「二人ヨガ」と呼ばれるタイ古式マッサージの資格とは?
世界一気持ちいいマッサージと言われるタイ古式マッサージは、マッサージをする側もされる側も姿勢が改善されるだけでなく、瞑想状態へ近づくことで身体的な健康と精神的な安らぎを得ることができます。
今回は、タイ古式マッサージの資格内容と活用方法をご紹介します。
目次
タイ古式マッサージとは?
タイの伝統医学の一つであり、約2500年前から仏教と共に伝承されています。
タイ古式マッサージやヨガなどの古くから伝わる東洋医学では、体内にはエネルギーが流れていると考えられています。
タイ古式マッサージではこのエネルギーの流れをセンと呼び、センの流れに合わせて筋肉をゆるめたり、血流を促し、人間が本来持っている免疫力や自然治癒力の回復をとり戻していきます。
他のマッサージとの違い
マッサージには様々な種類があります。一般的なものでは、揉む・押す・さする技を使ったボディケアがあります。
他にも足裏をほぐすリフレクソロジーや、アロマの香りを加えながらリンパを流すオイルマッサージなどが定番です。
タイ古式マッサージの特徴はアクロバティックなストレッチと、心拍数・呼吸に合わせた心地よいリズムによる指圧です。
全身の繋がりを大切にされており、肩こりなどの上半身に不調を感じる場合でも、セン(エネルギー)の流れに沿って足先から頭・指先まで全身へアプローチしていきます。
そのため、施術時間は短くても40分程で、基本的には1回2時間前後をかけて深いリラクゼーションへと導きます。
タイ古式マッサージの資格は必要?
国家資格はない
実は、タイ古式セラピストになるには資格は必要ありません。
しかし、民間団体が主催・認定している資格を取得するか、それと同等の研修を店舗等で学んでおいた方がいいです。資格があるかどうかではなく、人の身体に触れるための知識・技術が必要です。
何も知らずに行うのは非常に危険です。
マッサージ師ではない
多くの人が、身体に触れてほぐすことを全てマッサージだと思っていますが、実は「マッサージ」を行っていいのは、国家資格を持つ「あん摩マッサージ指圧師」「鍼灸師」「柔道整復師」になります。
このような国家資格を持ちながらタイ古式マッサージをする人は問題ないですが、いわゆる「タイ古式マッサージの資格」だけでは「マッサージします。」という表現は禁止されているので注意しましょう。
民間団体で資格取得
タイ古式マッサージの資格を取得するには「スクールに通学」「通信講座」「タイ留学」「店舗で研修」といった4つのパターンがあります。
どの方法でもセラピストになることができます。
しっかりと学んでから、心身に安らぎを与えるリラクゼーションとして提供していきましょう。
資格を取得するには?
国内のスクールに通学
一般的なのは、日本国内でスクールに通う方法です。自宅から通えるメリットだけではなく、日本ならではの質の高い講座を受けることができます。
また、日本人の骨格に合わせた施術を学べることも大きなポイントです。
タイ国政府公認のスクールも存在するため、国内でも本格的なタイ古式マッサージを学ぶことが可能です。スクールの数も多いので、通学距離・受講内容・金額の総合面で検討するといいです。
【期間】約6ヵ月間で6~12回の受講/短期集中だと2日間~1週間
通信講座
通信講座での資格発行もあります。しかし、通信講座はリラクゼーション業界が未経験の人にはおすすめしません。
未経験の人は、実習がある通いのスクールかタイ留学がおすすめです。すでにボディセラピストをしている人や、パーソナルトレーニングをしている等、人の身体に触れることに慣れている人で、資格取得のみを目的としている場合は費用を安くできるため有効です。
【期間】1日~3ヵ月
本場タイに留学
タイ古式マッサージが医療現場に導入されている本場タイにて、日本語で学ぶことができます。
日本国内でも本格的な技術は教えてもらえますが、宗教が懸念されやすいことから、タイ古式マッサージの背景にある仏教やアーユルヴェーダをより深く理解するには、やはり現地へ行くのがおすすめです。
文化や習慣に触れることで心身に対する考え方も変わってくるはずです。スクールのレベルが様々なので受講内容・金額以外にもスクールの質に注意して検討するといいです。
【期間】5日間~1ヵ月
未経験で店舗研修
未経験でタイ古式セラピストとして働けるお店も多く存在します。社内研修を終えた後に、セラピストとしての経験を積めるのも魅力の一つです。
ただし、セラピスト業界では正社員ではなく業務委託契約が多いため、研修費用は自己負担・研修中は収入なしといった求人も珍しくありません。資格取得を専門としたスクールよりも安く抑えることができますが、研修後の条件なども合わせて確認しておく必要があります。
【期間】2週間~1ヵ月
スクール・研修の内容は?
大きなスクールではレベルを分けた講座が用意されています。
初めに「ベーシックコース(初級)」を受け、スキルアップしたい人は「アドバンスコース(上級)」へ進むことが多いです。
入口である初級コースでは、身体の構造の勉強も欠かせません。そして、実際に相手にストレッチ等を行う練習をしていきます。
人間の体は軽い人でも45㎏程度あります。相手の重い体を動かすためには、自分自身も全身を動かす必要があります。相手と自分、2人分の体勢を覚えることは初めは大変だと思いますが、実習を通して身につけることができます。
タイ古式マッサージは、実はヨガとの相性がいい
現役ヨガインストラクターにおすすめ
2人でやるヨガとも言われるタイ古式マッサージ。
現在ヨガインストラクターをしている人の中でも、他者の身体に触れることには慣れていないという人も多いと思います。
タイ古式マッサージができるようになると相手の身体に触れる抵抗がなくなり、アジャストメント(身体を正しいポジションへ修正すること)に自信が持てるようになります。
たとえオンラインレッスンで実際に相手に触れることがない場面でも、骨・筋肉の構造である解剖学に詳しくなることで、言葉によるアジャストメントが的確に伝えられるようになります。
そして、もう一つの大きなメリットとしては、通常のヨガレッスンでは複数人が集まるクラスのため、1人あたりの単価が安いです。タイ古式マッサージで個別の対応もできるようになると、収入アップも期待できます。
現役タイ古式セラピストには、ヨガ資格RYT200もおすすめ
ヨガインストラクターにタイ古式マッサージの資格がおすすめなように、タイ古式セラピストにもまたヨガの資格が有効です。
タイ古式マッサージを受ける相手は常に受け身であり、陰のエネルギー(電気で例えるとOFFモード)が強くなります。
ヨガでは筋力を使い陽のエネルギー(ONモード)をつくり出すこともできるので、陰と陽の2つのバランスを整えることができます。さらに、ヨガで呼吸の指導を行うことで相手が呼吸の意識をできるようになり、タイ古式マッサージの効果もより実感してもらいやすくなります。
収入面では、個別の方が1人あたりの単価は高いですが、複数人を集めたヨガレッスンができれば1時間で1万円程の報酬も期待できます。週2〜3回程度のヨガレッスンと、個別のタイ古式マッサージを両立していくことで収入の安定を確保しやすくなります。