皆さん、毎日ぐっすり眠れていますか?
その質問に「いいえ」と答える人は意外と多いのではないでしょうか。
試験前や旅行先、心配事などで1日や2日眠れない経験は誰しも持っているでしょう。
ですが、それらが慢性的に続くと集中力や注意力が低下し、不安やイライラ、疲労感などの症状が出てきて、日常生活に支障をきたしてしまいます。
人生の約3分の1を費やし、私たちの心身にとって重要な役割を果たしている睡眠。できればぐっすり眠って充実した毎日を送りたいですよね。
そんな睡眠の悩みに、呼吸とヨガが力を貸してくれるかもしれません。
眠れない原因と、睡眠と呼吸のつながり、そしてより良い睡眠に導く6つのヨガポーズをご紹介します。
目次
不眠症で悩む人は日本でこんなにいる
不眠症は国民病とも言われていますが、慢性的な不眠であるという日本人成人は、20%を越えています。さらに、不眠症の疑いがある人という場合では、40%を越えると言われているのです。
原因はストレスなど
不眠症の原因は主に、体調不良、ストレス、環境の変化や時差、薬の副作用によるものなどがあげられます。そしてそれらに大きく関わるのが、自律神経なのです。
自律神経とは、内臓の働きや代謝、体温などをコントロールするため24時間働き続けている神経で、活動する昼間に活発になる交感神経と、リラックスしている夜に活発になる副交感神経の2つがあります。
この2つのスイッチが必要に応じて切り替わることで、体内のバランスが保たれていますが、自律神経は些細なことでも簡単に乱れてしまうんですね。
意外と呼吸に問題がある場合もあるのです。
心配事や考え事などが頭から離れずストレスを抱えていると、ベッドに入っても交感神経のスイッチが切り替わらずなかなか眠りにつけません。
また、ストレスを感じている時は、呼吸が浅くなっています。
浅い呼吸が続くと、血液中の酸素はどんどん不足して交感神経ばかりが働くようになり、慢性的な不眠にも繋がっていくのです。
ヨガの呼吸で解決できるかも
ヨガで行う腹式呼吸は、お腹に刺激を加えながら鼻から吸って鼻から吐く呼吸を行います。この呼吸を繰り返すことで、副交感神経が優位になり、心身をリラックス状態に導き自律神経のバランスを整えていきます。
またヨガには、自律神経を整えるのに効果的なポーズが数多くあります。
その中でも、心地よい睡眠に導くヨガポーズの解説をしていきますね。
心地よい睡眠に導くおすすめヨガポーズ
1. まずは心を落ち着かせるゆるやかな呼吸
仰向けか、椅子に背筋を伸ばして座り、両手をお腹に当てて、お腹がペタンコになるまで息を吐き切ります。
吐き切ったら、お腹が膨らむように意識をしながら、4、5秒かけて鼻から息を吸っていきます。
息を吸い切ったら、6~8秒かけて細く長く、お腹をへこませながら鼻から息を吐き出していきます。
この呼吸を、5~10回繰り返しましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、呼吸や体の状態に意識を向けていくことで、少しずつ感覚が掴めていきます。
2. パスチモッターナーサナで脳を休めよう
2.両手はお尻の横に置き、骨盤が立つように背筋を伸ばして息を吸い、吐きながら、股関節から胴体を足の方向へ倒していきます。
3.両腕は足の外側か楽なところに置いて、おでこを脛に近づけます。
4.この状態で30秒~1分呼吸を繰り返して、息を吸いながら丁寧に胴体を起こします。
骨盤が後ろに倒れて背筋を伸ばしにくい場合は、お尻の下に折りたたんだタオルを敷いて高さを作りましょう。頭の位置が下がることで脳に血液が送られ、頭をすっきりとさせる効果があります。
3. あお向けの合せきは血流UPのカギ
2.両足は菱形を作るように、かかとをお尻から少し離します。
3.両腕は、手のひらを上に向けて体の横に置き、ゆったりとした呼吸を繰り返しましょう。
4.股関節を開くことで下半身の血流がスムーズになり、全身の巡りを整えます。
5.また両腕を頭の向こうに伸ばすと、背骨が伸びていき上半身の緊張をほどいていきます。
4. 気分を変えていくシンプルツイスト
2.息を吐きながら、両膝を右側に倒し顔は左側に向けて、3~5呼吸キープします。
3.吸いながら、両足と顔を真ん中に戻し、反対側も同様に行います。
自律神経は背骨の両脇を通っており、ねじることで硬く緊張した背骨を緩めて、深い呼吸を繰り返すことで、気分がリフレッシュしていきます。
5. ホルモンバランスが整うスキのポーズ
2.息を吸いながら、両足を天井に向かって垂直に持ち上げて、お腹を引き締め、さらにお尻を持ち上げます。
3.両手を腰に当てて、吐きながら、両足を頭の向こう側に倒していきます。
4.つま先を床につけて膝を伸ばし、肩甲骨を寄せながら伸ばした両手を組みます。
5.その姿勢で、3~5呼吸繰り返します。
6.戻るときは、組んだ両手をほどいて腰に当てて、息を吐きながら、首の下から順番に下ろしていき、背中を丸めながら両足を床に戻します。
7.仰向けの状態に戻ったら、全身の力を抜いてポーズの余韻を感じましょう。
8.上半身と下半身が逆転することで、全身の血流を促し脳が活性化されて、疲労回復やホルモンバランスの改善、内臓機能を高めます。
9.心を落ち着かせる効果があり、ポーズをリリースした後には、深い脱力感と、クールダウンを伴った解放感が得られるでしょう。
高血圧症や緑内障、網膜剥離、首や肩のトラブルがある場合はこのポーズは行わないようにします。また、このポーズは首を痛めるリスクがあるため、初めての場合は、指導者がいる環境で行うようにしましょう。
6. ハッピーベイビーポーズで全身ストレッチ
2.そこから両膝を左右に開き膝を90度に曲げて、足の裏を天井に向けます。
3.両手で、足の小指側から足裏をつかみ、腿を両脇に引き寄せます。
4.30秒~1分、呼吸を繰り返します。
5.足裏をつかみにくい場合は、タオルを土踏まずに引っ掛けるか、腿裏を持ちましょう。
お尻から腿裏がストレッチされ緩むことで、疲労回復に効果があります。さらに、ゆりかごのように体を左右に揺らすと、背骨周辺への程よい刺激で、全身のこわばりがほぐれていきます。
7. とろり脱力のシャバアーサナ
2.両手、両足は心地よい幅に広げて、手のひらを上に向けます。
3.腹式呼吸を行い、吐く息で徐々に体の緊張をほどいていきます。
4.喉や奥歯の力を抜き、瞼から目の奥も緩めていきましょう。
5.体が重くなり、床に沈み込むようなイメージで、全身の力を手放します。
意識は、自分の呼吸や体の状態を俯瞰するように観察していき、普段の思考や考え事をストップさせ、頭の中も静かな時間を過ごします。
3~10分間そのままステイしたら、手と足をじわじわと動かし、頭をゆっくりと左右に倒して、少しずつ意識と感覚を戻していきます。両膝を立てて体を横に向け、両手を使い、頭が最後になるように丁寧に体を起こします。
意識がはっきりしてくるまで、ポーズの余韻を味わいましょう。
仰向けになることで、血液を体に均等に循環させやすくなり、筋肉、内臓、神経を休め、全身の疲労回復につながります。副交感神経の働きが活性化して、心身共にリラックスしていきます。
深い呼吸に合わせて、普段使わない部分を伸ばし捻じることで、体も心もほぐれていき自律神経が整っていくんですね。
ヨガのポーズを1つ、腹式呼吸を数分行うだけでも、その後の睡眠に良い影響を与えてくれます。
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