最近、街中でも見かけるようになったピラティススタジオ。その中で、マシンピラティスという言葉を目にしたことはありませんか?
『マシンピラティスって何?』
『マシンを使わないピラティスとは何が違うの?』
そんな疑問を持つ方も多いでしょう。
マシンピラティスとは、ピラティス専用の器具(ピラティスマシン)を使って行うピラティスです。ピラティスマシンを見たことがある人は、普段見慣れない大きさや形に、大変そう、難しそうと感じるかもしれません。
しかし、マシンピラティスこそ、初心者の人やこれから始めようと思っている人にピッタリの、実は本来のピラティスなのです。
この記事では、マシンの中でもよく使われる『リフォーマー』を中心に、マシンピラティスの特徴やメリット、マットピラティスとの違いをわかりやすくお伝えします。
きっと、読み終わった後には、マシンピラティスを始めてみたくなることでしょう。
記事としての分かりやすさを重視しているため、より興味を持った方は、ぜひご自身でもより深く調べてみてくださいね。
目次
マシンピラティスが生まれた背景
日本ではマットピラティスの方が先に広まったため、マシンピラティスはマットピラティスにマシンを加えたものと思う人も多いかもしれません。
実際はその逆で、マシンピラティスがベースにあり、マシンがなくてもできるようにアレンジしたのがマットピラティスなのです。
ピラティスの始まりは、第一次世界大戦中、ジョセフ・ピラティス氏が拘留されたイギリスの拘留所でした。他の収容者のために考案したワークアウトや、負傷兵のために考案したリハビリがその原点です。
負傷兵が寝たままでもエクササイズができるようにと、ベッドを改造して作ったトレーニングマシンが、現在のピラティスマシンのベースとなっています。
ピラティスマシンにはスプリングが使われているのですが、理由の1つは、物資が少ない拘留所で、そこにあったベッドのスプリングを使ったためだと言われています。
その後、改良が加えられたり、新たな種類が生み出されたりして出来上がったものが、今のピラティスマシンです。
ちなみに、『ピラティスマシン』と一言で言っても、現在は様々なメーカーが作っていて、会社やモデルによって形や使い勝手がかなり違います。
もし、いくつかのピラティススタジオを訪ねる機会があれば、マシンの違いを確認してみたり、インストラクターにマシンについて聞いてみると面白いかもしれませんね。
マットピラティスとマシンピラティスの違い
マットピラティスとマシンピラティスには、いくつかの重要な違いがあります。
そのいくつかをご紹介しますね。
動きのコントロール方法が違う
マットピラティスでは、全ての動きを自分の力でコントロールしないといけないのに対し、マシンピラティスでは、マシンが身体の動きを助けてくれます。
そのため、マシンピラティスは無駄な力が抜けたり、エクササイズに必要な筋肉や動きだけに意識を向けやすく、より正しい動きを理解、習得しやすいという特徴があります。
全身、動きすべてに意識を向けないといけないマットピラティスに対して、マシンピラティスではエクササイズの重要な部分だけに集中しやすくなるのです。
『実は、初心者にはマシンピラティスの方がおすすめ』と言われるのは、このためです。
よく行われているレッスンが違う
マットピラティスはグループレッスンが多く、マシンピラティスはプライベートもしくは少人数でのセミプライベートレッスンが多く見受けられます。
マットピラティスでは、十分なスペースとマットがあれば可能なため、比較的大人数でのグループレッスンが多く、少人数グループやパーソナルでのレッスンは少なめです。
それに対して、マシンピラティスは、1人に1台のピラティスマシンとインストラクターの適切なサポートが必要なこともあり、少人数でのグループやパーソナルでのレッスンが多く見受けられます。
効果が現れるまでの期間が違う
ピラティスの効果が現れるまでの期間については、ジョゼフ・ピラティス氏のこの言葉がよく引用されます。
『10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる』
しかし、この言葉は、元々は『マシンピラティスを毎日続けると』という意味だったとも言われています。
中には、マットピラティスのグループレッスン5〜10回ぐらいで得られる理解や効果が、マシンピラティスのパーソナルレッスン1回に相当するように感じる方もいます。
とはいえ、ピラティスは即効性のある激しい運動ではないので、すぐに効果が出るわけではありません。
大切なのは『定期的に継続していくこと』。予算や目的に合わせて、無理なく続けられる方法で始めてみるのがよいでしょう。
身体の感度がより上がる
少し専門的な話ですが、マシンピラティスには固有受容覚を鍛える効果もあります。
この効果はマットピラティスにもあるのですが、マシンピラティスの方がより高い効果があります。
固有受容覚とは、筋肉の中にある、筋肉の動きや力加減を感知するセンサーのようなもので、以下のような働きがあります。
- 力を加減する
- 運動をコントロールする
- 重力に抗して姿勢を保ったり、バランスをとる
- 情緒を安定させる
このセンサーは使わないと感度が下がり、体がうまく動かせなくなったり、動きの調整や判断が鈍くなってしまいます。
マシンピラティスはこのセンサーの感度や精度を高めるトレーニング効果があるため、筋力や柔軟性だけでなく、筋肉の動きに気づきやすくなったり、身体のコントロール力を高めることができるのです。
マシンピラティスの強みと弱みを知ろう!
マシンピラティスのメリット
マシンピラティスの最大の魅力は、ピラティスマシンを使うことで、正しい姿勢と動きで効果的にエクササイズができることにあります。
さらに、個人の体力や状態に合わせて運動の強さを細かく調整できるという点も特徴です。
マットピラティスは自分の体重を使うトレーニングなので、正確に動くには筋力とコントロール力が必要。つまり、ある程度の技術が求められます。
一方、マシンピラティスでは、マシンがあなたの動きを色々な形でアシストやサポートしてくれます。
例えば、バランスを崩したときのことを想像してみてください。誰かに手を持ってもらったり、体を支えてもらうと、うまく体勢を立て直すことができるだけでなく、不安定な中でも踏ん張ったり、力を出すことができますよね。
まさにそんなサポートをしてくれるのです。
マシンピラティスは初心者の方でも安心して、効果的にエクササイズができる優れた道具なのです。
マシンピラティスのデメリット
マシンピラティス最大のデメリットは、手軽ではない、始めるのが少し大変なところです。
マシンピラティスには専用のピラティスマシンが必要です。大きく高価なため、自宅で気軽に始めるのはむずかしく、マシンの使い方やセッティング方法、安全面での注意点などを学ぶ必要があります。
DVDや動画などでの独学は難しいので、最初はインストラクターからの直接指導を受けるのがおすすめです。
レッスンを受ける場合も、1人に1台のピラティスマシンがあることや、きちんと指導、サポートしてくれるインストラクターが必要になるため、グループでも少人数でのレッスンが大半です。
そのため、レッスン料金が、マットピラティスと比べて高くなる傾向にあり、金額の面でもあまり手軽ではありません。
海外では一般的に「イクイップメント(Equipment)」、または「アパラタス(Apparatus)」と呼ばれています。
実は、マシンピラティスという言葉は、日本のピラティススタジオがイクイップメントを使ったグループレッスンを始めた際に、一般の人にもわかりやすいようにと作った造語だそうです。
その後、多くの人がこの呼び名を使うようになり、
- イクイップメントを用いたピラティスを『マシンピラティス』
- イクイップメントを『ピラティスマシン』
と日本では呼ぶようになっています。
ピラティスマシンの種類は?
ピラティスマシンには、実はさまざま種類があります。
- リフォーマー
- キャデラック(トラッピーズテーブル)
- バレル
- チェア
これらがよくマシンピラティスで使われるマシンです。
>>ピラティスマシンはどう違うの?代表的な4種類を徹底解説!
ただ、これはかなりざっくりした分け方です。
それぞれの中で微妙に種類が分かれていたり、組み合わせたものがあったり、メーカーごとに様々な工夫を凝らしているため、細かく見るとかなり多くの種類が存在します。
今回は、その中でも最もよく用いられるリフォーマーについて、詳しく紹介したいと思います。
マシンピラティスで最も人気!リフォーマーとは?
リフォーマーという名前の由来は、身体を「リフォーム(改造)」するためのマシン、です。
リフォーマーの特徴
- ベッドのようなフレームに、動く台がついている
- スプリング(バネ)がついている
- バーやストラップ(ひも)がついている
リフォーマーは、細長いベッドのような形をしたマシンで、長方形の台の上に、水平方向に動く台(キャリッジ)がついています。この台に乗って、寝たり座ったり立ったりしながら、いろいろなエクササイズを行います。
この動く台(キャリッジ)には、長さ調節が可能なストラップ(ひも)がついており、それを手や足に引っ掛けて動いたりもします。
動く台の下にはスプリングがついており、このスプリングの本数を調節することで、重くしたり軽くしたりが可能で、運動をきつくしたり、逆にサポートしたりしてくれます。
実際に体験してみるとわかりますが、何気ない動きでも普段の生活では体験しない方向や感覚で動くため、かなり不思議で新鮮な感覚がします。
リフォーマーの強み3選
1台で体のあらゆる部分を鍛えられる
寝た姿勢、座位、立位など、様々なポジションでエクササイズができるため、1台で身体のあらゆる部分を鍛えられます。エクササイズの種類も多く、1台で色々なことができるのも、リフォーマーがよく用いられる理由の一つです。
負荷調整ができる
スプリングの本数を変えることで、簡単に運動強度を調整できます。
初心者から上級者まで、自分の体力や目的に合わせてトレーニングができるのが大きな特徴です。
安全性が高い
マシンが体を支えてくれるため、怪我のリスクが低く、安心してエクササイズに取り組めます。そのため、体力に自信がない方や高齢者の方にも適しています。
リフォーマーは種類によって、動く台(キャリッジ)の動く範囲やバーやストラップの位置や角度なども調整ができます。
そのため、柔軟性に不安がある人や、身体にトラブルがある人でも、無理なく安全にエクササイズができます。
歪み改善やバランス力が向上する
マシンに身体が触れていることで、左右のバランスの違いや身体の歪みにも気づきやすいため、意識や修正がしやすく、正しい動きに近づきやすくなります。
また、不安定な台の上でエクササイズをすることで、自然とバランス力も向上します。
動きによって身体を修正していくので、自分の力で自分を整えているような感覚が得られるのも、リフォーマーならではの魅力です。
まとめ:初心者から上級者まで対応!
マシンピラティス、特にリフォーマーを使ったエクササイズは、まさに身体と意識に大きな変化を与えてくれる魔法のような力を秘めています。
全身運動ができ、姿勢改善や柔軟性アップはもちろん、身体の隅々まで意識を向けられるようになるといった、様々な効果があります。
初心者の方でも、体力に自信がない方でも、安心してスタートできるだけではなく、上級者の方にも十分なチャレンジを与えてくれる奥深さも持っています。
まずは、一度、近くのピラティススタジオで体験レッスンを受けてみませんか?
専門のインストラクターの指導のもと、リフォーマーをはじめとする、ピラティスマシンの魅力を体験してみてください。新しい自分との出会いが、そこにあるかもしれませんよ。
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