ぽっこりお腹やO脚で悩んでいる方はいませんか?
もしかするとそれは「反り腰」が原因かもしれません。
今回は、慢性的な腰の辛さや胃下垂などを引き起こす「反り腰」について、身体チェックから改善方法までご紹介していきます。
目次
反り腰とは?
腰が前に大きく反れている状態のことを「反り腰」と言います。正常な姿勢では、背骨が自然なS字カーブを描きますが、反り腰の場合は過度に腰の部分が大きく反れているのが特徴です。
日々の生活習慣によって骨盤のゆがみが生じ、背骨のバランスが崩れて腰も反れてきてしまいます。
あなたの腰は大丈夫?反り腰のチェック方法
まずは、あなたが反り腰かどうか簡単なチェックをしてみましょう。
① 壁に背を向けて立つ
② かかと、お尻、後頭部の3点を壁に着ける
③ 壁と腰の間に手のひらを入れる
【〇】正常:手のひら1枚がちょうど入る
【×】反り腰:腰に入れた手がグーに握れる、または手のひら1枚を入れても空間が余っている。
【×】後傾(反り腰とは反対に丸まった腰):手のひらが入らない
理想は、壁と腰の間に手のひら1枚がちょうど入ることです。
反り腰を放置するとどんな影響がある?
腰痛
腰を反る姿勢は腰の筋肉を過度に縮めてしまうため、腰椎(背骨の腰部分)が詰まってしまったり、神経が圧迫されて痛みとなることがあります。特にデスクワークや長時間の運転など座っている姿勢が日頃多い人に目立ちます。
腰椎が詰まる原因は様々ですが、寝ているときに腰が浮き過ぎている人も、反り腰によって骨と骨の間が圧迫されて痛みを引き起こします。
ストレートネック
頭の重さはボーリングの玉のように重く5〜8㎏程度あります。自然なS字カーブを描いた正常な背骨であれば、筋肉の負担を和らげるように重たい頭を支えることができます。
しかし、このS字カーブが崩れている反り腰の場合は、首まわりに負担がかかりストレートネックになってしまうこともあります。
すこし話が戻りますが、このS字カーブは腰痛にも関係しています。背骨のS字カーブは、歩くときに地面からの衝撃を分散させる役割もあります。散歩などで腰が辛く感じる人は、地面の衝撃を腰でダイレクトに受けてしまっていることも考えられるでしょう。
ぽっこりお腹
反り腰の人は、腰や背中など体の背面が過度に緊張している一方で、腹筋が弱くなっています。腹筋には内臓を支える役割がありますが、衰えることで内臓が下垂し、ぽっこりお腹になってしまいます。
また、胃が正常に機能せずに満腹感を感じにくく食べ過ぎてしまうこともあります。
お尻が垂れる
正しい姿勢には骨盤が大きく影響しています。腰を反ってしまう人は、骨盤が前に傾いていてお尻の力を入れることが難しくなります。
力を入れられないことによって更にお尻の筋力が弱くなり、重力によって下がったお尻になってしまいます。
O脚
腰の反りに影響する骨盤は、太ももと連動しながら動いています。骨盤が前に傾く反り腰では、足の付け根(大転子)は外側に出っ張り、膝が向かい合うような内股になります。
ふくらはぎや、太ももに余計な脂肪や筋肉がついてしまう原因にもなります。
ひどくなると起こる症状
長年にわたり反り腰が続くと、椎間板ヘルニアや、梨状筋症候群、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)など腰にまつわる病気になる可能性があります。
特に、40歳以上の中高年は加齢によりこのような病気になるリスクが高いです。1歳でも若いうちから身体を整えておくことで、これらのリスクを回避できる可能性がグンッと上がります。
反り腰は、どんな原因が考えられる?
筋力不足
正しい姿勢をキープするには筋力が必要ですが、反り腰の人は特にお腹ともも裏の筋力が低下している傾向があります。不足しているのを補うように、一部の筋肉には大きな負担がかかり過度に筋肉が張っていることも多いです。
体の表層にある大きな筋肉だけでなく、インナーマッスル等もバランスよく使えることが理想的です。
ヒールの高い靴の使用
ヒールの高い靴は、つま先重心になり姿勢が前に傾きやすいです。体は無意識にバランスをとろうとするため、前に傾いた姿勢を、腰を支点に真っすぐに保とうとしてしまいます。
妊娠
妊娠によってお腹が大きくなると体は前重心になります。上記と同様で、腰を支点にバランスをとる理由から反り腰になりやすいです。
また、妊娠中はお腹にいる赤ちゃんが産まれてきやすいように、骨盤まわりの関節をゆるめるホルモン(リラキシン)が分泌されます。それにより、妊娠前よりも姿勢を支える力が弱くなり、お腹を前に突き出すように腰を反ってしまう傾向が高いです。
座り姿勢がよくない
最初にお伝えしたように、背骨は自然なS字カーブを描いた姿勢が正常です。イスでも、床の上でも、座ったときはこの姿勢がとても崩れやすくなります。
骨盤を前に傾け、お尻を後ろに突き出した反り腰もあれば、骨盤を後ろに傾け、腰を支点にバランスをとろうとする反り腰もあります。左右のお尻の下にある坐骨(ざこつ)を引っ掛けるように骨盤を立てて座るのが正解です。
反り腰の改善方法
前もものストレッチ
太ももの前側には、骨盤を前に倒す大腿直筋(だいたいちょっきん)という筋肉がついています。ここが縮んだままかたくなると常に骨盤が前に傾いたままになってしまいます。
太ももの前側をストレッチすることで、骨盤が正常なポジションに戻り反り腰が改善されます。
腰を丸めるストレッチ
腰が大きく反れているときは腰椎の骨と骨の間がせまくなっています。日頃、圧迫されている背骨を解放するように逆向きのアーチをつくることがおすすめです。腰や背中のコリも和らいでいきます。
腹筋をつける
反り腰の原因として筋力不足が挙げられますが、その中でも腹筋が弱いために腰を反ってしまう人が多いです。腹筋といっても、ボディービルダーやアスリートのような割れたお腹ではなく、見た目ではわからない奥にあるインナーマッスルを強くすることが大切です。
腹横筋(ふくおうきん)と呼ばれるお腹の筋力をつけることで、姿勢の保持がラクになります。
もも裏の筋力アップ
反り腰の人が骨盤を正しい位置でキープするには、もも裏にあるハムストリングスの力も必要です。
骨盤の後ろ側を下から持ち上げてくれるような役割があります。ハムストリングスを鍛えることでお尻がキュッと引き締まりヒップアップにも期待できます。
反り腰改善おすすめ動画
反り腰解消ストレッチ
こちらの動画はヨガのような呼吸のガイドやゆったり感は無いですが、身体のどこに効かせているのか大変わかりやすく効果を実感しやすいです。「30秒間キープ」等のカウントもあり、ストレッチとトレーニングの両方がバランスよく組み込まれています。
ヨガの基本的なポーズは、何かしらのストレッチの姿勢と関連しています。この動画で紹介されているストレッチは下記の基本的なヨガポーズを、反り腰の人に向けてアレンジしたものになっております。
①ドローイン
②橋のポーズ
③子供のポーズ
④猫のポーズ
⑤パピーポジション
⑥半分の仰向けの英雄のポーズ
⑦仰向けの英雄のポーズ
⑧三日月のポーズ
⑨船のポーズ
反り腰を解消するための朝のヨガ
こちらの動画は、20分間で反り腰を解消する短いヨガレッスンになっています。先にご紹介した動画と同様、ドローインと橋のポーズから始まります。呼吸のガイドがしっかりあるため、背骨など身体のより深い感覚へと意識を向けることができます。
必ずと言っていいほど、ヨガの最後に登場するシャバ―サナも含まれています。普段、反れている腰とそれを様々な方向へ動かした腰を、一番最後にニュートラルなところに戻すことができます。
リラックスできる音楽と共に身体を整えることで、精神的な健康にも繋がることが実感できると思います。
①ドローイン
②橋のポーズ
③テーブルトップ
④下向きの犬のポーズ
⑤コブラのポーズ
⑥太陽礼拝
⑦三日月のポーズ
⑧シャバ―サナ
反り腰改善のヒント
自分が反り腰だったことが判明すると、どうにかして治したいものだと思います。正しい姿勢に向けてストレッチやトレーニングを実際に試すことはとても素晴らしいです。
しかし、ここで注意したいのは「腰」だけに注目しすぎてしまうことです。体は足の裏から頭まで全てつながり支え合って出来ています。
スマホなどを見るときに少し頭の位置を気にかけてみたり、太ももの筋肉をバランスよく使うために足裏をほぐすことも反り腰改善には効果的です。
腰だけをあちこちに動かしどうにかしようとせずに、全身の健康を考えることで自然に正しい姿勢へと近づいていきます。