体はだるくて重く、髪は広がり、仕事モードに入らないといけないのになんだかやる気が出なくて気分も落ち込んでくる、そんな悪循環に陥りがちなのが梅雨の時期ではないでしょうか。
実は、それは気分で起こっているのではなく、気圧や自律神経が大きく関係しているのです。
1年で最も気象ストレスを受けやすい梅雨を快適に過ごすには、ヨガのポーズや呼吸からのアプローチが効果的です。
梅雨の時期はいつも調子が悪い、季節に左右されることなく元気に過ごしたいという方は、ぜひこの記事を見てくださいね。
心身のバランスが崩れやすい梅雨の時期
私たちが健やかに生きていくうえで、太陽の光を浴びることはとても重要な要素です。
1日1時間ほど太陽の光を浴びることで、神経伝達物質の一つであるセロトニンの合成量が増えます。
セロトニンは、幸せホルモンと呼ばれており、心の安定や安心感、直観力などを高めてくれるのですが、セロトニンが不足するとやる気が低下して、疲労感やイライラ感が増していきます。
梅雨は雨や曇りの日が多く、普段よりも日照時間が減り、太陽を浴びる時間が少なくなるので、季節性うつや気持ちの落ち込み、憂鬱な気分になりやすいのです。
また長雨や高い湿度は、頭痛や古傷が痛む、やる気が起きないなど、気象病と呼ばれる痛みや倦怠感を引き起こします。
気圧の変化と自律神経の乱れがだるさを招く
私たちの体内を調整している自律神経は、気温や気圧の変化など、外部環境の変化に体を適応させる役割を果たしています。
緩やかに変化する気温や気圧には上手く対応しますが、激しい寒暖差や気圧の大幅な変動が起こると、体内の調整がしきれず、自律神経が乱れて様々な不調を感じやすくなります。
低気圧が長く続くと、休息モードである副交感神経が日中でも優位に働き、睡眠前のリラックスしたような状態になり、やる気が出なくなってしまうのです。
むくみの原因は湿気の多さ
私たちの体は、汗をかくことで体温の調整をしますが、湿度が高い状態が続くと、体内から水分が出ていきにくくなり、水分代謝が悪くなります。
そのため、体に溜まった余分な水分や老廃物がうまく排出されずに、むくみの症状として現れます。
また、体内に溜まった熱が発散されにくく、熱がこもりやすくなるので、胃腸消化器系にも負担をかけ、胃もたれや食欲不振などの症状も起こりやすくなるのです。
梅雨が睡眠の質にも関係する?!
睡眠ホルモンであるメラトニンは、朝起きて光を浴びた14~16時間後から分泌され、夜になると自然な眠りへ導くように働きかけています。
光を目にすることでメラトニン分泌のバランスを取っているので、雨や曇りの日が多く日照時間の短い梅雨の時期は、メラトニン分泌のタイミングがずれたり、過剰になったりして、睡眠の質が低下する原因となります。
ここからは、梅雨に乱れがちな体調を整える呼吸と、5つのヨガポーズを紹介していきますね。
梅雨を快適に過ごす呼吸と5つのヨガポーズ
やる気が出ない時は胸式呼吸で切り替えよう
2. 数回目の吐く息で、お腹を出来るだけへこませていきます。
3. 息を吐き切ったら、お腹をへこませたまま鼻から息を吸い、肋骨を左右に広げていくように、4秒ほどかけて胸にたっぷりと呼吸を入れていきます。
4. お腹をへこませたまま、肋骨を緩めながら、4秒ほどかけて鼻から息を吐き切ります。
5~10回ほど繰り返しましょう。
肋骨の動きが分かりにくい場合は、肋骨下部に手を当てて感覚を掴んでみましょう。慣れてきたら、脇の下や背中側、胸の上部にも呼吸を入れてみます。胸式呼吸は交感神経を活発化し、頭がすっきりと冴えてくるので、緩やかにやる気モードに切り替えていけます。
キャット&カウで自律神経を整える
2. 両膝は拳1つ分ほど広げて、お腹を少し引き締めます。
3. 背筋を伸ばして息を吸いながら、尾てい骨をやや天井に向け骨盤を床方向に傾けながら背骨を動かします。
4. 少しずつ背中を反るようにして胸の中心と目線を前方に向け、首の後ろを長く伸ばします。
5. 息を吐きながら、今度は尾てい骨を床方向に向け、お腹を引き込みながら骨盤を持ち上げるように背中を丸めていきます。
6. 両手で床を押し胸の中心を持ち上げて、目線はおへそをのぞき込みます。
7. この動きを5~10回ほど、呼吸に合わせて繰り返します。
8. 四つん這いに戻り、お尻をかかとに乗せて、両手を手前に歩かせながら正座の状態になり、一呼吸整えます。
お腹の力が抜けると、腰に負担がかかり逆効果になるので、胸式呼吸の意識でお腹を締めて行いましょう。自律神経は、脳から背骨を介して全身に広がっているので、呼吸に合わせて背骨を動かしていくことで、心身のバランスが整いやすくなります。
代謝と気分を上げるダウンドッグ
2. つま先を立て、股関節からお尻を後ろの天井方向に引いていきます。
3. 掌はぴったりと床に張り付け、まずは背骨を伸ばすことを意識してから、膝を伸ばしていき、踵は下ろせたら、床に付きます。
4. その状態から、踵を高く上げてつま先立ちになり、ペダルを漕ぐように大きな足踏みを数回繰り返しましょう。
5. もう一度踵を下ろし、両膝を床に付き四つん這いに戻ります。
腰が伸びにくい場合は両膝を少し曲げ、背骨を長く伸ばし骨盤を床と平行に保ちます。体の背面を伸ばすので、全身の血流アップやむくみ、冷え性解消効果にも期待ができます。
継続して行うことで代謝が上がりやすくなり、数秒キープするだけで気持ちがリフレッシュできるポーズです。
三日月のポーズで明るい気持ちをチャージ
2. 前足は踵の真上に膝が来るようにセットし、後ろ足は足の甲を寝かせるか、安定しにくい場合はつま先を立てましょう。
3. 骨盤が床から垂直になるように立ててお腹を引き締め、息を吸いながら、両手を上げて後方の天井方向に伸ばしていき胸を開きます。
4. 肩甲骨と肩を下げ、首の後ろを長く保ち、目線は指先と同じ方向に向けながら数呼吸キープします。
5. 背骨を長く伸ばしながら、胸式呼吸の意識で胸にたっぷりと呼吸を入れましょう。
6. 息を吸いながら上半身を起こし、吐きながら、両手を下ろして四つん這いに戻り、反対も同様に行います。
腰に痛みを感じる場合は、両手は後方ではなく、真っすぐ天井方向に伸ばします。床についた膝が痛い場合は、膝の下に畳んだタオルを敷いてサポートしましょう。
心地よい呼吸とともに交感神経に働きかけ、気持ちを前向きにしてくれる、梅雨にピッタリのポーズです。
ランジのツイストで内側から活性化
2. 左足の膝を持ち上げ、足を少しずつ後ろにずらして膝が伸びる位置にセットしたら、親指の付け根である母指球をしっかりと床に付けます。
3. 両手はぺったりと床に置くか、ピアノを弾くように指の先端で床を捉えるカップハンズにします。
4. 後ろ足の膝が曲がらないように踵を床方向に強く伸ばし、踵から頭頂が一直線になるようにお腹を締めます。
5. 左手を床に付けて、息を吸いながら、右手を天井方向に真っすぐ伸ばし、目線も同じ方向に向けます。
6. 後ろ足を強く後方に伸ばし、両腕を左右に広げて数呼吸キープします。
7. 息を吐きながら、右手を床に下ろして四つん這いに戻り、反対も同様に行います。
おへそから捻じるツイストは、梅雨に弱りがちな内臓機能を活性化し、滞った気分をリセットしてくれます。また、下半身の筋肉を重点的に使うので、血行促進やむくみの解消、予防に繋がります。
体の巡りを整えるヴィパリタカラニ
2. お尻を壁に付けた状態で片足ずつ足を上げ、両足を壁に預けて、上半身は仰向けになります。
3. 腕を心地よい程度に広げて胸を開き、目を閉じたまま3~15分ほどキープします。
4. 両膝を曲げてゆっくりと床に下ろし、手で床を押しながら、頭が最後になるように丁寧に起き上がり、余韻を感じながら呼吸を整えましょう。
お尻を壁に付けるとキープしにくい場合は、5~10センチほど壁から離し、膝を少し曲げて行います。目の上にタオルを被せると、重みと光の遮断でより深いリラクゼーション効果を得られるでしょう。
足を高く上げることで、下半身に溜まった血液を心臓へ戻し、むくみの軽減と予防に効果的です。
筋肉や関節をほどよく使って伸ばし、緩やかに交感神経に働きかけるヨガの呼吸とポーズは、体の巡りを整え、曇りがちな気分をリセットしてくれます。
時間のない時は呼吸だけ、1ポーズだけでも、体と心にプラスの効果をもたらしますよ。
おうち時間に数分のヨガタイムを取り入れて、緑が潤う梅雨の時期を軽やかに過ごしませんか?