今回は、大手金融機関のOLからフィットネス業界に転身し、現在はピラティスインストラクターとして活躍。
日々SNSでの発信で、20万人を超える多くのフォロワーから支持される正岡由衣さんに、転身するまでのストーリーと、新たな道を切り拓いたSNSでの発信のコツについてお話を伺いました。
正岡 由衣さんのプロフィール
株式会社Bealize代表取締役
大手金融機関に勤める中で、仕事のストレスによる体型変化に悩んでいたところ筋トレに出会う。
OLとして働きながらBBJ高松大会グランプリ、大阪大会準グランプリ等様々なコンテスト出場経験を持つ。
その後、ヘルスケアアプリ会社へ転職し、フィットネスコンテンツを企画。現在はピラティスインストラクターに転身し、『ゆるめる美容の習慣クリエイター』としてSNS発信やスタジオレッスン等幅広く活動中。
【保有資格】
BESJ Mat pilates instructor BESJ Reformer / Tower instructor
骨盤底筋エクササイズPfilAtes™ 認定インストラクター
横幕 真理のプロフィール
株式会社MAJOLI代表取締役
幼少期より太っている自分への強いコンプレックスから、無理なダイエットを繰り返す「万年ダイエッター」だったが、ピラティスとヨガに出会い、無理なく自然に理想のスタイルへ変化。カラダとココロを整えることで人生まで大きく変わり、「新しい自分」に出会う経験をする。
29歳で株式会社MAJOLIを設立し、これまでに累計4,000名以上の卒業生を輩出(2025年1月現在)
アメリカ・ラスベガスでピラティスを学び、独自のカリキュラムを加えた1日5分でどこでも実践できる「ちょこっとピラティス(通称ちょこピラ)」を開発。「自然に、しなやかに美しくなる」メソッドを忙しい現代人に提案し、多くの支持を集めている。
2025年2月3日発売!新刊「ちょこっとピラティス」
OLからフィットネス業界へ転身したきっかけ

真理
早速ですが、読者の皆様へ自己紹介をお願いできますでしょうか。

由衣さん
はい。現在はピラティスインストラクター兼フィットネスインフルエンサーとして活動しております、正岡由衣と申します。元々は金融機関でOLとして働いていましたが、その後フィットネス業界に転職し、資格を取得して現在に至ります。様々な職を経験しながら、インストラクターとしてのキャリアを積んできました。

真理
フィットネス業界に入られたきっかけについて教えていただけますか?

由衣さん
元々、体を動かすこと自体は非常に好きでしたが、誰かに教えることには全く興味がありませんでした。しかし、OLとして営業職に従事していた当時、接待の機会も多く、飲食を重ねるうちに、気づけば体重が増えていました。

真理
今の由衣さんからは想像もつきませんね…!

由衣さん
本当にとても太っていたんです。元々太ったり痩せたりを繰り返す体質ではありましたが、特にOL時代は、パフスリーブの服が着られなくなるほど二の腕が太くなってしまいました。これはまずいと感じ、ダイエット目的で近くのジムに入会したのがきっかけです。入会当初は純粋にジムが楽しいという感覚でしたが、そこからジム仲間ができ、トレーニングに夢中になりました。体が変わっていく喜びも相まって、さらにトレーニングにのめり込み、ついにはジム仲間とコンテストに出場するまでになりました。

真理
コンテストにまで!かなり本格的に取り組まれていたのですね。

由衣さん
はい、かなり鍛え込んでいました。当時は週7日でジムに通い、ひどい時には朝と仕事後の夜にも通うほど、トレーニングに熱中していました。体を鍛え始めてから、運動が素晴らしいストレス発散になると同時に、体型も変わっていきました。その変化に、職場の先輩たちも「最近変わったね」と気づいてくれるようになったのです。

由衣さん
そして、これまでお昼休みといえば好きなものを食べながら、仕事の悩みや不満を言い合う時間だったのが、徐々に変化していきました。私が食事に気を使い始めると、周りも真似てサラダチキンを食べるようになるなど、体づくりの楽しさが広がっていったのです。

真理
素晴らしい影響力ですね。

由衣さん
はい。皆がそれぞれジムに通い始め、「トレーニングが気持ちいい」といったポジティブな会話が増えました。その結果、愚痴の時間はなくなり、ジムやトレーニングに関する話題で盛り上がるようになったんです。

真理
フィットネスには、それほど大きな力があるのですね。

由衣さん
その変化に私自身が感動し、仕事とジム通いで生活にメリハリが生まれ、ストレスも軽減され、体も引き締まっていくという経験から、「フィットネスは心身共に良い影響を与える素晴らしいものだ」と強く感じるようになりました。そして、「この素晴らしさを広めなければいけない」という一種の使命感に駆られ、転職を決意しました。

真理
なるほど。最初は筋トレがメインだったのですか?

由衣さん
そうです。お尻や足などを鍛える筋トレがメインで、その他にはボクシングエクササイズのようなスタジオプログラムにもハマっていました。

真理
かなりハードなトレーニングをされていたのですね。当時はまだピラティスは?

由衣さん
はい、その頃はピラティスは全くやっていませんでした。10年ほど前でしたので、今ほどピラティスを受けられる場所も多くなく、私自身もその存在を知りませんでした。
未経験からの挑戦。SNSが拓いた新たな道

真理
では、転職後はジムのトレーナーとして働き始めたのでしょうか?

由衣さん
いえ、実は最初はトレーナーではなく、ジムの事務職として働き始めました。話が少し前後してしまいますが、当時はまだ大阪に住んでいました。コンテスト出場などで東京へ行く機会が増えるうちに、都会的な環境に憧れを抱き、「東京で働きたい」と思うようになったのです。そんな折、通っていたジムのトレーナーさんから、そのジムが東京に新店舗を出すという話を聞きました。「スタッフとして一緒に来ないか」と誘われ、これを絶好の機会だと捉えました。そして、思い切って金融機関を退職し、ジムの事務スタッフとして東京へ移ることを決めたのです。

真理
すごい行動力ですね。人生の転機をご自身の力でつかみ取っていったのですね。

由衣さん
ありがとうございます。当時は「何かを変えなければ、このまま楽しくもない仕事で一生を終えてしまうかもしれない」という思いが強くありました。また、ちょうど29歳という年齢で、「30歳になる前に挑戦したい」という気持ちもあり、それが大きな後押しになりました。

真理
私も29歳で起業したので、とてもよくわかります!年齢がひとつのきっかけになることはありますよね。そこから、どのようにしてピラティスと出会われたのですか?

由衣さん
ジムの事務職として働き始めたものの、内勤だけの仕事は性に合わず、すぐに飽きてしまいました。「フィットネスを広めたい」という当初の目的とのギャップも感じていました。そんな時、ジムのSNS運用を担当することになり、外部から招いた講師の指導のもと、SNS発信に力を入れるようになりました。個人の発信力も重要だという方針から、私自身もSNSでの発信を始めたんです。

由衣さん
すると、私のトレーニングウェアの投稿を見たフィットネスアプリの会社「株式会社FiNC Technologies(通称:FiNC)」からSNSを通じて撮影の依頼がありました。それがきっかけで「FiNC」の方と繋がり、「うちで働かないか」と誘われたんです。

真理
またしても、ご自身でチャンスを引き寄せたのですね。

由衣さん
当時の「FiNC」は「ユニコーン企業」とも呼ばれ、成長著しい会社だったので、その場で「入りたいです」と返事をしてしまいました。(その後、採用面接は3回あり内定までの道のりは長かったんですけどね・・・笑)。ただ、そこではトレーナーとしての役割も求められました。資格を持っていなかったため、働きながらパーソナルトレーナーとしての指導を受け、ライブ配信の演者やアンバサダーの管理業務など、様々な仕事を兼任していました。しかし、資格がないまま情報を発信することに心苦しさを感じるようになり、本格的に資格を取得しようと決意しました。そのタイミングで、ピラティスや解剖学などを学び始めました。

真理
そこでピラティスと深く関わるようになったのですね。

由衣さん
はい。そして、いざ資格も取ってトレーナーとして本格的に活動できると思った矢先、コロナ禍に突入し、デビューするはずだったジムの出店が中止になってしまいました。先が見えなくなり、再びSNSでの発信に力を入れていたところ、今度は「宅トレブーム」の波に乗り、フォロワーが急増したんです。そのおかげでSNS関連の仕事をいただけるようにもなりましたが、収入の不安定さを感じていました。そんな時に、鏡型のフィットネスデバイス「ミラーフィット」を展開する会社の代表である、黄皓さんと出会いました。その事業に面白さを感じ、正社員として入社することになりました。
下半身太りの悩みとピラティスの本質

由衣さん
しかし、私にはずっと解決できない悩みがありました。トレーニングを始めた当初から、上半身は痩せるのに、下半身だけは筋肉質で太いまま、変わらなかったのです。

真理
その悩みが、さらにピラティスを深めるきっかけになったのでしょうか。

由衣さん
その通りです。ミラーフィットの仕事で多くのピラティスインストラクターの方と接する中で、皆さんの骨格がとても綺麗なことに気づきました。そして、体の使い方が間違っていると、どれだけアウターマッスルを鍛えても理想の体にはなれないこと、インナーマッスルを使い、骨格から整えることの重要性を学びました。そこから本格的にピラティスの資格を取得し、自分の体と向き合いました。その結果、少しずつ体が人間らしいラインに変わっていったのです。

真理
ご自身の体で効果を実感されたのですね。

由衣さん
はい。そして35歳という次の節目を迎え、会社で働き続ける道もありましたが、自分で新しく何かを始めたいという思いが強くなり、独立してピラティスインストラクターとして活動していくことを決めました。

真理
数々の経験を経て、インストラクターの道を選ばれたのですね。実際にインストラクターとして活動されてみて、いかがでしたか?

由衣さん
会社員をしながら副業でレッスンをしていた頃は、「このやり方で合っているのだろうか」と常に不安を感じていました。しかし、レッスンを受けてくださる方が「すっきりした」「ありがとう」と言ってくださることに、とてもやりがいを感じていました。なので、たとえすぐに望み通りの体に変わらなくても、まずは体を動かす習慣をつけ、自分自身の体と向き合う時間を持つことが大切だと考えています。そうすることで心が整い、結果的にインストラクターという仕事が素晴らしいものだと感じられるようになりました。

真理
現在は、ご自身のスタジオを持つことも視野に入れて活動されているそうですね。

由衣さん
はい。運動は、自分と向き合い、自分を思いやる大切な時間です。先ほどお話したように、周りの人々にも良い影響を与えることができます。しかし、一人でその時間を作るのは難しい方も多いと思います。なので、まずは地域のコミュニティ拠点で、気軽に体をほぐせるような癒やしの場を作りたいと考えています。私が住んでいる地域が子育て世代の方が多いこともあるのですが、今はハードなトレーニングよりも、まず心身を「整える」こと、自分と向き合い、内側を見つめることの重要性を感じています。

真理
ピラティスはハードな面もありますが、まさに「整える」のに最適なエクササイズですよね。

由衣さん
そうですね。ピラティスはただ体を伸ばすだけでなく、トレーニング要素も多いので、心身のバランスを整えるのに非常に適していると思います。その魅力を伝えていきたいです。
美しさを保つ秘訣は「日々の積み重ね」

真理
少し話題を変えまして、由衣さんのその美しさを保つ秘訣についてお聞きしたいです。美容のために心がけていることはありますか?

由衣さん
特別なことはしていませんが、いくつか習慣にしていることがあります。まず、朝一番にお白湯を飲むこと、そして1日に1.5リットルの水を飲むことです。また、最近は歩数を意識しており、1日9,000歩を目標にしています。足りない時は、犬の散歩で少し遠くまで歩くようにしています。

真理
日々の積み重ねが大切なのですね。

由衣さん
そうですね。その他には、サプリメントでビタミンCを3,000mg摂取しています。元々地黒なので、これ以上日焼けしないように気をつけています。この時期は特に紫外線が強いので、手袋をするなど日焼け対策は欠かせません。そして、これは絶対に欠かさないのですが、毎日マッサージボールを使って背骨周りをほぐしています。これも習慣になっているので、やらないと気持ち悪く感じるほどです。

真理
やはり、そういった日々の小さな習慣の継続が、美しさを保つ鍵なのですね。ピラティスの創始者も「若さの秘訣は背骨の柔軟性にある」と言っていましたが、まさにそれを実践されているのですね。

由衣さん
背骨は体の中心ですし、丸まっていると気持ちも沈みがちになります。ほぐして胸を開くだけでも、気分が明るくなりますからね。

真理
本当にそう思います。
SNS発信で大切にしていることとは?

真理
次に、SNSでの発信について、宅トレブームでフォロワーが急増したとのことですが、ご自身では、なぜ多くの方に見てもらえているのだと思われますか?また、発信する上で大切にされていることはありますか?

由衣さん
まず、やってみなければどのような反応があるか分からないので、とにかく自分が伝えたいことを発信してみる、ということを大切にしています。発信を続けることも一種の習慣だと捉えています。もし反応が良くなかったり、面白くないと感じたりしたら、その都度やり方を変えていけばいいと考えています。何より、自分自身が楽しんでいないと続けることは難しいので、あまり他者と比較しすぎないようにしています。「見られていない」と感じることもありますが、一旦それは置いておいて、「自分はこれを伝えたい」という思いに集中します。

真理
ご自身の軸をしっかりと持つのですね。

由衣さん
はい。私の場合は「1分でもいいから体を動かしてほしい」という思いが根底にあるので、誰でもできる簡単なエクササイズを発信しています。もしかしたら、宅トレブームというタイミングが良かっただけで、特別なことは何もしていないかもしれません。
SNSでの発信を始めることに不安を感じる方も多いと思いますが、まずは周りを気にせず、自分の好きなこと、伝えたいことを発信し続けるという習慣から始めてみると、少しずつ反応が見えてくるのではないかと思います。

真理
情報が溢れている今だからこそ、比較せずに自分の伝えたいことに集中するというお話は、多くの方の心を軽くすると思います。

由衣さん
もし、どうしても伸び悩んでやりたくなくなってしまった時は、自分と近しいジャンルで成功している人の動画などを参考にしてみるのも一つの手だと思います。もちろん、そのまま真似するのではなく、どのような点が好まれているのかを分析し、自分なりにアレンジして取り入れることで、自分自身のスタイルの確立に繋がることもあると考えています。
心と体に「余白」を作ってあげて

真理
なるほど、とても参考になります。それでは最後に、心も体も綺麗になりたいと願っている読者の皆様へ、メッセージをお願いいたします。

由衣さん
心と体は、やはり繋がっています。どちらかが不調だと、もう一方も良い状態ではいられません。まずは、ご自身の疲れや体の固まりに目を向け、好きなことをしたり、ゆるくストレッチをしたりして、心と体に「余白」を作ってあげてほしいと思います。
滞っていたものが流れると、新しい良いものを取り込めるようになります。無理をしすぎず、自分としっかり対話しながら、時には自分を甘やかして、内側から徐々に整えていってほしいです。そうすることで、自然と綺麗になれるのではないかと思います。
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