十数年前の日本では、まだまだ「瞑想」というと「あやしい…」「宗教的」などと敬遠される風潮がありましたが、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツといった経営者などが瞑想をおこなっていることが知られるようになりました。
さらに、瞑想の科学的な効果が証明されることで、次々に海外の有名企業などが瞑想やマインドフルネスを福利厚生の一部として取り入れられ、少しずつ瞑想へのイメージが払拭されつつあります。
こうしたことからも、ヨガインストラクターがクラスのなかで瞑想をお伝えすることができるようになり、瞑想を学びたい!というインストラクターが徐々に増えつつあります。
そこで今回は、瞑想の学び方や講師養成講座についてご紹介します!
① ヨガインストラクターが瞑想を伝える意義
ヨガの起源は、紀元前2000頃のインダス文明にまで遡り、古来、ヨガとは瞑想を通じて神・自己の本質とつながる修行と捉えられていました。
こうしたヨガの神髄である瞑想を実践するためには、まずご自分の心と身体に向き合う準備としてヨガのアーサナ・呼吸法を練習し、座り続けられるだけの姿勢の安定と集中力、洞察力が必要になります。
そして、目に見えない自分自身の深いところに意識を向けていく瞑想は、安心して受講できる環境、信頼できる指導者の下で学ぶことが最も重要になります。
ヨガインストラクターの皆さんは、生徒さんの身体・呼吸を整えるプロフェッショナルであり、生徒さんに信頼感を与え、寄り添うことができます。
そして、生徒さんの瞑想に対する抵抗感を払拭し、より良いかたちでご紹介できる立場にいますので、ご自分の瞑想を深めた上でヨガのクラスに瞑想を加えることおすすめします。
② 瞑想とは?~ヨガと瞑想の関連性~
現代のヨガでは一般的に、アーサナをおこなうことで体調が整い、健康増進につながり、さらにダイエットやアンチエイジングなどの美容効果の高いエクササイズといった印象をお持ちの方々もまだまだ多いことでしょう。
ですが、ヨガクラスをお持ちのインストラクターの皆さんは、生徒さんがクラス後に、「心のモヤモヤが晴れてスッキリした!」「なんとなく心が穏やかになってきた…」「心が安定してきた」などといった心理面・精神面での効果について実感されているご様子やご感想を耳にする方々も多いことと思います。
これは呼吸を深め、身体を動かすヨガによって、日常生活では散漫になりがちな思考が鎮まり、集中状態になることでリラックスに留まらず、思考を鎮める技術・瞑想に導かれるためでもあります。
ヨガの指導者として、あなたがもっと生徒さんに人生に役立つヨガを伝えたいという熱心な気持ちがあるならば、身体的なアプローチから、より心へのアプローチへと進んでいく必要があるでしょう。
③ 瞑想の種類
ヨガティーチャートレーニングで、既に瞑想を学ばれている方々も多いことと思いますが、ヨガにも多くの種類があるのと同じように瞑想にも様々な種類があります。
・呼吸瞑想(呼吸に意識を向け続ける瞑想)
・マントラ瞑想(マントラ(真言)を唱え続ける瞑想)
・ソーハム瞑想(吸う息で「ソー」、吐く息で「ハム」と聞こえるかのように呼吸に意識を置き、「ソー(それは)」「ハム(私です)」と想いながら繰り返す瞑想)
・チャクラ瞑想(脊柱にある7つのエネルギーの渦(チャクラ)にそって、それぞれの色や音を意識し、マントラを唱える瞑想)
・トラタク瞑想(キャンドルの火や、絵、ヤントラなどの対象物を見つめ、意識を合わせる瞑想)
・TM瞑想(超越瞑想とも呼ばれ、ある音もしくはマントラを唱える瞑想)
・ナーダ瞑想(音のヨガとも言われ、リラクゼーションを促す音楽や音に意識を向け、さらに内側に響く音に意識を向ける瞑想。)
・数息観(座禅で実践される呼吸を数え続ける瞑想)
・マインドフルネス瞑想(今、この瞬間に価値判断を加えることなく気づきを向け続ける瞑想)
・ヴィパッサナー瞑想(マインドフルネス瞑想に影響を与えた伝統的な瞑想。対象を定めずに、ものごとをありのままに観察する瞑想)
まだまだたくさんの瞑想法がありますが、こうした瞑想の効果について科学的な根拠が実証されています。
瞑想によって自律神経のバランスが整い、さらにリラクゼーション効果を感じている時に出す脳波・アルファ波が見られ、より深い瞑想状態では、脳の無意識のエリアが動き出すシータ波が検出されています。
また、定期的な瞑想を実践している人々の脳は、普段使われていない脳の部分に血液を送り、活性化し脳の部位の厚みが増していきます。
意思決定、意欲、コミュニケーション能力、集中力・注意力の向上、感情や欲望を自制する自己コントロール能力の向上、自分や他人を理解する力の向上により、自分自身や社会とのより良い関係性を築くことにつながります。
さらに脳の海馬という記憶や学習、感情や内省などに関連する部位の灰白質の容積が増大するため、認知・記憶障害の防止もあげられています。
④ 瞑想を学ぶ方法と講師養成講座のご紹介
新型コロナウィルスの影響もあり、不安定な暮らしのなかで心の健康を意識する方々が増え、日本でも瞑想・マインドフルネスなどのクラスが様々な場所で気軽に受けることができるようになってきました。
先ほどご紹介したとおり、瞑想と言っても様々な瞑想法があり、どんなクラスを受けたらいいかわからない…といった方々も多いかもしれません。
そこで、ご参考までに瞑想を受けることができるスタジオや瞑想講師養成講座を開講しているスタジオをご紹介します。
瞑想を受けることができるスタジオ・スクール
おうちでヨガ資格取得RYT200養成講座プロコース(オンライン)
おすすめ!
ウェルネスストーリー編集長である横幕真理が提供するオンライン型のRYT200養成講座です。RYT200を取得する過程で、マインドフルネスも学ぶことができます。
講座形態は「ライブレッスン+動画ビデオクラス+フォローアップ」
週1回5時間、プロコースだけの特別ライブ講座に加え、録画動画講義を視聴し、ヨガの知識・スキルをしっかり学んでいきます。
また、フォローアップ制度として、月額制オンラインサロンを受講中無料受講でき、毎日オンラインライブレッスン受け放題、アーカイブ動画見放題、など毎日ヨガを学べる環境を用意しています。
→体が硬くても大丈夫【RYT200】おすすめオンラインヨガインストラクター養成講座
アンダーザライト・ヨガスクール(東京・オンライン)
現在は新型コロナウィルスの影響によりオンラインでの開講となりますが、長年インドにて伝統的なヨガを学び、ヨガ哲学などの著書を出されている向井田みお先生によるヨガの伝統的な瞑想、呼吸法などが受講できます。
東京マインドフルネスセンター(東京・オンライン)
→https://tokyo-mindfulness-center.jp
瞑想、ヨガ、ボディスキャンなどを通じてマインドフルネスを学べる専用スタジオ。マインドフルネスの第一人者ジョン・カバットジン博士考案のマインドフルネスストレス低減法プログラムなども開講されています。
ヴェーダセンター(東京・オンライン)
ヨガ哲学などの指導・雑誌等の監修でも有名なヴェーダプラカーシャ・トウドウ先生から学べるSOMA瞑想コースが開講されています。その他ヴェーダ・ヨガを深く学ぶことができます。
瞑想講師養成講座を開講しているスタジオ
スタジオヨギー(北海道・関東・関西・九州・オンライン)
レギュラークラスでは瞑想のみのクラスはありませんが、瞑想をおこなうために必要なヨガのアーサナをおこない、座る瞑想を実践できるヨガメディテーションクラスが開講されています。また、瞑想インストラクター認定講座(100時間・200時間)が開講されています。
True Nature Meditation(東京・オンライン)
アメリカの瞑想指導者であるディビット・ニックターンによるプログラムされた瞑想やマインドフルネスクラスが開講されています。瞑想指導者として30時間・60時間・100時間・150時間と段階的に学びを深めることができる養成講座が開講されています。
日本ヨーガ瞑想協会(オンライン)
レギュラークラスでの瞑想クラスはありませんが、多くのヨガ・瞑想に関する著書があり、日本のヨガマスターである綿本彰先生によるマインドフルネス瞑想指導者養成講座がオンラインで開講されています。
上記の講座はほんの一例ですが、心・マインドという繊細な部分にまで及ぶ瞑想を決して安易に捉えずに、まず悩みや不安、悲しみを抱える一人の人間として、ご自分の瞑想を深めた上で、瞑想をお伝えしたいと思われたらぜひ瞑想指導者養成講座に進んでみてくださいね。
マインドフルネス(瞑想)についてもっと深く知りたい方はこちら。
→マインドフルネスとは【解説】歴史、効果、ヨガの瞑想との違い、実践方法まで
マインドフルネスの実践方法についてはこちら。
→ゼロから分かるマインドフルネスのやり方。姿勢、呼吸、瞑想法をお伝えします!