こんにちは!ピラティスインストラクターのchitoseです。
今回はマタニティピラティスについて徹底解説していきます!
女性の身体は妊娠により大きく変化します。ネガティブな変化を及ぼす場合もあり、苦しむ女性も多くいらっしゃると思います。
私もその一人でした。妊娠中・産後に起きた骨盤周囲の痛みや腰の痛みには苦労しました。また産後は、変化した身体を戻したい気持ちから、やみくもに運動をしたくなりますよね・・・。
ですが、誤った時期や方法で始めてしまうと逆に戻りを遅くすることもあります。
今回の記事では、産前、産後におこなえるピラティスと、ピラティスが身体へ及ぼす影響などについてまとめていきます。
目次
マタニティピラティスってなに?
ピラティスとはジョセフ・ピラティス氏が開発したエクササイズです。
もともとは戦争で怪我をした兵士の回復のために作られたものでしたが、現在は健康増進の一環としておこなわれるようになりました。
兵士の回復のためにおこなわれたエクササイズですから、怪我をしている方はもちろん、腰痛や肩こりの症状がある方でも出来るエクササイズが多くあります。
妊娠の経過に異常がない妊婦さんに限りますが、妊婦さんもできるエクササイズが多くあるのも特徴の1つ。
マタニティピラティスとは、産前・産後の体力づくりや、大きくなったお腹から身体を守る役目のインナーマッスル(身体の中心となる筋肉)を鍛えるエクササイズに最適です。
妊娠による身体の変化について
妊娠すると身体は大きく変化していきます。
今まではいていたズボンが太ももの時点で止まってしまう…。腰が痛い…。
これらは骨盤の歪みが影響している可能性があります。
妊娠初期から、出産の準備のために骨盤をひらく準備がはじまります。
卵巣から分泌されるリラキシンというホルモンが増えることで、骨盤を支えている部分(じん帯)が緩み、関節が開きやすくなります。
身体の中心部分を支える骨盤が不安定な状態になるわけですから、当然身体にネガティブな影響を及ぼします。
そんなデリケートな身体になる妊娠期間に、マタニティピラティスで得られる効果などを紹介していきますね!
妊娠時期別!マタニティピラティスの効果
妊娠中のエクササイズは、妊娠の経過が安定している方に限ります。
必ず主治医に確認してから始めましょう!
妊娠中はデリケートな状態にあり、常に危険と隣り合わせです。たくさんのメリットがあるマタニティピラティスはおすすめのエクササイズではありますが、無理ない範囲でゆっくりと身体と向き合い、リラックスしておこなうようにしていきましょう。
また、産前から運動習慣をとりいれることで産後、身体の戻りが早いといわれています。
産前からのエクササイズで、産後も美しい身体を手にいれましょう!
安定期前
精神的ストレスを軽減する
妊娠すると妊娠継続に必要なプロゲステロンというホルモンの分泌が増加します。
精神面と深くかかわりのあるホルモンで、悲しくなったり、不安になったり気分を落ち込ませる作用があります。
妊娠初期に気持ちが不安定になるという妊婦さんが多いのは、このためだといわれています。
マタニティピラティスで深い呼吸を意識することで自律神経を整え、ストレスの軽減にはたらくといわれています!
血流を改善する
先程お伝えしたプロゲステロンの影響で、むくみやすくなるともいわれています。
妊娠準備のための避けられない身体の変化なのですが、むくむと重だるくなり辛いですよね。
マタニティピラティスで深い呼吸を意識することで、酸素が身体をめぐり血流の流れが良くなります。加えて、負荷をかけないエクササイズを中心に行うことでさらに血流の巡りを改善し、むくみの解消になるといわれています。
安定期~出産前
柔軟性をあげる
妊娠すると、妊娠前よりも身体をダイナミックに動かす機会が減少しますね。そうすることで、身体の柔軟性は少しずつ低下していきます。
出産時、股関節の柔軟性がいい方が産道の開きがよく、安産になるともいわれています。
マタニティピラティスで股関節まわりのエクササイズをすることで柔軟性を改善し、安産になるといわれています。
急激な体重増加を予防する
安定期を迎えると食欲が増えてくる方が多くいらっしゃいます。
お腹の赤ちゃんや胎盤、羊水の重さを加味しても、体重がふえすぎている…と驚いたのは、この私です(苦笑い)。
個人的な考えになりますが、妊娠中に体重は増えていいと思います(限度はありますが)。
赤ちゃんを守るのですから、たくさんエネルギーが必要です!
食べすぎを注意していても、ホルモンの影響で脂肪を蓄えようともするのであまり体重ばかり気にする必要はないように思います。
注意したいのは急激に増えること。急激な体重増加は、関節や内臓に負担がかかり不調を招く原因になります。
大切なのはしっかり食べることと同じぐらい運動をすることだと思います!
マタニティピラティスでは全身をつかうエクササイズをすることで急激な体重増加を予防していけます。
インナーマッスル・骨盤底筋群を強化する
赤ちゃんが大きくなることでお腹が重くなり、姿勢がゆがんできます。
そんな時に身体を守ってくれるのは筋肉です。
インナーマッスルはお腹の筋肉で、姿勢を保つ際に必要な大切な筋肉です。
骨盤の中で子宮をささえているのは骨盤底筋群。妊娠中に尿漏れしやすくなるのもこの筋肉が深くかかわっています。
これらの筋肉は出産時にも必要になる筋肉ですので、鍛えておいて損はありません!
マタニティピラティスでは、身体に負担をかけずにインナーマッスルと骨盤底筋群を鍛えることが出来るので妊婦さんにおすすめのエクササイズです。
産後
骨盤まわりのずれを調整できる
出産でゆがんだ身体を取り戻すにはインナーマッスル(身体の軸になる筋肉)を鍛えるピラティスがおすすめです。
ダイエット効果
出産後も体重があまり変わらなかった…と驚いた経験をしたことがあります。ですが、すぐにダイエットをはじめるのは一番してはいけないことです!
産後2か月頃から少しずつエクササイズを開始します。
全身を使い、エネルギー効率をよくするピラティスはダイエット効果も期待できます。
マタニティピラティスとヨガで得られる効果の違い
妊娠中に何か運動したいなと考える時に何をしよう?と悩みますよね。
最近耳にすることが増えた、ピラティスとヨガ。どちらがマタニティにおすすめか考えてみました。
ヨガは様々なポーズをとりながら精神面の強化を図ります。流派によってはエクササイズメインのヨガもありますので、運動したいならピラティス!ということは言えません。
マタニティピラティスで得られる最大の効果はインナーマッスルを鍛えること。
ゼエゼエするような運動はせず、呼吸とともに身体を動かすことで無理なくインナーマッスルを鍛えることができるピラティスはマタニティにメリットばかりのエクササイズです。
マタニティ期のヨガで得られる効果は柔軟性を高めることと、精神面の安定。
どちらもマタニティに必要な要素ですね。
妊娠期間の身体には個人差があるので、無理のない方法で身体を動かす方法を選択できるといいと思います!
マタニティピラティスで改善できる妊婦の悩み3選
(1)腰痛
妊娠を継続するために必要なリラキシンというホルモンがあります。このホルモンは出産準備に備え骨盤や背骨などの関節を緩める働きをします。
骨盤まわりの関節が緩むことで、腰や背骨の痛みを引き起こすことがあります。早い人では超妊娠初期から感じるそうです。
さらに、安定期に入ると少しずつお腹も大きくなりお腹の重さに負けないように背中が頑張ります。そうすることで腰に負担がかかり痛みを引き起こします。
この妊娠期間に感じる腰痛はマタニティピラティスで改善するといわれています!
緩んだ関節や、大きくなったお腹を支えるのはインナーマッスルと呼ばれる身体の中心となる筋肉です。ここを無理な運動ではなく、リラックスした状態で鍛えることができるエクササイズが多くあります!
(2)頻尿・尿漏れ
妊娠すると少しずつ子宮が大きくなります。子宮のすぐ前に尿を貯めておく膀胱があり、大きくなった子宮に膀胱が押され頻尿になるといわれています。
さらに、妊娠を継続するために必要なプロゲステロンというホルモンの増加により尿漏れを起こしやすくなるといわれています。このプロゲステロンには、子宮や膀胱まわりの筋肉をゆるめる働きがあります。
また、妊娠後期になり子宮が大きくなると子宮の下にある骨盤底筋が伸びやすくなります。
尿を我慢する時に力をいれる部分の筋肉ですが、ここがのびることで尿漏れを起こしやすくなります。
これらの頻尿・尿漏れは腰痛と同じようにインナーマッスルと骨盤底筋を鍛えることで改善します!
(3)疲れ、倦怠感
妊娠中はホルモンのバランスが大きく乱れることや、免疫が低下することで疲れやすく、倦怠感を感じやすいといわれています。
また、胎児へ血液を介して栄養をおくるため、貧血になる方もおおくいらっしゃいます。
マタニティピラティスでは、深い呼吸と無理ないエクササイズで血液の循環を改善し、疲労改善効果があります。さらに、適度な運動は免疫をあげるといわれていますので身体に無理ない範囲でのエクササイズをおすすめします!
マタニティピラティスの禁忌ついて
マタニティピラティスは身体に無理ない範囲で行うとはいえ、必ず主治医に相談してからはじめましょう。
妊娠初期からできるエクササイズもありますが、基本的には安定期にはいった妊娠16週目以降にはじめることが望ましいといわれています。
医師から高血圧、胎盤の位置が低い、頻脈などの異常を指摘された場合はエクササイズを行うことができません。無理せずしっかり身体を休ませましょう。
以下に注意点をまとめました。はじめる際の参考になったら嬉しいです!
・妊娠16週目以降に主治医の許可を得てからエクササイズをはじめる。
(スタジオによっては早い時期からおこなえる場合もあるので確認してください)
・妊娠経過において異常を指摘された方は、エクササイズは行わず呼吸法にとどめる。
・腹筋など、お腹に負荷のかかるエクササイズは軽い負荷で行う。
・身体をねじる動作を含むエクササイズは行わない。
・エクササイズ前後、最中のこまめな水分補給を徹底する。
・エクササイズ中に長い時間仰向けにならないように注意する。
・お腹のはりを感じたらエクササイズを中止する。
基本的には妊娠直前までエクササイズの継続が可能です。
ですが、エクササイズにより切迫状態を高めてしまう恐れがありますので、必ず妊婦検診を受け、切迫傾向にないことを確認しましょう。
妊娠時期に応じて楽しめるエクササイズ紹介
いよいよ実践です!
妊娠初期
妊娠初期は不安定な時期ですのでエクササイズは控えて、呼吸法を意識して日常生活をおくられることをお勧めします!
つわりや身体の変化に伴い、短い呼吸になっている妊婦さんをよく見かけます。
短い呼吸は、筋肉や関節を固くし、自律神経の働きを弱めます。
是非、深い胸式呼吸を意識してみてください!
鼻からでも口からでもかまいませんので、しっかり息を吸い、深くはききります。
空気をすった時に、お腹ではなく胸が開くことを感じてください。
女性であればブラジャーのワイヤー部分に手を当てていただき、息を吸い込みます。この時に左右に肋骨が広がることが確認できれば大丈夫。
吐く時は、開いた肋骨をもとの位置に戻すように胸をとじます。
この深い呼吸をするだけでインナーマッスルを鍛えることもできますので、運動しないと!と焦らなくて大丈夫。深い呼吸があなたを楽にすると思います!
妊娠中期
安定期にはいると様々なエクササイズをおこなうことができます。
大きくなってきたお腹を支えるためのインナーマッスル強化や、骨盤、股関節回りの柔軟性を保つエクササイズなどがおすすめです。
妊娠後期
マタニティピラティスでは、出産直前までできるエクササイズもあります。
私も出産1時間前まで産院のベッドで足首のエクササイズをしていました。呼吸を意識するピラティスはお産の前の緊張状態をほぐしてくれる役割もありました!
助産師さんから余裕だねと言われましたが(苦笑い)、エクササイズをしていた方が気が休まったことを覚えています。
妊娠後期は背骨の動きも乏しくなり、ますます腰痛など身体の不調が出現しやすい時期です。出産前に無理ない範囲で背骨を動かし柔軟性を高めることで産後の身体も楽になるといわれています。
動くことが億劫に感じる時期ではありますが、体調に応じてエクササイズしてみてください!
おすすめのマタニティピラティスができるスタジオ3選
様々な地域にマタニティピラティスができるスタジオがオープンしています。
YouTubeやオンラインスタジオなどの動画サービスを利用してエクササイズを始めることもできますが、インストラクターに直接身体の動かし方を指導してもらう対面レッスンは魅力的ですよね。
以下に口コミの高いおすすめのマタニティピラティスをおこなっているスタジオを紹介していきます!
BIRTH ピラティススタジオ
東京都にあるピラティス専用スタジオです。マンツーマンのレッスンにより安心のサポートのもとエクササイズができます。
ショートレッスンコースがあり、身体に無理のないエクササイズ時間を選択できます。
産前産後のマタニティピラティスに定評があり、丁寧なカウンセリングで一人一人の身体をしっかりみてくれるようです。
そして、魅力的なのがマシンピラティス専用スタジオというところ!
なかなか自由に身体を動かせない妊婦さんは、マシンを使用した方が身体の使い方を理解しやすいというメリットがあります。マンツーマンでしっかり妊娠中の身体ケアをしたい方におすすめのスタジオです。
Studio wohl
名古屋にあるマタニティピラティコースがあるスタジオです。
産前は出産に必要な筋力・柔軟性の強化を。産後は育児動作や仕事など、個人の生活をしっかりお聞きし、一人一人にあったプログラムを立ててくれるようです。
Zen pilates
北海道、東京、千葉、京都、大阪、兵庫、福岡県など、全国100カ所にあるピラティス・ヨガ専用スタジオです。
コースは産後ピラティスのみですが、妊娠経過が正常な場合に限りマンツーマンレッスンをうけることができるそうです。
産後の回復に力を入れていて、自然分娩の方は産後6~8週から、帝王切開の方は産後8~10週からピラティスができるプログラムになっているそうです。
まとめ
「出産は富士登山」と言われるほど体力が必要です。
特に妊娠後期は息を吸うだけでも体重が増えると良く耳にしませんか?妊娠中は筋力、体力が落ちる中、大きくなり続けるお腹に身体には思っている以上の負担がかかります。
私は長女妊娠中、「この(ダメージでまくりの)体は出産したあとになんとかする!」と意気込みましたが…産後も忙しく自分の身体に向き合う時間はなかなか取れませんでした。
その経験から、妊娠中からのケアがとても大切であることに気づかされました。
落ちた筋肉を赤ちゃんと生活しながら取り戻すことはすごい努力がいります。マタニティピラティスで、産前からケアを始めることで、産後も美しい身体を保てます。
産後に多少体重が増えたって、お腹がぽっこりしたって、産前に蓄えたインナーマッスルがあなたの身体を支えてくれます!
無理のない範囲で、より豊かなマタニティ生活を送れるよう応援しています!