突然ですが、写真に映るのは好きですか?
旅行した時、みんなでご飯を食べる時、証明写真を撮る時、集合写真を撮る時…記録には残したいけど、私の顔は写さないで!と思う日もありますよね。
どうせ写真に残すなら盛れている写真を!と盛れるアプリを駆使してみたら、盛りすぎて笑っちゃったこともあります。おかめ納豆のように白い顔。リカちゃん人形のようなバサバサまつ毛。それでも盛れないくらいなら華美に盛れた方が嬉しい!が具現化された完成形が、プリクラでしょうか。
懐かしの高校時代、毎日のようにプリント倶楽部に通っていた記憶があります。「花鳥風月」派と「ネコとヒョウ」派がいて、じゃんけんをして機種を選んだりして。
プリクラの中の自分に慣れすぎて、少女漫画のような大きな目で写る自分の顔こそが本来の自分なのでは?と錯覚したことも多々。
そんなプリクラや盛れるアプリを介さずふいに撮られた写真で、信じられない変顔をしていた経験もあるのではないでしょうか。半目、半開きの口、二重顎…キメ顔を保つことができない状況で多々発生する現象です。
特に体を動かしているときなんて最悪。逆・奇跡の一枚、みたいな写真がたくさん生み出されてしまって困ります。橋本環奈ちゃんもびっくりです。
はたまた、ちゃんと笑っていたハズなのに鏡で見る自分の顔とは何故か全然違う顔でショック、なんてこともありませんか。あれ?もう少し綺麗だと思ってたんだけど?こんなに目が小さかったっけ?こんなに顔が大きかったっけ?自分で自分を美化してしまっているのか?と不安になります。
でもこの現象、どうやらカメラに映る角度が原因らしいです…!
ということで今回は、”ヨガフォトグラファー”のyutaさんにカメラマン側の極意とモデル側のチェックポイントを伺っていきます。
ヨガをしている際の写真は撮ったことがあるでしょうか。普段のレッスン風景を記録したり、生徒さん達に活動を発信したり、パークヨガで記念撮影をしたり、雑誌のモデル応募に挑戦したりと意外と機会もあるでしょうか。
普段より露出が多いヨガウェアを纏ってダイナミックな動きをつける際、どんなことに気を遣えば良いのか。今まで1000人以上のヨギーを撮影してきたyutaさんに、赤裸々に語って頂きました。
2022年・スタジオにて撮影
“ヨガフォトグラファー”直伝!カメラマン側の極意とモデル側のチェックポイント
①安心させる環境
「写真によってその人の生活も変わる!」をモットーに活動する中で大切にしているのが、撮影時の安心感。モデルさんの考えに寄り添えるように、準備も欠かさず臨みます。
ヨガのアーサナを理解しておくのはもちろん、事前にモデルさんのSNSもチェックしておきます。SNSを中心に活動しているため、自分の自己紹介もSNSを中心に公開しておきます。
②アングルテクニック
モデルさんがポーズをする傍ら、カメラマンは様々なアングルから撮影を進めていきます。アングルのポイントは3つ。
正面アングルの場合、普段鏡で見る自分と同じ表情を撮ることができます。表情を大切にする際に最適です。
上から撮るアングルの場合、空から定点で撮っているように見せることができます。アーサナを神聖な印象に魅せることも可能です。
下から撮るアングルの場合、迫力のある写真を撮ることができます。足を上げるアーサナにおすすめで、非常にダイナミックに写ります。
③愛用カメラ
カメラマンの大事な仕事道具、カメラ。ヨギーを撮影する際に愛用しているのは、色味が繊細なSONYのカメラです。屋外での撮影も多いため、コントラストが効くものをチョイス。シャープに撮ることができるのでお気に入りです。柔らかい印象にしたい場合はレンズを替えてみるのもオススメ!
①場所・日時
写真の第一印象を決める、背景。白バックのスタジオ撮影から屋外撮影まで様々な現場を経験する中で気付いたのは、自然光が一番綺麗!ということ。
ベストオブ自然光は、晴れた日の午前中の自然光です。光が綺麗に入るとお肌が綺麗に写ります。屋外でのオススメスポットは、海か公園。開放的な印象を与えられるのはもちろん、周りに人がいない開けた場所は撮影に最適です。
②髪型
事前に準備をしていく大事なポイントの一つ。自分をどう見せたいかを事前にイメトレしておきましょう。印象を大きく分けるのは、ダウンヘアなのかアップヘアなのか。ダウンヘアはリラックスした印象を与えることができます。柔らかい印象にしたい場合はおすすめですが、屋外で風に吹かれる場合もあるので要注意。
アップヘアは清潔な印象を与えることができます。レッスンをしている際の躍動感を表現できますが、顔や首のラインにも気を配ることが必要になります。
③写真の用途
どこに掲載する写真なのかを明確にしておくことが大切!雑誌のイメージ写真として載せるのか、SNSに趣味として載せるのか、ホームページにクラスの集客をするために載せるのか。写真の用途を事前にカメラマンと共有しておくのがオススメです。
用途によってアーサナも変わってきますよね。どんな用途だとしてもおすすめできるのが「トリコナーサナ」です。基本のポーズでありながら躍動感もあるトリコは、体のラインを綺麗に見せてくれますし横顔のラインも魅力的。下アングルから撮ると足長効果もあります。
2023年・代々木にて撮影
今回はヨガフォトグラファーのyutaさんにお話しを伺ってきましたが、実はこの定期連載の写真はほとんどが彼に撮影して貰ったものです。どれもとても綺麗な写真ばかりですよね。そして自分が思っている数倍、生き生きとした表情を引き出してくれています。
なぜそんなに生き生きとしているのか。それは、撮影しながら「とにかく褒めてくれる」という彼の素晴らしい性格が理由!褒められるとちょっぴり自分が認められたような気がして、この人になら全て曝け出しても安心だなと思えませんか。
「付き合っているパートナーが撮る写真は必ず良い顔をしている」理論にも通ずるところがあると思います。「褒める」というテクニックが彼の口からは出てこなかったことからも、カメラマンとしてのプロ意識を強く感じました。
2022年・代官山にて撮影
私は写真を撮るのも撮られるのも大好きです。それは自分を奢っているわけでもなく、カメラが趣味というわけでもなく…ただその場に写真が残る現象が好きなんです。
今日撮った写真が100年後に誰かに見られるかもしれない。1000年後に誰かに発掘されるかもしれない。10000年後に歴史を変えるかもしれない。そう考えると一種の遺伝子を残しているような気がして、ワクワクしてきます。
これからもあなたと写真の関係がより良いものになりますように。ヨガを伝承する一つのツールとなりますように。そんな気持ちで、今日も撮影を楽しもうと思います。