ピラティスの人気が高まる中、インストラクターを目指す方も年々増えています。
しかし「資格の種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない」という声をよく耳にします。
さらに、資格を発行するスクールや団体もさまざまで、受講料やカリキュラムの内容も異なるため、選択に迷う方が少なくありません。
私が初めてピラティスインストラクターの資格を取得したのは約10年前。当時すでにピラティス歴は10年ほどありましたが、なかなか「インストラクターになろう」という発想に至りませんでした。
というのも子どものころからさまざまなトレーニングを経験してきた私は、ピラティスが「奥の深いエクササイズ」だと強く感じていたからです。
その頃から資格団体はいくつもありましたが、近年はさらに多様化が進み、ピラティス未経験からインストラクター資格を取得できるコースも増えています。
では、実際にどのようにして資格や団体を選ぶべきなのでしょうか?
この記事では、私自身の経験も交えながら、ピラティスインストラクター資格の種類や特徴、選び方のポイント、さらにおすすめの資格についてご紹介していきます。
目次
ピラティスインストラクター資格とは
ピラティスを教えるのに資格は必須ではありませんが、効果的な指導にはエクササイズの知識だけでなく、幅広い知識とスキルが求められます。
ピラティスインストラクター資格は、これらの知識やスキルを効率的に学べる養成コースを修了し、一定のレベルに達したことを証明するものです。
一般的には、以下の内容を学ぶことができます。
- ピラティスの起源と基本理念
- 関連する解剖学
- 具体的なエクササイズ
- レッスン構成などのプログラミング方法
- 効果的な指導テクニック
- ピラティスインストラクターとして活動できる
- 効率的にピラティスの勉強ができる
- ピラティスを学ぶ仲間が得られる
- 仕事の幅が広がる
ピラティスの資格は国家資格ではなく民間資格ですが、資格を持つことで ピラティススタジオやフィットネスクラブでの採用に有利になります。
また、理学療法士など医療系の資格を持つ方にとっても、就職や転職の際に強みとなる可能性があるでしょう。
さらに、資格取得コースを通じて得られるのは、通常のレッスンだけでは触れられない深い知識や専門性です。
解剖学や指導法、エクササイズの背景にある理論などを体系的に学ぶことで、指導の幅が大きく広がります。
また、コースでは同期生との出会いも大きな財産となります。互いに切磋琢磨しながら学ぶことで学習意欲が高まり、卒業後も貴重な人脈としてつながり続けることができます。
実際に私自身も、同期生や先生方との交流をとても大切にしており、情報交換や協力を通じて今も支え合っています。
ピラティス資格の取得をするための基本の進め方
マットピラティス
マットピラティスは、最も基本となるピラティスで、主にマット上で行うエクササイズを学びます。
ピラティスの起源や歴史をはじめ、考え方や基本原理(原則)、エクササイズの動き、身体の使い方、さらにそれに伴う解剖学の基礎を勉強します。
マットのエクササイズは、自身の力や身体能力のみで行うため、身体のゆがみや癖、筋力や柔軟性など、現在の限界を知ることができます。
そして、それを知ることこそが重要です。
私自身も、まずはマットの資格を取得し、インストラクターとして活動を始めました。マシンピラティスを学び始めたのは今から7年ほど前で、マットピラティスのインストラクターとして教え始めて3年ほど経ってからのことです。
身体の状態や基本の動きを理解した上でマシンを使用したことで、マシン特有の「負荷」や「補助」の意味をすぐに理解することができました。
また、資格団体によっては、マットピラティスの資格がなければマシンピラティスのコースを受講できない場合もあります。
インストラクターを目指すのであれば、マシンピラティスの理解を深めるためにも、身体の動かし方の基礎が詰まったマットピラティスの資格は、まず取得すべきものだといえるでしょう。
特徴 | グループレッスンの指導を中心に学ぶことが多い 場合によってはツールを使うことも |
メリット | 練習場所の制約が少ない |
デメリット | 仕事の幅が限定的 |
おすすめな人 | これからピラティスインストラクターを目指す人 |
マシンピラティス
マシンピラティスは主にリフォーマー、チェア、バレル、キャデラックといったピラティスマシンを使用したエクササイズを学びます。
マシンごとにコースが用意されており、目的に応じて選ぶことができます。
資格の取得の進め方としてはまずリフォーマーがおすすめです。
各資格団体もマットピラティスの次はリフォーマーの資格を取得するように流れがくまれているところがほとんどです。
特徴 | パーソナル指導をメインに学ぶ |
メリット | 特定のマシン資格を手頃な価格で取得できる 必要に応じてコースを選択できる |
デメリット | ピラティスマシンが使える練習場所が必要 ピラティスの全体像を理解するのに時間がかかる |
おすすめな人 | マットピラティス資格保持者 取得したいマシン資格が明確な人 |
資格の選び方:4つのポイント
では、どうやって自分に合った資格を選べばいいのでしょうか?
以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
①:目的を明確にする
まずは、なぜピラティスインストラクターの資格を取得したいのか、そしてどのようなインストラクターになりたいのか、目的を明確にしましょう。
「副業として始めたいのか」「将来的にフルタイムで活動したいのか」「自分のスタジオを開きたいのか」など、目標によって選ぶべき資格は変わってきます。
また、どのようなスタイルや対象者に指導したいのかも大切なポイントです。
・健康な人を対象にするのか、身体の不調や疾患を抱えた方を対象にするのか
こうした希望によって、適した資格は異なってきます。
さらに、すぐにインストラクターとして活動する予定がなくても、「ピラティスを深く学びたい」という目的で資格取得を考える方もいます。
その場合でも、学びたい内容や方向性について、漠然としたイメージで構いませんので、事前に考えておくことをおすすめします。
②:予算と時間を考える
ピラティスの資格取得に必要な費用や時間は、団体によって大きく異なります。そのため、まずは 自分の予算とライフスタイルに合ったコースを選ぶこと が重要です。
大都市、特に東京では多くの養成コースが開催されていますが、地方在住の場合は近隣でコースが開講されていないこともあります。
その場合、講義のたびに遠方へ通わなければならず、時間的・経済的な負担が増える可能性があります。
さらに、団体によっては以下のような課題が課されることもあります。
- 自主練習の時間
- 指導練習の時間
- レッスンの見学時間
これらはコース受講以外に必要となるため、スケジュールに余裕を持って考えておく必要があります。
特にマシンピラティスのコースでは、マシンが整った練習場所を確保する必要があり、コース費用以外にも追加費用が発生することがあります。こうした 隠れたコスト も事前に把握しておくことが大切です。
一方で、近年はオンラインで取得できる資格も増えています。地方在住の方や、仕事や家事と両立したい方には、このようなオンライン資格が大きなメリットとなるでしょう。
最終的には、費用・時間・通いやすさ・課題の有無などを総合的に検討し、 自分のライフスタイルに最も適した選択 をすることが、資格取得をスムーズに進めるポイントです。
費用や受講時間は団体やコースによって大きく異なりますので、詳細は各団体の公式サイトをご確認ください。以下はあくまで目安です。
リフォーマーコース 約25万円〜35万円
③:団体やコースの特徴や評判をチェック
ピラティスは一見同じように見えても、実際には団体ごとにアプローチが大きく異なります。
一例として、オリジナルのピラティスに忠実なクラシカル(トラディショナル)ピラティスと、解剖学やスポーツ医学、リハビリテーションの知識を取り入れた現代的なアプローチであるコンテンポラリー(モダン)ピラティスなどが存在します。
さらに、各団体が重視する部分も様々です。例えば、解剖学、エクササイズの流れ、指導法、プログラミングなどのいずれかに注力していたり、独自のメソッドやカリキュラムに多くの時間を割いていることがあります。
多くの団体では養成コースの説明会を開催しています。興味のある団体だけでなく、可能であれば複数の団体の説明会に参加することをおすすめします。
それぞれの違いを比較検討することで、新たな発見があるかもしれません。
また、実際に様々なインストラクターのレッスンを受けてみるのも効果的です。
自分が良いと感じるピラティスを指導してくれるインストラクターに出会えたら、どこの団体で学んだのかを聞いたり、他の団体の評判についても尋ねてみるのも良いでしょう。
このように、団体やコースの特徴と評判を丁寧に確認することで、自分に最適なピラティスの学び方を見つけることができるでしょう。
④:認知度を確認
PMA(Pilates Method Alliance)※に加盟している団体の資格は、国際的に広く認められています。
※アメリカに本部を構えるピラティス指導者の国際的な資格、教育基準を設定している非営利組織です。
PMAに加盟していなくても、その知名度や歴史的背景から認知されている団体も存在します。ただし、将来的に海外での活動を視野に入れている人には、PMA加盟団体の資格取得がおすすめです。
ピラティス資格の多くは海外を拠点とする団体によるものですが、近年では日本発祥の団体も増えています。
日本の団体の国際的な認知度は低いですが、日本人の体型や特性に適したピラティスを提供しているというメリットがあります。
私がピラティスを始めたころは、マットピラティスが主流であり、「ピラティス=マットピラティス」を指すのが一般的でした。
最初にマットピラティスの資格団体を選んだとき、当時通っていたレッスンの先生方が FTP という団体の資格を持っていたこともあり、特に迷うことなく「先生と同じ資格なら間違いない」と思いFTPを選びました。
金額面やコース期間、スタジオの場所もライフスタイルに合っていたため、勉強や練習は大変でしたが、無理なく受講することができました。
一方で、悩んだのはマシンピラティスの資格でした。当時のFTPにはリフォーマーなどマシンの資格が整っておらず(現在はあります)、別の団体を選ぶ必要があったからです。その際、私は以下の条件を基準に団体を探しました。
- 他団体のマット資格でもマシンコースを受講できること
- 金銭面・コース期間・通いやすさが自分の生活に合っていること
- 今後インストラクターとしてのキャリアを確立できる団体であること
最終的に私が選んだのは、ピラティス界の「アイビーリーグ(名門校)」とも呼ばれる STOTT PILATES です。
STOTTは世界的にも保有者が多く、日本以外の国でも通用する国際資格であることが大きな決め手となりました。
その結果、インストラクターとして活動するだけでなく、執筆やインストラクター養成、研修などにも携わることができ、仕事の幅を大きく広げることができました。
マットピラティスおすすめ資格、団体6選
各団体の特色を交えながらマットピラティス資格について紹介します。
PMA加盟団体:MAJOLI(マジョリ)
【短期間で取得でき、ピラティスを学ぶ第一歩として】
公式サイト:https://pilates-shikaku.com/
MAJOLIは、質の高い教育プログラムを提供するPMA公式認定校です。オンラインに特化したコース設計により、全国どこからでも受講できるのはもちろん、忙しい方も自分のペースで学習できる点が特徴です。
PMA(Pilates Method Alliance)認定の資格取得が可能で、国際的に通用する知識とスキルを習得できます。
さらに、MAJOLIは資格取得後のキャリアサポートも充実しており、インストラクターとしての活躍を全面的にサポートしてくれます。
また、マットピラティスだけでなく、マシンピラティスのコースもあるため、どちらにも興味がある人にもおすすめです。
そのため、ピラティスを通じて自己成長し、夢の実現を目指す方に最適な団体といえるでしょう。
ピラティス初心者でもしっかりサポートしてくれるので、インストラクターに興味はなくても、自分のためにピラティスを学んで、自宅でもきちんとしたエクササイズを行いたい、といった人にもおすすめです。
以下は実際のオンライン受講の様子です。
PMA加盟団体:FTP Pilates
【マタニティやシニア向けなど多様なニーズに対応したコースが充実】
公式サイト:https://ftpjapan.amebaownd.com
FTP Pilatesは、イギリス発祥のピラティス団体で、愛好家からプロ志望者まで幅広い支持を得ています。「最高の効率と実践性」をコンセプトに、マットピラティスに特化したプログラム構成が魅力です。
初心者から上級者まで、幅広いレベルのコースを提供しています。また、マタニティやシニア向けコース、スタンディングピラティスやパーソナルトレーニングなど、多様なニーズに対応したコースも用意されています。
これにより、受講者は目的に応じてステップアップしていくことができます。
主にグループレッスンでのマットピラティスを中心に勉強したい人におすすめの団体です。
AGNIYOGA
【マタニティやシニア向けなど多様なニーズに対応したコースが充実】
公式サイト:https://agniyoga.jp/agnischool/medical-pilates/
AGNIYOGAのメディカルピラティスインストラクター資格は、基礎から医学的知識まで幅広く学べる魅力的なプログラムです。
統合医療の視点を取り入れたカリキュラムでは、ピラティスに加えて心理学、アロマテラピー、ハーブについても学習できるため、クライアントをより総合的にサポートできるスキルを身につけることができます。
オンラインと通学を組み合わせた柔軟な受講スタイルのため、忙しい方でも無理なく資格取得を目指すことができます。
また、少人数制のクラスで細やかなサポートを受けられるため、ピラティス未経験の方でも安心して学ぶことができるでしょう。
JAPICA
【マタニティやシニア向けなど多様なニーズに対応したコースが充実】
公式サイト:https://pilates.co.jp/japica/
JAPICA (日本ピラティス指導者協会)、国内外で活躍する各種ピラティス指導者や医学博士、スポーツドクターなど、多彩な専門家が集結して設立された団体。
確かな技術と医科学的根拠に基づいた日本人の身体に適したピラティスメソッドを開発しています。
JAPICAのカリキュラムは、マットピラティス・ベーシックコースから始まり、指導者資格取得可能なアドバンスコース、さらにはマシンピラティスコースまで、幅広い選択肢が用意されています。
さらに、JAPICAでは、クライアントの身体状態を把握するための機能解剖学や姿勢分析、動作分析なども分かりやすく指導しています。このアプローチにより、受講生は実践的なスキルを効果的に身につけることができます。
JSADA(日本技能開発協会)
【在宅で学べる通信講座】
公式サイト:https://jsada.org/index.php/pilates-specialist/
一般社団法人日本技能開発協会(JSADA)が認定するピラティススペシャリスト資格は、通信資格のラーキャリを通じて取得できる、ピラティスの専門家として必要な知識を習得することができる民間資格です。
テキスト教材と試験がセットになったコースを選ぶことで、在宅で、ピラティスの基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。自分のペースで資格取得を目指せるため、忙しい方や自己学習を好む方に適しています。
ピラティスに興味を持つ方にとって、この資格は挑戦の第一歩としておすすめできますが、実技指導やオンラインでの直接的な指導が含まれていないため、この資格だけでピラティスの全てを学ぶことは難しいかもしれません。
実践的なスキルを身につけるには、追加の学習や直接レッスンを受ける必要があるかもしれません。
FRP(ファンクショナルローラーピラティス)
【フォームローラーを用いて人間本来の機能的な動きを引き出すプログラム】
公式サイト:https://frpilates.com
FRP(ファンクショナルローラーピラティス)は、厳密にはマットピラティスの資格ではありませんが、ピラティスマシンを使用せずにツールを用いてマット上で行なえるため、マットピラティスおすすめ資格として紹介します。
ファンクショナルローラーピラティス(FRP)は、理学療法士である中村尚人氏が考案した『フォームローラー』を使った理学療法士の臨床と、ピラティス実践者としての身体感覚から生まれた解剖学・運動学の理にかなった日本発のピラティスメソッドです。
FRPの特徴は、フォームローラーとマットのみの手軽さながら、マシンピラティスと同等の効果が得られます。
さらに、立位でのエクササイズが多く取り入れられているため、日常生活やスポーツ活動により直接的に活かせる指導ができるのも特徴のひとつです。
フォームローラーの特性を活かすことで、適度な抵抗感とサポート性が生まれ、一人ひとりに適した指導を行うことができ、マシンピラティスと同様に、正確なエクササイズを行なうことができます。
省スペースで実践でき、フォームローラーも比較的安価であるため、マシンピラティスの導入が難しい方や、ピラティス指導の幅を広げたいと考える方にも最適なプログラムです。
マットピラティスからマシンピラティスまでコンプリヘンシブに学べるマシンピラティスおすすめ資格、団体11選
ここでは、マットエクササイズと代表的な4種類のピラティスマシンを一貫して学べる団体をご紹介します。
私自身の場合、先に述べたようにやむを得ず団体を分けて資格を取得しましたが、基本的には 一つの団体に絞って資格を取得することをおすすめします。その理由は以下の通りです。
- 複数の団体の資格を保持すると、資格更新のための更新料や、必要な講座の受講数が増えてしまう場合がある
- 同じエクササイズでも、団体によって名称や指導理念が異なり、混乱を招くことがある
- 多くの団体は、基礎から応用へと段階的に学習できるようにプログラムが体系立てられている
このように、複数の団体をまたぐよりも、一つの団体のプログラムを通して学ぶことで、知識と指導力をスムーズに積み重ねることができます。
もちろん、期間は長く、課される課題も多いため覚悟は必要です。
しかし、ピラティスの全体像をしっかり学び、インストラクターとしての基盤を固めるためには、一貫したカリキュラムで学ぶことを強くおすすめします。
PMA加盟団体:STOTT PILATES(ストット・ピラティス)
公式サイト:https://www.stottpilates.com/
STOTT PILATESは、カナダ・トロントに本部を置く、100ヵ国以上で65,000人を超える生徒を輩出しているピラティス国際ライセンス発行団体です。
ハイレベルな運動科学と解剖学のカリキュラムを提供するSTOTT PILATESは、その確かな技術と知識の質の高さから、ピラティス界の「アイビー・リーグ(名門校)」として知られています。
STOTT PILATESの魅力は、リハビリテーションからトップアスリートのパフォーマンス向上まで、幅広い分野で活躍できるスキルを身につけられることです。
さらに、継続的な学習機会が豊富に用意されているため、常に最新の知識とテクニックを習得し続けることができます。
特筆すべきは、様々なプロップ(ツール)を使用したエクササイズを学べることです。これにより、より多くの効果的なトレーニング方法を習得できます。
日本国内では、複数の認定ライセンスセンターや公認トレーニングセンターが資格取得コースを提供しています。
各スタジオで開催されるコースや時期が異なるため、自分の目的や都合に合わせて最適なプログラムを選択するとよいでしょう。
PMA加盟団体:BASI Pilates(バシピラティス)
公式サイト:https://www.basipilatesjp.com
BASI Pilatesは、1989年に世界的に著名なピラティス指導者ラエル・イサコウィッツによって設立された団体です。
40カ国以上で展開される国際的な教育プログラムであり、受講者は高い専門性と実践力を身につけることができます。
特徴的なアプローチとして、動きの流れを重視する「フロー」と、エクササイズを分類し、それを基にレッスンを組み立てる「ブロックシステム」があります。
これらの独自のメソッドにより、効果的かつ体系的なプログラムやトレーニングが可能となっています。
理論だけでなく、実践的な内容も多いバランスの取れたカリキュラムは、即戦力となるインストラクターの育成に定評があります。
注意すべき点として、2025年から日本支部の運営会社が変更になっており、料金体系や申し込み方法、サポート体制などに一部、変更が生じています。
そのため、BASI Pilatesの受講を検討している方は、最新の情報を確認することをおすすめします。
PMA加盟団体:POLESTAR PILATES(ポールスターピラティス)
公式サイト:https://polestarjapan.org
POLESTAR PILATESは、世界28カ国以上で展開される国際的なピラティス団体です。リハビリテーションとピラティスを巧みに融合させたそのスタイルは、医療従事者からも高い評価を得ています。
特徴のひとつとして、リハビリテーション医学を基盤とした科学的アプローチと、豊富な実践経験やボディーワークの理念を組み合わせた独自のメソッドがあります。
これにより、ピラティスの本質を深く学べる魅力的な資格となっています。
教育プログラムでは、解剖学、生理学、運動制御理論などの科学的知見をピラティスの原理原則と組み合わせたものとなっています。
このアプローチにより、単なるエクササイズの方法だけでなく、その背景にある理論や効果的な指導法までを総合的に習得することができます。
また、他の団体にはない特徴として、タクタイル(触れて伝える指導)があります。サポートやアシストとして触れる指導法は他の団体にも存在しますが、ポールスターでは指導法の一つとして積極的に活用している点が独特です。
さらに病理や疾患に関する知識を学ぶと同時に、ピラティスでどこまでアプローチ可能か、何をすべきで何をすべきでないかについても、明確に学ぶことができます。
そのため、身体に問題を抱える人やポストリハビリに強い力を発揮するピラティスであり、幅広い対象に対してパーソナライズされた指導を行いたい人にとって、非常に適した資格と言えるでしょう。
PMA加盟団体:Club Pilates(クラブピラティス)
公式サイト:https://career-clubpilatesjapan.jp
Club Pilatesは、世界800店舗以上を展開する大手ブランドが手がける、本場アメリカのピラティスカリキュラムを採用しているインストラクター養成プログラムです。
特徴は、完全初心者から既に資格を保有している経験者まで、幅広い層に対応したカリキュラムが用意されていることです。
そのため、受講者は自分のペースで学習を進めることができ、個々のニーズに合わせた柔軟な学びが可能となっています。
カリキュラムの内容は、解剖学の基礎から実践的な指導法まで多岐にわたり、ピラティスインストラクターとして必要な幅広い知識を習得できるよう設計されています。
さらに、充実したキャリアサポートが用意されており、Club Pilatesでのインストラクターデビューを支援してくれる点は他のプログラムにはない大きなメリットといえるでしょう。
このように、Club Pilatesのインストラクター養成プログラムは、学習の柔軟性、包括的なカリキュラム、そして資格取得後のキャリアサポートという三つの要素を兼ね備えた、魅力的な選択肢となっています。
PMA加盟団体:PHI Pilates
公式サイト:https://phipilatesjapan.com
PHI Pilatesは、現代の解剖学、スポーツ医学、リハビリテーションの知識をベースに、リハビリテーションとコンディショニングとしての『ピラティス』を継承している団体です。
姿勢の評価と改善に特化したプログラムを特徴とし、トップアスリートから高齢者まで、個々のニーズに合わせたエクササイズをアレンジして指導するため、パーソナルでのピラティス指導を目指す方におすすめの資格といえるでしょう。
PHI Pilatesの資格コースの取得方法は自由度が高く、好きなコースを組み合わせて受けることができる、ユニットシステムのため、目的に応じて必要なコースやピラティスマシンの資格を好きな順番で取得できる点も魅力的です。
また、PHI Pilatesの特徴として、養成コースを開催できるマスタートレーナーが比較的多く、全国各地で養成コースが開催されていることが挙げられます。そのため、地方都市在住の方でも通いやすいコースを見つけやすい傾向にあります。
このように、PHI Pilatesは幅広いニーズに対応し、柔軟な学習機会を提供する信頼性の高いピラティス指導者養成団体といえるでしょう。
PMA加盟団体:Balanced Body(バランスドボディ)
公式サイト:https://balancedbody.co.jp
Balanced Bodyのピラティス資格は、世界102カ国以上で展開する有名なピラティスマシン製造メーカー、バランスドボディが提供する教育プログラムです。
特徴は、解剖学や生理学に基づいた科学的アプローチを採用し、段階的に学べるコース構成です。
単にエクササイズを学ぶだけでなく、クライアントの身体を正確に評価し、適切なレッスンを提供することを重視しています。
また3D解剖など最新の解剖学を楽しみながら学べる、より深い理解と実践のためのカリキュラムも整っています。
Balanced Bodyのピラティスは良い意味で強い個性の少ないニュートラルなスタイルです。
そのため、他の団体でマットピラティスを学んだ経験がある人でマシンピラティスのコースを探している方や他の団体で資格を持っている方向けのブリッジプログラムも用意されています。
一人ひとりに合った適切なレッスンを提供できるインストラクターを目指す方に最適な団体と言えるでしょう。
PMA加盟団体:Peak Pilates(ピークピラティス)
公式サイト:https://www.pilates-all.com/training/program
Peak Pilatesは、伝統的なクラシカルピラティスの手法を尊重しつつ、現代的なアプローチも取り入れた充実したカリキュラムが魅力の団体です。
「何を教えるかだけではなく、いかに教えるか」をモットーとしており、エクササイズの理解よりも指導法に重点を置いたプログラムになっており、実際のレッスンにおける声の指導(キューイング)のテクニックなどに関する指導は、他の団体と比べてかなり充実しています。
そのため、指導経験がない人やグループレッスンの運営スキルを向上させたい人におすすめといえるでしょう。
クラシカルピラティスをベースにしているため、オリジナルのエクササイズ順序に忠実であり、解剖学的なアプローチは比較的少なめです。
そのため、クライアントがエクササイズに合わせる「エクササイズファースト」の傾向にあり、一人ひとりに合わせたカスタマイズした指導を目指す人よりもグループレッスンに向いているといえます。
ITTAP認定:Motor Control: Beyond Pilates
公式サイト:https://beyond.pilates-lab.com
Beyond Pilates(ビヨンドピラティス)は、日本で初めてPilates Method Alliance(PMA)の最新の基準ITTAP認定を受けた革新的なプログラムです。医療とピラティスを融合させた画期的な内容となっています。
このプログラムは、医師や理学療法士が開発した独自のカリキュラムを特徴としています。解剖学や生理学の基礎知識から、実践的なエクササイズ指導法まで、幅広い分野を学ぶことができます。
さらに、マシンピラティスだけでなく、Bodhi Suspension SystemやCore Alignなど、多様なツールの使用法も習得できる充実した内容となっています。
Beyond Pilatesは、ただインストラクターになりたい人ではなく、ピラティスの世界に新たな可能性を見出したい人や、より専門的なスキルを身につけたい人にとって、おすすめの資格です。
より現代的なアプローチのプログラムを通じて、ピラティスの指導者としての能力を大きく向上させることができるでしょう。
BESJ
公式サイト:https://www.body-element.org
BESJ(Body Element System Japan)は、日本人の体格に適した独自のメソッドを展開している団体です。
特徴としては、マットピラティスの資格取得が比較的短期間で可能です。32時間という短い期間で資格を取得できるため、忙しい人でも受講しやすいプログラムとなっています。
ピラティスのスタイルとしては、クライアントファーストの理念に基づいた現代的なアプローチで、年齢や体力に関係なく、誰にでも適切な指導ができるスキルを習得することができます。
さらに、資格取得後のサポート体制も充実しています。継続的なサポートやスキルアップセミナー、ピラティス以外のコースなども提供されており、常に最新の知識とテクニックを学び続けられる環境が整っています。
日本人に適したピラティス指導者育成プログラムで、資格取得から継続的な学習まで、包括的なサポートを行っている団体といえるでしょう。
IBMA
公式サイト:https://ibma.asia/pilates.html
国際ボディメンテナンス協会(IBMA)は、米国ニューヨークに本部をおく、美容やヘルスケアなどのボディメンテナンスに特化した協会で、ピラティスインストラクター資格をはじめ、パーソナルトレーナー、ストレッチ、タイ古式マッサージセラピストなど、多岐にわたるライセンスを発行しています。
IBMAのピラティス資格コースは、マットピラティスとマシンピラティスの2種類で、それぞれベーシック、アドバンス、マスターの3段階があります。そのため、受講者は自身のレベルに合わせたペースでスキルアップを図ることができます。
また、マシンピラティスコースを修了することで、60分から120分程度のクラスを数種類デザインできるようになり、即戦力として活躍できるインストラクターを目指すことができます。
IBMAの資格取得コースは、段階的にピラティスインストラクターを目指す方々にとって、おすすめの資格と言えるでしょう。
国際ボディメンテナンス協会(IBMA)は、米国ニューヨークに本部をおく、美容やヘルスケアなどのボディメンテナンスに特化した協会。ピラティスインストラクター資格だけでなく、パーソナルトレーナーやストレッチ、タイ古式マッサージセラピストなど様々なライセンスの発行を行っています。
マットピラティスコースと、マシンピラティスのコースがあり、それぞれベーシック、アドバンス、マスターの3段階で構成されており、段階的にスキルアップできるのが特徴です。
マシンピラティスコースを修了することで、60分から120分程度のクラスを数種類デザインできるようになり、即戦力として活躍できるインストラクターを目指すことができます。
Lolita’s Legacy(ロリータズレガシー)
公式サイト:https://www.lolitaslegacy.jp/index.html
ロリータズレガシーは、ピラティス創始者ジョセフ・ピラティス本人から直接指導を受けた公式認定者、ロリータ・サン・ミゲェルが開発したピラティスティーチャートレーニングプログラムです。
世界で唯一の創始者直系の養成コースとして、ピラティスの真髄を学ぶことができる貴重なプログラムと言えるでしょう。
このプログラムは500時間に及ぶ充実したカリキュラムを特徴とし、マットやマシンなど全てのピラティスマシンを総合的に学ぶことができます。
同時に、現代人のニーズに沿った、時代に合わせた最新の知識も習得できるため、単なる技術の習得にとどまらず、ピラティスの哲学や本質を深く理解することができます。
ロリータズレガシーは、ジョセフ・ピラティスの哲学を基盤としながらも、現代社会の変化に対応した指導法を学べる点が特徴です。
真のピラティス指導者を目指す方にとって、非常に価値のある資格といえるでしょう。
FAQ
ただし、団体やコースによっては講義や実技についていけなくなるケースも。
そのため、不安であれば、あらかじめ初心者でもサポートしてくれるコースや長期に渡ってゆっくり進められるコースを選ぶことをおすすめします。
できるだけ早い段階で、実際のレッスンを受講してみましょう。オンラインクラスでも構いませんが、書籍やDVDだけに頼らず、生のレッスンを体験することを強くおすすめします。
なぜなら、まずは様々なインストラクターのレッスンを受けることで、正しい身体の使い方を習得することが必要だからです。
養成コースの受講を検討している場合は、はじめはマットピラティスの資格取得を目指すと良いでしょう。
また、団体によって名称は異なりますが、「ファンダメンタル」「イントロダクション」といった基礎コースから始めるのもおすすめです。
こうした基礎的なコースで土台をしっかり固めておくことで、その後、より高度な技術や知識をスムーズに習得していくことができます。
ただし、ピラティスを効率よく学びたいのであれば、マット→マシンの方がおすすめ。
基本的なエクササイズや体の動かし方、指導方法を学んでおいた方がマシンのエクササイズの理解度も深まるでしょう。
フィットネスクラブや大規模なスタジオでは、主にグループレッスンが行われています。そのため、マットピラティス資格のみでもインストラクターとして働く機会は十分にあります。
さらに、マシンピラティスを専門とするスタジオでも、就職後にマシンピラティス資格の取得をサポートしてくれる場合があります。このような環境では、マットピラティス資格を既に持っていることが、採用や研修の面で有利に働くことがあります。
資格の違いは単に使用できる器具の範囲だけでなく、提供できるレッスンの種類や指導の深さにも現れます。
ただし、これらのマシンを実際に使用できるかどうかは、勤務するピラティススタジオの設備によって左右されます。
マット+マシンの資格の大きなメリットは、その幅広い知識が様々な場面でのピラティスの指導に活かせる点です。より多様なクライアントに対応でき、指導の幅が大きく広がります。
ただどの団体で資格を取得するにしても、あなた自身がどのようなことが得意で苦手かによっても大きく異なります。
解剖学などの座学が難しいと感じる方もいれば、身体を動かすエクササイズ(実技)が苦手、または人前で話すと緊張してしまってインストラクションがうまくできないなどあるでしょう。
インストラクターとして活動する中でどれも必要なスキルですので、自身の苦手を克服し、得意とすることを伸ばして資格取得を目指していきましょう。
まとめ:自分に合った資格を見つけよう
以上のように、ピラティスの資格や団体には多くの種類があり、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。
ですが、自分の目的・予算・将来のビジョンをしっかりと持って探せば、きっと自分に合った資格が見つかります。
「どの資格から始めればよいか分からない」という方は、まずはマットピラティスの資格から始め、徐々にステップアップしていくのがおすすめです。
そして大切なのは、資格取得後も学び続ける姿勢です。ピラティスの世界はとても奥深く、常に新しい知識やスキルを吸収し続ける必要があります。
私自身もピラティスを始めて20年近く、インストラクターとしては約10年活動していますが、いまも講座やワークショップに参加し学びを続けています。
周囲のインストラクター仲間も、多くの資格を取得しながら研鑽を重ねています。
それは資格のためだけでなく、自分の知識を深め、そして何よりレッスンに来てくださるクライアントの方々により良い指導を届けたいという想いがあるからです。学びはきっと終わることがないでしょう。
ピラティスインストラクターは、多くの人の健康と美しさをサポートできる素晴らしい仕事です。
あなたもぜひ、自分に合った資格を見つけて、ピラティスの世界に飛び込んでみませんか?
ピラティスの内容に関する説明はこちら。
>>ピラティスとは【徹底解説】ヨガとの違い、効果、おすすめスタジオ一覧表まで