妊娠を希望する時、期待と楽しみな気持ちが沸き上がりますが、妊活を続けてもなかなか上手くいかないと、不安を感じて落ち込んでしまうことがあります。
また、不妊治療を受けていると、金額的な負担からくるプレッシャーや、病院へ通い続けることへの焦りなどからストレスを感じてしまうことも。
そんな時に取り入れてみてほしいのが、“妊活ヨガ”です。
アメリカでは数年前から、妊娠を希望している人たちが参加する“妊活ヨガ”が大人気で、最近では日本でもよく耳にするようになりました。
筋力アップや血行促進、また妊活中の気分を落ち着かせてくれるなど、ヨガの身体的アプローチとメンタル的サポートが妊活にピッタリなのです。
妊活中の方、また妊活とヨガについて詳しく知りたいという方はぜひ読み進めてみてくださいね。
目次
身体的・心理的要因による不妊
“不妊”とは、何らかの要因で1年以内に妊娠に至れない、または一定期間以上妊娠を維持できない状態であることを、WHOと日本産婦人科学会が定義しています。
不妊は女性、男性のどちらにも原因があると言われていますが、検査をしてもはっきりとした原因が分からないと言う場合もあります。
では、一般的によく言われる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
年齢・生活習慣・運動不足
妊娠の適齢期は、20歳前半がピークと言われています。
30代後半を過ぎても元気に出産したという話をよく耳にするようになりましたが、年齢を重ねるごとに自然出産が難しくなるという事実は今も変わっていません。
食生活や睡眠時間は、妊娠への大きな役割を占めます。
普段口にしている食事が私たちの身体を作り、様々な機能の栄養となっています。外食が多い、ジャンクフードやお菓子をよく食べる、無理な食事制限によるダイエットは不妊に繋がる可能性も。
また、睡眠不足や不規則な生活は、妊娠にとって重要なホルモンバランスの乱れに繋がります。
日本では3人に1人が運動不足の状態だと言われており、年齢に関係なく多くの女性が冷え性で悩んでいます。
運動不足になると筋力が低下して血流の流れが滞り、身体の各機関への血液や栄養が届きにくくなってしまいます。
子宮や卵巣への血流が不足している状態が続くと、卵子の老化が進み不妊に繋がる可能性があります。
妊活・不妊治療によるストレスやプレッシャー
ある程度のストレスは日々誰でも感じるものですが、ストレスが大きい、ストレスを発散しにくいという人は注意してください。
さらに、仕事や家事をこなしながらの妊活、特に不妊治療は女性にとって体力的、精神的にも負担が大きく、ストレスを感じやすい状況になることも。
実際の研究で、ストレスを感じると排卵を抑える働きがあると言われており、その状態が長く続くと妊娠にも影響してくると言えます。
自分でストレスを解消する方法、自分に合ったリフレッシュ法をいくつか持っておくことが大切ですね。
ヨガでできる身体的効果
では、妊活にとってヨガがどのように効果的なのか、詳しく解説していきます。
全身の血流アップで冷え性改善
ヨガは日常ではなかなか使わない部分を伸ばしていき、つま先から指先まで意識して身体を動かしていきます。
呼吸と動きを合わせることでさらに全身の血液循環が良くなり、定期的にヨガを行うことが冷え性改善に繋がります。
骨盤周辺の詰まりや歪みを整えてホルモンバランスアップ
ヨガには、股関節やお尻周りを伸ばしたり緩めたりすることで、骨盤周りの詰まりや歪みを整える効果があります。
骨盤内の血流が良くなると子宮や卵巣の働きが活発になり、妊娠力を高めるのに重要な女性ホルモンの分泌が促進されます。
下半身の筋力アップ
ヨガは全身の筋肉を使って動いていきますが、下半身の筋肉を使うポーズも数多くあります。
下半身の筋肉が少ないと骨盤内への血流が滞り、冷えやすくなります。
反対に下半身の筋力が上がると、血流が改善して身体が温まり、女性ホルモンの分泌量アップにも効果があります。
妊娠中や産後の体調管理のためにも、筋力を上げて体力をつけておくことは重要なポイントになるでしょう。
ヨガでできるメンタルケア
自律神経が整いリラックスできる
自律神経は背骨を介して通っており、日常を快適に過ごせるように働いてくれています。ですが、ストレスや不規則な生活は自律神経を乱し、リラックスしにくくなってしまいます。
自律神経が乱れると様々な心身の不調が起き、慢性化すると不妊の原因になるとも言われています。
また、ヨガは背骨や背骨周辺を動かしてほぐし、ゆったりと呼吸を整えていくので、リラックスモードである副交感神経が優位になります。
日々のストレスを解消してくれるだけでなく、妊活中の不安な気持ちを和らげてリラックスした気分をもたらしてくれます。
呼吸が深まり気分が落ち着く
ヨガで行う腹式呼吸には副交感神経を優位にする働きがあるので、イライラしたり落ち込んだ気分を落ち着かせてくれます。
呼吸に合わせてポーズを取っていくとよりリラックスできますが、腹式呼吸を数回行うだけでも充分落ち着いた気持ちを取り戻すことができます。
身体を動かしてストレス発散
人は1日に6万回以上思考しており、そのうちの6割以上がネガティブなことを考えていると言われています。
ヨガは呼吸や、使っている身体の細かな部分へ意識を向けながら動いていくので、その時間は日常の思考が止まっていることになります。
動いていても考え事が止まらない時もありますが、気付いたら集中していて、終わった後には身体も気分もスッキリと清々しい気分になっているでしょう。
またヨガには、座位や仰向けのポーズが多いリラックスヨガや、立位のポーズがメインのパワーヨガ、ポーズを連動して流れるように動いていくフローヨガなど、様々な種類があります。
1種類ではなく、その時の気分や体調に合わせて自分に合うレッスンが受けられるのもヨガの特長ですね。
冷え性・汗をかかない人へのおススメはホットヨガ
女性は月に一度月経があり、この期間は血液量が一時的に減少して体内のエネルギー源が不足するので、男性よりも身体が冷えやすいのです。
さらに運動不足からくる筋肉不足や偏った食生活、過度なダイエット、薄着や締め付ける服装など、日常には女性の身体を冷やす要素が身近に潜んでいます。
中には身体を動かしても汗を全くかかない、真夏でも手足が冷たいという極度の冷え性だという人も増えています。
そんな人におススメしたいのが、ホットヨガです。
ここではなぜホットヨガが冷え性に効果的なのか、またホットヨガを受ける際の注意点を紹介します。
高い温度と湿度で血流アップ
ホットヨガは、温度が35〜45度、湿度が55〜65度の締め切った環境の中でヨガを行います。
高温多湿の中で呼吸を意識しながら動いていくので、通常よりも体温が上昇しやすくなり、体の芯から温まります。
ただ動くだけでなく、伸ばしたり緩めたりするストレッチ要素も多いので、リンパの滞りが解消して全身の血流がアップしやすくなります。
汗をかけるようになる
週に2.3回、ホットヨガのレッスンを1〜3ヶ月続けたら汗をしっかりかけるようになった、という話をよく聞きます。
もちろん個人差はありますが、定期的にホットヨガで身体を動かすことで筋力がアップして柔軟性も上がるので、汗をかきやすくなります。
汗をかけるようになると代謝が上がり、老廃物が排出されることで身体の巡りも良くなります。
また、温かい環境では筋肉や関節も緩みやすいので、身体が硬い、凝りやすいという人にもおススメです。
ホットヨガで注意したいポイント
やりすぎない・無理しすぎない
ホットヨガではかなり大量の汗をかきますが、老廃物と一緒に身体に必要なミネラルや塩分も排出されるので、1レッスンでも1〜1.5L以上の水分を摂るようにしましょう。
またホットヨガの環境に慣れてくると、もっとレッスンを受けたい、もっと汗をかきたいと感じるようになるかもしれませんが、やりすぎると水分補給が追いつかなかったり、体内が栄養不足状態になってしまうことも。
冷え性改善や妊活を目的としてホットヨガを受ける場合は、1日1本、週2.3回程度の頻度が良いでしょう。
汗で身体を冷やしすぎない
ホットヨガでは1レッスンでもたくさんの汗が流れますが、普通のTシャツやキャミソールは汗を吸い取る機能はなく、スタジオを出た瞬間、一気に身体を冷やしてしまう可能性があります。
ホットヨガを受けて身体が冷えてしまっては逆効果になるので、吸汗速乾の機能があるウェアを選び、レッスン後はすぐにシャワーで汗を洗い流しましょう。
→ホットヨガインストラクターが教える、ホットヨガの3つのメリット・デメリット
じっくりヨガを身に付けるならRYT200がおススメ
ホットヨガは体質改善や妊活にとって多くのメリットがありますが、最終的には自分の身体から熱を生み出していきたいですね。
身体の使い方を身に付けられたら、常温のレッスンでも充分に汗をかいたり、リラックスすることができます。
ただ、今は継続してスタジオに通いにくい、でもヨガをしっかりと身に付けたい、深めたいという場合は、オンラインの受講もできるRYT200がおススメです。
身体とココロへの理解が深まる
RYT200では、解剖学、ポーズの詳細、呼吸法、ヨガ哲学など、それぞれの分野の専門的な知識を学ぶことができます。
身体の機能や使い方を学ぶことで自分の身体への理解が深まり、自分を知るための手助けになります。
またヨガの哲学ではココロの作用についての理解が深まるので、イライラしたり落ち込んだりしたときの対処法が身に付くようになりますよ。
ヨガを習慣化できる
RYT200の講座の中には、オンラインでレッスンを受講する時間もあります。
ヨガを身に付けるうえで重要なことは、いかに習慣化して、日常生活の中にヨガを取り入れることができるかです。
自宅でマットを敷いてヨガをすることが生活に馴染んで、レッスンや解剖学の講座で身体への理解が深まってきたら、1人でもヨガの練習に取り組みやすくなり、その積み重ねがヨガの習慣化に繋がります。
産前、産後のセルフケアができる
妊娠中と産後の身体の状態は普段からは大きく変化し、気分の浮き沈みが激しくなる時もあります。
それらは赤ちゃんを産む準備であったり、ホルモンバランスの影響で起こったりするものですが、自分で自分をコントロールできないと更に気分が落ち込んでしまうかもしれません。
そんな時に、ヨガのゆったりとした呼吸や、産前や産後にもできるストレッチを行うなど、セルフケアができるようになります。
同じ悩みを持つ人に伝えることができる
日本では、約6組に1組の夫婦が不妊治療の経験があると言われています。
不妊に関しては不明な点も多く、原因が分からず悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
RYT200を持っていると、ヨガの知識と自分自身の経験を踏まえて、同じ悩みを持つ人たちにヨガを伝えることもできます。
自分のために始めたヨガ、自分のために学んだことが自分だけでなく、いつか人の役に立つかもしれません。
身体とココロを整えるヨガで妊活しよう
ヨガは年齢や性別に関係なく誰にでも様々な効果をもたらしますが、妊娠力を上げるためのメリットもたくさんあります。
身体を整えるだけでなく、メンタル的なケアもできるというのは、妊活中の人たちへの大きなサポートになるのではないでしょうか。
スタジオやオンラインでのレッスン受講だけでなく、簡単なストレッチや呼吸法であれば自宅で、自分のタイミングでセルフケアができるのもヨガならではの特長です。
ヨガは一枚のマットと、“やってみよう”という気持ちがあればすぐに始められるので、呼吸法や簡単なポーズ、1日数分からスタートしてみてくださいね。