
真理
みなさんナマステ!
ウェルネスストーリー編集長Mariです。
今日はヨガ業界では知らない人がいないと言われる、日本でのアシュタンガヨガの第一人者、ケンハラクマ先生のインタビューをお届けします!
ケンハラクマ先生×横幕 真理の対談インタビューは、かなりのボリュームになったので、2回に分けて掲載させて頂きます。
わたし自身、まだヨガをはじめたばかりの頃に、渋谷でケン先生のワークショップに参加したり、セブ島からオンラインでレッスンを受講した経験があり、今回は、数年振りの再会となりました。
それでは、早速ケンハラクマ先生インタビュー<前半>をお届けしたいと思います!
1、アシュタンガヨガの第一人者、ケンハラクマ先生とは?
プロフィール

ケン ハラクマ先生
IYCインターナショナルヨガセンター
アシュタンガヨガジャパン(Ashtanga Yoga Japan)
日本アシュタンガヨガ研究所(Japan Ashtanga Yoga Research Institute)
を主宰。
アシュタンガヨガの創始者 シュリ・K・パタビジョイス氏より、日本人初のアシュタンガヨガ正式指導資格者として直接認定を受ける。
日本中にヨガを広め、現在では日本を代表するヨガの第一人者としてアシュタンガヨガを中心に国内外にて幅広いヨガの指導とワークショップを行うほか、合宿・指導者養成や、メディア・教育・各種企業へのヨガコンサルティングなど、健全なヨガの普及活動に努め、常に日本のヨガ界を牽引し続けている。

2、あのケン先生も、ヨガを始めたときは、身体がめちゃめちゃ硬かった・・・(衝撃)


真理
ケン先生、ご無沙汰しています!本日はよろしくお願いいたします!
早速ですが、ケン先生がヨガに興味を持ったきっかけを教えていただけますか。

ケン先生
当時は、自分の会社を経営して、仕事にかなりの時間を割いていました。それでも週末はサーフィンや乗馬をして、楽しいことは楽しかったんです。
ですが、休日はどれだけ楽しくても、次の日はまた仕事に追われて疲れて・・・そんなことを繰り返していました。

真理
疲れて、ストレスも溜まって、という生活だったんですか?

ケン先生
仕事は仕事で過酷なほどに時間をとられ、週末も一生懸命遊んでいましたからね。結局のところ、あまり休む時間がとれなかったんです。それでストレスをけっこう溜め込んでいました。ちょうど、そんな時期にヨガと出会ったんです。


真理
(ストレス溜めて疲れ果ててるケン先生、とても想像できない・・・)
そのときは誰か、人を通してヨガを知ったんでしょうか?

ケン先生
知人の紹介で、東京に来ていたアメリカ人のヨガの先生と会って、その方のヨガクラスを1回だけ受けてみることにしました。

真理
生まれて初めてヨガを経験されて、いかがでしたか?

ケン先生
そのときは、めちゃくちゃ身体が硬かったから大変でしたよ。ヨガのポーズをしているときに「もう二度とやるか」と思ったものです。ですが、最後に先生に「すべて忘れて休んでね」と言われたときに、なにもかもがスコーンと吹き飛びました。
それで、目が覚めてみると、すごい爽快感に満たされたんです。それがきっかけとなり、ヨガにハマりました。

真理
今では全く想像もつかないですが、ケン先生も、最初のヨガは大変な想いをされたんですね・・・。
(わたしも最初にヨガをやったときは「もう二度とやるか」って思ったな・・・笑)
3、IYC(インターナショナルヨガセンター)のオープンへ

真理
そんなヨガ初体験から、その後、日本中にヨガを広めようとされた経緯も教えていただけますか?

ケン先生
今から27年前、まだヨガスタジオではなくて、ヨガ道場と言われていた時代ですね。その頃のヨガは、閉鎖的なイメージがあったんです。ですが、私が教えてもらったヨガはアメリカとかヨーロッパ仕込みで、わりとアクティブだったんです。
そうしたヨガはまだ日本になかったため、一人でも多くの人に知ってほしいと思い、まずインターナショナルヨガセンターを開設しました。

そこから、伝説は始まった・・・

真理
ケン先生が習っていたのは、アシュタンガヨガの先生ですか?

ケン先生
いえ、アイアンガーの先生です。まず、荻窪にスタジオを作りました。でも私は仕事をしていたため、仕事の合間にクラスを受けに行っていただけです。

真理
では、自分でスタジオを作ったけれども、そのときはまだケン先生も生徒の一人として通っていたということでしょうか?

ケン先生
そうです。初めてヨガクラスを受けた直後にスタジオを作ろうと思い、実際に作ってしまいました。

真理
では、その先生にスタジオをまかせて、やってもらっていたという感じでしょうか?

ケン先生
そうですね。そのアメリカ人の先生がいたからこそ、スタジオを作ったんです。3年ぐらいご家族で日本に駐在されていたので、その間みっちりとヨガを教えてもらいました。
それで、ある程度ビギナーにも自分で教えられるようになり、それからアイアンガーのライセンスとか、いろいろなライセンスを取りました。

ヨガの指導者になる前に、生徒としてスタジオをオープンさせてしまったケン先生。スケールが違いすぎる・・・

真理
今、これだけ日本にヨガが普及しているのは、ケン先生の影響によるところが大きいと思いますが、当時はこれからヨガのブームが来ると予想されていたのでしょうか?

ケン先生
いえいえ、まったく予想などしていませんでした。自分が好きでやっていただけですね。

真理
“好き”を極めつづけていたからこそ、今があるという事ですね。ちなみに、どのタイミングで自分でも教えようと思われたのでしょうか?

ケン先生
教えたいという願望はなく、教える必要性もありませんでした。ですから「どのタイミング」という意識をしたこともありません。自分の練習がどんどん深くなるにつれて、自然に人に教えるようになりました。自分のスタジオがあったことで、知っていることを伝える場がありましたからね。


真理
当時の先生からも「教えてみたら?」みたいな声がかかったのでしょうか?

ケン先生
そうですね。その頃はきちんとしたスクールや、RYT講座などもあまりなかったですしね。先生に「教えてみたら?」と言われて、教えるケースがほとんどでしたね。

真理
当時のヨガの知名度や世間のイメージはどうだったんですか?

ケン先生
ヨガ道場みたいなものが多いなか、IYCの先生はすべて英語を使って教えていました。だから、受講生は外国人の女性の方か、外資系に勤めているような英語のわかる日本人のOLさんとかでした。
日本語は使わず英語だけで教えていましたから、他のヨガ道場とはまったく毛色の違うヨガのスタイルでしたね。

真理
ケン先生は日本語で教えたのでしょうか?

ケン先生
そうですね。私がちょっとずつ日本語で教えだしてから、日本人の受講生が目立つようになりました。でも100%女性の方なんです。最初の3、4年くらいは、そんな状況でしたね。
4、ケンハラクマ先生のアシュタンガヨガとの出逢い

真理
そこから、ケン先生がアシュタンガヨガを日本に広められるまでの経緯を教えていただきたいのですが、まずケン先生がアシュタンガヨガと出会ったいきさつを聞かせてください。

ケン先生
アイアンガーヨガを習い始めて1年半が過ぎた頃、サンフランシスコで第1回目のヨガカンファレンスがあるから一緒に行こうよと当時の先生から誘われたんです。
それで、ついて行くことになり、先生の紹介で色々な人と出会うことができました。そのとき受けたワークショップのひとつに、アシュタンガヨガの太陽礼拝が入っていたんです。

真理
アシュタンガヨガの第一印象ってどうだったんですか?


ケン先生
初めてダイナミックなヨガに触れて、すっかり魅せられました。そのワークショップの先生のさらに先生がいて、その方の講座のビデオを2種類買って帰り、それをもとに2年間一人で練習を続けました。

真理
2年間、黙々と一人でなさっていたのですか?

ケン先生
暗いうちから黙々とやっていましたよ。その頃は2時半に起きて、3時から5時くらいまではポーズの練習をしていました。

真理
え? 夜中の2時半ですか?

ケン先生
仕事もしながらですけれどね(笑)

このような修行を夜中の3時から毎日やられていたケン先生(スゴ。。。)

真理
何時に寝られたんですか?(素朴な疑問・・・)

ケン先生
寝るのは早くて10時半、遅くて12時近くですね。それで2時半に起きて3時から練習をして、5時くらいに終えます。それからシャワーを浴びたり、お茶を飲むみたいな感じです。

真理
すっごいハードですね・・・。毎日2~3時間睡眠で、疲れなかったのでしょうか。(素朴な疑問②・・・)

ケン先生
その頃は疲れなかったですね。でも、あまりオススメはできない。食べ物もすごくシンプルになっていたし、生活にしてもテレビも見ないし、ほとんど他のことをなにもやっていませんでしたね。

真理
徹底していますね。そうして2年間、アシュタンガヨガを一人で練習して、そのあとはどうされたのでしょうか?


ケン先生
だんだん仕事もシフトして、ヨガスタジオに時間を割くようになりました。それから、インドに毎年行くようになりました。でも、インドに行っても特に先生が教えてくれるわけでもないんです。先生は、ただいるだけ。
練習をしていると先生が回ってきて、できているなと思われたら「次のポーズ」と言われて、ポーズが増えていくみたいな感じです。そうして10年くらいは通いました。

真理
え、10年もですか!?

ケン先生
先生に会うまでに2年かかっています。先生のところに行きだして、短いときで1年の間の1か月、長いときで3か月滞在。それを10年繰り返したんです。

真理
先生に会うまでに2年というのは、一体どういうことなんでしょうか?(素朴な疑問③・・・)

ケン先生
たまたまアイアンガーヨガから始めて、サンフランシスコに行ってアシュタンガヨガに魅せられ、ビデオを買って練習していたものの、アシュタンガヨガがどこで発祥したのかもわかっていなかったんです。ですから、まさかインドに行くことになるとは考えてもいませんでした。

真理
はい。わたしも最初のヨガ修行がインドでしたが、まさか自分がインドに行くなんて、それまでの人生では考えてもいませんでした。


ケン先生
その頃、毎日練習しているビデオのなかに
チャック・ミラーという人が出ていました。彼はロサンゼルスのヨガワークスというスタジオのオーナーでした。今はもう
株式会社ヨガワークスになっています。
それで、仕事でLAに行ったときに、ヨガをやろうと思い、サンタモニカのヨガワークスに足を運びました。すると、たまたまチャック本人がいたわけですよ。

真理
普段、画面の中でしか会えない人に、直接会えたんですね!

ケン先生
はい、それでチャックに、いつもビデオ観て練習しているよと言ったら、すっかり仲良くなれました。その後、アシュタンガヨガを確立したパタビジョイスに、そろそろ会いに行きたいんだよとチャックに言ったら、住所を教えてくれたんです。その住所がインドでした。

真理
それが先生との出逢い・・・。

ケン先生
そう。そしてインドで
パタビジョイスに会うことができました。そこにたどり着くまでに2年かかった、ということです。それから
パタビジョイスのもとで10年にわたってアシュタンガヨガを習ったことは、貴重な経験になりました。
5、日本のヨガ第一人者へ

真理
素晴らしい体験ですね。ヨガを日本に普及させようとしたのは、その後ですか?

ケン先生
普及させようとは全然思っていませんでしたね。淡々とやりだしました。

真理
力むことなく、自然なままに?

ケン先生
そうですね。どちらかといえば、当時の日本のヨガはイメージとしては教祖みたいな人がいて、そこにお弟子さんがいて。違う教祖から習ったりヨガ以外のことを習ったりできない、そんな雰囲気が元々あるように思います。
これはたぶん、インドでもはじめの頃は同じだったと思います。それも良いとは思いますが、 IYC(ケン先生のスクール)はヨガのデパートメントストアみたいなイメージで作りました。そこにヨガもあるし、気功もあるし、瞑想もあるみたいな感じです。
そうしたいろいろな種類のものを一つの場所に集めることで、訪れた人がさまざまな体験ができるようにしたかったんです。そんなイメージをはじめから持っていました。


真理
そういうドロップイン感覚でふらりと立ち寄れるのは、めちゃくちゃ良いですね。

ケン先生
実はその当時から値段がまったく変わっていないんですよ。最初からドロップインが3,000円です。今は消費税で3,300円になりましたけれども、もとの料金自体は変わっていません。チケット4回で2,500円です。料金はもうずっとそのままで20年経ちました。

真理
それはスゴいことですね。

ケン先生
ここ1年半くらいにかけてオンラインが始まりましたよね。それで、やはりどこもオンラインは安くしているけれども、IYCは普通のクラスがオンラインに変わっても、値段をまったく変えていないんです。レギュラークラスであればスタジオで受講しても、オンラインで受講しても同じ値段です。
6、ケンハラクマ先生が手掛けるオンラインレッスンと、RYT講座

真理
いつぐらいからレッスンのオンライン配信を始められましたか?

ケン先生
わりと早かったですね。コロナが問題になる半年くらい前から、オンラインに向けて動画を撮っていたんですよ。私とIYCの先生たちが協力して30分のプログラムを約40プログラム分撮影しました。でもまだ編集が手つかずで、「そろそろやらなきゃね」と言っていたのが、コロナが広がる前の2019年11月頃ですね。


ケン先生
それで、その2019年末にはオンライン配信を始めたんですよ。太陽礼拝アシュタンガヨガのクラスをスタジオで、年末年始に休みなしでやっていたので、「オンラインでも参加できるようにしようよ」ということで始めました。はじめてネット配信をした際に使ったのはZoomでした。

真理
では、コロナが広まってからもあまり問題なくオンラインで対応できたのでしょうか?

ケン先生
コロナ前から準備を進めていたおかげで、業界全体でスタジオがクローズになったときも、パッとオンラインに切り替えられました。みんな大変でしたが、IYCの場合はすぐに全部のスタジオにWi-Fiを繋がるようにして、「オンライン配信ができる先生は、もう好きに自分でスケジュールを組んで」と言ってやりだしました。
最初はみんな結構フリーズしたり、配信が途中でストーンと消えたりしながらやっていましたね(苦笑)。

真理
素晴らしいですね、でも慣れるまでは本当に大変ですよね。
(MAJOLIのオンライン立ち上げも色々な苦労があったな・・・泣)


真理
インタビュー前半の、最後の質問です!現在、力を入れているヨガの講座があれば教えてください。

ケン先生
RYT(全米ヨガアライアンス認定講座)のコースです。RYT200がメインですが、すでに200を持っている人はRYT300のコースになります。

真理
RYTは興味を持たれる読者の方も非常に多いと思いますので、読者の方向けにまず受講方法を教えて頂いてもよろしいでしょうか?

ケン先生
対面でもオンラインでもどちらでも受講可能です。もう200を持っている人は、そのまま私がやる200に申し込んでもらえれば、同じ値段で300時間が認定できて500時間に変わります。

オンラインでのRYT講座もいち早く手掛けられていたケン先生

真理
オンラインを申し込むと何か特典があるとか……。

ケン先生
あります。オンラインもオフラインも値段は一緒ですが、オンラインで申し込む人には特典として、約半年くらいは私の全部のクラスに出られるようになっています。
また、40以上の動画クラスも自由に見られます。あとは、私が行うイベント、例えばヨガフェスタなどにも、期間中であれば全部出ることができます。

真理
特典もすごいですね!こちらの講座は結構告知などされているんでしょうか?

ケン先生
口コミで埋まってしまうため、明確に告知はしていません。スタジオもオンラインも値段が同じですから、スタジオに来ている人がその後、オンラインで何か月か受けることもあります。

真理
受講生の方にとっても、大変価値のあるシステムですよね。読者の皆さん、ご興味をお持ちになった方がいらっしゃれば、ぜひお問合せをしてみてください。
ケン先生、それでは前半のインタビューを終えたいと思います。ありがとうございました!

ケン先生の著書「ヨガジャーナル日本版 Special Book ココロyoga」
横幕真理の著書「New Me わたしだけの新しい人生の見つけかた」
をお互い持ってのツーショット!