シャバーサナ(シャヴァーサナ/シャバアーサナ)は、日本では、亡骸・死体・屍のポーズとも呼ばれています。サンスクリット語でSavasana Sava、英語では、Corpse poseです。
レッスンの最後に行うシャバーサナ。じっくりと身体を動かした後で、疲れて寝てしまう人も多いのではないでしょうか?
でも、本来はただ休憩するだけのポーズではありません。
シャバーサナの時間も大切なヨガの要素です。リラックス効果を高め、全身を休ませることができるシャバーサナは、目の疲れや内臓の疲れなどの回復にも期待ができます。
今回は、シャバーサナについてその効果や、やり方をご紹介します。シャバーサナで、どうしても寝てしまう、うまくリラックスできない人には必見です。
ぜひ、レッスンの最後に思い出してみてくださいね。
シャバーサナとはどんなポーズ?
シャバーサナは、とてもシンプルなポーズです。「究極のリラクゼーション」とも言われています。
レッスン中には、「シャバーサナ」と呼ぶインストラクターがほとんどなので、皆さんもサンスクリット語で覚えているのではないでしょうか?
しかし、改めて「シャバーサナ」って、どんなポーズなのか考えてみたことありますか?ヨガの時間をより楽しむためにも、もう一度見つめなおしてみることをおすすめします。
シャバーサナの由来とは?
シャバーサナは、サンスクリット語で屍に由来する「Sava」とポーズを意味する「asna」が組み合わさった言葉です。英語では、Corpse poseと訳され、その後日本でも屍(亡骸・死体)のポーズと呼ばれています。
体を動かさずに無心となるよう促すシャバーサナ。体は不活性でも、精神は冴え渡ったマインドフルな状態であることを目指しています。
疲れた体を休めて、ただ寝ているだけでは、究極のリラクゼーションとはならないのです。
シャバーサナの効果とは?
シャバーサナは、リラックス効果や疲労回復の効果を期待できるポーズです。日頃忙しい方や不安やストレス、不眠の方にもおすすめします。また、常に新しいものに触れる旅先で、ゆっくりとしたい時などにも効果的。
たった5分で、2時間の休息と同じ効果が得られると言われているシャバーサナの効果を詳しくみていきましょう。
リラックス効果・シャバーサナで落ち着きを取り戻そう
シャバーサナを行うときには、「意識を手放しましょう。」とリードされることが多いと思います。体を動かす必要はなく、思考を手放し、自分の中の無の空間を探していきます。
慣れないと様々な考えが浮かんでしまうかもしれませんが、一つ一つ見つめては捨て去りを繰り返すことで、静かな感覚の冴え渡る時間を生み出しましょう。体を休め瞑想することで、最高のくつろぎの空間を実現しているのです。
嫌なことから離れ、無の空間を作ることで、心と身体をリフレッシュしましょう。平穏で落ち着きを取り戻した状態となることで、日々のさまざまな状況に向き合えるようになるでしょう。
疲労回復にも効果が高いシャバーサナ
ヨガのレッスン中は、普段意識を向けない体を動かし、様々な筋肉にアプローチをします。シャバーサナは、アーサナの練習で動かした筋肉などを休めてくれる大切な時間です。ただ寝て、クールダウンするだけではありません。
リラックスをして体を休めることは、身体の血液循環も良くなり、身体の疲れを癒してくれるのです。内臓や目の疲れにも効果的です。
身体の緊張を抜く事は、意外にも難しいのです。抜けていると思ってもどこか無意識に力が入ってしまいがちです。シャバーサナも、練習が必要なヨガのポーズの一つなのです。冴え渡る意識を持ちながら、身体を休め疲れている身体を労わりましょう。
シャバーサナのやり方
シャバーサナを行う時は、できるだけ静かな場所を準備します。リラックスできる音楽をかけても良いでしょう。自然の中で試すのもおすすめです。
基本は、床に仰向けになります。仰向けが辛く感じる方は、膝を曲げたり、クッションで調節したりと、自分にとって快適な姿勢を作りましょう。
肩まわりの力が抜けるように脇を軽く開いて、掌を天井に向けておきます。
両足は肩幅、もしくは、マット幅に広げて爪先までリラックスしましょう。
目を閉じて、自然な呼吸を続けます。全身の力を抜いてニュートラルな状態にします。
目や舌、額なども力を抜くようにイメージをして無意識に入らないように気をつけます。
寝ないように意識を身体の中心へと向けます。
最低でも5分〜10分程度はシャバーサナをキープしましょう。
リリースするときは、一度大きく呼吸をして口から吐きます。手先などを動かしたり、伸びをしても良いでしょう。横に寝返りをうち体起こします。
急に立ち上がるとふらついたりするので、座位で身体の感覚を感じながら一息つくと良いでしょう。
シャバーサナを深めるコツは?
初めは、無の意識はもちろん難しいです。何か考えが浮かんできたらそれを見つめ、考えを捨て去るを繰り返します。
集中が苦手な方は、呼吸に意識を向けることから始めても構いません。全身をマッピング、各部位を順に意識してみるのもおすすめです。
シャバーサナを効果的に行うために気をつけたいこと
身体の作りや癖などは、人によって全く違う作りをしています。決して同じ人などはいません。自分の身体にあう寝方がリラックスを深めるコツでもあります。
シャバーサナを行うときに気をつけたいことを詳しくみていきましょう。
シャバーサナに大切な身体の位置
シャバーサナは、いかに心地よいリラックスできる状態を作れるかを大事にしています。
体を仰向けに横たえる時も、違和感があるなら、首の下や骨盤の下にブランケットなどを強いても良いのです。
また、横向きに転がってボルスターを使うなど工夫をしても大丈夫です。腰痛など気になる人は、自分にあった向きでリラックスしましょう。
また、肩や肩甲骨も縮こまったまま寝るのではなく、広げて元の位置に戻して力を抜けるよう置いてあげるのもおすすめです。
身体がリラックスできれば、心や呼吸も自然と力が抜けて来るものです。まずは、リラックスできる寝方を探してみてください。
シャバーサナは眠っても良いのか?
シャバーサナでは、意識をクリアに保ちましょう。初めの頃は、アーサナも慣れないことも多く、疲れて寝てしまうかもしれません。
もちろんストレスになるようなら、無理やり起きていなくても構いませんが、寝るための時間ではないことを忘れずにおきましょう。
自分の身体の感覚に意識を向けることができれば、自然と眠らなくなりますよ。
シャバーサナは余計なことをしない
シャバーサナをやってみると思いの外、他のことが気になることってありませんか?
身体のことが気になってもぞもぞしたり、この後の予定が気になって色々と考えてしまったりと、何もせずに「屍」になるのも簡単ではありません。
シャバーサナ深めるためには、心に惑わされず意識を内へと向けてみましょう。できるだけ余計なことは、あとで考えれば良いのです。
もちろん、少しづつできるようになっていくもの。最高のくつろぎ空間となるシャバーサナを楽しんでくださいね。
シャバーサナを「亡骸のポーズ」と訳すと微妙にニュアンスが違う?
シャバーサナの訳は、死体・亡骸・屍などが多いのですが、どうしてもイメージとして究極のリラクゼーションが得られるようなイメージではありませんね。
英訳もCorpse Pose(死体)と訳されているので、耳にすると負のイメージがつきやすいかもしれません。多くのインストラクターは、レッスン中に「シャバーサナ」とサンスクリット語で呼んでいます。
「感覚の冴えた瞑想状態の休息」と言った方がしっくりくるのではないでしょうか?生徒さんには落ち着きリラックスをして欲しい時間です。どのような主旨で行われるポーズなのかを伝えるようにしたいですね。
インストラクターなら意識したいシャバーサナの時間
シャバーサナをヨガの最後に行う理由は、アーサナや呼吸法など行ったヨガの効果を最大限享受するためでもあります。
集中や活性を取り戻したヨガのシークエンスの後に、マインドの鎮静や集中、体を休めるリラクゼーションなどを味わうことがヨガをより深めてくれるのです。この静かなポーズがヨガの真髄へと導いてくれます。
もちろん、レッスンの始めや途中に入れても構いません。流派によっても違いがあります。
インストラクターとして、レッスンの終わり時間や沈黙に負けて、ついつい時間を短くしてしまうことがないように、シークエンスを組み上げたいですね。
シャバーサナは寝る前や疲れたときにもおすすめ
日頃の疲れや緊張をほぐすのにも役立つ「シャバーサナ」。
夜うまく眠れないときや、バタバタと忙しく疲れたときは、寝る前に5分〜10分ほどシャバーサナを取り入れてみませんか?
始めは、あれこれ気になることもあるかもしれませんが、少しづつ慣れていくでしょう。
そこに「在る」自分を感じ、平穏な時間を体感することで、毎日の生活に振り回されずに過ごしていく日々を送ってみたいですね。