ピラティスマシンには、多くの種類があることを知っていますか?
身体を引き締めたり、姿勢を良くしたい人に人気のピラティス。その中でも、専用のマシンを使うマシンピラティスが注目されています。
しかし、『どんなマシンがあるの?』『自分に合うマシンはどれ?』と迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、代表的な4種類、リフォーマー、キャデラック、チェア、バレルについて、その特徴やメリットをわかりやすく解説します。
これから始めようとしている初心者はもちろん、ピラティスを始めている人にも、自分に合ったマシンやエクササイズを見つけるヒントが満載です。
マシンピラティスに興味がある方は、ぜひピラティススタジオ選びの参考にしてくださいね。
目次
マシンピラティスとは
マシンピラティスとは、ピラティス専用の装置を使って行なうピラティスです。これらの装置はピラティスマシン、もしくはイクイップメントと呼ばれます。
マットピラティスと比較して、より効果的に体を鍛えることができるのが特徴です。一見難しそうに見えますが、実は初心者やマットピラティスが苦手な方にもおすすめです。
- スプリング(バネ)の力を利用して負荷やアシストが受けられる
- 身体の動きをサポートしてくれる
- 様々な姿勢でエクササイズができる
- 個人の体力や目的に合わせて調整が可能
マットピラティス以上に激しいエクササイズもあるため、慣れた人や上級者にもおすすめです。
それでは、代表的な4つのピラティスマシンについて紹介します。
代表的なマシンピラティスの種類と特徴
リフォーマーの特徴と4つのメリット
リフォーマーは初心者から上級者まで幅広く使えるマシンで、全身のバランスを整えたい方や効率的に体を引き締めたい方におすすめです。
リフォーマーの特徴
- 細長いベッドのような形状
- その上に、動く台(キャリッジ)がついている
- 動く台(キャリッジ)の下にスプリング(バネ)がついている
- バーやストラップ(ひも)がついている
リフォーマーという名前は、身体を「リフォーム(改造)」するためのマシン、という意味です。動く台(キャリッジ)の上で、寝る、座る、立つといった様々なポジションでエクササイズをおこないます。
動く台(キャリッジ)そのものを動かすだけでなく、台に繋がっているストラップ(ひも)があり、それを手や足に引っ掛けて動かしたりと、様々な種類のエクササイズがあります。
スプリングが複数ついており、使う本数の組み合わせで負荷を調整できます。そのため、同じエクササイズでも、その人の体力や目的に合わせることが可能です。
実際にやってみると、普段の生活では体験することのない、不思議で新鮮な感覚が味わえますよ。
リフォーマーのメリット
- 全身の筋肉をバランスよく鍛えられる
- インナーマッスルを効果的に刺激できる
- 柔軟性と筋力を同時に向上させられる
- 姿勢改善に効果的
代表的なエクササイズ:フットワーク、ハンドレッド、マーメイド
キャデラック(トラピーズテーブル)の特徴と3つのメリット
キャデラックの特徴
- 四方をフレームで囲まれたベッド型マシン
- 多様なアタッチメントが使える
- 立位、座位、仰臥位など様々な姿勢でできる
- リハビリテーションにも適している
トラピーズテーブル、通称キャデラック。
トラピーズとは空中ブランコのこと。天蓋のようなフレームからツールがぶら下がっている姿からその名が付き、下に台(テーブル)があるので、合わせてトラピーズテーブルと呼ばれます。
第一次世界大戦中、ピラティス氏が拘留所、負傷兵のリハビリのために、病院のベッドを改造して作ったトレーニングマシンが、キャデラックの原型と言われています。
キャデラックという呼び名は、その豪華な装備から高級車「キャデラック」にちなんで名付けられました。
キャデラックのメリット
- 身体が安定した状態でできるので安全
- リハビリから高度なトレーニングまでできる
- 左右差や歪みの修正がしやすい
リフォーマーのように台が動くことなく、安定した状態での初心者向けのエクササイズから、アクロバティックな非日常的な姿勢での上級者向けエクササイズまで、幅広いエクササイズがおこなえます。
手や足を片方ずつのように、左右非対称なエクササイズができるため、左右差や歪みの修正にも効果的です。
代表的なエクササイズ:ロールダウン、レッグスプリング、ハンギング
チェアの特徴と3つのメリット
チェアは、特に下半身の筋力アップや体幹強化を目指す方におすすめです。
チェアの特徴
- 座面と可動式のペダルがついた椅子型マシン
- 比較的コンパクト
- 立位、座位、仰臥位でのエクササイズが可能
ピラティス氏が小さなアパートに住む人のために開発したというチェア。比較的大きなものが多いピラティスマシンのなかでは、コンパクトなマシンです。
座っておこなうエクササイズも多いため、妊婦さんや仰向けになるのが辛い人でも安心しておこなえる点も大きな魅力です。
チェアのメリット
- 腕や下半身、体幹の強化に効果的
- バランス感覚と協調性の向上
- 日常生活の動作改善に役立つ
実は、チェアにはワンダチェア、ハイチェアなど、いろいろな種類があります。
両側に取り外し可能なハンドルがついていたり、足や手を乗せるペダルがスプリット(2つに増えて、1つずつ動かすことができる)もの、背もたれが付いているもの、など、それぞれに細かな使い勝手に違いがあるもの特徴です。
代表的なエクササイズ:レッグプレス、マーメイド、トライセップスプレス
バレルの特徴と4つのメリット
主に背骨の柔軟性向上に使用されます。猫背や腰痛に悩む方、姿勢改善を目指す方におすすめです。
アーチ状の曲線をもつマシンで、大きく3つのタイプがあります。
- アークバレル
- スパインコレクター
- ラダーバレル
バレルとは樽のこと、それを半分にしたような形からその名がついています。
アークバレル
最もコンパクトなアークバレルは、その名の通りアーチ状の形をしたシンプルなバレルです。
スパインコレクター
背骨(スパイン)を矯正(コレクト)するという名前のバレルです。クジラのような独特の形状が特徴的です。
ラダーバレル
最も大きなラダーバレルは、バレル(樽)にはしご(ラダー)を組み合わせた形をしています。片方だけでなく、バレルとラダーの両方を組み合わせた多彩なエクササイズが可能です。
他の2つより、エクササイズの種類が多く、上級者向けのアクロバティックなものもあります。
バレルの特徴
- アーチ状の形状
- スプリングを使用しないマシン
- 主に背骨と体幹のエクササイズに使用
バレルのメリット
- 背骨の柔軟性を効果的に向上させる
- 猫背などの姿勢改善に効果的
- 深い呼吸を促進し、リラックス効果がある
- 体幹の安定性を高める
代表的なエクササイズ:ストレッチ、サイドベンド、スワン
組み合わせたもの
この他に、リフォーマーとキャデラックを1台にしたものもあります。
キャデラック付きリフォーマー
メーカーによっては、キャフォーマーと呼んだりします。
キャデラック付きリフォーマーは、リフォーマーの上にキャデラックのフレーム部分がついており、リフォーマー部分に台を乗せるとキャデラックとして使えるというものです。
【コンビネーション】
キャデラック付きリフォーマー(キャフォーマー)
Reformer Trapeze Combination™
タワー付きリフォーマー
リフォーマーに、キャデラックの片側だけが付いたもので、タワーリフォーマーと呼んだりします。キャデラックの上の部分がありませんが、1台でリフォーマーとキャデラックの大部分のエクササイズができるため、多くのスタジオで見ることができます。
Allegro® 2 Reformer with Tower and Mat
グループとプライベート
この中で、グループレッスンでよく使われるものがリフォーマーです。日本では数が少ないですが、チェア、アークバレルでのグループレッスンもおこなわれています。
それに対し、キャデラック、ラダーバレルはパーソナルレッスンで用いられることが主で、グループでのレッスンはあまり見かけません。
マシンの注意すべき点
全てのマシンに共通する注意点として、使用する際は、必ず指導者の指示に従いましょう。また、自分で使う場合には正しい使用法を学ぶ必要があります。
正直、ピラティスマシンは、筋トレのためのトレーニングマシンと比べて、安全性の高いものではありません。
また、器具のセッティングやスプリングの強さが適切でないと、エクササイズで身体を痛める原因にもなりかねません。
怖がる必要はありませんが、使い方を誤ると怪我したり、逆に身体を痛めてしまうこともあるため、インストラクターの指導や指示は、しっかりと聞くようにしてください。
目的別、マシンの選び方
リフォーマーがおすすめな人
- 全身の筋力と柔軟性向上
- バランスを整えたい方
- 効率的に体を引き締めたい方
エクササイズの種類や、全身を使うものが多いため、始めるならまずはこれからです。
さらに、動く台の上で寝るだけでなく、座ったり、膝立ちや立った状態でのエクササイズは、不安定な状態でのバランス力向上が期待できます。
三半規管が弱い人は気持ち悪くなってしまうケースがあるため、注意も必要です。
キャデラックがおすすめな人
- 部位にフォーカスした筋力と柔軟性向上
- 姿勢改善や体の歪み修正を目指す方
- リハビリ目的の方
キャデラックは、安定した台や安定したフレームにバーやスプリングを取り付けて動くため、細かな筋力や柔軟性の左右差、歪みやバランスの悪さに気づいたり、修正しやすいことが特徴です。
できるエクササイズも、リハビリの中期以降から、アスリート向けのチャレンジなものまでと調整の幅が広くあります。
様々な調整ができるため、扱いは少し難しく、インストラクターの指導のもとでおこなうのがおすすめです。
そのため、マンツーマンでのレッスンであることが多く、レッスン料金が高くなる傾向にあります。
チェアがおすすめな人
- 下半身の筋力アップや体幹強化を目指す方
- 座位、立位でのバランス安定性向上
- 足回りの機能改善
座ったり、立ったりした状態でおこなうエクササイズが多く、下半身の強化にピッタリです。
足首、足裏、足の指にフォーカスしたエクササイズも多いため、レッスン後、歩いた時の変化が大きいのも特徴です。
一見、簡単そうに見えて、実はかなり難しいエクササイズや、不安定なポジションでおこなうことがあるため、使い方や正しく動けなかったときの危険度はナンバーワンです。
グループレッスンではチェアだけのクラスもありますが、プライベートレッスンではチェアだけのレッスンは少なく、特定のニーズや、より全身を繋げて動く意識を高めるために使われます。
バレルがおすすめな人
- 背骨の柔軟性向上や姿勢改善を目指す方
- 身体を伸ばす意識を高めたい方
バレルの独特の曲線を使って、ストレッチをかけたり、全身を伸ばしながら使うエクササイズが多いのが特徴です。
他のマシンと違って、負荷や角度の調整がほとんどできないうえに、スプリングで動きをサポートすることがないため、筋力や柔軟性が十分でない人にとっては難しい場合があります。
また、ラダーバレルは、比較的高さがあるため、苦手な人にとっては落ちそうで怖いと感じることもあるようです。
チェアと同じように、プライベートレッスンではこれだけのレッスンは少なく、特定のニーズや、必要に応じて使われます。
マシンピラティスを体験できるスタジオ紹介
リフォーマーはプライベートだけでなく、グループでのレッスンも多いため、マシンピラティスを始めてみるのがおすすめです。
その他のマシンについては、パーソナルレッスンで使われることが多いため、チャレンジしてみたい人はぜひ、パーソナルでのレッスンを受けてみてください。
全国に店舗がある大手のピラティススタジオでは、zen place pilatesで4種類のピラティスマシンが用意されており、プライベートレッスンにて受けることが可能です。
下の記事では、それぞれのエリアのおすすめピラティススタジオを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ピラティスマシンは、初心者の方でも、体幹の強化や姿勢の改善、柔軟性の向上など、様々な効果を得られる素晴らしいツールです。
マシンを使用することで、マットピラティスではわかりにくい筋肉の使い方がわかりやすくなったり、マシンの動きが身体をサポートしてくれたりと、初心者だけでなく、上級者にもピッタリです。
この記事で、いいなと思ったマシンがあれば、インストラクターに相談してチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
『どのマシンが自分に合っているのか分からない』
『本当に効果があるのか不安』
そんなあなたに、まずは一度、体験レッスンを受けてみることをおすすめします。
- 実際にマシンを使ってみることができる
- 経験豊富なインストラクターからの適切なアドバイスが受けられる
- 自分の体の状態や目標に合ったマシンやエクササイズを見つけられる
- 安全な環境で初めてのピラティスマシンに挑戦できる
多くのピラティススタジオでは、特別価格での体験レッスンを提供しています。
この機会に、ぜひ一度試してみませんか?