ヨガインストラクターのライセンスは様々あり、全米ヨガアライアンスのRYTが有名ですが、ヨガ発祥の地であるインド政府が交付する「インド中央政府公認ヨガインストラクター」というライセンスがあるのをご存知でしょうか。
これは日本でも受講できます。インド中央政府公認という肩書は信頼感がありますね。
ここでは、インド中央政府公認ヨガインストラクターとは何か、取得方法や価格、ライセンスを取得した筆者の経験談をご紹介していきます。
どのライセンスを取ろうか迷っていたり、実際に取得を考えていたりする方には、方向性を決める判断材料になるでしょう。
目次
インド中央政府公認ヨガインストラクターとは?
インド政府は、ヨガが間違った方向で伝わらないよう、そして正しい専門知識を持つインストラクターを養成するため、インド国内でいくつかの養成機関を認定しています。
日本では、インドで唯一ヨーガ大学院大学を持つ、スワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ研究財団と、ヨーガ・ニケタンが共同で、ヨーガ・インストラクター/セラピスト養成講座を開催しています。
スワミ・ヴィヴェーカナンダは、インドで知らない人はいない、有名なスワミ(僧侶)です。
正当な認定を受け、バックボーンも信頼性があるので、しっかりとした間違いのないライセンスです。
インド中央政府公認ヨガインストラクターになるには?
ライセンスは2種類あります。
・ヨーガ教師(ヨーガ・インストラクター) YIC
・ヨーガ療法士(ヨーガ・セラピスト) YTIC
最初は、ヨーガ教師養成講座「YIC (Yoga Instructor’s Course)」を受講する必要があります。
養成講座は約1年(月1回/全10回)のコースです。
さらに上のライセンスであるヨーガ療法士を目指す場合、ヨーガ療法士養成講座「YTIC」を、2年(月1回/全20回)を引き続き受講します。
すなわち、ヨーガ療法士になるには、3年かかるということです。
インド中央政府公認ヨガインストラクターに興味のある皆さんは、最初にヨーガ教師養成講座「YIC」を受講する必要があるため、以降はYICについて詳しく紹介していきます。
ヨーガ教師養成講座「YIC」
YIC資格取得にかかる期間と費用
2021年3月現在、新型コロナウィルス感染防止の観点から、全てZOOMを利用したオンライン開催になっています。
期間:約1年(月1回/全10回)
費用:143,000円
その他:課題図書4冊 書籍代約4,400円
また、ZOOM開催の他に「WEB YIC講座」というものが利用可能で、こちらは一定の期間内で一定の講座を好きなタイミングで視聴し、実技試験だけZOOMやSkypeで行う形式です。
詳しくは、https://www.yoganiketan.jp/2020yiconline.html をご確認ください。
講座回数は10回なので、時間にすると80時間程しかありませんが、1年という長い期間がかかります。早くライセンスを取ってヨガスタジオで働きたい、という方には向かないライセンスです。
ぎゅっと詰めて講座をしてくれたら良いのに、と思う所ではありますが、1年かけて学ぶスタイルは、肩書だけ欲しいというような人は来てくれなくて良い、時間をかけて本気で学ぶ人だけ来て欲しいという主催側の意図でしょう。
講座(YIC)のカリキュラム
1年という長い期間で、何を学ぶのでしょうか。講義内容を見てみましょう。
■YIC 講義内容
YICとヨーガの必要性
ギヤーナ・ヨーガとは何か?
ヨーガと健康
ヨーガ・アーサナ理論
プラーナーヤーマ理論
ラージャ・ヨーガとは何か
ヨーガとストレスマネジメント
バクティ・ヨーガとは何か
カルマヨーガとは何か
ヨーガと教育
ヨーガの統一理論
ブリージング・エクササイズ
スークシュマ・ヴィヤヤーマ
ヨーガ療法の為のヨーガ・アーサナ
サイクリックメディテーション
オーム瞑想法
アイ・エクササイズなど
★卒業要件 7割の出席と全レポート提出 実技中間試験、実技最終試験、筆記試験、卒業論文
(引用:https://www.yoganiketan.jp/yicytic2016.html)
限られた時間なので、下記は課題図書を自分で購入し、事前に読んでおく必要があります。
・ギヤーナ・ヨーガとは何か
・バクティ・ヨーガとは何か
・ラージャ・ヨーガとは何か
・カルマヨーガとは何か
これが「資格取得にかかる期間と費用」の中で記載していた「課題図書4冊 書籍代4400円」にあたります。各書籍はAmazonなどで購入できるものです。
講座は、午前・午後が講義、夕方実習という流れで行われます。参加するタイミングによりますが、ヨガ界の重鎮、木村慧心先生が直接講義や実習をされることがあります。
筆者は、プラーナヤーマやラージャヨーガの実習、瞑想、ヨーガスートラの講義は木村慧心先生の講義のビデオでした。毎回宿題としてレポートをWebで提出しますが、内容チェックは木村慧心先生本人が行い、内容に対するコメントを直接貰うことができます。
講座(YIC)の申し込み方法
申込みはWebで、支払いはPaypalで行います。開催タイミングがあるので、開講予定を確認しましょう。
→https://www.yoganiketan.jp/2016yicytic01.html
申込みは「YIC(対面講座)」の「申込みはこちらから」から行います。
→https://www.yoganiketan.jp/2016yicytic01.html
他のライセンスとの違い、筆者の経験談
ヨガスタジオで働くヨガインストラクターで、インド中央政府公認ヨガインストラクターを持っている人は少ないです。
なぜなら、取得に1年という長い期間がかかることと、知名度もさほど高くないためです。
ある種マニアックなライセンスで、全米ヨガアライアンスのRYTのインストラクターのような「キラキラ」して見えるインストラクターとは真逆で、寡黙に、地味にただ人のためにヨガを伝えたいだけという人が集まっているように思います。
筆者参加の講座回では、インストラクターという肩書の為に受講した人はいませんでした。
YICやYTICを修了したインストラクターは、ヨガスタジオで活躍されている方ももちろんいますが、病院や介護施設などで活躍している方が多く、また、身近な困っている誰かのために受講した、という方も多いため、小さく教えている方も多いかもしれません。
筆者も、受講した理由は、ボランティアで訪れる病院で役に立てないかと思ったことがキッカケでした。
講義にある「ヨーガ療法の為のヨーガ・アーサナ」や「スークシュマ・ヴィヤヤーマ」は、呼吸さえできれば、お年寄りや体の悪い人にもできるヨガというのが良い所です。
筆者は、アシュタンガヨガをメインに教えていますが、ある時、ハードなヨガとは知らずに85歳の腰の曲がったおじいちゃんがクラスに来てくれました。
さすがに、85歳にアシュタンガヨガの動きができるはずがありません。
そこで、YICで習ったスークシュマ・ヴィヤヤーマを中心にクラスを行ったところ、おじいちゃんは大変気に入ったらしく以降も続けて来てくれるようになりました。
YICを受講して良かったと思える瞬間でした。
以降、両親や、体力のない方にはYICで習ったことを中心に教えるようになりました。インド中央政府公認ヨガインストラクターは、伝えられる対象が幅広いかもしれませんね。
まとめ
YICについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
毎月講座を受け、宿題のレポートを提出し、最後は卒論を書くという大仕事があり、大変なライセンスではありますが、ベースがしっかりとした良い資格です。
卒業要件として「7割の出席」があり、遅刻や早退も厳しく管理されるので、根気強く1年頑張る必要がありますが、きちんと受講していれば100%取れるライセンスです。
ゆっくりしっかり学びたい方は是非チャレンジしてみてください。
ちなみに、合格後、インドで発行される修了書が手元に届くまで1年半以上かかりました。
→体が硬くても大丈夫【RYT200】MAJOLIのオンラインヨガインストラクター養成講座