SNSを見るたびになんだか疲れる。自分と比べて落ち込む。何もしないと損をしている気がする…そんな感覚に、心当たりはありませんか?
こんにちは。ヨガ講師のHarukaです。
このコラムでは、生徒さんやフォロワーさんから寄せられた“日常で抱えるリアルなお悩み”に、ヨガ哲学の視点と私自身の経験を重ねながら「心を整えるヒント」をお届けしています。
今回寄せられたのは、今を生きる多くの人がきっと感じているであろう、とてもこの時代的で、でもどこか胸に刺さるお悩みです。
隣の芝生は青い。その青が見えなかったアナログ時代の方が、もっとシンプルで楽に生きられていたんじゃないかな?と最近よく感じるんです。はるか先生はどう思いますか?
胸の奥にこびりつくような、“比べることで疲れてしまう心”。
そして、何かをしていないと世界に置いていかれるように感じる“損をしたくないという気持ち”。
これはきっと、今を生きる多くの人が抱えている、目には見えないけれど、とても深い心の揺らぎなのかもしれません。
今回のコラムでは、現代のSNS時代に生まれやすい“比べすぎてしまう心の背景”と、ヨガ哲学が教えてくれる“自分を取り戻す方法”をやさしく紐解いていきたいと思います。
SNSで心が疲れる理由
はじめに、“比べることで苦しくなってしまう心のメカニズム”について見ていきましょう。
これを知るだけで、「あ、自分が弱いから比べてしまうわけじゃないのか」とふわっと肩の力が抜ける人も多いはず。
1.情報量の増加により「隣の芝生のように見えるもの」が無限に増えてしまった
昔も今も、隣の芝生はきっと青かった。ただ昔は、目の前にいる人やご近所さん、学校の友人や会社の人…“自分の視界に入る範囲だけ”が「つい青く見えてしまう隣にある芝生」だったんだと思う。
今はスマホひとつで、世界中の“青い芝生”が一度に目に飛び込んでくる。本来なら比較する必要がない、“遠いところにいる知らない誰かの幸福”を毎日浴び続ける状態。心が追いつけないのは当然のことなのかも。
2.SNSの構造が「損したくない」という焦りを生む
おすすめやトレンド、成功例…。SNSは、「今すぐ行動しなければ、あなたは“遅れをとる側”になってしまう」という空気を自然とつくり出す仕組みになっています。
これが“現代における目に見えないプレッシャー”であり、SNS疲れの大きな原因。
3.自己否定のスイッチが入りやすい
SNSの世界は、自分にとって都合の良い瞬間だけを切り取った「ハイライト」にしか過ぎない。
そこに自分の日常を重ねてしまうと、“なんで私はこんな…”と自己否定に傾きやすくなるのは自然な反応。
4.情報が「心のゆとり」を奪ってしまう
ヨガ哲学の視点では、心が乱れると呼吸も乱れ、呼吸が乱れると本来の自分が見えなくなると言われています。
情報量の多さによって、私たちは、心の余白を失いやすい過酷な時代を、実は生き抜いているんですよね。
>>ヨガ八支則(はっしそく)とは?なぜヤマニヤマの教えは大事なのか
SNSを見て疲れるのは“弱さ”ではなく、あなたが繊細で感受性豊かだから
ここでひとつだけ、誤解を解いておきたいことがあって。
「比べてしまう私が悪いのかな」
「SNSに疲れてしまう私は弱い」
そんなふうに思わなくたって、本当は大丈夫。
あなたが疲れてしまうのは、“心が正直だから”。そして、“人の気持ちを敏感に汲み取って、必死に丁寧に生きてきた”から。
ヨガの教えでは、心が揺らぐのは自然なことで、むしろその揺れを感じられる感性こそ大切にするべきと言われています。
だからどうか、これまでの道を歩んできた今までの自分のことまでは、責めないであげて。
今も昔も、隣の芝生は青かった? — 私なりの観点から
いただいたお悩みを読んだとき、私の中にふっと浮かんだのはこんな感覚でした。
「あぁ、今も昔もきっと同じように、隣の芝生は青かったんだろうなぁ。」
ただ、昔はもっとその感覚が物理的に“近く”にあったんだと思う。例えば顔が見えて、会話できて、触れられる距離にある人たちだけの中で、隣の芝生に青さを感じていただけ。
今はただ、その“見える範囲と距離が広がっただけ”なんだろうなって。
そしてね、あなたが誰かの芝生を青く見てしまうように、ひとしく、あなたのことを羨ましく感じている人もきっといるんだろうなとも思う。
人ってみんな、ないものねだり。
それは責めるべき感情ではなく、「生きているからこそ味わえる人間らしさのひとつ」なんだと思う。
だからこそ大切なのは、比べることをやめることではなくて、比べてしまうそんな自分のことも、弱さに見えてしまう部分こそ、まるごと抱きしめてあげること。
ヨガ哲学が教えてくれる“自分を取り戻す”方法
1.「サントーシャ(足るを知る)」で今ある恵みを祝福する
・自分が今持っているもの
・自分にしかやい感性や個性、こだわりという宝物
・今の平和な暮らしがあること
これらに気づける自分を見つけた瞬間、心は不思議とゆるんでいきます。
比べる心が強くなるほど、私たちは“今ここにいること”を見失ってしまいがち。
サントーシャは、「すでにある安心感」に意識を戻すための知恵なのです。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑦】サントーシャ “今、ここ”にある自由と豊かさを再発見する
2.「アパリグラハ(執着を手放す)」で自分に合った情報を選ぶ
・ただ残しているだけの連絡先を整理してみる
・必要以上の情報を見ないという勇気を持ってみる
こうした選択は、心の中のざわめきを落ち着けてくれます。
自分に合った情報を取捨選択することで、自分の感覚に戻りやすくなり「私は私でいいんだ」という安心感が育まれていくのです。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑤】アパリグラハ -手放すことで心が満たされる-
3.「スワディヤーヤ(自己探求)」で本来の自分に戻る
比較してしまう自分に苦しくなったら、こんな問いを自分に向けてみて。
・私にとっての幸せは、なんなんだろう?
・何に触れているとき、心が落ち着くに気がする?
こうした内側に目を向ける時間は、揺れる心をもとに戻してくれるはず。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑨】スワディヤーヤは“自己対話”から本当の自分に気づくこと
今日からできる SNSとのやさしい距離のとり方
→ 1日の始まりこそ、自分の感覚を取り戻すのにベストなタイミング
◎ 寝る前の15分は、深呼吸を意識した静かな時間にする
→ 心がゆるむと、眠りの質も自然と深まる
◎ 比較してしまうことがつらくなったら、“アプリを閉じる勇気”を持つ
→ 刺激から距離を置くだけで、心は驚くほど落ち着くもの
◎ 1日に1つだけ、「自分のための行動」を選ぶ
→ 小さな自己信頼の積み重ねは、自己肯定感や自己受容感へとつながっていく
こうした小さな積み重ねは、ヨガ哲学でいう「タパス(鍛錬)」。
誰かに見せるためでも、認めてもらうためでもなく、あなたがあなたのために選ぶ“やさしい習慣”として、心の中で大事に育んでみてほしいな。
>>0から分かるヨガ哲学【八支則⑧】タパスは“そのままの自分”を信じる勇気をもつこと
まとめ|人生は、あなたにとって心地よいリズムでいい
私たちはつい、「損したくない」「置いていかれたくない」と焦ってしまうけれど、
本当に大切なのは
“いつでも自分のペースに戻れることを分かっておくこと”
“自分の人生のリズムを思い出して生きること”
隣の芝生が青く見えるのは自然なこと。
でもね、それとひとしく、あなたのいる芝生もきっと誰かには青く映って見えているのかもしれないと、俯瞰した視点を持てるそんな心のゆとりを大切にすること。
だから、焦らなくていいし、比べなくていい。
比べてしまう自分がそこにいても、そっと抱きしめてあげられれば、それだけでいい。
これからのあなたの人生が、あなたらしくあたたかな光と愛で満たされることを願って。
それでは次回の「暮らしに活かすヨガ哲学」もお楽しみに。
Haruka
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