ヨガ指導歴13年、あるヨガインストラクターの歩み
ヨガ愛好者からヨガを伝える立場へ
様々な年代の方々に親しまれるようになったヨガ。現在、日本のヨガ人口は約650万人と言われています。
ヨガ愛好者の増加によりヨガスタジオの増加やフィットネスクラブ、カルチャー教室などでのクラス開講の機会が増え、心身の健康促進に役立つことから、ヨガを取り入れる福祉施設や医療現場なども見られるようになりました。
そうしたヨガの普及によりヨガインストラクターの需要が多くなり、現在は多くのヨガティーチャートレーニングが開講されています。
そこで今回は、ヨガインストラクターを志す皆さんの参考になればと、ヨガインストラクター養成講座トレーニング指導者(ヨガ哲学・瞑想担当)経験を持つ、私ことmetta(40歳女性ヨガ指導歴13年)のヨガインストラクターとしての歩みを紹介します。
あるヨガインストラクターの歩みを紹介
幼い頃、病弱だった私は少しでも身体が丈夫になるようにと、クラシックバレエ教室に通い始めました。そこで出会った友人の誘いにより、新体操教室にも通い始め、みるみるうちに心身ともに元気になり、やがて様々な舞台や新体操の競技大会に出場するようになりました。
新体操の全日本強化選手として海外試合などに出場し、大学入学時まで競技生活を経験し、引退後はプロダンサーとして海外公演などに出演、身体を酷使する日々を過ごしていました。
こうした幼い頃からの競技生活・身体を動かす日々のなかで、怪我や身体の痛みに悩まされ、また試合や舞台などで自分を極限まで追い込んでいくため、精神的な面での安定を求めるようになり、いつの間にか心理学や瞑想に興味を持つようになりました。
そして、ダンス公演で海外に行った際にヨガスタジオを見つけ、帰国後すぐにハタヨガや瞑想を学び始めました。
様々なスタイルのハタヨガ・瞑想のトレーニングに参加し数年経った頃、長年悩まされていた身体的、精神的な不調が和らいでいることに気づき、精神的な安定を実感し始めました。
こうした日々の練習によって「自分自身をより良い方向へと導いてくれるヨガと瞑想を深く学びたい!」という想いで、ヨガティーチャートレーニングを受講することに決めました。
ヨガインストラクターを志したきっかけ
ヨガティーチャートレーニングに通い始めた私は、ヨガのアーサナ(ポーズ)が与えてくれる身体面での恩恵をより体感しながら、解剖学、生理学などを学びました。
安全に身体を動かすことやアーサナが与えてくれる効果の根拠を学ぶことで、これまで必死に練習を積み重ねてきた新体操やダンスが与えてくれなかった身体を整えていくメカニズムを理解し始めました。
また、より学びたいと思っていたヨガ哲学や瞑想を学ぶことにより、生きていく上で大切な心の在り方を知り、健康増進のためのヨガだけではなくより心を整え、人生を幸福に生きるためにヨガがあることを実感するようになりました。
当時まだまだ健康体操のような側面しか伝えられていなかったヨガでしたが、「ヨガの本質を身近な人たちにお伝えしたい」「より健やかで穏やかな暮らしに役立つヨガをお伝えしたい!」そんな想いを抱くようになり、ティーチャートレーニングに通い始めてから改めてヨガ指導者を志すようになりました。
10数年ヨガインストラクターとして活動してきて、「なぜ私はヨガインストラクターになりたいのか?」「なぜヨガを伝えたいのか?」という意図を明確にすることが大切だと改めて思っています。
それは他のお仕事と同様、ヨガをお伝えする立場として悩むこともあり、また資格取得後もヨガを学び続ける姿勢が大切になっていくため、自分のヨガに対する想いや意図が、学びと活動の継続の鍵を握るからです。
もしあなたが今、ヨガインストラクターになりたいとお考えであれば、ぜひご自分の想いを明確にした上で受講を決めてくださいね!
ヨガは仕事になる? ヨガクラスを受け持つには?
ヨガティーチャートレーニングに通い始めてから、改めて「ヨガをお伝えしたい!」という想いが芽生えた私に、ティーチャートレーニング担当の先生から「ご妊娠された先生の代わりにヨガクラスを担当してくれない?」というお話をいただきました。
トレーニングも終盤だったこともあり、また当時はそれほどヨガインストラクターがいなかったこともあり、勇気を出してそのお話を受けることにし、卒業と同時にクラスを担当するようになりました。
1つクラスを担当することで、そのスタジオで2クラス、3クラスと徐々に担当が増え、またそのスタジオの他店舗や系列店などで少しずつクラスが増えていきました。さらにヨガスタジオやフィットネスクラブなどのオーディションを受けることで、合格すればクラスを受け持つことが可能です。
現在ではフィットネスクラブやカルチャー教室などでもスタジオプログラムにヨガが多く組み込まれていますが、ヨガインストラクターの数も増加傾向にあるため、レンタルスペースなどで自分自身でヨガクラスを開講し、指導し始めるインストラクターの方も多いようです。
現在はコロナ禍によりオンラインクラスも増設されています。ますますオンラインクラスが増加していく可能性も大きく、こうしたオンラインクラスからクラスを受け持つことも可能だと思います。
企業でのオーディション合格、採用の決め手は、ヨガティーチャートレーニングやワークショップなどしっかりと学んでいることや、指導レベルももちろん、生徒さんに与える印象、信頼感、人間性なども大切な要素だと思います。
でも、どうぞ尻込みしないでくださいね!指導レベルや生徒さんに与える信頼感などは、ヨガの修練を積み重ね、資格取得後も積極的に学び続けることで自然と身に付いていきます。
次はヨガクラスを開講してから現場で感じたこと、苦労話など生徒さんとのエピソードを交えて、ヨガインストラクターを志すみなさんにご参考になるようなお話を紹介します。