デスクワーク中心で運動不足が続き、「そんなに食べていないつもりなのに、すぐ体重が増える」と感じていませんか?
実はその悩み、血糖値の急上昇(血糖値スパイク)が関係しているかもしれません。
本記事では、
太りやすさと血糖値スパイクの関係
食べても太りにくくなる低GI(ジーアイ)食品の選び方
今日からできる「血糖値を安定させる3つの食べ方テクニック」
をできるだけ専門用語を使わずに解説します。
読み終えるころには、無理な糖質制限をしなくても、太りにくい食べ方に少しずつシフトしていけるはずです。
※糖尿病など血糖値に関わる病気で通院中の方は、自己判断で大きく食事を変える前に、必ず主治医や専門家に相談してください。
目次
血糖値スパイクと太りやすさの関係を知ろう
血糖値スパイクは、太りやすさと深くつながっている重要なポイントです。
血糖値が急に上がってすぐに下がる状態が続くと、強い空腹感が出て食べすぎにつながります。
さらに、脂肪がつきやすい体の状態をつくり、ダイエットの効率も下げてしまいます。
まずは「なぜ血糖値が乱れると太りやすくなるのか」をシンプルに押さえておきましょう。
血糖値スパイクとは?太りやすくなるメカニズム
血糖値スパイクとは、食事のあとに血糖値が急に上がり、そのあと急に下がる状態です。
特に、
白米
食パン
菓子パン
砂糖の多いお菓子・ジュース
など、吸収の速い糖質を一気にとったときに起こりやすくなります。
体の中では、血糖値がジェットコースターのように上下をくり返しているイメージです。
この上下の差が大きいほど、
すぐにお腹が空く
「もっと食べたい」という欲求が強くなる
といったことが起こり、結果的に食べる量が増えやすくなります。
参考ページはこちらです。
>>血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を!
なぜ血糖値が急に上がると脂肪になるのか?インスリンの働き
血糖値が急に上がると、体はそれを下げるためにインスリンというホルモンをたくさん出します。
インスリンは、
血液中の糖を細胞に運んでエネルギーとして使わせる
余った糖を脂肪としてため込む
という2つの働きを持っています。
血糖値がゆるやかなら問題ないですが、急上昇するとインスリンが多く必要になり余った分が脂肪として蓄えられます。
特に、
甘い飲み物を一気に飲む
砂糖の多いお菓子を空腹時に食べる
といった習慣があると、体脂肪が増えやすい環境を自分で作ってしまいます。
参考ページはこちらです。
>>The blood sugar level regulation mechanism(英語サイト)
こんなサインは要注意!血糖値の乱れによる不調
血糖値の上下が激しいと、体や心にもさまざまなサインが出ます。
例えば、
食後2〜3時間で、急に強い空腹感が出る
イライラしやすくなる
無性に甘い物が食べたくなる
昼食後に強い眠気やだるさを感じる
集中力が続かない
こうした状態がよく起こる場合、血糖値スパイクが影響している可能性があります。
この悪循環を断ち切るには、血糖値の上がり方をゆるやかにする食べ方が大切です。
低GI食品を味方にする:太りにくい「糖質」との付き合い方
「糖質=悪」ではありません。 ポイントは、どんな糖質を、どんな形でとるかです。そこで役立つのが、GI(ジーアイ)値と呼ばれる指標です。
GI値とは?血糖値の上がりやすさを示す数字
GI値(グリセミック・インデックス)とは、「その食品を食べたときに、どれくらい血糖値が上がりやすいか」を数字で表したものです。
GI値が高い:血糖値が急に上がりやすい
GI値が低い:血糖値がゆるやかに上がる
というイメージです。
例として、
白米・食パン → 高GI食品
玄米・雑穀米・全粒粉パン → 低GI食品
となります。
GI値をざっくりとでも知っておくと、
「どっちを選べば太りにくいか」
「同じ炭水化物でも、よりマシな選択はどれか」
が判断しやすくなる。無理なく続けられるダイエットにつながるでしょう。
低GIと高GIの違い:体に起こる変化
低GI食品の特徴は、
血糖値の上がり方がゆっくり
インスリンの急な分泌を抑えやすい
満腹感が続きやすく、間食が減りやすい
などです。
一方、高GI食品は、
吸収が早く血糖値が急に上がる
そのあと急に下がると強い空腹感や眠気を感じやすい
食べてもすぐお腹が空いてしまう
という傾向があります。
ダイエット中だからといって糖質をゼロにする必要はありません。
「できるだけ低GI寄りを選ぶ」という意識を持つだけでも、体の感じ方は変わってきます。
同じ炭水化物でも太りやすさが違う理由
炭水化物はすべて同じではありません。太りやすさを分けるポイントは、主に次の2つです。
加工の度合い
食物繊維の量
例えば、
白米・うどん → 精白されていて食物繊維が少ない → 吸収が早く高GIになりやすい
玄米・雑穀米・オートミール → 加工が少なく食物繊維が多い → 吸収がゆっくりで低GI
となります。
この違いを知っておくと、
「平日は白米+雑穀米」
「休日は玄米」
「朝はオートミールにする」
といったように、自分の生活に合わせた主食の選び方がしやすくなります。
より詳しい内容はこちらの記事を参照してください。
>>ストレッチトレーナー直伝の安くて腹持ち抜群な置き換えダイエット食事術
主食を低GIに「少しずつ」置き換えるコツ
主食を低GI食品に置き換えると、血糖値の上がり方がゆるやかになり、太りにくい食事に近づきます。
いきなりすべて変えなくても大丈夫です。「いつもの主食を、少しだけ低GI寄りにする」という感覚で始めていきましょう。
低GI主食を選ぶときの基本ルール
低GIの主食を選ぶときは、次の2つを意識すると迷いにくくなります。
食物繊維が多いもの
なるべく加工が少ないもの
具体的には、
白米 → 玄米・雑穀米
食パン → 全粒粉パン・ライ麦パン
うどん → そば
通常のパスタ → 全粒粉パスタ
といった置き換えが代表的です。
最初からすべてを変える必要はありません。
たとえば、
平日の夕食だけ白米を「白米:雑穀米=半々」にする
週末の朝だけ全粒粉パンにする
といった小さな変化から始めると、続けやすくなります。
具体的な始め方の例
一気に変えようとすると挫折しやすいので、「これならできそう」と感じるものから試してみましょう。
例:今日からできる主食の一歩
STEP1:今ある白米に雑穀米を混ぜて炊いてみる
STEP2:朝食の食パンを、週2回だけ全粒粉パンにしてみる
STEP3:ランチで麺類を選ぶとき、うどんではなくそばを選んでみる
こんな小さな変化でも、積み重ねるほど体は変わっていきます。
具体的なイメージがわかないときは、レシピサイトを活用すると便利です。
たとえば、
クックパッドで「オートミール主食」「玄米アレンジ」などを検索すると置き換えレシピが見つかります。Cookpad+1
楽天レシピでは「低GI値」「低カロリー主食」などのキーワードやカテゴリから、ダイエット向きの主食メニューを探せます。楽天レシピ+1
白米+雑穀米かオートミールご飯のレシピを一つ選び、1週間だけ繰り返すのもおすすめです。
今日から始められる!血糖値を安定させる3つの食べ方テクニック
食べる内容だけでなく、食べ方や順番を少し工夫するだけでも、血糖値の上下はやわらぎます。
ここでは、忙しい人でも取り入れやすい3つのテクニックをご紹介します。
① まずは野菜から食べる「ベジファースト」
ベジファーストとは、その名の通り「野菜から先に食べる」食べ方です。
野菜に多く含まれる食物繊維には、糖の吸収をゆっくりにする働きがあります。
そのため、食事の最初に野菜を食べると、食後の血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。
取り入れ方の例:
食事の最初に小鉢のサラダを食べる
具だくさんの野菜スープや味噌汁を先に飲む
コンビニなら「サラダ+おにぎり」の順で食べる
「主食の前に、ひと口でもいいから野菜を食べる」を合言葉にすると、続けやすくなります。
② 食事前に水分補給+軽いストレッチ
食事の前にコップ1杯の水を飲むと、胃がほどよく満たされ、食べすぎを防ぎやすくなります。
さらに、
肩回し
首をゆっくり回す
深呼吸を数回行う
といった軽いストレッチや呼吸法をプラスすると、体の緊張がほぐれて早食いを防ぐ助けになります。
落ち着いた状態で食べ始めると、
噛む回数が自然と増える
血糖値の上昇もゆるやかになる
といった嬉しい効果も期待できます。
③ 一口30回を目安によく噛む
「一口30回噛む」という習慣は、とてもシンプルですが、血糖値の上昇をゆるやかにするのに役立つ行動です。
よく噛むと、
食べ物が細かくなり消化しやすくなる
満腹中枢が働きやすくなり、自然と食べる量が減る
早食いを防ぎ血糖値の急上昇を抑えやすくなる
といったメリットがあります。
いきなり全部30回を数えるのが大変な場合は、
最初の3口だけ、意識して多めに噛む
ご飯やパンなど主食だけでも噛む回数を増やしてみる
といったようにできる範囲から始めてみましょう。
血糖値コントロールで得られる5つの健康メリット
血糖値を安定させる食べ方を続けると、ダイエットだけでなく、日常生活の質そのものが上がりやすくなります。
主なメリットは次の5つです。
① 疲れにくくなる
血糖値が安定すると、体のエネルギーが一定に保たれやすくなり、
急なだるさ
食後の強い眠気
が起こりにくくなります。
特に、昼食後に眠くて仕事がはかどらない人は、血糖値スパイクの影響を受けている可能性があります。
低GI食品を取り入れ、食べ方を整えると、一日を通して疲れの感じ方が変わってくるはずです。
② 集中力が続きやすくなる
血糖値が急に上がってから急に下がると、脳に届くエネルギーが不足し、集中力が途切れやすくなります。
逆に、血糖値が安定していると、
頭がぼーっとしにくい
作業に集中しやすい状態が続く
といった良い状態が保ちやすくなる。
デスクワークが多い方ほど、血糖値コントロールは「仕事のパフォーマンスアップ」に直結します。
③ 間食が減りやすくなる
血糖値が急に下がると、「今すぐ何か食べたい」という強い空腹感が出て、甘いものに手が伸びやすくなります。
一方、低GI食品やベジファーストなどで血糖値を安定させると、
食後の急激な空腹感が減る
間食の量が自然と減る
という変化が起こりやすくなる。
その結果、総カロリーが減り、ダイエットの効果も出やすくなります。
④ 食欲が乱れにくくなり、気持ちが落ち着く
血糖値スパイクが続くと、脳が「もっと食べて」という信号を出しやすくなり、暴食につながります。
吸収のゆっくりな食事を選び、よく噛んで食べる習慣がつくと、
食欲の波が小さくなる
必要以上に食べたい気持ちが起きにくくなる
といった効果が期待できる。
精神的なストレスも軽くなり、「ダイエット=つらい」というイメージから抜け出しやすくなります。
⑤ 便通が整いやすくなる
血糖値コントロールを意識すると、自然と、
野菜
海藻
きのこ類
玄米や雑穀など食物繊維の多い主食
をとる機会が増えます。
その結果、
便の量が増える
腸が動きやすくなる
便秘が改善しやすくなる
といった変化が期待できます。
腸内環境が整うと、代謝アップや肌の調子の改善にもつながり、体の内側から整っていく感覚を得やすくなります。
血糖値コントロールを続けるためのコツ
血糖値を安定させる食べ方は、続けるほど効果が出やすい習慣です。とはいえ、ストイックにやりすぎるとストレスになり、長続きしません。
ここでは、「無理なく続けるためのコツ」を3つご紹介します。
① 極端な糖質制限はしない
「血糖値を上げたくないから糖質は一切とらない!」という極端な方法はおすすめできません。
糖質は、体と脳の大切なエネルギー源です。
減らしすぎると、
疲れやすくなる
イライラしやすくなる
集中力が落ちる
といった不調につながります。
大切なのは、量を極端に減らすのではなく、質を少しずつ良くすることです。
白米を玄米や雑穀米に
通常のパンを全粒粉パンに
といった「低GIの糖質を適量とる」ほうが、体にも心にもやさしく続けやすい方法です。
② 「週に数回だけ」などハードルを下げて始める
完璧を目指すと、できなかった日がストレスになってしまいます。
最初は、次のようにハードルをぐっと下げてみましょう。
週に2〜3回だけ夕食でベジファーストをする
平日のうち1日だけランチの主食を玄米にする
「今日は早く食べそうだな」と思ったときだけ一口30回を意識してみる
「毎日必ずやる」ではなく、「できる日だけやる」くらいの気持ちのほうが結果的に長続きします。
③ 習慣化のきっかけを作る
習慣化には、「決まったきっかけ」があると続けやすくなります。
例えば、
ご飯を一口食べる前に必ずサラダをひと口食べる
食卓についたらまず深呼吸を3回する
買い物リストに「野菜」「低GI主食」を必ず1つ入れる
など、行動の前に小さな「合図」を決めるイメージです。
こうした小さな工夫を積み重ねると、血糖値コントロールが「特別」ではなく、当たり前の習慣になっていきます。
まとめ:血糖値スパイクを防ぐ3つの行動を今日から始めよう
最後に、この記事の要点をまとめます。
血糖値スパイクを防ぎ、太りにくい体に近づくために意識したいのは、次の3つです。
① 野菜から食べる(ベジファースト)
食事の最初にサラダや野菜スープをとり、血糖値の急上昇を防ぐ
② 主食を低GIに少しずつ置き換える
白米→玄米・雑穀米、食パン→全粒粉パン、うどん→そば など
週に数回1日1食からでOK
③ 一口30回を目安によく噛む
ゆっくり食べることで満腹感が高まり、食べすぎを防ぎやすくなる
どれも今日から無理なく始められる内容です。
「全部やる」のではなく、まずはできそうなものを1つだけ選んで、1週間続けてみてください。
小さな一歩の積み重ねが、「食べても太りにくい、ラクな体」と「心の余裕」につながっていきます。











