サップヨガ(SUPヨガ)について
サップヨガ(SUPヨガ)とは
サップヨガとは、SUPというサーフボードのようなボードの上に乗ってヨガのポーズをとるヨガです。水面の上に浮かべた不安定なボードの上でヨガをすることで、安定したマットの上で行うヨガ以上に体幹やバランス感覚が鍛えられるとともに、水面の独特の浮遊感によるリラックス効果も得られます。
まず、SUPについてですが、これはStand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)の略で、ハワイ発祥のボードの上で立ってパドルを漕ぎ海や川の水面を移動するアクティビティです。
サーフィンとカヌーをミックスさせたようなイメージです。このSUPで使うボードはサーフボードよりも大きなものなので、サーフボードに比べ浮力や安定感があり、さらにパドルでバランスをとることもできますので、初めての方でも挑戦しやすいアクティビティと言えます。
また激しい運動でもないので年齢や性別に関係なく挑戦でき、初心者でもすぐボードの上に立つことができるので、SUP体験イベントの1時間程度のレッスンで十分楽しめます。
こうした幅広い人が楽しめることで人気となったSUPが、ヨガと組み合わさることで生まれたのがサップヨガです。SUPにはボードにもいろいろ種類があり、サップヨガはサップヨガに適したボードを使って行います。
サップヨガの良さは、体幹やバランス感覚が鍛えられる点や、ふわふわと揺れるその感覚からくるリラックス効果が得られる点などは前述した通りです。
さらに、リゾート地など屋外で行うサップヨガでは自然を感じることができ、心身ともにリフレッシュできることなども利点のひとつと言えます。
サップヨガ(SUPヨガ)の効果
1, 体幹の強化
サップヨガは、水面に浮かぶボードの上でヨガのポーズをとるため、自然と体幹やインナーマッスルが鍛えられます。
初めのうちはバランスをとることに精いっぱいで、簡単なポーズでさえ完成させることが難しいかもしれませんが、慣れてくると様々なポーズをとることができるようになり、全身を使うポーズをとることで体幹を鍛えながら均整のとれた身体づくりができます。
2, 集中力の強化
水面の不安定な独特の浮遊感のなかでポーズをとることで、重心をずらすとすぐにぐらついてしまうため高いバランス感覚と、そのバランスを保つための集中力が必要になります。中心軸を意識する集中力を高めます。
3, リラクゼーション効果
ボードと一体になるシャバアーサナなどのポーズは安定感があり、ふわふわと揺れる水面の感覚に心地良さを感じます。
また、自然の中で行えば、水面を間近に見たり、水面に映る景色を眺めたり、水が揺れたり流れたりする音を楽しんだりと、五感にも訴えかけることで深いリラクゼーション効果を得られます。
サップヨガ(SUPヨガ)のコツ
マットの上で行うヨガとは全く違った不安定な場所で行うサップヨガ。ここでは、サップヨガを行う上でのコツをご紹介します。
ゆっくりした呼吸
サップヨガでは、通常のヨガの呼吸よりさらにゆっくりとした呼吸を意識します。ゆっくりした呼吸に合わせ、ゆったりとした動きを行うことで、バランスのとれたポーズに導きます。
中心を意識する
バランスをとるうえで最も重要なのがボードの中心を捉えることです。ボードの中心がどこにあり、身体の軸をどこにもってくればうまくバランスがとれるのかを意識することで、ボードが揺れず、うまくポーズをとることができます。
視線を固定する
ボードの揺れによって、視線がぶれてしまいがちですが、そのポーズで決められた正しい視線を保ちます。視線が定まることで、呼吸や姿勢が安定し集中力も高まります。
サップヨガ(SUPヨガ)を体験する
サップヨガが体験できる場所
現在、サップヨガが体験できるスポットは、沖縄や湘南などを中心に全国各地に増えています。日程などを指定して検索できるサイトもありますので、ご都合に合わせて体験が可能です。
また、遠くに行かず、室内でサップヨガがしたいとの要望に応えたサップヨガプログラムもフィットネスクラブなどで増えています。天候や時間帯を問わず行うことができ、安全かつ手軽にサップヨガが楽しめるのが魅力です。
・TIP.X TOKYO
・JEXER FITNESS CLUB
体験の際の注意点
サップヨガに適した服装
サップヨガではボードから落ちて水に濡れることもあるため、水に濡れても動きやすい速乾性のある服装であることが大切です。
また屋外で行う場合は、長時間水面にいるため日焼け対策という観点とボードから落ちた際の安全対策という観点を兼ねて、なるべく身体を覆う服装がベストです。
例えば、シンプルな水着の上にヨガウェアのトップスやレギンスなどを重ね着するなど。参加するプランによってはウェットスーツをレンタルできる場合もあります。水に濡れると重くなるような服装は避けましょう。
ボードから落ちそうになったときには
不安定なボードの上で行うサップヨガ故に、絶対にボードから落ちないとは限りません。万が一落ちそうになったときにはあまり衝撃を受けないように重心を低くして転げるように落ちるようにします。
立った状態でそのまま落ちてしまうと衝撃も大きく、危険です。特に周りに硬い岩やサンゴなどがあったり、人がいたりする場合は要注意です。また、落ちたときにボードに戻るための方法も事前に聞いておきましょう。
ヨガインストラクターにとってのサップヨガ(SUPヨガ)
ヨガインストラクターにとってのサップヨガのメリット
動きの再認識
日頃慣れたマットの上で行うのとは異なり、独特な揺れのなかで行うサップヨガは、自分の動きを再確認するのに有効です。普段何気なく行っているポーズがなかなかうまくとれないなかで、どのような動きをとればいいか確認しながらゆっくりと行うことで細かく丁寧に身体の使い方を観察できます。
生徒視点でのポーズへのアプローチ
なかなかうまくポーズがとれないという経験は、生徒さんの指導にも役立ちます。うまくいかないときに体のどこを意識すればいいのか、どう呼吸をすれば安定するのか、探していく作業を生徒目線で行うことで、クラスのなかでの指導の言葉にも深みが増します。
ヨガの楽しさの広がり
日頃、指導者として生徒さんと向き合うなかで、指導に集中しヨガ本来の楽しさを見失ってしまったときには、ヨガ本来の楽しさを思い出させてくれます。
また、ヨガはスタジオで難しいポーズをとることだけでなく、いろいろな楽しみ方の可能性があることを感じることで、ヨガを伝える指導者としてその魅力をより一層伝えることができるようになります。
サップヨガインストラクター資格取得
サップヨガのインストラクターを目指したいとなったときには、サップヨガインストラクターの資格取得が目指せる講座があります。サップヨガは、海や川・プールといった水辺で行うため、水辺での安全対策が非常に重要になります。
さらに、自然の楽しみ方やボードの取り扱い方法など、サップヨガならではの内容も盛り込まれた養成講座となります。サップヨガのインストラクター資格をもつことで、仕事の幅も広がります。
日本サップヨガ協会
2014年にサップヨガの普及と啓発活動、インストラクターの育成といった活動を目的に設立された「日本サップヨガ協会」ではインストラクター養成の講座を行っています。女優でタレントの田中律子さんが理事長を務めていることでも知られています。
※現在、日本サップヨガ協会での養成講座は新型コロナウイルス感染拡大防止の為、休止中
ヨガアロハ・アカデミー
全米ヨガアライアンス認定のヨガスクールである「ヨガアロハ・アカデミー」でもサップヨガティーチャー資格取得コースを開催しています。こちらはホノルルにて開催されており、RYT200の資格取得後の受講が条件とされています。
おわりに
水面すれすれで水音を感じながら行うサップヨガ。揺れるボードの上でシャバアーサナのポーズをとっているだけでも気持ちが休まります。
深いリラックス感を得ながらいつもとはまた違った環境でヨガをすることで、さらにヨガの良さを感じることができ、加えて体幹やバランス感覚、集中力も鍛えられますので、興味のある方はぜひ体験から始めてみてください。
SUPヨガを実際に体験した方の体験談です。東京近郊はもちろん、日本各地で気軽に参加できるので是非お試しください。
→神奈川県でサップヨガ【初体験談】ヨガ歴15年の私はボードに立てるか!?