真理
みなさん、ナマステ〜!
ウェルネスストーリー編集長 横幕 真理です!
今回は、私の経営するMAJOLIでも、ヨガトレーナーとして一緒にお仕事をして下さっている仁下 愛美先生にインタビューさせて頂きました!
まなみ先生は“ヘルスクリエイター”として、トレーナーとしての活動だけではなくライターやプランナーとしてもMAJOLIを支えてくれており、「ただのヨガスクールではない」MAJOLIにとって、本当に必要不可欠な存在の方です。
一緒にお仕事させていただくようになってまだ日は浅いのですが、お話する度に、ああ、フリーで活躍できる方ってこういう人なんだな、といつも感じています。
今日のインタビューは、ヨガをお仕事に、フリーで活動される方や正社員勤務されている方、すべての方へのヒントがたくさん詰まっていると思うので、ぜひ読んでみてくださいね!
それでは、早速インタビューに移らせて頂きます!
1、まなみ先生ってどんな人?
仁下 愛美(にした まなみ)先生
2012年より、ホットヨガスタジオLAVAにて、約7万人に向けレッスンを行う。
店長として新店舗立ち上げに多く携わった後、店舗運営や人材育成を行うトレーナー兼スーパーバイザーとして関西十数店舗を担当し、独立。
2019年より本格的にフリーランス活動を開始。
豪・仏に渡りサスティナブルな生活を学ぶ。
帰国後、京都の非公開寺院(清水寺、南禅寺、東福寺など)にてお寺ヨガを開催。
ウェルネスホテルでのヨガクラスやオーガニックブランドとのタイアップイベントなど、ヘルシーなライフスタイルの提案を行っている。
ヨガジャーナルオンラインで執筆するなど、ライターとしても活動中。
2、『人を笑顔に、幸せにできる仕事』ヨガとの出逢い
真理
まなみ先生、まずは読者の皆さんに自己紹介をお願いします!
まなみ先生
皆さんはじめまして!京都を拠点にフリーランスとして活動している仁下愛美です。
沖縄でインタビューしました
まなみ先生
2012年よりホットヨガスタジオLAVAにて、インストラクター、店長、トレーナー、スーパーバイザーを経て独立しました。
真理
今はどんな活動が中心になっていますか?
まなみ先生
メインはもちろん
ヨガに関するお仕事です。講師としてヨガクラス開催やインストラクター養成講座を担当したり、イベントをしたり。また、ライターやプランナー、コーチとしても活動しています。
一つの業種にとらわれず、自分の得意なこと、好きなことを最大限に仕事に活かしたいという想いで、ヘルスクリエイターという肩書きで活動しています。
真理
(かっこいい!)ちなみに、元々ヨガのインストラクターになろうと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?
まなみ先生
実はヨガを全く知らないところからのスタートでした。大学では芸術を学んでいて、制作活動に専念していたらあっという間に大学卒業の時期になってしまって。
大学院に行くにはお金も貯めなければならないし、一度社会に出て自分を試してみよう!と、卒業することを選んだのですが、就職活動を一切してこなかった私はどうやって仕事を探せばよいかわかりませんでした。
まなみ先生
それからとりあえずネット検索して、ハローワークという場所に行けば仕事を紹介してもらえると知り、4回生の冬にハローワークへ相談に行きました。大学で何をしていたんだという感じで、ハローワークの方も不思議だったでしょうね。
まなみ先生
世の中にどんな仕事があるのかも良くわかっていなかったので、とりあえず『仕事をする上で自分が譲れないもの』は何かを考えました。
『人を笑顔に、幸せにできる仕事』とても抽象的ですが、ここがブレなければツールは何でもいいと思っていました。
ハローワーク訪問1回目に、たまたまご紹介いただいたのが、ホットヨガスタジオLAVAの正社員募集だったんです。
真理
その時は全くヨガの経験もなかったんですよね?
まなみ先生
はい。でも、幼少期から色んなスポーツやダンスをして身体を動かすことは好きで、大学4年間カフェでアルバイトをしていたので接客も好きでした。芸大で取り組んだ表現活動とヨガのインストラクションは根本は同じだとも思いました。
”ヨガ”のポーズすらとったことがなかったけれど、自分も健康でありながら、人を健康に笑顔に前向きにできる最高のツールだ!と直感で感じ、最初に紹介されたLAVAだけ受けて、トントン拍子で合格をいただきました。ほんとうにタイミングが良かったです。
3、LAVAで数十店舗を担当するスーパーバイザーに
真理
LAVAさんでは、どのようなお仕事をしていたんですか?
まなみ先生
入社してから研修を受けて、すぐに関東のスタジオでレッスンデビューしました。そこから地元広島での新店舗立ち上げに合わせて異動し、インストラクター、店長として店舗運営や人材育成に従事しました。
真理
LAVAさんでは、インストラクターの方がレッスン以外にもスタジオ運営業務全般に携わるんですよね?
まなみ先生
そうなんです。掃除やフロント業務、レッスンスケジュール作成からシフト作成、クレーム対応、その他売上に関すること全般も全て行っていたので、レッスン提供以外の実務経験がとても身についたと思います。
広島でいくつか新店舗立ち上げを経験した後、新人研修のトレーナー兼スーパーバイザーとして関西の数十店舗を担当し、店舗運営や人材育成、その他研修などを担当させていただきました。
真理
数十店舗を担当って、経歴がすごい・・・!そんなLAVAさん時代の印象的なエピソードって何かありますか?
まなみ先生
良いエピソードがたくさんありすぎて、ピックアップするのが難しいです(笑)
素敵すぎる返答ありがとうございます
まなみ先生
その中でもやはり
”ありがとう”の言葉をたくさんいただける仕事だと常に感じていたことですね。不妊症で悩んでいる方がスタジオに通われて「妊娠できた」と涙を流して喜んでくださったり。
ケガで身体が思うように動かせなくなった方が、少しづつ自分の身体や心と向き合って変わっていく瞬間を一緒に味わえることは大きな喜びでした。全国展開している大きなスタジオなので、本当にいろんなお客様と出会い関われたことが今の私の経験と知識の源です。
真理
逆に、こんなことが大変だったな、つらかったな、と思うことはありますか?
まなみ先生
うーん、辛いエピソードは特に思いつかないですかね。大変なことはたくさんありましたが、今思うとどれも頑張ってよかった!と心から思えることばかりで、自分の成長に直結しているのでむしろ感謝をしています。
人生でこんなに頑張った経験は最初で最後かも、と思うくらい。そしてしんどいながらも仲間がいたから最高に楽しかったです。
真理
改めて、とても素敵なお仕事ですよね。ちなみに、大変だったけど頑張ってよかった!と思った瞬間ってたとえばどんな時でしたか?
まなみ先生
地方店舗にいた頃、インフルエンザが流行する時期などはレッスンできないインストラクターが続出して、地方だから他店からのヘルプも呼べなくて、1日に10本開催のホットヨガのクラスを、2人で5本ずつ回した経験があります。
2人出勤なので、もちろんシフトは朝から晩までフルです。これは流石に2人ともカラカラになって最後はハイになりました。まるでお祭りのようでしたね。最高に楽しかったし、とっても良い思い出です。
こんなにかわいらしい笑顔でとてもタフなまなみ先生
4、29歳、“まずは自分を大切にする”ことを知り、独立へ
真理
LAVAさんでのお仕事の素晴らしさがとてもよくわかりました。そんなLAVAさんでの長年の活動から、独立してフリーになろうと思ったのはどうしてですか?
まなみ先生
会社の仲間が大好きで、お客様も大好きで、このままずっとLAVAで働きたいと思っていました。ただ、スーパーバイザー職であちこち飛び回っていた29歳のときに、子宮の病気が見つかりました。
まなみ先生
その時初めて、”今”立ち止まって自分を観察することをしたんです。
まなみ先生
やりがいのある仕事を楽しみすぎて、未来ばかりを追いかけそこにやりがいを見出していましたが、健康だと思っていた自分の身体が”ちょっと待って”とサインを出しているのに気付かなかった。
心と身体の健康を伝える仕事をしながら、自分自身の健康に目を向けていなかったとその時気づきました。まずは自分を大切にすること。そうして初めて、他者へGiveできるのだと思い、心機一転海外での生活を決め、独立をしました。
真理
そんな体験を乗り越えられて、今のまなみ先生がいらっしゃるんですね・・・。そしてフリーのインストラクターとして実際に活動をはじめて、思い描いていた理想とのギャップはありましたか?
まなみ先生
私の場合、最初はゆっくりとスタートしようと決めていたので、大きなギャップはなかったですが、スタジオを持たずに活動するので
”自分の居場所”みたいなものがないことに少し不安を覚えたことと、仲間がいないことへの寂しさは感じました。
自分をセルフプロデュースしなければいけない大変さや、ビジネスとしてSNS運用の大切さも改めて痛感しましたね。
真理
なるほど。逆に良い意味でのギャップはありますか?
まなみ先生
自分次第で自由に時間と場所をクリエイトできるということ。身ひとつで仕事ができるので、川沿いや屋上でクラスをしたり、食やライフスタイルとのコラボレーションでイベントをしたり、
“自分の好き”を最大限に活かしていろんな業種の方と一緒に仕事ができるのは、フリーランスならではだと思います。
「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」といいますが、まさにそんな感じだと思います。
真理
読者の方は、インストラクターとして活動中の方や、これから活動していきたいという方が多くいらっしゃいます。ヨガインストラクターとして活躍していくために、どんなスキルを磨いていけば良いでしょうか?
まなみ先生
まずは
自分の強みやセールスポイントを知ること。そしてどんなインストラクターになりたいか、どんな仕事をしていきたいか、イメージをできるだけ細かく具体的に視覚化することです。
事業計画まで作れたら最高ですが、まずは半年後の目標を明確にできて、時系列にto doをリスト化できていると良いですね。
私も元々とても苦手なので、今でも時間がかかりますが・・・。
真理
わたしも苦手です(笑)
まなみ先生
何から始めたら良いかわからないという声を聞きますが、そもそも“どうありたいか”、“どうなりたいか”“何をしたいか”が明確でないと、今やるべきことも見えてきません。
頭の中で「あれもこれも」とイメージばかりが大きくなって、私には無理!になってしまわないように、一つ一つ丁寧にto do と向き合っていくこと。
そうすれば、いつか必ず”こうなりたい”自分に出会えます。花が1日で咲かないように、私達もすぐに結果は出せない。だからこそ、その過程を楽しむ余裕をもつために、まずは自分自身を知ることから始めてみてください。
真理
自分を知るために、誰にでもすぐにできることは何かありますか?
まなみ先生
瞑想でもいいし、ひたすら身体を動かしてプラクティスするのもいいし、思考を文字にして書き出してもいい。
こんな人になりたいという対象があるのであれば、その人の何が魅力的でどこに惹かれているのか掘り下げて考えてみる。自分はどんな場所でどんな人とどんな時間を過ごしていたいかを具体的に考える。
それが実現するためには何が必要なのかを明確にする。そうしたら自然と勉強したいことや身につけるべき知識が明確になっていくのではないでしょうか。
5、迷ったら自分がワクワクする方へ
真理
ちなみに、有名ヨガスタジオでの正社員勤務と、フリーでの活動、どちらも経験されてるじゃないですか。その上で、正直どちらがオススメですか?
まなみ先生
私はまず正社員を経験し、後にフリーランスという、ある意味一般的で安心なルートを通っているので、主観的意見になってしまうかもしれませんが、少し前まではまず正社員を経験することをおすすめしていました。
真理
なるほど。それはなぜですか?
まなみ先生
やっぱり、一人ではできないことを経験させてもらえること、自分の苦手なことやできないことに挑戦させてもらえることです。そして正社員においてなにより最大のメリットは
”失敗できる”こと。
フリーランスは個人としてクライアントと対等な立場で仕事をするので、失敗が重なると信用を失います。
その点、正社員ではチームで仕事をするので、誰かの失敗をみんなでカバーしたり、自分だけでなく他の失敗から学ぶチャンスもあります。たくさん失敗することで得られる経験と知識は、独立する上で最大の強みになると思います。
真理
確かにその通りですよね。先ほど、「正社員をおすすめしていました。」と過去形でしたが、今は少し変わってきているんですか?
まなみ先生
近年、世界的に働き方や仕事の概念が変わって、
”個”をより尊重する時代になってきています。今までの安心安全な道が必ずしも皆に当てはまるわけでもなく、自分次第でどんな形にもなれる多様性が求められていると感じます。
もちろんある程度のスキルは必要ですが、その人の個性というか、センスがチャンスを引き寄せるのではと思います。
まなみ先生
そして、コミュニケーションスキルを上げ、人脈をつくることがフリーランスとして仕事をする上で欠かせないこと。風の時代に入り、テクノロジーはますます進化してNFTなどのデジタル資産が話題を集めたりしていますが、
結局のところ大事なのは”人”だと思います。
どんな場所で誰とどんな仕事をしたいか、これは会社員、フリーランスともに日頃から考えアップデートしていく必要がありますね。
真理
では、ヨガのインストラクターとして活動するにあたって、正社員勤務かフリーか悩んでる方がいたら、今ならどのようにお伝えしますか?
まなみ先生
より自分がワクワクすることを選ぶことをおすすめします。自分はこうだと決めてしまっているのは自分です。先のことはわからないのだから、どんな自分もクリエイトできるのだと自分を信じて、ワクワクすることに挑戦してほしいです。
真理
ありがとうございます!うんうん、本当にその通りだな、と思いました。最後になりますが、これからヨガインストラクターを目指す方に、メッセージをお願いします。
まなみ先生
自分がやってみたい!と感じたことはぜひ全力で楽しんでチャレンジしてほしいです。人生は1度しかないし、
”今”がいちばん若いんです。年齢や経験は関係ありません。ヨガは人生そのもの。
ポースをとることがヨガのイメージとして強く浸透していますが、呼吸すること、食べること、考えること、眠ること、笑うこと、全てのことがヨガであるといえます。
まなみ先生
この世界の事象は全て陰陽で成り立っていますので、対としてあるもののバランスをとり、心地よく今を生きるための知恵だと私は思っています。これは人間だけでなく、存在する全ての物質にも言えます。
ヨガを学ぶことは宇宙を知ることだと言っていいほどに深く壮大で終わりがないです。ヨガを学ぶだけでなく、伝えることを仕事にできることはとても幸せだと思います。
終わりがないのだから、一生をかけてできる仕事であり、学べば学ぶほどに自らの調和に繋がります。ヨガを通して一人でも多くのひとを幸せに。そしてヨガインストラクターとしてあなた自身も輝いてほしいです。