないと思うほど店舗が大好きでした。一緒に働くスタッフ全員がチームなので、1人が上手くいかないときも支え合える存在がいるのは大きいです。
採用率が高いホットヨガの正社員には、注意点もある
店舗数の多いホットヨガスタジオは、これからデビューしたい人でも正社員として入りやすい会社です。収入の安定性や経験が積めるなどのメリットがありますが、他にも考慮しておきたいことがあります。それはスタジオの環境です。
ホットヨガスタジオでは温度35~40度程・湿度60%前後といった暑さの中でレッスンをします。フリーランスであればレッスン数を調整することはできますが、正社員となれば基本的な本数が決められているため、自分の体に適しているのか見極めた方がいいでしょう。
目安としては、平均1日2本、週5日間程のクラス担当です。このスケジュールでも全く問題なく何年も継続している人もいれば、なかには体質に合わず病気を発症してしまうケースもあるようです。
私の同期にもいたけど、体質的にホットヨガの環境がダメな人もいます。ホットヨガだと代謝が上がりやすいので、バセドウ病・橋本病になりやすいんですね。声を張りながらレッスンを進めるし、特にリンパを促すクラスや、エクササイズ系のクラスはどうしても代謝が上がり過ぎて甲状腺異常になりやすいです。
なので、会社の健康診断には「甲状腺検査」が必ず入っています。もし病気になってしまった場合は、レッスンを控えて他の業務をするようになります。会社としては雇用を継続してくれますが、身をもって病気を体験してしまった人は自ら退職する方が多いです。ホットヨガにこだわらず常温でのクラスもできますからね。
自由なフリーランスの魅力とは?
会社に所属しないフリーランスでは、単発でクラスを請け負う業務委託契約や、ゼロから集客を始める自主開催などの働き方があります。会社員とは違い、毎月決まった収入は確保されておらず、業務委託の契約も会社員の雇用のように保証されているものではありません。不安定でも自由を選ぶフリーランスの魅力は一体何なのでしょうか?
とにかく自由!会社員だと朝から晩まで缶詰め状態なので私には向いていないと思ってます。ちょっとしたことだけど歯医者や、美容院の予定を入れるだけでも一苦労。もちろん通勤も大変。全国展開しているようなスタジオほど規則は厳しいので、自分のペースで、やりたい雰囲気で、自分のカラーを大切にしながらヨガを伝えられるのはフリーランスの魅力だと思います。
数字のために興味のないことを毎日する生活よりは、お客様から「すごい楽になった」と言われるやりがいが大きいです。私の場合は、仕事仲間だからといった理由で送別会などの集まりをするのも好きじゃないので会社員じゃない方が気楽です。
今の時代だからこそ「フリーランス」なんてカッコイイ呼び名を付けてもらえてるけど、当初は「その仕事1本でやれるの?」「会社辞めてどうするの?」とか周りからいろいろ言われてきましたよ。でも、それでもブレないくらい好きだったり、やり遂げたい、やっていて楽しいって想いが勝ってます。
他のスタジオはわからないけど、私が社員として働いていたスタジオでは制限が多く会社の活動以外は禁止されていました。社員時代はSNSでの発信もNGでした。現在もフリーランスとして同じ会社でお仕事をやらせてもらっていますが、そういった会社の縛りは無くなりましたね。
SNS等でヨガを発信したい人にとってはフリーランスの方がやりやすいです。金銭面での心配はありますが、自分のやりようなのでそこもまた面白いと思ってます。運営については会社員の方が学べることは多いですが、ヨガ業界については、会社の枠から飛び出たフリーランスの方がよっぽど知ることができると思います。
フリーランスになって働き方がガラッと変わりました。会社員の頃は1日を時間で縛られていましたが、フリーになってからは時間の中で縛られるのではなく1日の中に1時間のレッスンが何本あるかという働き方です。そのおかげで「この1時間をどうやってみんなと一緒に心地よく過ごすか」という考え方にシフトしました。同じ1時間でも、時間に対する質を高めることができています。
ヨガインストラクターは辛い?
辞める理由で多い「健康面」「収入面」「精神面」について、好きを仕事にできるヨガインストラクターですが、趣味や好きなものでも仕事となるとキツさを感じて辞める人もいます。
その理由として多く上げられている3つについて現役インストラクターはどう思っているのでしょうか?
<健康面>
溶岩ヨガスタジオでしたが、レッスン数が多くて辛いと感じることはなかったですね。スタジオ社員のときは人員不足があり早朝から閉店まで通しで出勤することもあったので、それが大変に感じました。朝は8:00に出勤し、夜は23:00に終了です。人が足りていれば問題ないですけどね。当時はそんなに睡眠時間がなくてもケロッとしていたけど、今思うと目を伏せていた気がします。
当時はわからなかったけど、いま振り返ってみると社員の頃は身体的にけっこう疲れていたと思います。現在もフリーランスとして、以前社員として働いていたスタジオでレッスンを担当していますが、2本やって帰って来るだけですぐに寝ちゃっています。社員のときは、レッスンを終えた後に他の業務をして、休憩無しで10時間働くこともありました。
ホットヨガスタジオで70分、90分クラスを含めて1日3本やることもありますが全然平気です。元々体力もあるし、今ではほとんどポーズを取らずにやっているので。あと温泉も好きで暑い場所にずっと居られるタイプでもあります。一日中レッスンをやっていてもいいくらいです。でもホットヨガなら生徒として受けるにしても1日2本ぐらいが丁度いいんじゃないですかね。
人それぞれ体力が違うのと、生まれ持った素質の問題はあると思います。私は健康面に対して辛さはないけど、普通はあると思いますよ。例えば、学生の頃や前職では起きる時間も寝る時間も一定でしたが、この会社に入って遅番と早番のシフト制になりました。遅くまでレッスンした日に帰宅してダラダラしてしまうと体調をくずしますよ。この辺は自分でしっかりコントロールする必要があります。
健康面の辛さはありますよ。もう体がボロボロ。「ヨガやってると肩コリとかないんでしょ~」って言われるけど、そんなことないです。例えば、レッスンの際中に右側だけ見本を見せて反対側はやらないってこともあるし、途中でポーズを抜けることもあるので、レッスンの数が多くなるほどそういった体の負担は大きいです。自分がレッスンを受ける側であれば良いけど、伝える側でポーズを抜けて生徒さんを見に行ったりしていると身体には良くないなと感じます。
<収入面>
当初の応募要件よりも実際のお給料は低く感じました。会社的にお給料が上がる形態ではなかったです。人が辞めていく原因だったと思いますよ。自分から店長や副店長に立候補して、役職に就き実績が伸びればお給料は上がりますが、一般の正社員だとなかなか難しかったです。
私が行っていたスタジオの場合は正社員よりもアルバイトの方がお給料はもらえていたので、そんなに低いといった印象はなかったです。でも本当は年齢くらいもらいたいですね。主婦でパートしている身だといい方なんだとは思いました。近所のコンビニよりはもらえてるな~って感じです。
インストラクター職でお給料を安定してもらえるのは良いなと感じています。そもそも、そんなにもらえる職業ではないと思っているので。トップインストラクターになると、お客様から月会費とは別に私のレッスンに参加するための料金を頂くのですが、正社員なので自分が売り上げたからといってそれが100%自分に返ってくる訳ではありません。
何%かが入ってくる仕組みなので、それを思うと20万以上の売り上げをつくった日にはフリーランスもいいなと考えることもあります。でもそれって毎月つづけるのは相当な動力が必要だと思うんですよね。休息したいときもあるので、そんなときでも決められた時間にレッスンをやって1週間も続ければお給料が入ってくるのは正社員の良さです。
エンジニア時代と比べると「これがボーナスか~」って思っちゃいますけど、知名度のないインストラクターがお給料やボーナスをもらえるのってあり得ないことだと思うので、やっぱり有難いですね。対応できるレッスンの種類を増やしたり、お客様からの評価を高めればお給料は上がります。手っ取り早いのは店長になることですね。努力次第で目に見えて上がっていきますよ。
稼ぎはその人次第になると思いますが、私は実家暮らしなので家賃のことを考えなくてもいいため、丁度いいスタンスだと感じています。でもこれが都内のいい所に住んでいたりすると話は変わってきますね。お金の面で言うならば、私は経済的なリスクを下げるために、固定報酬のスタジオと歩合制のスタジオとで2種類の契約を組み合せています。
固定報酬のところはどんなに頑張ってもレッスンフィーは上がらないけど、コロナ禍でも何割か保証がありました。歩合制のところはいい時期はすごく売上があるけどダメな時期もあります。あと、個人経営のスタジオのみの契約だとそこのスタジオが閉店してしまったらもうダメになっちゃうけど、逆にそういった個人経営のスタジオだからこそ、オンライン化の切り替えや野外での開催に移行して収入源をつくる工夫をしやすかったりします。そういった感じにバランスを分散しながらやっています。
<精神面>
精神面であまり悩むことはなかったです。役職に就いていたので店舗運営について悩んだくらいです。例えば、毎月、売上目標があったので集客や入会数が悪かったりすると、どこで利益率を上げていくのか、物販で補うのか来店数を増やすのか等の数字で悩むことはありました。でも、店舗を運営していくには必要なことだと思ってやっていました。
体の疲れが精神に影響することはあったけど、精神面で辛いと感じることはそんなになかったです。人間関係も全然悩まなかったです。みんな疲れているので、お互い励まし合うような環境でした。勧誘の営業に関してもすこしは上からの圧はあったけど、そこまでキツいとは感じなかったです。フリーランスになってからも精神的にキツい思うことはないです。全部自分の責任だと思ったら、お客様が来なくても「私がいけないよね」くらいの感じです。
純粋にヨガが好きだから苦とも思わないですよね。みんなが「それ辛くないの?」ってことでも、全然辛いと思わないです。まさに、ヨガの教えにあるタパスですね。一日中ヨガ哲学の勉強をしていても何とも思わないし、朝早くからアシュタンガを練習しに行くのも全然苦じゃないです。やりたいからやってることなので、好きって気持ちはすごいなって思います。
人生において好きなことしかやってきてないです。興味のないことは一切しないので、上司からはそこが短所だと言われます。でも嫌なことは上司だろうがハッキリ言っちゃいます。なので敵は多いです。これができない人は今やっていることを理解できなかったり、それを声に出せなかったりして苦しいかもしれないですね。
会社のように「すみません休みます」って代わりがいる訳ではないので、健康管理にはシビアな点くらいですかね。あとはそこまで辛いと感じるものは無いです。好きで選んでいるからここ以外の道は無いといった感じです。
まとめ:正社員とフリーランスの働きやすさ
・はじめやすいのは正社員
・他業界で既にフリーランスなら、ヨガ業界でも仕事は見つけやすい
・インストラクターは働き方に関係なくレッスン以外の業務も多い
・レッスンに慣れたり、ヨガの運営を経験したいなら正社員がおすすめ
・正社員の研修制度には注意点もある
・社員雇用のある大手スタジオには大勢の生徒さんとの出会いやチームで働ける魅力がある
・採用枠の多いホットヨガは、自身の体質に合わないと病気発症につながるケースもある
・時間の縛りや規則に縛られたくないならフリーランスがおすすめ
・健康面は、シフト制の正社員なら自己管理が大切。フリーランスでもレッスン本数の調整は必要。
・収入面は、正社員なら会社の給与形態に左右される。フリーランスなら収入減を分散させるのもあり。
・精神面は、ヨガが好きな気持ちがあればどっちの働き方でも楽しめる