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【リストラティブヨガ】ヨガインストラクターとして究極のリラックスヨガを伝えよう!

「ヨガクラスにセラピー要素を加えよう! ―ストレスを抱えている生徒さんのためにできることー

ヨガクラスを受け持たれている皆さんは、きっと生徒さんのために日々努力しながら、毎回のクラスを精一杯務めていらっしゃることと思います。

しかし、「本当に生徒さんのためのヨガクラスができているだろうか?」などと不安に思っていらっしゃる方もいらっしゃることと思います。

生徒さんからクラス前後に心身のお悩みを相談されたり、ストレスや痛みを抱えている方々に寄り添うにはどうしたらいいのか、「自分はヨガインストラクターとしてきちんと対応できているのだろうか…」。

また「自分の受け持っているヨガクラスをもっと良くしていくにはどうしたらいいのだろう…」などと悩みを抱えているヨガインストラクターの方々が実際には多いのではないかと思います。

こうしたヨガインストラクターのお悩みの解決策の一つとしてご提案したいこと、それはヨガクラスに「セラピー要素」を取り入れることです。

現代人は多くのストレスを抱えていると言われていますが、近年の地球環境の変化による自然災害の増加や気候変動、さらに新型コロナウィルスの問題も加わり、加速度的にストレス要因が増す中で生徒さんがヨガクラスに心身の健康増進と共に、ストレス解消や精神的な安定などを求める傾向がより強くなりつつあるのではないかと推測できます。

もちろん、ヨガクラスにセラピー要素を持たせることだけが解決法ではありませんが、例えば、あなたが身体を積極的に動かすヴィンヤサ系のヨガを得意として指導していたとしても、クラス内容にメリハリをつけ、リラクゼーションポーズを一つ増やすことで、シャヴァ―サナ(亡骸のポーズ)の質が高まり、より生徒さんの心身が和らぎ、バランスが整いやすくなるかもしれません。

ヨガインストラクターとして、ストレスを溜め込みがちな生徒さんのために何かしたいとお思いの方々におすすめしたいのが、動かないヨガ、休息のヨガである『リストラティブヨガ』です。

動かないヨガ?リストラティブヨガとは?

リストラティブヨガの「restore」とは「回復する」という意味を持ちます。

ヨガと言えば「身体を動かす」といったイメージをお持ちの方も多いですが、敢えて「動かない」ことで、心身に休息を与え、神経系を落ち着かせてくれるヨガがリストラティブヨガです。

益々オンライン化が進んでいく世の中の状況を考えると、パソコンやスマートフォンなどの使用時間がさらに増加し、より交感神経が優位になりやすく、リラックスやセラピー要素を求める方々が多くなってくるのではないかと思います。

リストラティブヨガは「なにもしないことを実践する」静的なヨガであり、ストレスを抱えている現代人に休息や心身の回復を与えてくれるヨガです。

リストラティブヨガは理学療法士であり、アイアンガーヨガの正式認定指導者でもあるジュディス・ラサター先生によって考案されました。

その源泉はB・K・S・アイアンガー氏によるものとされ、多くのプロップス(ヨガで使用する補助用具・アイアンガー氏がポーズの修正のために様々な道具を試したことが始まりと言われています。)を使用し、身体を安定させ、支えに身をゆだねることで余分な力を抜いていくのが特徴です。

一つのポーズに時間をかけることで、呼吸がゆったりと安定し始め、副交感神経を優位に導いていくことのできる、リラックス効果やセラピー要素が高いヨガです。

受動的や静的なものよりも積極的に頑張ることや、目標を掲げて結果を出すことが美徳とされることも多い現代ですが、頑張るためにはエネルギーを回復させ、蓄えることも重要です。

リストラティブヨガは敢えて動きを止めることで、せわしなく過ぎ去っていく日々に静けさをもたらし、消耗しがちなエネルギーを回復させる力を持っています。

リストラティブヨガの受動的で静的な姿勢は、ご自分の「今」に立ち返り、内観を促し、ご自分をやさしく労わる自己受容を育む手助けにもなります。

疲労感やストレスを抱えている生徒さんを、ポーズの正しさや美しさに当てはめることなく、生徒さん自身がご自分のあるがままを受け入れて次へと踏み出すための休息を与え、力を蓄えるリストラティブヨガの時間を提供することは、生徒さん自身の心身のバランスを整えるために大きな役割を果たします。

そしてヨガがエクササイズではなく、生徒さんの人生にとっての気づきを与えてくれる重要なツールとなってくるのではないでしょうか。

リストラティブヨガの効果

積極的に身体を動かす「動的」なヨガには、筋力アップや姿勢の安定、基礎代謝の向上、血行促進、内臓脂肪を取り除くなどの多くの効果が期待できます。

では、リストラティブヨガのように動きの少ない「静的」なヨガには、どんな効果が期待できるのでしょうか?

私たち現代人は常に心や身体を酷使しがちな生活を送っています。やるべきことにとらわれてストレスフルな状態が続くと、戦うか逃げるかといった緊急事態の反応である交感神経の働きが優位になり、呼吸の乱れや自律神経のバランスが乱れ始めます。

脳は興奮状態となり、さらに基礎代謝の低下や内臓機能の抑制、血行不良による肩こりや疲労感、不眠など、様々な症状を招きやすくなります。

敢えて動きを止めるリストラティブヨガは、身体を安定させながら、プロップスに身をゆだねることでリラクゼーションを促す環境を整えます。

ラサター先生によれば、リラックスとは深い休息であり、睡眠とは違い、動きや努力もなく、脳が静かな状態を表します。

リストラティブヨガの実践によりこのリラックス効果をもたらし、副交感神経の働きを活性化することに役立ち、消化機能や免疫力の向上、慢性的な痛みの軽減、ホルモン系のバランスが保たれやすくなる、さらに脳波がゆったりとし落ち着きをもたらすなどの効果が期待できます。

こうしたことから、ストレスを抱えがちな方やイライラしがちな方、疲労感をお持ちの方や不眠にお悩みの方など、さらに病気や怪我からの回復途中の方などにも大きな助けとなってくれるでしょう。

また、時間をかけて力を手放すことで、身体だけでなく、日頃から頑張っていた心も緩みやすくなり、自己受容力を育みやすくなるため、人生の上で困難な場面に直面している方などにも寄り添うことのできる、深い癒しをもたらしてくれるヨガでもあります。

リストラティブヨガを学ぶことはストレスフルな生徒さんのあるがままを受け入れ、安らぎをもたらし、ストレス解消の手助けをし、生徒さん自身の治癒力や心身の回復力を取り戻すサポートにつながっていくでしょう。

リストラティブヨガで使うプロップス(補助用具)とは?

リストラティブヨガは、ヨガの補助用具・プロップスを使用しておこなうヨガです。プロップスを使用することで、背骨を安定させ、安心して力を手放していくことができるため、このプロップスの使い方を学ぶ必要があります。

ここでは、簡単にリストラティブヨガで使用するプロップスをご紹介します。

【ブランケット】
身体をしっかりと支える目的のため、素材は固めのもの、綿やウール素材のものがおすすめです。ヨガ用ブランケットの他、厚手のバスタオルなどでも代用可能です。

【ボルスター】
ブランケット同様、身体を支えるため、固めのしっかりとしたものがおすすめです。ヨガ用ボルスターは比較的高価なため、ヨガスタジオでも完備していないところが多いのが現状です。ブランケットや厚手のバスタオル、丸めたヨガマットなどを使って簡易ボルスターを作ることもできます。

【ブロック】
木やコルク素材、EVA樹脂などのヨガ用ブロックがあります。リストラティブヨガでは身体を支えるため、しっかりとした重みのあるものがおすすめです。ハードカバーの本を何冊か積み重ね、紐で縛るなどをして代用のブロックを作ることもできます。

【ベルト】
ポーズを安定させ、安心してゆだねることができるベルトは、バックルがついたヨガ用ベルトがおすすめです。代用品として太めの紐、ネクタイなどが使用可能です。

【アイピロー】
なくても構いませんが、優しい圧力を目のあたりに加えることで深いリラックス効果が得られます。折りたたんだタオルなどで代用できます。

【サンドバッグ】
こちらもなくても構いませんが、身体を深くゆだねるために圧力をかけることで深いリラックスを味わうことができます。完備しているスタジオは少ないため、丈夫な袋に砂を詰めた手作りサンドバッグで代用が可能です。

こうしたたくさんのプロップスを使用しておこなうリストラティブヨガですが、たくさんの方々が参加されるスタジオやフィットネスクラブ、カルチャー教室などでは人数分のプロップスを用意することは難しいことでしょう。

代用品で工夫をしたり、生徒さんにバスタオルをお持ちいただいたり、折りたたみの椅子などを使用したり、上手く工夫をすることでリラックス効果を最大限に引き出すことが可能です。

リストラティブヨガを教えるには?―指導者養成講座のご紹介―

ヨガスクール風景
ここまでお読みいただいて、リストラティブヨガを学んでみたいと思われた方は、まずはご自身でリストラティブヨガを体験してみることをおすすめします。

生徒さんにお伝えする前にご自分でリストラティブヨガを体験し、心身に与える効果を実感することが重要です。自分自身の深い体験が、ご自分が受け持たれているヨガクラスにリストラティブヨガを取り入れる際に大いに役立ち、生徒さんに自信を持ってお伝えする基盤となります。

リストラティブヨガを体験できるヨガスタジオは、通常の身体を積極的に動かす動的なヨガに比べて少ないのが現状ですが、レギュラークラスだけではなく、ワークショップや特別クラスなどで不定期開催しているスタジオは多くあります。そうした機会を逃さずに、ぜひリストラティブヨガを体験してみてください。

そして、リストラティブヨガの指導者養成講座に進みたいと思われた方は、以下のヨガスタジオにて、レギュラークラスや不定期開催クラスなどと共に指導者養成講座を開講していますので、ぜひご参考になさってみてください。

(以下の情報は2020年9月現在の情報となります。受講希望の方は各社ホームページにてご確認ください。)

ヨギー・インスティテュート

ヨギー・インスティテュート
https://yoggy-institute.com

・場所:スタジオヨギーとして関東・関西他全国に店舗あり。
・リストラティブヨガ・トレーニングコースは不定期開催
・通常3日間の受講。現在オンラインでも開講(2020年9月現在)
・スタジオヨギー各店舗にてレギュラークラスあり。

ヨガジェネレーション

ヨガジェネレーション
https://www.yoga-gene.com

・場所:東京都目黒区他
・リストラティブヨガ指導者養成講座(ティアン・アラン先生)は不定期開催(現在開講未定)
・5日間の受講。
・リストラティブヨガのレギュラークラスはないものの、不定期でのクラスを開講。

アンダーザライトヨガスクール

アンダーザライトヨガスクール
https://underthelight.jp

・場所:東京都渋谷区代々木
・リストラティブヨガ指導者養成コースは不定期開催
・2日間の受講(レベル1)・フォローアップ研修あり。レベル1からレベル2へと段階的に学べる。
・リストラティブヨガのレギュラークラスあり。
・RYT500コースにカウント可能

現代人にとって忘れがちな「休息」のヨガを伝えよう!

せわしなく過ぎ去る毎日…やるべきことに追われ、それをこなすことに精一杯の日々…そんな忙しい日々を送っている現代人にこそ、「休息」が必要です。

特に現在は新型コロナウィルスの影響により、多くの方々がストレスを抱えたり不安を感じ、様々な世の中の変化に葛藤が生じやすく戸惑われている方が多いことでしょう。

そうした方々が心と身体を休ませ、優しく自分自身に寄り添うことができるヨガの時間を提供することができれば、きっと社会全体にも安らぎや、受容、優しさや思いやりが広がるお手伝いができると思います。

そして、そんな人々をケアする私たちヨガインストラクターも、自分自身をまず大切にし、セルフケアと休息、安らぎや心の内の静けさの時間を設けることが必須です。

このリストラティブヨガの実践と継続が、心身の健康とご自分らしく生きるためのパワーの源ともなり得ます。

あなた自身の健やかな日々のために、そしてあなたの生徒さんの健やかな日々のために、リストラティブヨガが大きな力となってくれることを願っています。

metta ヨガ / 瞑想講師
metta ヨガ / 瞑想講師
新体操競技選手、プロダンサーを経て、様々なヨガティーチャートレーニングにて研鑽を積み、ヨガ講師歴は十数年。長年の瞑想経験を活かしヨガインストラクター養成講師(ヨガ哲学・瞑想)の経験も持つ。【metta】は「慈悲」の意。

<主な資格>
YogaWorks200時間ヨガティーチャートレーニング修了
YPSIヨガインストラクター養成講座修了
YIN YOGA in AGIA ヨガティーチャートレーニング修了
Jo Phee陰ヨガティーチャートレーニング65時間(中医学/経絡ニドラ/骨盤解剖学)修了
Bera Saumik陰ヨガ&機能解剖学ティーチャートレーニングコース(40h)修了
TYGリストラティブヨガトレーニング修了
フェニックスライジングヨガセラピー レベル1~2修了
シニアヨガ指導者養成講座修了
UTLヨガ哲学と瞑想集中トレーニング修了
JAMHA認定ハーバルセラピスト講座修了
その他多数あり。
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