接客が良いと、どのようなメリットがあるかご存じですか?
私が思う最大のメリットは“良い接客はリピーターを作る”ことだと思います。
接客が良い人に出会うと、また来たい、人に紹介したいという気持ちになりますよね。
ピラティスインストラクターに最も必要なのは高い技術よりも、接客だと思います。あまりリピーターがつかない、集客に苦戦している…そんな方は接客方法を見直してみるのも良いと思います。
この記事では、10年以上接客をしている私が思う接客に対しての考えをお伝えさせていただきます。きっと悩んでいる方の参考になると思いますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
前回の記事はこちら:ピラティス開業のヒント#5|自宅レッスンにかかった初期費用はいくらか?準備を公開!
目次
1. 私が考えるピラティスインストラクターの接客で必要な力5選
私は10年以上、理学療法士とピラティスインストラクターという立場で人と接しています。
理学療法もピラティスも、基本的には悩みのある方がレッスンを受けています。腰が痛い、思うように歩けない、痩せたい、良い姿勢になりたい…このような思いの方々に対して、どのように接客をしていくことが大切でしょうか。
私が考えるピラティスインストラクターの接客で必要な力についてまとめさせていただきます。
- 聞き出す力
- 観察力
- 人間力
- 距離感
- 提案力
1つずつみていきましょう。その力をどうやって身に着けていくかも合わせてお伝えしますね。
聞き出す力
ピラティスインストラクターは、クライアントの話から様々なことを予測し、評価、提案を繰り返します。
例えば、40代の女性がレッスンに来てくれたとします。
相手に話してもらい、日常生活のどのような点がその方の問題点になっているかを考えます。過去に足を捻挫した話、双子を産んだ話、離婚した話…どんな内容でもかまいません。
それらの会話が、姿勢改善の大きなヒントに繋がることはよくあることです。
聞き出す力=質問する力ではありません。
聞き出す力=相手の話をよく聞く力だと思います。よく聞くと、不思議と相手は良く話します。
観察力
ピラティスインストラクターは変化に気づけることが大切です。
レッスン前後の変化もそうですが、相手のちょっとした変化に気づき、気に掛けることも大切です。ピラティスは心と体をポジティブにするエクササイズですから、その人の内面までも観察できるとより良い関りができるでしょう。
例えば、明るそう。優しそう。怒ると恐そう。悩んでいそう。など…正解は考えず、自分の思うままを挙げていきます。正解は問わず、感じたままを挙げて大丈夫です。まずはここからです。相手を見て、観察することに慣れていきましょう。
人間力
人間力という言葉は聞きなれない方が多いでしょうか。
内閣府によれば、人間力とは「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と表現されています。
少し相違があるかも知れませんが、私の考えるピラティスインストラクターに必要な人間力は「前向きで明るく、楽しく生きている様子」だと思います。
暗い、ネガティブなオーラのインストラクターについていきたいと思いますか?この人といると楽しい、ポジティブな気持ちになれると思ってもらえるように感情のコントロールや、身だしなみに気を付けています。
普段から、物事を考える時に多様な見方を知ることも大切です。自分はこう考えるけど、他にはどんな考え方があるのかを根気強く調べていきましょう。
多様な見方をしることで、自分自身の知識アップにもつながり余裕をもって人と接することができるでしょう。
距離感
ピラティスインストラクターは距離感をとれることも大切です。
ここで指す距離間とは2つあります。
2つ目は、人と人の心の距離
まず物理的な距離感から。
たまに、人と話す時に距離が近いな…と思うことってありませんか?人にはパーソナルスペースがあります。これ以上入ってこられるとしんどいなと思う距離。レッスンの最中も相手のパーソナルスペースを大切にしましょう。
インストラクターだからといって体を無断で触っていいわけではありません。“体に触れる時は必ず声をかける”これも距離感の大切なポイントです。
2つ目の人と人の心の距離。
何回かレッスンを重ね仲良くなった場合でも、ある程度の距離感は保つことをおすすめします。
お金をもらう立場、払う立場が成り立っている以上、レッスン中は距離感を近づけすぎないことが大切です。仲良くなったからといって、自分のプライベートの話をたくさんするようなことは避けたいですね。
思わぬタイミングで相手を不快にさせる可能性があるからです。
提案力
ピラティスインストラクターに大切な提案力。
インストラクターはレッスン中、提案を繰り返しています。体を見て、自宅で行ってもらうエクササイズの提案をすることもありますよね。
日々の生活習慣について提案することもあります。
提案力=相手のニーズを言語化する力ともいえるでしょう。
ただ提案するだけでは足りません。相手が求めていることを推測し、提案していくことが重要です。
1つ目は、相手の話を整理すること。
誰かと話している時に、相手の話を起承転結でまとめてみましょう。難しく感じますが、慣れてくると話をしっかり聞きながら整理できるようになります。レッスン中に、相手のニーズを言語化するためにまずは相手の話を整理できるようになるといいでしょう。
2つ目は、人と話す時にわかりやすく話すことです。
自分の提案を相手に理解してもらうために、普段から分かりやすく相手に伝えることが大切です。分かりやすく言語化することが苦手な人は、話す前に自分の中で話す順序を整理するクセをつけましょう。ちょっと面倒ですが、繰り返すことで確実に提案力を高めることに繋がるでしょう。
2. 日々の生活で鍛えることができる?!接客力の身に着け方
上記でお伝えした内容は日常生活において、人との関りで身に着けることができる方法です。
ですが、普段あまり人と関わらないという人もいらっしゃいますよね。
そんな方は、近くのスーパーに出掛けてみてください。
レジ打ちの人を観察するだけでも十分です。レジが終わるまでに10個、定員さんを観察するという目標を立てレジにいきます。
他には、家族との会話でスキルを磨くこともできます。例え興味がなくても、家族の話に耳を傾け聞いてみましょう。いつも寡黙なおじいちゃんが普段より多く話せばミッションクリア。
こんな感じで気軽に自分自身の力を磨いていくと、きっと良い接客に繋がると思います。
3. 実際に私が体験した、接客が残念だったレッスン
私はピラティスインストラクターですが、スキル向上のために定期的にピラティスレッスンを受けに行っています。
大手スタジオから、小さなスタジオまで満遍なく通っています。先日行った大手スタジオのインストラクターが少し残念だったことをちょっと聞いて下さい。
- 清潔感がなかった(何度も髪の毛を結びなおしていた)
- 疲れている様子を感じてしまった
- インストラクターのプライベートな話がとても多かった
決して私は細かい人間ではありませんが、たった40分のレッスンでこれだけの不満を感じてしまいました。
その時改めて、ピラティスインストラクターの話を聞いてもらう必要はないと感じました。断トツでクライアントの言葉を「聞く力」が大切なのです。
大手スタジオだからインストラクターの接客が良いとは限りません。小さなスタジオでやっている接客の素晴らしいインストラクターを知っています。
自分が接客を受けてみるのも接客スキルアップにつながります。日々の努力に加え、多くのインストラクターと関わる機会をつくってみるのもいいでしょう。
4. 接客スキルをあげると自分に返ってくるメリットとは
接客スキルがあがった先に得られる恩恵は“リピーター獲得”です。
近所にできたアップルパイのお店に行ったとしましょう。味はとても美味しくても、店舗が不衛生、定員さんが不愛想だったら「また行きたい!」と心から思えるでしょうか。
大切な人に紹介したいお店になるでしょうか。
ピラティスレッスンでも同じことが起きかねません。どんなに高い技術を持っていても、何か1つクライアントに合わないことがあると他のスタジオにも行ってみようと思われてしまいます。
私は10年以上接客を続けていますが、現在進行形で接客を学び続けています。
接客スキルにゴールはないと思います。
理学療法士だから接客は問題ないと思っていましたが、そんなことは全くありませんでした。
実際に、接客のスキルを上げ始めたらリピーターが増えたことも事実です。今のスキルに留まらず、時代のニーズに合わせて自分の接客スキルを変化させていくことが大切ですね。
5. まとめ【接客スキルアップでリピーターが増える】
この記事では接客において大切なことをまとめさせていただきました。
- 聞き出す力
- 観察力
- 人間力
- 距離感
- 提案力
これら1つ1つを見直していくことで、接客スキルが上がることは間違えないと思います。
接客が良いとリピーターが増える、良い口コミが出回るなどの恩恵を受けます。
接客スキルを磨くということはクライアントのためにあるようですが、実は自分自身にかえってくるメリットが大きいのです。
この記事では、今すぐできる接客スキルの身に着け方も紹介していますので、是非参考にしてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次の記事はこちら
>>ピラティス開業のヒント#7|経験者は語る、クライアントとのトラブルはこう回避せよ!