日本でも一般的になりつつあるヨガですが、ヨガには様々な種類があり人によってイメージは異なります。
今回は、皆さんも知っているフィットネス業界に取り入れられている種類から、ヨガ発祥の地・インドで親しまれている種類など、ヨガの種類、全貌をご紹介します。
ヨガのことをもっと深く知りたい!という方は是非、ご覧ください。
目次
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ヨガの種類はたった4つ!?
ハタヨガ、アシュタンガヨガなどいろいろな呼び方がありますが、これらは大きく分けると同じ種類であり、ヨガの全体像をみていくとたった4つの種類に分けられています。
- ラージャヨガ
- カルマヨガ
- バクティヨガ
- ジュニャーナヨガ(ニャーナヨガとも呼ばれる)
例えばアシュタンガはハタヨガに属していますが、ハタヨガそのものはラージャヨガに該当します。ロシア人形で知られているマトリョーシカのような感じです。
ラージャヨガの中にハタヨガがあり、そのハタヨガの中のアシュタンガとなります。定番の太陽礼拝や、人気のエアリアルヨガはこのハタヨガの中に入っています。
ヨガの種類1. 体と心に効果的なラージャヨガ
気分よく過ごしたいのにネガティブに考えてしまったり、食べなければいいのについお菓子に手が伸びてしまったりと、自分の体や心をコントロールすることに苦しんだ経験はないでしょうか?
ラージャヨガは王様を意味しており、体や心を自分自身でコントロールするといった目的があります。
最終的には瞑想で心のコントロールをしていきたいところですが、現代では瞑想でじっと座っていることが困難な人が多いです。そのため、まずは瞑想しやすいように体や呼吸に働きかけていくハタヨガが誕生しました。
リラックス系のヨガでも、汗をかくヨガでも、体へアプローチするヨガは全てハタヨガです。肉体を整えた後に瞑想に没頭し、心を鎮めていくのがラージャヨガの最終目的地です。
ハタヨガ
次の11種類は全てハタヨガに含みますが、ハタヨガには太陽のような明るいエネルギーと、月のような落ち着いたエネルギーを調和させる(バランスを整える)意味があります。
種類や流派によって、力強さが優位になったり、逆にリラックスを優位にするなど使い分けられています。
また、参加したいヨガクラスのレッスン名が「ハタヨガ」とだけ表示されることも珍しくありません。その場合は、リラックスと動くことのバランスをとった内容であることが多く、初心者にもおすすめです。
関連記事:ハタヨガとは? ヨガ初心者がハタヨガで得られる5つの効果
アシュタンガヨガ/運動量:強
決められたポーズを決められた順番で行うアシュタンガヨガは、エネルギーが外に漏れないように肛門周辺・下腹部・のどの3つにあるバンダを締めて動いていきます。
エネルギーを体内に閉じ込め活性化させコントロールする目的があります。筋肉が締めつけられることで体の芯から温まり、ポーズごとに目線も決められているため高い集中力に効果があります。
アシュタンガヨガの代表的なポーズ:ブジャピダーサナ
ヴィンヤサヨガ 運動量:中~強
吸う息で1ポーズ、吐く息で1ポーズ、次の吸う息で1ポーズといった具合に呼吸と動きを連動させて流れるように動くヴィンヤサヨガは、アシュタンガヨガを現代風にしたものです。
アシュタンガヨガほど細かいルールがないため、その日のクラスによって行うポーズが異なることもあります。どのクラスでも全身を動かすため、血流・リンパの流れをよくする効果があります。
ヴィンヤサヨガの代表的なポーズ:ダウンドック
パワーヨガ 運動量:中~強
ヴィンヤサヨガ同様で、アシュタンガヨガがベースになっているためエネルギッシュなヨガです。1990年にアメリカで考案され、海外セレブを筆頭に世界中に広まりました。そのため、ダイエット効果や筋力アップを目的としていることが多いです。
ヨガ初心者が運動量のあるヨガを行いたい場合は、アシュタンガヨガやヴィンヤサヨガよりも1ポーズごとの体の使い方をチェックしやすくおすすめです。
パワーヨガの代表的なポーズ:ハイランジ
アイアンガーヨガ 運動量:中
プロップスと呼ばれるベルトやブロックなどの道具を使い、正しい姿勢・正しい体の使い方に重点を置くアイアンガーヨガでは、1つのポーズを長めに保ち呼吸を深めていきます。
道具を使うことで関節にやさしく、個々の身体に合わせることができます。体が硬い人には柔軟性を、体が柔らかい人には筋力をつけ調和をもたらします。道具の力を借りることで、初心者や高齢者そして子どもでも肉体と精神のリラクゼーションを得ることができます。
アイアンガーヨガの代表的なポーズ:トリコナーサナ
シヴァナンダヨガ 運動量:中
ポーズとポーズの間に必ずシャバ―サナ(寝ころがる休息)を入れるシヴァナンダヨガでは、チャクラを整えていきます。チャクラは体内に流れる気の集まるスポットで背骨に沿って7つ存在します。
シヴァナンダヨガでは、このチャクラを上から下に向かって活性化させるため、1番最初のポーズがヘッドスタンド(逆さまに立つポーズ)になります。思考を浄化する効果があり、心を明るくしてくれます。
シヴァナンダヨガの代表的なポーズ:シルシャーサナ
クリパルヨガ 運動量:中
ポーズの完成度ではなく、ポーズをとることによって生まれた感覚を受け入れていくクリパルヨガでは、体が何を求めているのか、心では何を感じているのか、自分自身の内側にある答えへアクセスしていきます。体と心のさらに奥深くにある魂(本当の自分)とつながることができ、精神的なセラピー効果が高いと言われています。
クリパルヨガの代表的なポーズ:ヴィラバドラーサナ2
陰ヨガ 運動量:なし
ポーズのキープ時間が長い陰ヨガでは、1ポーズ3~5分程かけて座った姿勢や、寝たポーズをとっていきます。力強い筋肉は太陽のような陽のエネルギーですが、いつも骨を支えている筋肉を休めることで月のような落ち着いた陰のエネルギーを優位にしていきます。骨への関わりが深く、股関節や背骨まわりを柔らかくしてくれ高いリラックス効果があります。
陰ヨガの代表的なポーズ:バタフライ
リストラティブヨガ 運動量:なし
陰ヨガよりもさらにキープ時間が長いリストラティブヨガでは、プロップス(ヨガの道具)を豊富に使い1ポーズ20分程かけてリラックスしていきます。ヨガができなくなるくらいの精神的な辛さがあったときに心が回復されるようにと考案されました。
無意識に入る体の緊張をゆるめ心のコントロールさえ手放すことで、人が本来持っている自然治癒力が引き出され、自然な明るさや元気が戻っていきます。
リストラティブヨガの代表的なポーズ:ヴィパリタカラニ
ホットヨガ 運動量:弱~強
温度35~40度程・湿度60%前後といった暑さのなかで行うホットヨガは、大量の汗をかき代謝を上げていきます。ホットヨガの環境でパワーヨガを行ったり、逆にリラックスを中心としたヨガを行ったり、クラスによって内容は異なります。部屋の熱により柔軟性が高まりやすく、汗をかくことでリフレッシュ効果を得ることができます。
ホットヨガの代表的なポーズ:パリヴリッタパールシュヴァコナーサナ
サップヨガ 運動量:中
ハワイ発祥のサップヨガは、サーフボードよりも大きな板を海に浮かべてその上でヨガを行います。水の揺れとバランスをとるために身体では細かい筋肉を使うことができ、シェイプアップに効果的です。また、自然の解放感によって高いリラクゼーションを味わえ、今この瞬間に集中することができます。
サップヨガの代表的なポーズ:キャットスプリット
エアリアルヨガ 運動量:中
天井から吊るされたハンモックにぶら下がって行うエアリアルヨガでは、空中に浮きポーズをとることで重力からの解放感を得ることができます。日常生活で負担のかかりやすい腰まわりを和らげる効果や、逆さになることで内臓や血行、そしてリンパが正常に機能しやすくなります。
エアリアルヨガの代表的なポーズ:スパイダーマン
目的に合わせた選び方
身体をアプローチするハタヨガの中にはたくさんの種類があることがわかったところで、次は目的にあった選び方をご紹介していきます。
ダイエットにおすすめヨガ3つ
この3つは体を引き締めたい人に効果的です。日頃からルーティン化が好きな人は規則性の高いアシュタンガヨガが向いています。動くことに苦手意識のある方はパワーヨガが始めやすいです。
伝統的なヨガを学びたい人におすすめヨガ4つ
この4つはエネルギーの流れや自分の本質に気づくことが重要と考えられているため、ヨガで大切にされている結果へ執着しないマインドを養うことができます。スピリチュアルなことが好きな人も積極的に楽しんで体を動かすことができます。
リラックスにおすすめヨガ2つ
この2は心身共に休める効果があり、あまりの気持ちよさにポーズをとっている際中に寝てしまう人も多いです。体の硬い人や体力に自信のない人、日頃ストレスの多い人におすすめです。精神的に辛いときや、動く気になれないとき、激しい運動が禁止されている人なども気持ちよく行えます。
趣味として楽しむのにおすすめヨガ3つ
この3つはスポーツのように遊び感覚ではじめやすいです。特にサップヨガとエアリアルヨガは、大人になると忘れてしまいがちなワクワク感をとり戻すことができ心をフレッシュにしてくれます。
運動習慣として取り入れたい人は、全国に店舗数の多いホットヨガが通いやすくおすすめです。
太陽礼拝はダイエット効果がある?
アシュタンガヨガをベースとしたものやシヴァナンダヨガでは、太陽礼拝(たいようれいはい)と呼ばれる一連の動作があります。とり入れるポーズの形は流派によって異なりますが、いくつかのポーズを繋げて1サイクルとしてカウントするのは共通しています。
太陽に感謝をする意味があると言われる一方で、インドのボディービルダーが考案したとの説もあります。
太陽礼拝では体幹を使うため、繰り返し練習することで自然と体は引き締まっていきます。また、内臓が正常な位置に戻りやすく暴飲暴食を防ぐ効果もあります。
ポーズを移行するときには、足を大きく動かすため股関節まわりの老廃物がスッキリと流れむくみを解消してくれます。
ヨガの種類2. 執着を手放すカルマヨガ
これだけダイエットを頑張ったのだから絶対に痩せたい!こんなにキレイになったのだから好きな人に愛して欲しい!など、結果を求めることは苦しみの元であるとヨガでは考えられています。
カルマヨガは、自分の行動とそれに対する結果への執着心を手放すヨガです。
ヨガマットの上だけでなく家庭や職場、通勤時など日常生活で実践することができます。
見返りを求めずに神のために行動し、神が与えてくれるどんな結果も受け入れることで本当の自由と幸せを得ることができます。体を動かすヨガに興味のない人にもおすすめです。
ヨガの種類3. 神を信愛するバクティヨガ
神へ祈るバクティヨガでは「キルタン」と呼ばれる練習法により、音楽と共にマントラを唱えます。音のバイブレーションにより心が静かになり、自身の内側にある神聖なエネルギーと繋がることが目的です。
神を近くに感じることで欲を浄化する効果があり、怒り・先入観・疑い・不安などから自由になり、愛に満ちた暮らしを送ることができます。インドではとてもポピュラーなヨガです。
ヨガを深めたい人が読みはじめる「バガヴァッド・ギータ」は、このバクティヨガの経典(教えが綴られた書物)です。神を信愛するヨガのため、宗教を嫌がる日本人にとっては馴染みづらく感じてしまうかもしれますん。
しかし、バクティヨガでは妄信(わけも分からず信じ込むこと)は禁じられています。
無知な私たちには想像できないこの世界の正しい知識を師匠から学び、可能な限り論理的に分析して自分で体験することで、あるがままを観ることができます。
ヨガの種類4. 一番難しいジュニャーナヨガ
ギャーナヨガ、ニャーナヨガなど日本語での呼び方は様々ですが、聖典や哲学などを学ぶことから「知識のヨガ」とも言われるジュニャーナヨガでは、家族・仕事などこれまでの生活や名前など全てを捨て、ヒマラヤの山奥でこの世の本質に向かい修行していきます。
所有物を捨てることで自我から自由になることができ、悟りの境地に近づくことができると言われています。
ヨガの最終目的は1つ
大きく分けると4つあるヨガの道ですが、どの方法でも辿り着くゴールは1つです。ヨガのゴールは苦しみから自由になり〝幸せ〟を体験することです。
そしてその幸せは、自分自身や他者あるいは神など対象が何であれ〝何かと繋がること〟で得ることができます。
その中でも、自分の本質(魂)と繋がることができれば、誰かとの別れや、心身に起こるトラブルなど、あらゆる悩みから解放されます。