日々生活していく中で、尿漏れや頻尿などの悩みに困っていませんか?
薬やサプリを飲む方法が一般的なアプローチかと思いますが、それでも直らない、もしくは治ってもすぐにまたなる、あまり薬を飲みたくない・・・と思う方もいると思います。
そんな方には、ヨガの観点から見ると、呼吸や骨盤底筋の強化、またその周辺の筋力アップや体幹アプローチがあります。
骨盤底筋が緩む原因とヨガの関係、骨盤底筋の感覚を掴む呼吸法、尿漏れや頻尿対策の5つのヨガポーズを紹介します。
気になっている方はぜひこの記事を見てくださいね。
目次
女性にとって大事な骨盤底筋
尿漏れや頻尿などの症状に深く関わっているのが、骨盤底筋です。
加齢によるホルモンバランスの低下、妊娠や出産で起こる骨盤へのダメージなど、女性の体の様々な状況や変化から、尿漏れや頻尿などのトラブルが起こりやすくなります。
その他にも冷えや肥満、筋力低下などが原因になることもあるのです。
骨盤底筋は骨盤の底にハンモックのように広がり、お尻の穴を締める、子宮や膀胱、内臓などの臓器を下から支える役割を担っています。
骨盤底筋が緩んだり伸びたりして上手く機能しなくなると、尿漏れや頻尿、さらに内臓を支えられずに内臓が下がってしまうことで、痔や子宮脱が起きることもあります。
また、骨盤底筋は姿勢を安定させ、体幹を支える横隔膜や腹横筋、多裂筋などの筋群と協働しているインナーユニットの1つでもあり、姿勢維持に欠かせません。
サポート的な役割をしている骨盤底筋ですが、特に女性にとってとても大切な筋肉なんですね。
加齢や腹圧で緩みやすい
加齢とともに、少しずつ筋力は低下していきますが、特に女性はエストロゲンの分泌量が減少することで、男性よりも分かりやすく全身の筋力が低下していきます。
体調に大きな変化がないのに、くしゃみやせき、お腹に力を入れた時に尿漏れが起きる、何度もトイレに行きたくなるのは、骨盤底筋の筋力低下が原因です。
その他にも元々筋肉が少ないと、血流が悪く体が冷えることで膀胱が縮み、尿意を感じやすくなります。
妊娠や出産経験がある場合も気をつけて
妊娠後期になると子宮が大きくなり、膀胱が圧迫されるので頻尿になりやすく、赤ちゃんの重みで骨盤底筋が引き伸ばされることで、お腹に力が入ったときに尿漏れしやすくなります。
出産後は、分娩により骨盤底筋が伸びきるので、尿道を締めにくくなり尿漏れしやすい状態にあります。
産後の症状は、3~5か月ほどで骨盤底が回復することで自然に収まりますが、出産の経験がある女性は将来、頻尿や尿漏れが起きやすいと言われているので、産後に骨盤底筋のケアをしておくことが大切です。
尿漏れや頻尿だけじゃない!若返りにも効果的
骨盤底筋は使っている感覚が掴みにくく、とても鍛えにくい場所です。
使っている筋肉を意識しながらポーズを取り、数呼吸キープするのがヨガですが、掴みにくい骨盤底筋周辺にある内ももやお尻の筋肉、腹筋などを意識することで、骨盤底筋も一緒に収縮させて鍛えることができるのです。
また、骨盤底筋を鍛えることで期待できる効果は、頻尿や尿漏れだけではありません。骨盤底筋の緩みで下がっていた内臓が引き上げられ、ぽっこり出ていたお腹周りがスッキリ引き締まるでしょう。
さらに、姿勢を支えるインナーユニットでもある骨盤底筋が働くことで、姿勢改善に繋がります。姿勢が改善することで、姿勢不良から起きていた腰痛や肩こりからも解放されるでしょう。
緩んだ骨盤底筋とお尻の筋肉を鍛えることで、たるんでいたお尻も一緒にきゅっと引き上がる効果にも期待ができます。
ここからは、骨盤底筋への意識をアップする呼吸法と、5つのヨガポーズを紹介していきますね。
骨盤底筋への意識をアップする呼吸法と、5つのヨガポーズ
呼吸で骨盤底筋の感覚を掴む
骨盤底筋は、肺の下側にあり、呼吸をする時に動く横隔膜と連動して動きます。
大きく息を吸った時、横隔膜は収縮して位置が下がり、その動きに連動して骨盤底筋も下方に下がります。息を吐くと、横隔膜は緩んで上部に戻り、骨盤底筋も緩みます。
姿勢を正してゆっくりと呼吸を行ってみて、息を吐いた時に、膣と肛門の間にある会陰のあたりが体の内側に引き上がっていくような感覚があれば、骨盤底筋の感覚が掴めています。
ただこの感覚は、とても微細な感覚なので、最初の段階でよく分からなくても大丈夫です。
会陰を引き上げようと意識しすぎて腹圧をかけてしまうと、骨盤底筋にも圧がかかり固めてしまうので、効果的ではありません。
ポイントは、ティッシュケースからティッシュを1センチ程、そっと引き上げるような力加減です。
この感覚をもう少し掴みたいという場合は、あおむけの状態で足裏同士を合わせて、膝を開きます。
4秒程かけて鼻から息を吸い、6~8秒かけて細く長く息を吐く時に、肛門を締め、尾てい骨をほんの少し持ち上げようとしてみましょう。
実際に持ち上げるのではなく、ティッシュをそっと引き上げるように、持ち上げようとする感覚を意識します。
感覚が掴めたら、日常で座っている時や立っている時に時々意識をしてみて、その感覚を体に馴染ませていきましょう。
セツバンダアーサナで下半身から強化
2. 両腕は体側に伸ばし、掌を下に向けて、後頭部で少し床を押します。
3. 息を吸いながら、お尻から腰、胸まで持ち上げていきます。
4. お尻の穴を締めて、かかとで床を押しながらお尻は高い位置をキープしましょう。
5. 3~5呼吸繰り返したら、息を吐きながら、首の下から順番に下ろしていきます。
6. お尻まで下ろしたら、呼吸を整えて終わるか、もう一度行います。
両膝が開いてしまう場合は、内ももの間に厚めに畳んだタオルを挟みます。慣れてきたら、足幅を2センチ程狭くして、内ももを閉じた状態でキープしてみましょう。
内ももに沿うように走っている内転筋群と、お尻の筋肉である大殿筋は、骨盤底筋をサポートする筋肉です。内転筋群を鍛えることで、骨盤を安定させ、下半身の引き締めに効果があります。
また、お尻の穴の周辺を、キュッと締めながら持ち上げてキープすることで、骨盤底筋にアプローチして、引き上がったお尻や、代謝アップ効果にも期待ができます。
背筋も鍛えるバッタのポーズ
2. 両足は拳1個分ほど開き、親指をまっすぐ後ろに伸ばします。
3. おへそのくぼみを背骨の方へ引き込み、息を吸いながら、みぞおちから上体を起こします。
4. 下半身は、足の付け根から30度ほど持ち上げて、後方に強く伸ばし続けます。
5. 耳から肩を離し両腕を後ろに伸ばして、肩甲骨が引き寄せられている感覚を意識しましょう。
6. 首の後ろが縮まりすぎないように気を付けながら、目線を前方に向けて、10~30秒キープします。
7. 息を吐きながら、丁寧にうつぶせに戻り、ほどいた両手をおでこの下に置いてリラックスします。
8. 1回か、余裕があれば2~3回行いましょう。
背骨の両側に沿うように走っている多裂筋は、インナーユニットの一つで、姿勢を安定させることに特化しており、骨盤底筋とも深く関わります。
バッタのポーズで多裂筋を鍛えることで、姿勢を改善すると同時に、間接的に骨盤底筋も鍛えられます。
骨盤底筋への意識をさらにアップする杖のポーズ
2. かかとを真っすぐ前方に伸ばし、つま先は天井に向けます。
3. 両手をお尻の横に置き、お尻の穴を締め、頭頂が天井に向かって伸びていくイメージで背筋を伸ばします。
4. 吐く息の時に、会陰が引き上がる感覚を意識しながら姿勢を保ち、数呼吸繰り返しましょう。
骨盤が立てにくい場合は、かかとを正面に伸ばした状態で膝を少し曲げます。
長座の姿勢は、骨盤底筋を含めたインナーユニットが働くので、姿勢改善に繋がり、普段の姿勢でも意識をしやすくなります。
花輪のポーズは股関節からアプローチ
2. 両手を腰に当てて、かかとで床を踏み背筋を伸ばし、息を吐きながら、出来るだけ真っすぐの姿勢のまま腰を落としていきます。
3. 胸の前で合掌して、両肘で膝を内側から押し、股関節から膝を開き、数呼吸続けます。
4. 両手をゆっくりとほどいたらお尻の後ろに置き、お尻を降ろして脱力しましょう。
背筋を伸ばし続ける意識で、姿勢改善と骨盤底筋を強化し、産後の尿漏れ予防にも効果が期待できます。踵を床につくことが難しい場合は、踵と床の隙間にタオルを敷きましょう。
ダウンドッグでしなやかな筋力をつける
2. つま先を立てお尻の穴を締めて、股関節からお尻を後ろの天井方向に引いていきます。
3. 掌はぴったりと床に張り付け、まずは背骨を伸ばすことを意識してから、膝を伸ばしていき、踵は下ろせたら、床に付きます。
4. 数呼吸キープしたら、両膝を床に下ろし四つん這いに戻ります。
体の背面を伸ばし全身の血液循環をアップし、内転筋や殿筋を鍛えて、間接的に骨盤底筋を強化します。腰が伸びにくい場合は両膝を曲げ、背骨を長く伸ばし骨盤を床と平行に保ちましょう。
骨盤底筋と周辺の筋肉を鍛えることは、女性にとって嬉しい効果が沢山あります。
感覚が掴めたら、普段の生活でも意識しやすくなります。
また、快適な妊娠期間を過ごすことや産後の回復にも効果的なので、トレーニングをする時は、掛かりつけのお医者様に相談してから行いましょう。
ヨガは1日に1ポーズでも、日々継続することが大切です。
強くてしなやかな骨盤底筋を目指して、今日から骨盤ケア生活、始めませんか?
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