ヨガインストラクターの資格を取得後、多くの人が自分でレッスンを開催してみたいと考えるのではないでしょうか?
この記事では、ヨガレッスンの自主開催までの流れを、体験談、注意点も合わせて解説します。
目次
自主開催のメリット、デメリット
ヨガの自主開催とは、ヨガスタジオやスポーツジムで行うレッスンではなく、インストラクターが場所、日程、料金などを全て自分で決めてレッスンを提供することです。
メリット、デメリットは以下です。
メリット
自分の都合に合わせてスケジュールを組める
レッスン内容を自分で決められる
生徒さんとしっかりコミュニケーションがとれる
デメリット
集客を全て自分でする必要がある
継続して通ってくれる生徒さんが増えるまではほぼ赤字である
予約やお金の管理も必要なので、レッスン以外に使う時間が多く発生する
自主開催の手順
自主開催をする場合の手順を順番に解説していきます。
1. 受講生の客層を決める
開催前には、まず受講生の客層を決めることをおすすめします。なぜなら受講生によって、手順⑵〜⑸で決めることが変わってくるためです。
すでに場所や日程が決まっている場合には、場所や日程にあった受講生を決めるといいでしょう。
しっかり動く内容をしたいのに、子連れのママさんが参加しやすい場所や時間帯にしたため、小さなお子さんがいるスペースでは動きが限られてしまいました。
どのようなレッスンをしたいかが明確な場合には、レッスン内容に合う受講生の客層を決めてみましょう。
2. 場所を決める
受講生の客層が決まったら次に場所を決めます。
例えば高齢者向けなら、都心よりも住宅街、さらに和室であれば足腰への負担も軽減されて安全に行えます。
子連れのママさん向けであれば、駐車場があることやベビーカーを置けるなど、スペースに余裕があると喜ばれます。
場所の候補としては以下のものを参考にしてみてください。
レンタルスタジオ
ヨガやダンスで使用するスタジオをレンタルでき、30分や1時間単位でレンタル可能です。レンタル時間の前後何分滞在OKかと、キャンセル規定も事前に調べておくほうがいいでしょう。
しかし設備が整っている場所はレンタル料金も高くなるので、ある程度参加人数を保てるようになるまでは、収益は少ないというデメリットがあります。
公民館・集会所
レンタルスタジオよりも料金は安いですが、営利目的の場合は少し高かったり、営利目的の利用自体が禁止されていたりするので、確認が必要です。
1時間単位ではなく午前・午後というように数時間でのレンタルということもあるので、人数が増えてきたら2クラス連続での開催も可能です。
店舗や施設内のスペースを利用
ママさん向けであれば地域の子育て支援サロン、高齢者向けであればお寺の1室、他にもカフェの空きスペースなどを借りられる場合もあります。
利用料金や時間は各施設の規定通りか、相談となり、宣伝を協力してくれるところもあります。
3. 日程の決定
受講生の客層によって変わってきます。
たとえば専業主婦やママさん向けであれば平日の日中、高齢者向けであれば早朝や、地域の病院が休診の12時〜16時頃も集まりやすいです。
OLさん向けであれば仕事帰りの平日夜間や、朝活として出社前の時間帯もいいでしょう。
4. 料金設定
自主開催で特に悩むのが料金設定だと思います。設定のポイントは経費をしっかり考えることです。
経費とは、場所のレンタル代、キャンセル料金はもちろん、交通費や、レッスンで使用するもの全てです。それらを考えた料金設定にしないとレッスンの継続ができなくなってしまいます。
仮に「たくさん稼げなくてもいい」「ヨガを知ってもらえればいい」とはじめたレッスンであっても、いつまでも売り上げ以上に費用がかかるようではモチベーションが下がってしまいます。
通いたいと思ってくれる生徒さんのためにも、継続できる状態を作っておくのは大切です。
しかし、1回の料金を高くしすぎて人が集まらなければ意味がないので、まずは開催する地域でのヨガレッスン料金を調べて参考にします。
金額が決まったら、体験料を設定する、回数券の販売、紹介割引などをうまく取り入れるといいでしょう。
5. 集客方法
集客方法の例です。受講生の客層に合う方法を選んでいきます。
SNS(Twitter、Instagram、Facebook)
インストラクターマッチングサイトやスキル販売サイトへの登録(YOGAMACHI、ココナラ)
チラシ(ポスティング、手配り、店舗や病院への設置協力)
割引制度(一度来てくれた方からの紹介、2名以上の受講は割引など)
無料でできるものが多く、チラシや回数券の作成もアプリで可能です。
すでにスタジオでレッスンをもっている場合、スタジオ内やSNSで宣伝協力してくれることもありますが、多くの場合は自主開催の宣伝は禁止されていてるので注意してください。
6. 前日までにすること
レンタルスペースへ事前支払いが必要な場合は、余裕をもって済ませておきます。
予約状況を把握し、参加者へ開催場所のアクセス方法と体調を事前に確認しておくといいでしょう。
万が一この時点でキャンセルとなれば、キャンセル待ちの方に連絡したり、追加の参加者を募ったりすることができます。
7. 当日
コミュニケーションをとって一人一人に合ったアドバイスをすることで、スタジオやジムでの大人数のレッスンとの差別化ができます。
レッスン前には体調の確認や当日の内容の希望、レッスン中にはポーズのコツや軽減法など。
初めての方には今後も継続してもらえるように、前後のヒアリングは特にしっかり行い、レッスン後にはスケジュールや体験後の料金も案内します。
外ヨガについて
自主開催のなかには外ヨガという選択肢もあります。外ヨガのメリットや注意点を解説していきます。
外ヨガとは
ビーチや公園などで開催されるヨガレッスンです。心地よい風を感じたり、鳥の鳴き声が聞こえたり、朝日や夕日を浴びることはそれだけてとても気持ちがいいものですよね。
深くゆったりと呼吸をとることが重要なヨガにはぴったりの環境で、普段室内でヨガをしている方にも、ヨガの経験が少ない方にも人気のレッスンです。
外ヨガ開催時の注意点
場所代がかからず気軽に開催しやすいと思いがちな外ヨガですが、注意が必要です。
営利目的の使用は禁止されてる場合や、事前に申請や利用料金が必要な場合もあるので、管理組合へ問い合わせてみてください。
無料での開催であれば、以下のような、収益以外の目的を明確にすることをおすすめします。
インストラクター仲間とコラボ開催として、複数名でインストラクションをする
自分が普段しない内容のレッスンにチャレンジしてみる
自主開催をする時の注意点
自主開催というのは全てインストラクター自身の責任と管理になるため以下の注意が必要です。
1. 同意書の準備
特に重要なのが2点。
・レッスン中やレッスン後の、けがや体調不良は責任を負えないこと
・お支払いいただいた料金は原則返金できないこと
けがや体調不良は生徒さん本人が気にしなくても、ご家族からの苦情になることもあります。子連れレッスンの場合は、お子さまに関する記載も添えると安心です。
2. 収支の記録
自主開催をして収入を得るということは、確定申告が必要になってきます。
場所代など費用が発生したものの領収書、交通費のメモ、生徒さんのお名前といただいた金額をまとめて記録しておくと、後々慌てずにすみます。
自主開催に向いているインストラクターとは
レッスン以外に自分でリサーチや管理をすることが苦にならない人、生徒さんとしっかりコミュニケーションをとってレッスンをしたい人、会社に縛られない働き方をしたい人は自主開催に向いているといえます。
→Yoga Story Vol.1「ホットヨガ最大手LAVAから独立してフリーのインストラクターへ」北野恵理さん
まとめ
ヨガレッスンの自主開催は受講生の客層を決めてから準備をするのがおすすめです。
場所によって営利目的禁止のところもあるので注意しましょう。
日程や集客方法は受講生の客層に合わせて決め、料金は経費も考慮しレッスンを継続できる金額に設定します。
レッスン以外の作業も多く発生しますが、生徒さんとのコミュニケーションをしっかりとりながらレッスンをしたい人には自主開催はおすすめです。
→ヨガインストラクターの働き方とは? お給料・年収、仕事内容を徹底解説