若返りのポーズと言われてる「鋤(すき)のポーズ」。ポーズを行うことによって、他にも様々効果があります。
ヨガポーズの中でも基本的なポーズですが、逆転系なので首を痛めてしまったというお悩みも多いようです。
鋤のポーズができない、首を痛めてしまった原因があります。
ここでは、鋤のポーズの7つの効果とやり方をご紹介したいと思います。YouTube動画もピックアップしてみたので、ぜひやってみてくださいね。
ヨガの鋤(すき)のポーズってどんなポーズ?
鋤のポーズとは、逆立ちのように腰や足より頭の位置を低くなる「逆転のポーズ」のひとつです。サンスクリット語で「ハラ・アーサナ」や「ハラーサナ」と呼ばれています。
「ハラ」は「鋤(すき)」、「アーサナ」は「ポーズ」を意味し、お尻を持ち上げて逆転しているポーズの形が、畑を耕す農具の鋤に似ていることが由縁と言われています。
逆転のポーズの中でも比較的難易度も低い基本的なポーズでありながら、疲労回復やアンチエイジング効果も高いので、ヨガ初心者の方にもおすすめです。
鋤のポーズの効果
1. 背骨をストレッチ
鋤のポーズは、仰向けの状態から頭の後ろに足先をつけて背骨を伸ばしてキープするため、背骨をリラックスして伸ばす効果が期待できます。
加齢による筋力の低下や重力によって、徐々に腰椎や胸椎は圧縮されていきます。そういった背骨全体がストレッチされることで、背骨のゆがみや背中周りの筋肉の緊張、疲労の回復が期待できます。
2. 自律神経を整える
背骨(脊柱)周りには自律神経も多く通っているため、自律神経系にも効果的に作用します。
普段の日常生活ではストレス下に置かれどうしても交感神経が優位になりがち。自律神経のバランスが整うことで、内臓の働きやホルモンのバランス、血圧や体温など、さまざまな体の機能を整えることにつながります。
深い呼吸を意識することでさらに効果を高められます。
3. 腸や肝臓を活性化
鋤のポーズは、逆さまになることで日常生活とは逆の重力が体にかかります。内臓の下垂を改善し、内臓機能が整えられ便秘の予防や改善に役立ちます。
内臓が正しい位置に戻されることで、ポッコリお腹もすっきりします。特に肝臓に血液が集まりやすく、肝臓病全般にも効きます。
4. 肩こり改善
鋤のポーズは、逆さまの状態で手を体の後ろで組み、肩で体重を支えます。固くなりやすい首回り、肩甲骨や肩周辺の筋肉をほぐし、 肩こりの予防・改善効果に期待できます。
逆転のポーズでキープするため体幹を強くし腰痛の解消にも役立ちます。
5. 血行促進疲労回復効果
鋤のポーズは、背中の大きな筋肉をほぐし、血流を促進します。血行が良くなることで脊椎から脳内へ多くの酸素や栄養を送ることができ、脳の疲労回復や活性化を期待できます。
6. 姿勢改善
逆転のポーズは、体の背面(背中、腰、もも裏、ふくらはぎ)の柔軟性を上げ、体幹が強化されます。体の背面の筋肉が固くなると、全体が後ろに引っ張られやすく猫背姿勢になります。
猫背は肩こり、ポッコリお腹、二重あご、お顔のたるみの原因です。
背面がストレッチされ、体幹が強化されることは、歪んだ姿勢の改善やお腹まわりの引き締め、リフトアップにも効果があります。
体幹をより強化するために、ポーズとる際に反動をつけずにゆっくりと動作を行いましょう。
7. 甲状腺機能を整える
甲状腺は、喉仏の下あたりに位置します。甲状腺ホルモンと言われるホルモンを分泌する臓器で、体の代謝を調節する働きをしています。
鋤のポーズは喉周りに刺激が入るので、甲状腺機能を整え新陳代謝を高めてくれます。
鋤のポーズのやり方
- 仰向けで両膝を立て、手のひらを下向きに床につけて体側に置きます。
- 肩甲骨を寄せ、胸を開きます。
- 息を吐きながら両足を上にもちあげます。(ここまででもOK)
- おしりをもちあげ、おしりの位置が肩の真上にきたら、肘をマットにつき両手で背中を支えます。ここでさらに肩甲骨が寄せられるようであれば、マットについた肘を内側に寄せてお尻の位置をもう一段階高く上げます。
- つま先が床についたら、両腕を床にのばして手を組みます。(つま先は無理に床に降ろさなくてもOK)
- あごは引きすぎず、上げすぎず、首を動かさないようにします。このまま5~8呼吸ホールドします。
- 余裕があれば両腕を伸ばし、両手を背中のうしろで組みます。
- 戻るときは、組んでいた両手をほどき、床もしくは背中に置きます。腹筋に意識を持ちながら背骨の上の方からひとつひとつ丁寧に降りて戻していきます。両膝を立て、腰回りが落ち着いたら手足を伸ばしましょう。
鋤のポーズのあとに必要な逆転のポーズ(カウンターポーズ)
「カウンター(counter)ポーズ」とは、相反する動きとなるポーズのことを言います。
緊張と弛緩をあるポーズで使った筋肉と反対側の筋肉に働きかけることで、心と体をニュートラルな状態に戻し、バランスをとることができます。
例えば、前屈系のポーズのあとに後屈系のポーズを入れることでバランスを取ります。
鋤のポーズは喉を絞め、胸を閉じる動きのポーズであるため、逆転のポーズであるカウンターポーズは、のどを伸ばし、胸を開く魚のポーズ(マツヤアーサナ)です。
また、ひねりのポーズを入れるのもいいでしょう。
ポーズのコツ
後頭部と肩の三点で支えよう
鋤のポーズは逆転のポーズなので、のどや気管が圧迫され苦しくなったり、腰や背中が痛み感じたりすることもあります。こうなってしまうのは、背中がまるまってしまっているからです。
逆さまで体の重みを支えてキープするので、首に体重がかからないようにすることが大切です。
両腕を長く前方に伸ばすと肩甲骨を寄せることができ、胸を開きやすくなります。後頭部と肩の外側に体重をのせ三角形で荷重を分散させて支えましょう。
首のうしろのカーブが床につかないよう。首の後ろと喉は柔らかく保ちます。呼吸が楽になります。目線は閉じるか鼻先を見つめます。
内もも(内転筋)を意識して両脚をしっかりと閉じよう
内ももをしっかり閉じることで、腹筋がはいることで首と腰への負担が減ります。ポーズに入る前は体を良く温め、ポーズをとっている最終は体幹(腹筋)を強く保ち、背中をまっすぐにして立つようにします。
禁忌(してはいけない人)
- 以下の症状や疾患のある方は鋤のポーズを控えます。
ヘルニア、椎間板ヘルニア
- 坐骨神経痛
- 高血圧
- 重度の背中の疾患、首の関節炎
- 月経中
- 妊娠中
- 片頭痛
- 高血圧
- 目のトラブル
- 下痢
- 耳の感染症
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鋤(すき)のポーズに関するQ&A
まとめ
鋤のポーズは、比較的優しい逆転のポーズですが、首や腰に負担がかかるので、無理をせずに様子を見ながらゆっくりと取り組んでいきましょう。
特に首を動かすと危険です!一点を見つめて首を動かさないように、自分の一番しっくりくるポジションを見つけましょう。
腰に違和感があったら、ひざを立てて休んだり、横向きでひざを曲げてお休みしたり、背中や腰をまるめて休みましょう。
ヨガは決して自分を傷めつけたり無理をしたりしてまで追求するものではありません。呼吸が止まるほど追い込んでいたら、いったんポーズをほどき休むことが大切です。
自分のペースで取り組んでいけば、少しずつ変化を感じられます。楽しみながらヨガのある生活をおくり、逆転のポーズで是非若返っていきましょう。
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