お腹がぽっこりと出て悩んでいる40代・50代女性は多いのではないでしょうか。
今のままではまずいとは分かっているものの、毎日仕事や家事で時間を割いていると疲れて何もできなくなることもあるでしょう。
短時間でも毎日簡単にできる運動や食事法があれば知りたい女性に向けて、今回は40代・50代女性でも簡単にできるお腹周りの脂肪を落とす方法を解説します。
土崎 翔
日本健康ダイエット協会(JDHA)
プロフェッショナルアドバイザー
過去数十回のダイエットやファスティングを経験。
ダイエットの正しい知識や、ダイエットをするにあたっての成功マインド(考え方)を発信中。
目次
40代・50代女性がお腹周りに脂肪がつきやすい4つの原因
40代・50代女性がお腹周りに脂肪がつきやすい原因は、下記の4つです。
・便秘
・骨盤の歪み
・冷え・むくみ
一つずつ、詳しく解説します。
女性ホルモンの低下
40代〜50代になると、いわゆる「更年期」の不調症状が現れやすくなります。更年期の不調症状の多くは、女性ホルモン「エストロゲン」が減ることによるホルモンバランスの乱れが原因だといわれています。
エストロゲンは代謝を促進し内臓脂肪を蓄えにくくする働きがありますが、更年期になりエストロゲンの分泌が減ってくると内臓脂肪の蓄積しやすくなります。また、更年期につきやすい内臓脂肪は、おへそを中心としたお腹周りにつきやすいことも脂肪がつきやすい原因の一つです。
便秘
更年期を迎えると、エストロゲンの低下と自律神経の乱れが原因で便秘になりやすくなるといわれています。エストロゲンの低下により脳が卵巣に対してエストロゲンをさらに出すよう命令しますが、この命令によって脳が刺激されて自律神経が乱れやすくなってしまいます。
また、皮膚や粘膜のうるおいやハリを保つ働きがあるエストロゲンが減ると腸内のうるおいも少なくなるため、水分が過剰に吸収されて便が固くなる悪循環が原因です。便秘の状態だと、下腹がぽっこりと張り出してしまうことがあります。
骨盤の歪み
デスクワークの仕事をしていて長時間座っていたり、電車で移動中にスマートフォンの操作で前傾姿勢が続くと、姿勢が悪くなっていきます。正しい姿勢ができなくなると骨盤が歪んでしまい、内臓が正しい位置を保てなくなりがちです。骨盤が歪むことで内臓が下腹へと下がっていくと、どうしてもお腹周りがぽっこりとなってしまいます。
冷え・むくみ
更年期におけるエストロゲンの減少によって自律神経の乱れやすくなると、血行が悪くなり身体がむくみやすくなります。むくみは冷えを招き、冷えから内臓を守るために脂肪をため込もうとする結果、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。
40代・50代女性がお腹周りの脂肪を落とす対策・方法【食事編4つ】
お腹周りの脂肪を落とすことは1日にしてなし得るものではありませんが、継続しておこなうことで改善できる可能性が高くなります。以下では、40代・50代女性がお腹周りの脂肪を落とす対策・方法を、食事の面からできることを解説します。
腹八分目でおさえる
食事は腹八分目で抑えるように意識しましょう。満腹になるまで食べない分だけ摂取カロリーを抑えられます。また、年齢を重ねるにつれて代謝が落ちているため、若いころと同じ量を食べると太りやすくなってしまいます。
そうはいっても、腹八分目じゃ満足できないし我慢できない人もいるでしょう。腹八分目では物足りない人は、下記のような対策を練ることをおすすめします。
・食べられる量だけお皿によそう
・ゆっくり食べる
・よく噛んで食べる
・ながら食べをしない
栄養バランスを考える
栄養バランスを考えた食事をすることは、お腹周りの脂肪を落とすことだけではなく健康を維持するためにも必要なことです。
ただ、一言に「栄養バランスを考える」といっても、どのような食事をすれば栄養バランスがよいかわからない人もいるでしょう。そこで参考となるのが、農林水産省が定める「食事バランスガイド」です。
画像引用:https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/kakudaizu.html
「食事バランスガイド」とは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考になるもので、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したものです。栄養バランスがよい食事をするための参考にしてください。
低脂質・高たんぱく質の食事を意識する
脂質は1gあたり9kcalとエネルギー源にはなるものの、内臓脂肪を蓄える原因になりやすいため摂りすぎには注意しましょう。一方で、たんぱく質は筋肉をつくる材料になります。40代・50代にもなると筋肉量が減っていき代謝が落ちやすくなるため、たんぱく質を積極的に摂っていく必要があります。
40代・50代女性の1日のたんぱく質摂取推奨量は50gです。そして、低脂質・高たんぱく質のおもな食品は、下記のとおりです。
・赤身肉・ヒレ肉
・羊肉
・卵
・乳製品
・豆類
・魚介類
食物繊維を積極的に摂る
食物繊維は、意識しないと不足しがちな栄養素です。食物繊維は糖や脂質の吸収を抑える働きがあるといわれています。普段の食事において食物繊維がしっかりと摂れているのであればあえて指摘する必要がありませんが、日本人のほとんどが不足しています。
40代・50代女性の1日の食物繊維摂取目標量は、18g以上です。そして、食物繊維が多く含まれているおもな食品は下記のとおりです。
・果物類:干し柿、レモン、キウイなど
・海藻類:ひじき、わかめなど
・きのこ類:きくらげ、しいたけ、たけのこなど
・豆類:いんげん豆、えんどう豆、納豆など
・穀物類:そば、パン、大麦など
40代・50代女性がお腹周りの脂肪を落とす対策・方法【運動編2つ】
お腹周りの脂肪を落とすためには、食事だけでなく運動をして身体を引き締めることも大事です。以下では、40代・50代女性がお腹周りの脂肪を落とす対策・方法を、食事の面からできることを解説します。
有酸素運動
お腹周りの脂肪を落とすためには、体脂肪を減らす効果が期待できる有酸素運動をおこないましょう。おすすめの有酸素運動は、下記の3つです。
・ウォーキング
・ランニング
一つずつ、詳しく解説します。
ラジオ体操
ラジオ体操は、運動が苦手な人でも簡単にできる有酸素運動としておすすめです。普段から身体を動かす習慣がある人ならば、ダイエットのために運動することがそこまで苦にならないでしょう。
しかし、出不精な人や運動が苦手な人にとっては「運動したほうがよい」といわれても、なかなか重たい腰が上がらないのではないでしょうか。また、Youtubeには多くのエクササイズ動画が上がっていますが、40代・50代ともなると難しい動きが多すぎて離脱してしまう人もいるでしょう。
その点、ラジオ体操であれば動きはシンプルかつ無駄がありません。子どものころ夏休みの朝に起きて公園に集まってラジオ体操をした人も多いのではないでしょうか。「新しい地図」の草なぎ剛さんもYoutubeで推奨しています。
運動が苦手な人や体力に不安がある人は、まずはラジオ体操から始めて見るのはいかがでしょうか。
ウォーキング
ウォーキングは基本的な有酸素運動の一つです。「有酸素運動といったらウォーキング」とイメージしている人も多いのではないでしょうか。
ただし、インターネットで検索すると「ウォーキングでは痩せない」と書かれている記事もあります。たしかにウォーキングだけで痩せるのは難しいですが、普段から運動する習慣がない人にとって、ウォーキングは身体を動かすはじめの一歩になりやすいでしょう。
運動による消費カロリーを計算するには、「METs(メッツ)」を使用します。METsとは、身体活動の強度指数です。人が静かに座っている状態を1METとして、ほかの活動を相対的な値で示したものです。運動による消費カロリーは、「METs×時間×体重(kg)×1.05」の式で求められます。具体例を下の表でまとめたので、参考にしてください。数値は、1時間ウォーキングをした場合のものです。
ウォーキングのMETs | 50kg(kcal) | 60kg(kcal) | 70kg(kcal) | 80kg(kcal) |
2METs (家の中の歩行) |
105 | 126 | 147 | 168 |
3.5METs (散歩) |
183 | 220 | 257 | 294 |
4METs (通勤・通学) |
210 | 252 | 294 | 336 |
5METs (6.4km/時、平らで固い地面、とても速い) |
263 | 315 | 368 | 420 |
6.3METs (山を登る/荷物なし) |
331 | 397 | 463 | 529 |
ランニング
ウォーキングに慣れてきたり、強度を高くしたい人にはランニングがおすすめです。ウォーキングと比較すれば、ランニングの方が短期間でのカロリー消費を期待できます。ただし、ランニングでは着地時に体重の約3倍の重量が関節にかかるともいわれています。ランニングをする前には準備運動、終わった後にはストレッチなど無理のないようにおこなう必要があります。
ランニングの消費カロリーを計算する場合も、METsを使用することをおすすめします。強度にもよりますが、ランニング全般は7.0METsです。この場合の体重別消費カロリーは、下記のとおりです。
・60kg:441kcal
・70kg:515kcal
・80kg:588kcal
筋トレ
有酸素運動と並行しておこなったほうがよいのが、筋トレです。特にお腹周りに効かせる筋トレができる人は、積極的におこないましょう。おすすめの筋トレは、下記の4つです。紹介する筋トレは、ジムに行かなくても器具を用意しなくても自宅でできるものです。
・プランク
・クランチ
・レッグレイズ
一つずつ、詳しく解説します。
スクワット
スクワットは、おもに下半身を鍛えるための筋トレです。下半身には全身の筋肉の6〜7割が集まっているため、スクワットをやることで全身の筋力を増やし基礎代謝を高めて痩せやすい身体を作れます。
プランク
プランクとは、うつ伏せにした身体を前腕や肘、つま先などで支えキープする体幹トレーニングです。腹筋全体とインナーマッスルをバランスよく鍛えられるため、お腹周りの引き締めが期待できます。
腹筋は鍛えられるものの、動き自体は少ないため消費カロリーが少なくダイエット効果が期待できるものではありません。また、間違ったフォームでおこなうと腰を痛めてしまう原因になるため注意が必要です。
クランチ
クランチとは、膝を90度に曲げた状態のまま肩甲骨辺りから上体を丸めるトレーニングです。「シックスパック」ともいわれる腹直筋を効果的に鍛えられるトレーニングで、継続しておこなうことでお腹を引き締める効果が期待できます。腹筋に特化して鍛えられることに加えて余計な動きが少なく怪我のリスクも少ないため、筋トレ初心者におすすめのトレーニングです。
ただし、間違ったフォームでおこなうと腰を痛めてしまう原因になるため注意が必要なのはプランクと同様です。
レッグレイズ
レッグレイズは、上体を固定して脚を上げ下げするトレーニングです。クランチが腹筋のなかでも上部に効かせるものに対し、レッグレイズは腹筋の下部に効かせるトレーニングなのが特徴です。うまく組み合わせておこなうと効果的でしょう。
レッグレイズで重要なことは、脚を垂直まで上げ過ぎないことです。脚を垂直まで上げてしまうと股関節や太ももへの刺激となり、本来効かせたい箇所へ刺激を与えられないトレーニングとなってしまう可能性があります。
まとめ
今回は、40代・50代女性でも簡単にできるお腹周りの脂肪を落とす方法を解説しました。
40代・50代になるといわゆる「更年期」の症状を受けやすくなるため、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。そのため、食事や運動の面からお腹周りの脂肪を落とすためのアプローチをしていきましょう。
若ければ多少の不摂生をしても大きな影響がないかもしれませんが、年を重ねてくるとそうは行かなくなっていきます。栄養バランスを考えた食事と適度な運動を日々意識し、続けていくことが重要です。
筋トレは強度や回数よりも、正しいフォームでおこなうことが何より大事です。疲れてきたり無理をするとフォームが崩れやすくなるため、筋トレはできる範囲で楽しく続けていきましょう。