「どうしたら指名が増えるんだろう?」
「リピーターがつかないのは、私のレッスンが良くないのかな…」
資格を取ったばかりの頃、多くの新人講師が抱える悩みですよね。
スキルや経験がまだ浅い時期は、どうしても他の講師と比べて不安になりがち。
実際に私も、ヨガ・ピラティス講師として活動したばかりの頃は、周りと比べたり、正解を探しすぎたりと、答えを外に求めすぎて自分が全く見えていませんでした。
そうなると自分自身がレッスンを楽しめていないため、その気持ちがお客様にも伝わってしまいやすいんですよね。
そしてその【誰かに選ばれたい・人気になりたい・1位になりたい】などの気持ちが第一優先になってしまうと、選ばれないだけでなく
- 本来の仕事の意味からズレてしまう
- 自分の軸が揺らぐ
- 他者との比較から妬みや嫉妬が生まれる
そんな負のスパイラルに入りやすくなると感じています。
私が初めてパーソナルのマシンピラティススタジオに入った当初は、もちろん指名ゼロからのスタート。
ですが、数ヶ月後には増枠をしたり、予約開始直後からほぼ枠が埋まるなど、クライアントさんからは『先生のレッスンはすぐに埋まっちゃう』と声が上がるほど多くの方に選んでいただけるようになりました。
そこで本記事では、資格を取得したばかりでも、新人でも関係なく、自然と選ばれる講師になるための5つのポイントをお伝えしていきます。
指導歴も資格数も他の講師さんたちより少なかった私が、なぜここまで選んでいただけるようになったのか、そのリアルな実践内容をお届けしていきます。
特別な技術がなくても、誰でも“今日から”実践できることばかりです!指名が増えない、リピーターがつかないと悩んでいる方にも、きっとヒントになるはずです。
ポイント①第一印象から安心感を生み出す
初めて担当させていただくときにはもちろん緊張があると思いますが、私達以上に緊張していたり、心配しているのはお客様側。
ファーストコンタクトでどれだけ安心感を相手に与え、心を開いてもらえるかが次に繋がるための鍵となると思います。
鏡は自ら笑わないように、まずは私達がほぐれた笑顔でお出迎えをすること。そして自ら名乗り、常にお客様の一歩前を進むように率先してお客様を導いていくが大切です。
その流れをスムーズに持っていく為には、事前に自身の身支度の確認やスタジオの整理整頓、清潔感があるかどうか、更衣室や受付までの自然な動線案内、お客様の名前や事前情報があれば暗記するほどいれておく、など細やかな準備も大切になってきます。
自分が新規のお客様だとして、この場所に初めて訪れたらどんなことが気になるか、何に不安を抱くかなどを一度考えてみるといいかもしれませんね。
ポイント②背景を汲み取る
私たちに日々起きることには必ず原因があります。
クライアントさんの今の不調や悩みも結果として表れているだけであり、必ず原因が隠れているんです。
ただ目の前の結果だけに執着して、その改善をしたとしても、普段の姿勢や癖などの原因追求ができていなければ、すぐにまた元通りになり根本改善には繋がりません。
その結果、クライアントさん側の気持ちとしては『ここに来てるときはなんか良い気もするけど、長く続けてるのにあまり変わらないなぁ』というモヤモヤを抱きやすいです。
これを改善するのに重要なのがヒアリング。どんな仕事をしていて、どんな姿勢でいることが多くて、どんな事で痛みが出るのか、など今の身体の結果から探っていくんです。
例えば、身体の左右差があるという結果を改善したいときに、どの場所で左右差が生まれているのかを深掘ります。
腰椎の側屈があるのであれば、車の通勤時間が長く肘置きに頼ってるかな?とか、お仕事柄どちらかに身体を倒さないとやりづらい姿勢なのかな?とその人の背景から考えられる具体的な予想をつけて質問をするんです。
身体は素直に表現してくれていますから、しっかりと観察をした上でクライアントさんと向き合えば、2人で原因を見つけられるはずです。
そして、この過程が講師に対する信頼感にも繋がっていくと思います。
ポイント③アハ体験を提供する
ピラティスに限らず様々な指導者を見てきて感じるのが、指導を装った押し付けをしている人が多いという事。
私は知識があるから、経験豊富だから、こう学んできたから、とレッスンの時間を自分の為の時間にしてしまう人が非常に多いですが、そもそも論に戻って欲しいです。
その時間はクライアントさんのためのもの。
一方的に指導するだけでは何の学びにも、解決にもなりません。
【直す】ではなく【気づかせる】ことが大切だと思うのです。
私たちが直すのは簡単ですが、自分で気づき、自分で改善できるようにならないと意味がないんです。
原因追求とも同じですが、自分の知らなかった無意識な癖や姿勢に気づかせることで、クライアントさんのアハ体験に繋がります。
レッスン中やお話の中で『確かに!』『あぁー!そうだ!』などの反応が増えたら気づきのポイントが増えた証拠。
些細な変化もしっかりと見て、お伝えをしていくことでモチベーションが上がったり、自身の変化にも自ら気づきやすくなるでしょう。
ポイント④日常に結びつける
私達がクライアントさんと直接関われる時間はレッスンの時のみですが、そこだけで終わらせていると、【講師が居ないと何もわからない、出来ない自分】になってしまうのです。
簡単に言えば、講師の操り人形としてその時間を過ごし、とりあえずスッキリしたけど、何がいいかもよくわからない、そもそもピラティスとはなんなのか?という状態。
ピラティスは、自分で自分をコントロールし、最終的には心身を繋いでいくもの。
私達がいるから出来る、ではなく、日常の意識が少しでも良くなったり、歩行感覚や座り姿勢が変わったり、日常の中でほんの少しでも自分に意識を集中させ、自分でケアができる、足りない部分を補える、ここに到達してこそピラティスが伝わったと言えるのではないでしょうか。
その為には、その人の日常に合わせたちょっとしたホームケアやストレッチ、適したエクササイズのお伝え、癖に対する向き合い方など、その人の一片だけでなく、視野を広げて丸ごと見てあげるような時間が大切だと私は思います。
ポイント⑤常に学び続け、指導者である前に実践者であること
最後は、お客様との関わり以外での話。
ピラティスも解剖学も日々アップデートされており、資格を取得したからといってその場で留まっていると、よりよいレッスンの提供は難しくなります。
また、クライアントさん側も指導者をよく見ていますから、新しいアプローチや気づきのある会話など、話やエクササイズ提案の引き出しが増えていると信用、信頼にダイレクトに繋がっていきます。
忙しさのあまり実践者から離れる講師陣も多数いますが、クライアントさんの気持ちを理解する為にも、より良いキューイングで伝えていく為にも絶対に疎かにしてはいけない部分だと思います。
完璧な人など誰1人いませんから、未完成な自分をアップデートし続ける姿もぜひそのままクライアントさんに見せ続けて欲しいと思います。
まとめ 選ばれる講師に必要なもの
それは、手先のテクニックや知識だけでなく、『あなたから学びたい』と思われる人柄なのではないでしょうか。
生まれ持ったスター性や美貌などでは全くなく、その人の言葉や仕草、醸し出す雰囲気など、日々自分と誠実に向き合い、クライアントさんに真摯に寄り添い続けた人こそが、いつのまにか選ばれる。
私はそんなシンプルな世界だと思います。
だからこそ一期一会のレッスンをどれだけクライアントさんファーストで届けられるか、その積み重ねが何より大切ですよね。
最後になりますが、私は【誰かに選ばれたいから】この仕事をしているわけではありません。
【選ばれる講師】になることはあくまでも“結果”なだけ。
ただ目の前の人に真摯に向き合い続けたその積み重ねが表れるだけのものだと思います。
少し強く聞こえるかもしれませんが、指名数やお客様数などに一喜一憂する時間があるのなら、今の自分にできる最善にフォーカスするほうが、未来のお客様に繋がる近道になるのではないでしょうか。
ここまで長い時間を使って読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
ぜひ次のレッスンで何か一つでも実践してみてくださいね。











