「肩が石のように重く感じる」
「肩こりで悩んでいるけれどどのようなエクササイズがいいのか分からない」
日本人が感じる不調に多い肩こり。
運動療法が良いとはわかっていても、実際に何をしたらいいか分からず手つかずの方も多いはず。
実は肩こりとピラティスの相性はかなり良いと言われています。
この記事は、実際に肩こりがひどかったクライアントA様の経験をもとにインストラクター目線で、肩こり解消ピラティスを解説していきます。
ピラティスは年齢を問わず誰でもできるエクササイズなので、長年肩こりに悩んでいる方は是非最後までお読みください。実際に改善にかかった期間もお伝えしますので、ご確認下さい。
目次
1. 肩こりがピラティスで解消する理由
姿勢が改善することで、肩こりの根本を解決できるから
肩こりとピラティスの相性がなぜ良いのか。
それは肩こりの多くは姿勢の歪みが原因で生じます。
ピラティスはその姿勢の歪みを根本から解決することを目的としたエクササイズだからです。
肩回りの凝った筋肉のマッサージやストレッチで得られる効果は一時的で、持続しない場合がほとんどです。
体重の10%の重さがある頭。それを支える首~肩にかかる負担は大きいですよね。
ピラティスで体の軸となるインナーマッスルを鍛え、首~肩に負担のかかりにくい姿勢を目指すことが出来ます。
2. 肩こりのピラティスをする前に注意したいポイント
・その肩こり、ピラティスをして大丈夫?
・首は繊細な関節だから負荷に注意
この2つがポイントです。詳しくみていきましょう。
その肩こりピラティスをして大丈夫?
まず、肩こりの原因を整理します。
姿勢の歪みによるもの
首や背中の骨の整形外科的異常によるもの
大まかにわけると2つあります。
このうち①姿勢の歪みによるものは今すぐにピラティスをはじめると良いでしょう。②整形外科的異常によるものはまずは医師に相談して下さい。
ピラティスエクササイズの内容によっては、首や腰に疾患のある方は禁忌な場合もあります。医師の許可があった場合は自己流で行わず、ピラティスインストラクターにアドバイスいただくことをおすすめします。
首は繊細な関節だから負荷に注意
首は7個の骨で構成されています。
股関節のように大きな関節とは異なり、動く範囲や耐えられる負荷にも限りがあります。
さらに肩こりで筋肉が緊張している状態でエクササイズを行うことで、首骨への負担は増します。
肩こりの強い方が首回りのエクササイズを行う場合、ゆっくり辛くない程度の負荷からはじめることをおすすめします。
3. 肩こりで悩むAさんがピラティスを始めた理由
ではここからはインストラクター目線で、過去に私が担当したクライアント様のご経験をまとめていきます。
肩こりで長年悩んでいた方で、「もう辛くない」と思えるまでにかかった道のりをお伝えしていきます。
ピラティスを始めた当時35歳。
デスクワーク中心の生活を送っており、肩こりが年々辛くなる。
肩こりによるだるさ、めまい、目の疲労を感じていた。
一般的に首の可動域は屈曲(前)45°、伸展(後)45°、回旋(回す)60°、側屈(横)45°と定義されています。
Aさんはピラティスを始める前、屈曲10°、伸展10°、回旋20°、側屈10°。
筋肉の緊張が高く、可動域がかなり狭くなっている状況でした。
例えば、寝違えた時に首が動かないと体をつかって代償しますよね。そんな感じがAさんの日常で当たり前に起きていたのです。年々肩こりが原因で生じるめまいなどの自覚症状が辛くなり、肩こりにはピラティスが良いと聞いたため私の教室に来てくださいました。
4. Aさんがピラティスで肩こり改善にかかった期間とエクササイズ量
朝起きた時に「楽」と感じるまでの期間1ヶ月。
肩こりによるめまいや目の疲労を完全に感じなくなるまでの期間は3カ月。
肩こりを感じなくなり、根本解決に至った期間は半年。
結論、半年かかりました。
その間のエクササイズ量は1週間に2~3回の自己エクササイズと、1週間に1回のマンツーマンピラティスレッスンです。
Aさんは残業時間も長かったため、帰宅後にエクササイズを毎日継続は困難でした。週3回はして欲しいとお願いしましたが、実際はあまりできていない週もあったようです。
5. Aさんにお伝えした、肩こり改善に必要な生活指導4選
仕事が忙しく自己エクササイズが困難なAさんに、生活場面で注意していただきたい内容を繰り返しお伝えしました。その内容はこちら。
・同じ姿勢を15分以上続けない
・首回りを冷やさないようにする
・睡眠をしっかりとる
・枕はタオルを畳んだ程度の厚みにする
Aさんの生活習慣をお聞きして、この4つをお伝えしました。
Aさんの肩こりの原因は、デスクワークで同じ姿勢を長時間継続することにありました。1時間座りっぱなしが毎日の様にあるとおっしゃっていたので、面倒ですが最長でも15分ごとに首を回す、立って伸びるなどの動作を入れていただくようお伝えしました。
「血流を滞らせない」ために、関節を動かすことが大切です。
意外に見落としがちな点が枕の高さ。
本来首のカーブの角度を考えると枕は3㎝位で十分です。
Aさんは学生時代から15㎝程度の厚めのものを使用していました。厚い枕は、その分頭を高い位置でキープするため首や肩回りの筋肉を常に過緊張状態にしてしまいます。
Aさんにはバスタオルを三つ折りにした枕をご提案させていただきました。2週間程で「やっと低い枕に慣れた」とおっしゃっていました。
肩こりの改善には運動療法だけではなく、生活場面で肩こりをおこさないように意識していくことも重要です。
6. 肩こり改善にはこれ!おすすめのエクササイズアイテム
なかなか自主エクササイズ時間のとれなかったAさんにおすすめしたアイテムは、ストレッチポールです。ただポールの上に寝てゆらゆらするだけでも、腰~首にかけての筋肉の緊張を緩める効果があります。
余裕があれば、ポールの上に寝た状態でバンザイを行い、肩甲骨をダイナミックに動かすといいでしょう。
Aさんはピラティスエクササイズが出来ない日でも、このポールにのって過ごす時間は毎日確保していたとのことです。
Aさんが半年で確かなピラティスの効果を実感できたのは、ストレッチポールを使用して身体のケアを毎日継続したことも要因の1つだと思います。
ピラティスインストラクターの私も愛用中のアイテムをご紹介します。
安いものも多く売られていますが、私は様々なものを使用してもやっぱりこれを使いたくなります。硬さが適度で、とてもおすすめの商品です。
色合いも可愛いですよね♩
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7. 実際に効果のあった肩こり改善ピラティスエクササイズ6選
実際にAさんにお伝えした肩こり改善のピラティスをご紹介します。整形外科的疾患をお持ちで無い方を対象に立てたプログラムなのでご注意下さい。
年齢は何歳の方でも大丈夫なので、是非一緒にエクササイズしてみましょう。
・ペルビックチルト
・リバースプランク
・肩甲骨まわりのストレッチ
・チャイルドポーズ
・リブケージアームス
・ソウ
詳しくお伝えしていきます。
ペルビックチルト
骨盤をコントロールするエクササイズです。
肩こりなのに骨盤?と思う方もいらっしゃると思います。実は首を支えている土台は骨盤です。この骨盤の可動性が低下すると背骨、首まわりに大きな負担がかかります。まずはペルビックチルトで骨盤~背骨の動きを出しましょう。
リバースプランク
腹筋を鍛えるプランクのフォームを反対にしたようなエクササイズです。猫背や、巻き型など、首の骨~肩回りにかけての筋肉が硬くなっている方におすすめ。
肩甲骨まわりのストレッチ
ピラティスエクササイズとは異なりますが、肩こり改善に必須なストレッチです。
血流の改善が重要なので、ストレッチも自己ケアとして導入していました。こちらの動画に挙がっている肩・首回りのストレッチと同様の内容をAさんも行っていました。
チャイルドポーズ
硬くなった背中の筋肉をリラックスした状態で伸ばす姿勢です。
リブケージアームス
肩こりの原因となる背中の筋肉(主に広背筋)を伸ばします。インナーマッスルも鍛えることができるため、鍛える×伸ばすが一度にできる効果抜群のエクササイズです。
ソウ
腹筋と肩回りの筋肉をつかうエクササイズ。
肩こりの原因となる姿勢の崩れは、お腹の筋肉低下が原因の場合も多くあります。ソウは、インナーマッスルを促通し、お腹~肩回りの筋肉を丁寧につかっていくエクササイズです。
8. 改善から2年。Aさんに現在の肩こりの状態を聞いてみた
現在の肩こりをお聞きしたところ、「数年前のような倦怠感や頭痛は一切ない。でも仕事場で同じ姿勢を繰り返したりすると、やっぱり痛みを感じる日もある。」とお返事をいただきました。お伝えしたエクササイズは出来る日に継続しているそうです。
半年かけて行ったピラティスエクササイズの効果は必ず返ってきます。ですがAさんの現在から、ピラティスエクササイズだけでは足りないことも分かりました。
生活で肩回りに負担がかからないようにすることも、ピラティスエクササイズの継続と同じぐらい大切なことなのですね。
9. まとめ【肩こりはピラティスが効果的!姿勢の改善で辛い肩こりを解消しよう】
この記事では、腰痛の方が気をつけたいポイントやおすすめのエクササイズを具体的にお伝えしました。
ピラティスインストラクターの私の経験上、ピラティスで肩こりは改善します。肩こり改善に重用な点は、首~骨盤のエクササイズと肩~背中周りの柔軟性向上です。
首はかなり繊細な関節構造な為、負荷やエクササイズ方法には十分に注意して楽しみましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。