ヨガの代表的なポーズのひとつ、鳩のポーズは優雅で女性らしく憧れのポーズですよね。
そんな鳩のポーズは一見簡単そうに見えて意外と難しく、理想のポーズがとれない、という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は鳩のポーズの効果ややり方に加えて、難関ポイントの解決方法についてご紹介します。優雅な鳩のポーズを目指して、ぜひチャレンジしてみてください。
目次
1.鳩のポーズとは
ヨガのポーズには動物の名前がついたものが多いですが、この鳩のポーズもそのひとつです。
身体を反らして胸を広げていく様子が鳩のように見えることからつけられたものと言われています。そんな鳩のポーズにはたくさんの効果があります。座って行うポーズですが、その動きから様々な部位へ様々な効果を与えることができます。
まずは、鳩のポーズの様々な効果とやり方をご紹介します。
鳩のポーズの効果
・内臓を活性化する
胸に反りを加えることで、内臓に刺激が加わり活性化します。内臓が活性化すると便秘の改善や、巡りが良くなることで肌に艶が出るなどの効果が期待できます。
・肩や股関節周りをほぐし老廃物を排出させる
脇や股関節にあるリンパの流れをスムーズにし、老廃物を排出することですっきりした身体を感じることができます。
・お尻や太もものシェイプアップ
お尻や太ももをストレッチすることで筋肉が活性化し、すっきりとしたラインを実現できます。また、骨盤のゆがみなども整えてくれるので、お尻のたるみなどにも効果的です。
鳩のポーズのやり方 難易度★★★★★
・四つん這いの姿勢になる。
・右脚を前に出し、膝を外側に向ける。左脚は後ろへ伸ばす。
・左ひざを曲げ、足の甲を左手でつかんで引き寄せる。
・足先をもったまま左ひじを上に向け、右手も左手と同様に足をもつ。
・胸を引き上げながら、頭頂部を足に近づける。
・深い呼吸を続ける。
・息を吐きながら手をほどき、左脚も下ろす。
・手をついてお尻を持ち上げ、四つん這いの姿勢に戻る。
・反対側も同様に行う。
2.鳩のポーズの難関ポイントと解決方法
2-1 足のポジションが決まらない
【原因】
理想的なポジションに足を置けないのは、股関節周りやお尻の筋肉に柔軟性が足りないのが原因です。
【解決方法】
■ お尻のストレッチ (針の穴のポーズ 難易度★★☆☆☆)
・仰向けになり、両膝を揃えて立てる。
・左脚を持ち上げ、外くるぶしを右ももにのせる。
・両手で右ももの裏側をもち、息を吐きながら胸のほうへ引き寄せる。
・右のお尻が伸びているのを感じながら呼吸を続ける。
・息を吐きながら右脚を下ろし、両手・左脚を解放する。
・反対側も同様に行う。
■ 股関節周りのストレッチ (三日月のポーズ 難易度★★☆☆☆)
・四つん這いの姿勢になる。
・右脚を大きく踏み出して、かかとを右膝の真下に置く。
・息を吸いながら上体を起こし、両手を上に伸ばしながら胸を開く。
・深い呼吸を続ける。
・息を吐きながら両手を下ろす。
・息を吸いながら四つん這いの状態に戻る。
・反対側も同様に行う。
2-2 上半身が倒れてしまう
【原因】
身体が前に倒れてしまい起き上がることすら難しいときは、鼠径部が凝り固まっていることや、ももの前側の筋肉が硬いことが原因です。
【解決方法】
■ 鼠径部のストレッチ (合せきのポーズ 難易度★★☆☆☆)
・両膝をたてて座る。
・両膝を外に開き足裏を合わせ、骨盤を立てて背筋を伸ばす。
・両手で足の甲を持ち、両脚を身体のほうへ引き寄せる。
・息を吐きながら両もものつけねから前屈する。背骨は長く伸ばす。
・息を吐きながら上体を起こす。
※2-1 ②で紹介した三日月のポーズも有効です。
■ ももの前側のストレッチ (あお向けの英雄のポーズ 難易度★☆☆☆☆)
・割り座になり、両手を身体の後ろにおろす。
・手を後方へ歩かせながらゆっくりと上体を後ろにおろす。
・両腕を頭上に伸ばし、左右の手でそれぞれ反対の肘をもつ。
・両手を解放し、両手で上半身を支えながら起き上がる。
2-3 膝が曲がらない
【原因】
後ろ足の膝が曲がらないのは、ももの前側の筋肉が固まってしまい伸びなくなっていることが原因です。前足の膝が曲がりにくい、安定しにくいときはお尻の筋肉が固まってしまっていることが考えられます。
【解決方法】
■ ももの前側のストレッチ (片脚を伸ばしたかえるのポーズ 難易度★★☆☆☆)
・両脚を腰幅に開いてうつ伏せになり、左右の前腕を床に置いて上体を起こす。肘は肩の真下の位置。
・右手を45度内側の向きに置き、上体を支える。
・左ひざを曲げ、左手で足の甲を内側からもつ。
・息を吐きながら左手で足の甲を押さえ、かかとを座骨に寄せる。
・左脚の前ももの伸びを感じながら、深い呼吸を続ける。
・息を吸いながら左手を離し、左脚を元の位置に戻す。
・反対側も同様に行う。
※2-2②で紹介したあお向けの英雄のポーズも有効です。
■ お尻のストレッチ (ゆりかごのポーズ 難易度★★☆☆☆)
・両膝を立てて座り、左ひざを外側に開きかかとを身体に引き寄せる。
・両手で右の足裏をもち、脛が床と平行になるところまで引き上げる。
・両腕で右のふくらはぎとかかとを抱え込み、胸へ引き寄せる。右のつま先は立てておく。
・骨盤を立てて深い呼吸を続ける。
・息を吐きながら右脚を解放する。
・反対側も同様に行う。
※2-1①で紹介した針の穴のポーズも有効です。
2-4 腰を反りすぎて痛くなる
【原因】
腰椎が過度に曲がっていて、胸椎を使えていないことが原因です。
【解決方法】
■ 胸を大きく開く (魚のポーズ 難易度★★☆☆☆)
・あお向けになり、両手のひらを下にしてお尻の下におく。
・息を吸いながら、前腕と肘を強く押して頭頂は床につけたまま胸を持ち上げる。
・深い呼吸をしながら胸を開く。
・息を吐きながら胸を下ろし両手を解放する。
※初めて魚のポーズを行う際は、首を痛めないようゆっくりと行いましょう。違和感がある場合はタオルを首の下に挟んだり、胸を上げすぎたりしないよう注意します。
2-5 手が届かない
【原因】
手で足をつかめないのは、上半身が硬かったり、肩や腕の柔軟性が不足していたりすることが原因です。
【解決方法】
■ 身体の前面をストレッチ (コブラのポーズ 難易度★★☆☆☆)
・うつ伏せの姿勢で、脚は骨盤幅に開く。
・両手を胸の横に置き、脇は閉める。
・息を吸いながら足の甲と太もも、恥骨で床を押して上半身を持ち上げる。
・吐きながら肩甲骨を下げ、耳から肩を遠ざける。
・肘が伸び切らないところで深い呼吸を続ける。
・息を吐きながら上体を下ろしていく。
■ 肩の柔軟性を高める (牛の顔のポーズ 難易度★★★☆☆)
・両膝を立てて座り、左膝を外に開いて倒し、かかとを右のお尻に近づける。
・右脚を左ももの外側に置いて膝を倒し、左右の膝を身体の中央に引き寄せる。
・左腕を上に伸ばし、肩を後ろにひいて肘を曲げる。
・右手は下から回し、右手の指と左手の指を絡める。届かない場合はタオルをつかって右手と左手をつなぐ。
・背筋を伸ばしたまま、呼吸を繰り返す。
・息を吐きながら両手を解放する。
・息を吸いながら両膝を立てる。
・反対側も同様に行う。
2―6 首の後ろが痛い
【原因】
身体を反らせるときに首の後ろが痛くなるのは、首を過度に反らせていることが原因です。
【解決方法】
上を向きすぎず、首の前側の筋肉を使いながら背骨の延長線上に頭蓋骨がくるよう意識します。
3.鳩のポーズのバリエーション
鳩のポーズには、難易度の低い様々なバリエーションがあります。まずは難易度の低いポーズから練習してみるとイメージがつかみやすく、理想的なポーズに近づくことができます。
眠った鳩のポーズ 難易度★★☆☆☆
眠った鳩のポーズは身体を持ち上げるのではなく、前に倒してうつ伏せになるポーズです。前脚側のお尻の筋肉をストレッチすることができます。
・四つん這いの姿勢になる。
・右脚を前に出し、膝を外側に開いて床につける。左脚は後ろに伸ばす。
・両手を前方に伸ばして背骨を長く保ち、息を吐きながら上体を倒していく。
・深い呼吸を続ける。深められそうであれば、さらに胸を床へと近づける。
・息を吸いながら両手を使って上体を起こす。
・四つん這いの状態に戻る。
・反対側も同様に行う。
小鳩のポーズ 難易度★★★☆☆
曲げた後ろの足を肘でひっかけて持ち上げるポーズです。体側を気持ちよく伸ばすことができます。
・四つん這いの姿勢になる。
・右脚を前に出し、膝を外側に向ける。左脚は後ろへ伸ばす。
・左ひざを曲げる。左ひじを後ろにまわし、左の足先を引っ掛ける。
・右腕を持ち上げ、肘を曲げて右手と左手の指を絡める。
・胸を開いて深い呼吸を続ける。
・息を吐きながら両手、左脚を解放する。
・四つん這いの状態に戻る。
・反対側も同様に行う。
4.おわりに
鳩のポーズは、様々な部位の柔軟性が求められるポーズです。
いきなり挑戦しようとせず、まずは簡単なポーズでひとつひとつの部位を丁寧に動かし練習してみましょう。スムーズに動く身体で行えば、理想の鳩のポーズに近づくことができます。
無理をせず、自分の身体と対話しながら行ってみてください。