結論からお伝えします。
「痔」はピラティスで改善できます。私も産後の痔をピラティスで治した1人です。
妊娠や出産を機に痔になる女性が多いと言われています。人に言えず、密かに悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
インストラクターをしていると、産後のママから「産後に痔が出てピラティスができません‥」など、相談を受けることも多くあります。
この記事では、妊娠中~産後の痔に対してピラティスで出来ることを詳しくお伝えしていきます。痔の予防にもなるので、プレママさんも参考にしていただけると幸いです。
目次
1. そもそも痔とは
妊婦さんに生じやすい痔とは大きく分けると切れ痔、いぼ痔の2種類に分類されます。血流の障害により、肛門にトラブルが生じる状態をいいます。
切れ痔
肛門の皮膚が切れることで、排便時に痛みや出血を伴います。妊娠中の便秘のよりなりやすいと言われていますが、妊娠自体が切れ痔を誘発するわけではありません。
いぼ痔
いぼ痔は2種類に分かれます。
内核痔:肛門内部にできる痔。痛みを伴わないため気が付かない場合も多い。
外核痔:肛門の外に出た痔。激しい痛みがあり、肛門を触るといぼに触れます。
妊娠すると生じやすいのは内核痔なので、気が付かない妊婦さんも多いでしょう。
2. なぜ妊婦さんは痔になりやすいの?
では、なぜ妊婦の85%もの人が痔を経験するのでしょうか。
引用元:妊娠中期・後期の発症率は85%? プレママ&ママの「痔」 原因と予防(前編)
海外では40%以上というデータがあります。
引用元:妊娠・出産後は、痔のリスクが増大。ママが痔になりやすいのはなぜ?
原因は大きく分けると2つ考えられます。
静脈瘤によるもの
妊娠すると胎盤に送る血液を準備する為、母体の血液量は妊娠前の2倍になります。心臓は絶えず全身を巡っていますが、血液量が増えることで心臓に戻しきれなかった血液がこぶのように膨れてしまうことがあります。
これが妊婦さんに多いトラブル【静脈瘤】というものです。
静脈瘤は足や鼠径部にできることもありますが、肛門付近に生じたものがいぼ痔(内核痔)の正体です。
妊娠中の便秘によるもの
妊娠中はホルモンの影響で腸の働きが低下します。そのため、妊娠初期から便秘になったと感じる方は少なくないと思います。
急に便秘になると、人は焦りますし気分も良くないですね。無理に力んで便を出そうとすることで切れ痔や、いぼ痔(外核痔)を出してしまうケースも多くあります。
3. 妊婦が痔になった時の対処法3選
足~お尻にかけての血液循環を改善する
具体的には、長時間座位でいつづけないことが大切です。立ちっぱなしの仕事の場合、気が付いたら足踏みをする、踵上げをするなど適宜動くことが大切です。
体をあたためる
妊娠中はホルモンの影響でむくみやすく、血液循環も滞りやすくなります。足首をあたためる、お湯につかるなど、体を芯からあたためましょう。体を巡る血液循環が良くなることで、痔の予防・改善に効果的です。
お尻回りのエクササイズをする
切れ痔には効果がありませんが、いぼ痔に効果があります。
骨盤底筋や肛門括約筋のエクササイズは、静脈瘤(内核痔・外核痔)のリスクを下げるといわれています。さらに、すでに症状が出てしまっている場合にも症状を和らげる効果がありますのでおすすめです。
以下で詳しく紹介いたします。
4. 産前・産後 妊婦さんの痔におすすめのピラティスエクササイズ
妊娠中、産後どちらも行えるエクササイズです。先程お伝えしたように、痔には血液循環の改善と、骨盤底筋・肛門括約筋のエクササイズが効果的。
注意点は、痛みを伴っている場合は炎症期を過ぎてから行うことです。出血や腫れを助長してしまう可能性もありますので、急がずじっくりと対応していきましょう。
肛門括約筋エクササイズ
肛門括約筋とは、便を我慢したり、排泄することを調節する筋肉です。
<内容>
- 肩幅に足をひらき立ち、足先は外側を向ける
- 息を吸い、吐きながら肛門を締める
- 息を吸いながら肛門を緩める
※息をゆっくり吐き続けながら、10秒程度は肛門を締めておきましょう。
<回数>
痔の改善を目的とする場合、1日20回は行うといいでしょう。
とても分かりやすく解説されています。参考にして下さい。
背骨のエクササイズ
お尻を巡る血液循環の改善を目的に行います。
<内容>
- 四つ這いになり、肩の真下に手、股関節の真下に足がくるようにする
- 息を吐きながら、背骨を丸め、骨盤を後傾させる。
- 息を吸いながら、背骨を反らしお尻の穴を後ろに向ける
※お腹の下に大きなボールがはいるイメージで背中の位置を高くします
<回数>
1回5回を目安に、1日2~3セット
2分25秒から解説しています。参考にして下さい。
5. 産後のピラティスはいつからやっていいの?
一般的に産後ピラティスを始める場合
普通分娩の方は産後6~8週間後
帝王切開の方は産後8~10週間後
といわれています。ですが、胸式呼吸など身体に負担の少ないエクササイズであれば産褥期から開始しても大丈夫なものもあります。
>>産後ピラティス【徹底解説】産後の体型戻しにはピラティスがおすすめ!
では、痔に対してのエクササイズはいつから実施していいのでしょうか。
結論は産後1カ月経過した頃がおすすめです。
痔の症状が強い場合、肛門外科の先生に診ていただくことをおすすめします。産後1カ月経過していても痛みが引かない場合は、エクササイズを始める前に先生に相談するといいでしょう。
6. 産後ピラティスはここ!おすすめのスタジオ4選
Twothree
骨盤底筋などインナーマッスルを促通し、姿勢の改善を図れるスタジオです。数豊富なマシンがそろっている為、産後の1人1人の体の状態に応じたエクササイズを提案してくれるでしょう。
最大4~8名の少人数で行われるグループレッスンから、マンツーマンレッスンに対応。産後の悩みをしっかり聞いてくれる時間もあるので安心して通えます。
産後のママにおすすめしたいポイントは、託児チケットがある点。店舗により異なりますが、子どもを連れていけるとスケジュールの調整が図りやすいですよね
<料金>
マシンピラティス
グループレッスン | 月4回 13,200円 月8回 22,000円 |
マンツーマンレッスン | 10回 110,000円 20回 220,000円 |
zen place
全国に135店舗ある、大手ピラティススタジオです。ヨガ・ピラティスのコースがあり、入会すると全国どこのスタジオでも利用できる点が特徴。
マンツーマンレッスンで用いるマシンの品揃えは全国トップレベルです。一人一人の体に応じたエクササイズの提案をしてくださるスタジオでしょう。
産後リカバリーコースもあります。自然分娩の方は産後6週~、帝王切開の方は産後8週~参加できます。どんなエクササイズを行うのか参考動画もホームページに挙がっていますのでチェックしてみてください。
<料金>
マットピラティス
グループレッスン | フリー 16,940円/月 月4回 10,450円 |
体験レッスン | 1回3,300円 |
マシンピラティス
グループレッスン | 月4回 15,400円 |
体験レッスン | 1回5,000円 |
スタジオ・ヨギー
ヨガ専門スタジオですが、マットピラティスのコースもあります。
ヨギーでは、妊娠前、妊娠中、産後の女性の体をトータルでサポートするプログラムがあります。産後の専門ケアを含めた指導をして下さるので安心して通うことができると思います。
妊娠中の方は16週以降、産後の方は6週~参加できます。
※マタニティケア、産後ケアを実施しているスタジオに限りかあります。
北千住店、池袋店、中目黒店、横浜店
<料金>
マットピラティス
グループレッスン | フリー15,620円 月4回10,120円 |
体験レッスン | 1回1000円 |
バースピラティス
『産後の体型戻しで素敵な女性を』をコンセプトの産後ピラティスレッスン。もちろん、産後ママの尿漏れや腰痛などのトラブルの改善にも対応してくださいます。
バースピラティスの安心できる点は、カウンセリングが丁寧なところだと思います。産後何に悩んでいるのか、どのような経過なのかなど、丁寧に聞き出してくれます。
マンツーマンのレッスンで、一人一人の悩みに向き合って下さるスタジオでしょう。産後1カ月経過し、医師の許可を得た方のみ参加可能です。
<料金>
マシン・マットピラティス
パーソナルレッスン | 1回9,600円 5回46,000円 |
体験レッスン | 4,900円 |
7. まとめ【産後の痔はピラティスで改善しよう】
この記事では、妊娠中、産後の痔トラブルにおける対処法をお伝えしました。
妊娠中は痔になりやすい身体状態にあります。また、出産時のいきみにより痔が出てしまうケースも少なくありません。
肛門括約筋のエクササイズや、血液循環改善エクササイズで痔の改善が期待できます。
痔は恥ずかしいことではありません。スタジオに通っている方はインストラクターに伝えて、適切な方法で痔を改善していけるといいですね。
この記事が、痔で悩む方の参考になると幸いです。