真理
みなさん、ナマステ~!
ウェルネスストーリー編集長 横幕 真理です!
今回は、日本のアーユルヴェーダ第一人者と言われる、西川眞知子先生にお話しを伺いました。
70歳というご年齢を全く感じさせない美貌と若さ、そしてオーラ。
インタビュー当日は、この記事にまだまだ書ききれないくらい、たくさん学ばせて頂きました。
かなり専門的なお話もして下さったので、より深く学びたい方は、ぜひ西川先生の著書を読んだり講座に通ったりしてみてください。
それでは、早速、西川眞知子先生のインタビューをお届けしたいと思います!
1、西川眞知子先生とは?
<プロフィール>
株式会社ゼロサイト代表。アーユルヴェーダライフデザインスクール主宰。
幼少時より精神世界について興味を示し、中学時代よりインド哲学に没頭、その中でヨガに出合う。
インドのシヴァーナンダ、オーロビンド、ヨゲンドラなどのアシュラムでヨガを学び、アメリカのサッチダーナンダのもとで、インテグラルヨガのインストラクターに認定される。
日本で『バガヴァッド・ギーター』をはじめ、インド哲学を日常生活に活かすセミナーを40年前から開く稀有な講師でもある。
またアーユルヴェーダとヨガの接点を求める研究にも取り組む。アーユルヴェーダの教育システムの走りである東洋伝承医学研究所設立に尽力し、現在も健康美容界のコンサルタントとして数多くの企業に関わり、世界の叡智としてアーユルヴェーダ&ヨガの講演や講座、執筆などに携わる。
上智大学外国語学部を経て佛教大学卒業。姿勢保健均整師。
2、70歳までのヨガストーリー
真理
西川先生、はじめまして!本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、西川先生のことを存じ上げない読者の方向けに、簡単にご経歴についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
西川先生
はい、はじめまして。私は70歳になります。ヨガに出会ったのは9歳です。
インドのバガヴァッド・ギーターという本を9歳で読み、ヨガやアーユルヴェーダよりも先にまずインド哲学に関心を持ちました。
70歳でこの若さと美貌は圧巻・・・
真理
ありがとうございます。西川先生のご年齢は知っていたのですが、改めてとても外見がお若いことに驚いています。
西川先生
ありがとうございます。大ジワ、小ジワが今の私を支えてくれていますよ。
真理
いえいえ、とても美しくて本当に素敵だなと思って。最初にオンラインで繋がったとき、失礼ですが、「あ!本当にこんなにお若いんだ」とビックリしました。
MAJOLIの受講生も今まで最年長の方で64歳の方がいらっしゃって。いくつになっても学びたいという方々に、ぜひ西川先生のお知恵をご教授ください。
西川先生
ヨガのインストラクターになったのが、今からもう50年前なんですよ。きっと今、MAJOLIさんにいらっしゃっている60代の方々も、ヨガに出逢って良かったなと思えるんじゃないですかね。ヨガって魔法みたいに素晴らしいものですもんね。
真理
ありがとうございます。現在の西川先生の活動についても、教えてください。
西川先生
アーユルヴェーダを活用した健康と美容界の新たなピースフルセラピーの開発と、世界の精神文化の本質を継承し様々な分野とつなぐ活動をしています。
現代日本が抱える問題を、アーユルヴェーダと世界の優れたセラピーの融合で解決するプログラムなどを構築して講演、執筆などを行っています。
真理
活動の中心はやはりアーユルヴェーダに関してでしょうか?
西川先生
そうですね、アーユルヴェーダはインドで生まれた伝統医学ですが、それを誰もが簡単に身に着けることができる家庭の医学にして、世界中の素晴らしいセラピーや、ヨガをアーユルヴェーダの理論で紐づけ、共通点を見出す研究をしています。
幅広い年代の方の悩みを解決して、体の不調や一日のリズムを取り戻すライフスタイルの提案ですね。
真理
ありがとうございます。9歳でバガヴァッド・ギーターを読み、それからヨガやアーユルヴェーダを深く学んでいくことになったキッカケはなんでしょうか?
西川先生
私は心臓弁膜症を持って生まれたんです。それで9歳のときに、その病気によって両親が話をしているのが耳に入ってきて、この子は20歳まで生きられるかどうか分からないから、わがままを聴いてあげて育てよう・・・と。
真理
まだ幼い子供にとって、とても衝撃的なお話ですね・・・
西川先生
私、20歳くらいで命が終わっちゃうんだと。それが私の耳の中に凄く残って、寝ても覚めても「死ぬって何?」というところから私の人生はスタートしたのかなと思うんです。
朝起きて部屋に日が差し込んでいるのを見て、子供ながらに、あ、生きるって光を見ることができることなんだな、なんて考えていて。
真理
そんな頃に、バガヴァッド・ギーターを読まれたんですね。
西川先生
そう。家にあって、ふと手に取って開いたところが、「人間の身体は洋服と同じだから、古くなったらまた着替えるけど、魂というのは洋服を着る中心にあるものだから、魂は永遠に死なないんだ」というようなことが書いてあったんですね。
それを読んだときに「あ、死ぬのは怖くないかもしれない。終わりじゃないんだ」と。それが自分の人生とヨガとの最初の出逢いでした。
西川先生
「New Me-わたしだけの新しい人生の見つけかた-」も、ヨガの八支則について、とても素晴らしくわかりやすく書いていらっしゃって、とても素敵です。
真理
嬉しいです!恐縮です。ありがとうございます。
西川先生
やはりヨガでも八支則を学ぶと、自分を律して自分に厳しくされる方がいらっしゃるじゃないですか。やってはいけないことばかりが先行しちゃって、自分を許すことがとても少なくなってしまう。
それをこの本は、とてもわかりやすく誰でも実践できる八支則の教えになっている。とても楽しく目を通させて頂きました。
(自著New Meを褒めて頂きご満悦のMari編集長)
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3、哲学からアーサナへ
真理
では、実際にヨガのアーサナを始められたのはいつ頃からですか?
西川先生
20歳ちょっと前ですね。それですぐに「教えてください」と声がかかって、アーサナを知ってすぐに指導者になりました。その頃、指導者の資格なんて特になかったので。
真理
アーサナはどこで学ばれたんですか?
西川先生
まずインドで一番最初に出逢ったのが、シヴァナンダのヨガ道場です。リシケシュというところで。私の師匠が、シヴァナンダの4大弟子の一人のサッチダナンダという方で。
それで、サッチダナンダは、インテグラルヨガを世の中に知らせて、私は日本人で初めてインテグラルヨガティーチャーの資格を頂きました。
真理
では、アーサナはシヴァナンダ系?
西川先生
そうですね。一言で言えば何でもあり系。ですが、やはり心惹かれるのが、オーストラリアにも行ってそこではサティヤーナンダ先生のヨガが凄く広まっていて。そのアーサナが私のベースですね。
真理
そこから全国にヨガを広めていかれたんですね。
西川先生
日本ヨーガ学会に、田原豊道という先生がいて、田原先生のところに私は24歳のときから行って、20年くらいそちらで全国にヨガを広めていくお仕事をさせていただきました。
でも当時は、スタジオ型のヨガではなく、カルチャーセンターや銀行の一室、公民館で教えていました。
真理
西川先生はヨガの哲学を学んで、自分の中で心や身体の変化はあったんですか?
西川先生
もの凄くありました。幼い頃から病弱で、同い年の子供たちと同じことはできない。私はそれでたくさん思い込みをしていくんですね。
「病気だからできない」「だから駄目なんだ」と。
そんな、自分を限定する生き方をしていた時に、インド哲学や、ヨガのアーサナ実践によって、自分にレッテルを張ったらレッテルどおりの生き方になってしまうということに気が付けて。
真理
それで自らレッテルの張り方を変えて生きていこうと?
西川先生
そう。私は「できない」のではなく、「やっていない」だけで、やってみれば自分の範囲でできると。そして、それは他人と比べることではなく、自分は自分ができる範囲で楽しんでやれば必ずできるんだよねと。
そういったようなことをアーサナ、プラナヤマ、ディヤーナ、などから学んで。やはりインドの哲学をまず頭で理解して、本で読んだことを実践していくのが、いかに大事なことなのかなと。細胞に身に染みていきますもんね。だから、本だけを読んでも違うかもしれない。
真理
ヨガは、頭で学ぶこと、心で感じること、身体を動かすこと。すべてがありますもんね。
西川先生
たくさんのインド哲学本を日本語に訳して出版された佐保田 鶴治先生も、60歳になってから、インド人から「アーサナをやりなさい」と言われて。
病弱だったらしいんですけれども、そこでもう本当に簡単なポーズからやられたみたいです。それを教わっただけでどんどん健康になられたみたいなんですよ。
西川先生
だから、頭で理解するだけではなく身体を動かす。この『New Me-わたしだけの新しい人生の見つけかた』にもあるように、ヨガで世の中の皆さまに幸せになっていただくと。もうそれは絶対に大事だと思います。
私は今、アーユルヴェーダの人間となっていますけれども、元々はヨガのほうが長いんです。
真理
そうですよね。今、お話を聴いていて思いました。
西川先生
そうなんです。ですから、ヨガというものが私の中にあるので、アーユルヴェーダが実践できていると思っています。
4、アーユルヴェーダを学ぶことで“自分らしく”生きることができる
真理
それでは、アーユルヴェーダについて、どのようなものなのか教えてください。
西川先生
アーユルヴェーダは元々は医学で、治療というよりも“未病”がベースです。紀元前に既に
デトックスという考え方を世界で一番古く入れたものだし、世界で一番古いアンチエイジング。
今でいうリバースエイジングみたいな考え方が入っているので、まさに今の現代人にとっては、ヨガとアーユルヴェーダが一緒になっていくことで、より有効なことができるのではないかなと考えているのが実はアーユルヴェーダとヨガの融合です。
西川先生
そして、アーユルヴェーダの基本の考え方は、人は自分と同じではないということ。例えば冷え性の人と暑がりの人に同じことを勧めることはどちらかがバランスを崩しますね。
真理
その人に合わせて、その時に合わせて、というのがアーユルヴェーダですもんね。
西川先生
アーユルヴェーダはデトックスと一人一人に合ったライフスタイルを提案します。良いと思ってやり過ぎたり取り入れすぎたりすることがバランスを崩す原因と考え、デトックスすることを体系的にまとめているので、現代人に多いトラブルである睡眠障害や自律神経失調、ストレスの根本解決を目指しているものなんです。
真理
アーユルヴェーダを学び、生活に取り入れることで、その人はどのように変化するのでしょうか?
西川先生
自分らしい生き方を見つけて、活き活きとした毎日を暮らすようになる方々を多く見てきました。きっと本来の自分自身の役割や特徴を知りその力が開花していくのですね。
また同じ問題を、人は同じように見ていないということを、体質や気質論など様々な角度からお知らせしているので、見方が変わると生き方が変わるというたくさんの輝く人たちを見てきました。
その変化に私も立ち会ってたくさんの喜びを頂いてきました。だから私は本当に幸せだな~と思っています。
5、「アーユルヴェーダライフデザインスクール」で学べること
真理
西川先生の主宰するアーユルヴェーダライフデザインスクールでは、どのようなことが学べるのでしょうか?
西川先生
アーユルヴェーダを仕事に活かし、今の仕事もご自分自身も輝いて生きることができる知恵を様々な内容の講座で学んでいただけます。
ギリシャのヒポクラテスから派生したユナニ・チベットの神秘的かつ本質的いのちの構造理論・中世ヨーロッパのヒルデガルド・ハワイのカフナ・・・・私が50年来体験し学んできた、世界に今なお継承されている宝石のような輝きを持つセラピーの数々とアーユルヴェーダを融合した、ここでしか学べない講座が満載です。
真理
大きな特徴で言うと、どういったところになりますか?
西川先生
3つあります。1つ目は、私のヨガ歴50年間での師匠である世界的ヨガ指導者スワミ・サッチーダナンダの提唱したインテグラルヨガとアーユルヴェーダを統合した季節や体調を考慮しご機嫌なフローに乗るヨガ。
2つ目は、アーユルヴェーダ食養生です。こちらもアーユルヴェーダだからスパイスという食事だけでなく、現代の日本で四季を感じ、四季それぞれの旬の食材をアーユルヴェーダの理論でいただくためのコツや方法をお伝えする講座です。
3つ目は、アーユルヴェーダをベースにしたお一人お一人の魅力を開花するアーユルヴェーダライフコーチングです。
アーユルヴェーダのセラピストというお仕事の選択だけでなく一人でも多くの方の持ち味を活かし、活躍していただくための新たなお仕事ができる方を養成し自分自身の今までの経験をふんだんに活かしていただきたいと思っています。
真理
チャクラの講座もあると伺いました。
西川先生
はい。チャクラというのは、下から土、水、火、風、空で、六感と第七ですけれども、ここまでがアーユルヴェーダでいう五元素になってくるので、このアーユルヴェーダの五元素とチャクラというのをよく理解していただくと。
チャクラというものも凄く遠いところにあるのではなく、体の中にチャクラを見て、そしてそれを現代のお仕事であるとか、自分の生き方というところを生き生きとやっていただくようなヒントになっていくのではないかなとか。
真理
アーユルヴェーダとヨガを組み合わせた、西川先生オリジナルの講座になっているということですよね?
西川先生
そうですね。私の役割は、「インドで生まれたアーユルヴェーダをそのまま学んでくださいね」ではなく、私の中で消化させたものを、現代の日本の環境の中でどう活用して頂くのかを考え伝えていくことだと思っています。
アーユルヴェーダが先にあるのではなく、人が一番大切なので。その人が輝き生きていただくために。あなたにとってのアーユルヴェーダは食事かもしれないし、ただボーッとすることかもしれないし。
やはりアーユルヴェーダに人をはめ込もうという考え方をしたくないなと。まず人が先にある。それがアーユルヴェーダですね。
6、今のあなたのバランスをちょっと素敵に図ることができるようになるために
真理
西川先生は今まで30冊以上の著書を出版されていますが、初心者の方にオススメの1冊はありますか?
西川先生
出版の多くはアーユルヴェーダに関したものです。
他にもカラーセラピーやチャクラ、パステルアートという絵画療法、ヨガ、自然療法、人間学などについて執筆していますが、中でも一番初心者の方には『これ一冊できちんとわかるアーユルヴェーダ』マイナビ出版、をお勧めさせていただきます。すでに出版から10年経ち、今なおロングセラーで14回増刷されています。
真理
ありがとうございます!拝読させて頂きます。また、自己肯定感についてもお伺いしたいのですが、「自己肯定感が低い」「自分を好きになれない」という人が、自分を好きになるには、どのように考えどう行動すればいいでしょうか?
西川先生
好きというと必ず嫌いが一緒にくっ付いてきちゃって。だから、私は無理に好きになる必要はないよと思いますよ。
「思いは形になる」これは紀元前のヴェーダの言葉です。
人はダメと思うとダメになるんです。なので人と比べないこと。自分の良さに気づくために、まずは部屋の掃除をして気分をサッパリして、普段の口癖を気にして、その口癖を自分が一番喜ぶ言葉にするように心がけてみると良いと思います。
口癖が行動になり習慣になるので。実は私はこのプログラムを構築して、思いのデトックスを提唱しています。
真理
最後にこれからアーユルヴェーダについて学んでみたいという方にメッセージをお願いいたします。
西川先生
アーユルヴェーダは、人と自分は違っていいよということを教えてくれているものだと思っているので。そこのベースにあるのが体質です。アーユルヴェーダをちょっと勉強してくると体質に縛れる方がいらっしゃるのね。
「私はこの体質だから駄目」「これは食べちゃいけない」とか。そうではなくて、体質というのはただの傾向であって。自分がハッピーになれるときには体質を上手に使って、自分が苦しくなるときには、体質というものを抜いてしまって考えていってほしいですね。
西川先生
もしアーユルヴェーダという言葉に何か惹かれることがあったら、自分を何体質という限定から始めるより、
今のあなたのバランスをちょっと素敵に図ることができるようになるためにアーユルヴェーダを学んでみてください。
決して何の体質だからという決めつけや縛りではないアーユルヴェーダ(=私はとても素敵な智恵で輝く)で、これから人生を活き活き、あなたらしく暮らしてくださいね。