私は4年ほど前にヨガのインストラクター資格(国内でも認知度の高いヨガ資格のひとつであるRYT200)を取得したのですが、資格取得の際にヨガ哲学を深く学んだことで大きく生き方・考え方が変わりました。
それまで他人の考える「幸せ(良い大学に入る・良い会社に就職する・結婚し子供を育てる等)」や「こうあるべき」といったことに縛られていましたが、今はそこから離れて本当に自分が幸せだと思えることと向き合えていると思います。
ヨガに出合え、深く学ぶことができたことは一生の財産です。
私がヨガを始めた頃のこと
そもそも、最初に私がヨガに触れたのは20年ほど前、当時流行し始めたホットヨガからでした。大量に汗がかけるということでダイエット目的として始めました。元々運動好きなこともあり、ホットヨガで大量の汗をかいてすっきりするその瞬間がとても好きでした。
すっかりハマり何度も通うなか、あるときヨガの最後のお休みのポーズ、シャバアーサナをして床に寝転がっている瞬間にとてつもない安堵感を感じていることに気がつきました。
なんとなくヨガは身体だけではなく、心に働きかけているのだということに気が付き始めた瞬間でした。
その後は、転勤などでスタジオに通えない時期もありましたが、覚えたヨガのポーズを自宅で毎朝(10分ほどの短い時間ですが…)行うなど、ずっと続けてきました。
今ではすっかり朝のルーティンになっています。
一人ヨガの本場、インドのヨガアシュラムへ
そうしてヨガにハマっていき、ヨガの本場に触れたいと1人でインドのヨガアシュラムに行ったこともありました。
ヨガの聖地といわれるリシケシュのアシュラム(ヨガの修行院)までは本当に遠く、道もあまりよい道ではなかったので辿り着くまでに苦労しましたが、インドの母なる大河であるガンジス川の上流で、その大きく何もかもを包み込むような川の流れを眺めているとなんともいえない幸せな気持ちになりました。
人に言うと笑われるのですが、そのとき真剣に「自分も全てを包み込むガンジス川のような人になりたい」と思いました。
その後、もっと深くヨガを知りたいとインストラクターの資格を取ることにしました。
ヨガインストラクターのスクール選び
RYT200の資格は明確に講義内容が定められているわけではなく、通ったスクールのカラーによって内容も少し変わってくるということを聞いていましたので、スクール選びは慎重に行いました。
まず行ったのは、Facebookで知り合いにおススメのヨガスクールを聞くことでした。自分でも色々調べましたが、まずは知人におススメされたスクールを中心に説明会などに実際に参加し、そのスクールのカラーを見ていきました。
実際、スクールによってカリキュラムが全く異なっていました。内容はヨガを深めるものではあるのですが、そのスクールの得意とするところがそれぞれ違っており、中にはビジネスとしてのヨガを中心にカリキュラムが組まれているようなスクールもありました。
もちろん良い悪いではなく、これからインストラクターとして独立してヨガを仕事としていく方にはそういったスクールが合っているのかとも思います。
私としては当時、ヨガ哲学といった考え方を深めていきたいと思っていましたので、色々説明会に参加したなかで一番安心感があり、また、お話しされている内容に最も共感できたスクールに決めました。
長期間通い続けるスクールですし、通いやすさや金額も大切な要素ですが、そのスクールが「何を大切にしているのか」を実際の雰囲気などから感じることは、スクール選びに必須だと思います。
スクールに通い始め、すぐに自分がいかにヨガを理解していなかったかに気付き、愕然としました。日本では多いと思いますが、ヨガのポーズをとること(アーサナ)=ヨガだとその当時の私は思っていました。
ですが、アーサナはヨガの一部分にすぎず、ヨガの教えというものが本当に奥深いものだということを痛感しました。アーサナを極めれば良いインストラクターになれるという認識は全くの間違いです。
特に私を変えてくれたのが、瞑想のクラスでした。
瞑想というと、「何も考えずにじっとしていることでしょ?そんなの時間の無駄だし、動くことが好きな私には絶対に無理!」と当時の私は思っていました。
ですが、そのスクールで出会った先生が本当に素晴らしく、気持ちよく瞑想に導いてくれました。
ただ、先生に導かれて行う瞑想は気持ちよくできたものの、やはり自宅での瞑想は始めたばかりの頃はなかなかうまくできず、向いていないのではなどと弱気になることもありましたが、とにかく続けることが大事と毎朝5分から始めました。
そうして続けるうちに瞑想が段々と好きになっていました。自分の本当の心と向き合う時間になっていったのを感じます。ヨガの教えでは幸せの根源は、自分の一番内側に元々存在するという考え方をしています。
うまく言葉では伝えられないのですが、瞑想を続けて3か月たった頃、その自分の内側に元々存在する幸せのようなものとつながれた感覚がありました。
何をしていても私は私、幸せな存在なのだ、といった感覚です。この瞑想の感覚が、私の人生観や実際の生き方を大きく変えてくれたものです。
ヨガを初めて人生が変わった
生き方が大きく変わったきっかけのひとつに、知人から一緒に起業しないかと声をかけてもらっていたこともありました。
その仕事はヨガとは関係ないものだったのですが、悩みに悩んだ末、この瞑想のときの「何をしても私は私、幸せな存在」という感覚を信じて、新卒からずっと勤めていた会社を辞め、起業することにしました。
一歩踏み出せた瞬間でした。
会社には特に不満があったわけでもなくとても良い会社で、今でも前職の職場の方々とは仲良くしています。
会社を辞めたことで苦労もありますが、後悔はありません。
会社を辞めて起業するまでの間は3か月ほど期間があったので、インドにもまた行きました。
今度は南インドのコチというところでアーユルヴェーダの治療院に3週間滞在し、パンチャカルマという毒(本来人には必要ではない余分なもの)を身体から出す治療を受けながら、ヨガのレッスンに通いました。
毎日アーユルヴェーダのマッサージを受け、処方してもらった薬を飲み、ヴェジタリアンの南インド料理を食べて生活します。
そして、その人に合ったタイミングで、その人に合った毒の出し方(下剤や浣腸など)で身体の中から毒を出します。この治療は毒を出す準備をし、毒を出したあと身体を回復させるために、最低でも2週間の滞在が必要だそうです。
私は3週間滞在したので現地の方とも仲良くなり、自宅に招いていただくなどインドにどっぷり浸れた良い経験でした。
起業してからはその事業にヨガも組み込み、個人の方に向けてヨガのクラスを行ったり、また企業に向けてマインドフルネスの講義を行うなどの提案も行いました。
ヨガのクラスは、アメリカで流行っているビールとヨガを組み合わせたビアヨガイベントです。
私の思いとしては、ヨガに対する日本国内でのイメージである「ヨガは女性のもの」とか「ヨガは身体が硬いとできない」といったものを取っ払って、男性も女性も気軽に参加できるものにしたかったのです。
反応はとても大きく、皆さん面白がって参加してくれました。
また、マインドフルネスも「瞑想」というものに対して「宗教的なもの」とか「スピリチュアルな怪しいもの」といったネガティブなイメージをもたれていることに対し、仕事をするうえでも役立つ理にかなったものだということをビジネス視点でお話ができればと始めました。
現在は、研修やアイディア会議などの合間に気分転換として取り入れてくださっています。
ただ、瞑想はやはり続けることで効果をより実感できるものなので、今後は続けていただくための施策を考えていきたいと思っています。
ヨガと出合ったこと、深く学べたことは本当に私の一生の財産です。
価値観や考え方を大きく変えてくれたかけがえのないものです。現在、インストラクターという仕事をしていますが、インストラクターという仕事を例え選ばなかったとしても、日々の暮らしに大きく影響を与えてくれるものに間違いありません。
そんなヨガの良さを、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。
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