私は、理学療法士として13年働いている二児の父親です。現在は整形外科クリニックの外来リハビリで働いており、今まで急性期病院、回復期病院、訪問リハビリ、デイケアで働いてきました。
ピラティスの資格を取得後は、オンラインでピラティスインストラクターとして副業で活動を行っています。
ピラティスインストラクターを目指した理由
私がピラティスインストラクターを取得しようとした理由は、症状が悪化してからリハビリを開始するのではなく、症状がでないうちから身体のケアを行うことで変性疾患の発症を予防することができ、健康な生活を送ることが出来るからです。
理学療法士として働いている中で、リハビリの処方がでる患者は、変形性膝関節症や変形性腰椎症など身体に様々な痛みなどが出現し、生活に支障をきたしたことで病院を受診されることがほとんどです。
進行が進んだ変性疾患は症状の改善に時間がかかることが多く、リハビリで症状が改善するにも時間がかかる場合もあります。場合によっては、症状の改善が難しく、手術に至った患者様をたくさんみてきました。
そのため、症状を悪化してからリハビリを行うのではなく、日頃から自分のケアを行う習慣をつけていく事が必要だと考え、予防医学を学び始め、ピラティスを取得しました。
ピラティスとは
ピラティスはジョセフ・ピラティス氏が第一次世界大戦中に考案したエクササイズです。ピラティス氏はドイツ軍の元従軍看護師として、戦争の負傷兵に対して、ベッドで寝たままで出来るリハビリを考案し、行った事がピラティスの起源とされています。
ピラティスとリハビリには身体の使い方や病気の回復に用いられる点など共通点が多くあり、ピラティスとリハビリを組み合わせることで、健康増進や疾病予防などをより効果的な結果を得られる可能性があるとされています。
初めてピラティスを体験した時、自分の身体の硬さや筋力のなさに愕然としました。
リハビリで患者様に運動指導で身体の使い方を教えているのに、いざ自分がやるとうまく身体を使えていないことにショックを受けました。
この経験から、ピラティスに定期的に通うようになり、自分自身の身体の理解が深まり、体調が良くなっていくことが実感できました。
私は姿勢が悪く、腰痛や肩こりがひどかったのですが、ピラティスに通うようになってから姿勢が改善され、腰痛や肩こりに悩まされることはなくなりました。
この体験をもとにピラティスを継続していくと、将来的に身体の不調が改善し、予防することができると確信をもち、ピラティスについて理解を深めるために、ピラティスの資格を取得しました。
ピラティスインストラクター講座で学んだこと
ピラティスの資格講座では、ピラティスの歴史や名言、ピラティスの効果について学ぶところから始まりました。
ピラティスの創始者のジョセフ・ピラティス氏は、
・多くの人々の健康を可能にするのは医療ではなく、健康のための基本原則と簡単な訓練がそれを可能にする。
・10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてがかわる
・ピラティスは身体とマインド、そして精神を完成させる。
・幸福に最も必要なのは、身体の健康である。
などの名言が残されています。
ピラティスは身体とマインドを整え、健康的な身体・精神状態を手に入れていくことが重要とされています。
次にピラティスで得られる5つの特徴を学びました。
1.姿勢の改善
2.バランス能力の向上
3.痛みの改善
4.ダイエット効果
5.血液循環の改善
の効果が示されており、健康や疾病予防に効果的とされております。
ピラティスの資格取得で特に勉強になったことが、
①エクササイズの声かけについて
②エクササイズのパターンの豊富さ
③姿勢改善の変化についてです。
①エクササイズの声掛け
エクササイズの1つのメニューにおいてどのような声かけをするかで身体の動かし方が変わってきます。(ピラティスでは、口頭指示をキューイングと言われています。)声かけの幅が広がり、リハビリの現場においてもより効果的な指導が可能となりました。
②エクササイズのパターンの豊富さ
ピラティスのエクササイズは決まったパターンがありますが、修正パターンを用いることで高齢者からプロのアスリートの方まで適切な負荷量設定を行うことが可能となっています。
これにより、様々な年代の人にレッスンを行うことが可能であり、現場での指導内容に変化がでて、より効果的な運動メニューを組立てることができるようになりました。
③姿勢の変化
ピラティスは筋トレやストレッチの効果を同時に行い、インナーマッスルを鍛えることで姿勢を改善します。1回でも姿勢は改善することができ、継続することで姿勢が改善されます。姿勢が良くなることで腰や肩などに負担が減り、腰痛や肩こりが改善されていきます。
実際に、一緒に受講していた仲間も身体の不調がなくなったと言われておりました。
私自身、ピラティスを始める前は前屈が床につくなんて夢だと思っていましたが、資格取得の試験のころには床に手がつくようになりました。
ピラティスインストラクター取得後
資格取得後より、オンラインでのレッスンを開始し、遠方の友達にピラティスを指導しています。ピラティスの資格を取得したことで、姿勢評価などを適切に行うことができ、オンライン上でも姿勢変化や痛みの改善などの結果を出すことができております。
今後は、理学療法士として病院で働きながら、休日はピラティスインストラクターとして働けないか模索していこうと考えています。
人生百年時代と言われている昨今、今後理学療法士は医療保険や介護保険以外での分野での活躍も期待されております。
ピラティスの資格を取得を目指しているのは、様々な分野の方がいます。異なる分野の専門家(整体業界の人やパーソナルジムの方など)との交流を持つことができたことで、仕事に対して新たな刺激を得ることができ、やりがいを一層感じることができました。
私はピラティスと出会ってから理学療法士人生が大きく変わりました。
ピラティスを行っていくと、運動療法の幅が広がることができます。ただ、ピラティスのみでは、癒着など徒手療法が必要な場合なケースなどには対応できません。
しかし、理学療法士とピラティスを組み合わせることで、様々な年代の人に関わることができ、疾病予防や身体の不調を改善することができます。
ピラティスが全てではありませんが、理学療法士以外の分野を勉強することや多職種との関わりを持つことで、自分の視野が広がり、今まで以上に私は仕事を楽しむことができるようになりました。
理学療法士としてこのままでいいのかと悩んでいる方が今回の記事を読んで少しでもピラティスに興味を持っていただけると嬉しいです。