産後の身体は、ぽっこりお腹、骨盤まわりガタガタ、腹筋もなく起き上がれない、尿漏れ…など辛い状態になりますよね。
早くもとに戻したい!という気持ちはあるけれど、身体は本調子じゃないし…と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方は是非この記事を読んでみてください!産後はあせらなくて大丈夫です。ゆっくり産後の身体をリカバリーしていきましょう!
目次
産後ピラティスってなに?通常のピラティスと何が違うの?
もともと、ピラティスは戦争で怪我をした兵士のリハビリのために発案されたものでした。現在は健康増進やボディメイク、産後の体型戻しなど様々な目的でおこなわれるエクササイズへと変化しています。
では、産後ピラティスと通常のピラティスの違いをみていきましょう。
産後ピラティス | 通常のピラティス | |
目的 | 出産により衰えた骨盤回りを鍛え、尿漏れや腰痛、姿勢の歪みを改善 | インナーマッスルを中心に全身を鍛え、姿勢の改善を図る |
医師の許可 | 必要 | 基礎疾患が無い場合必要なし |
負荷 | 低 | 低~高 |
産後ピラティスは、妊娠・出産で体力や筋力が落ちたママでも無理なくできるプログラムで構成されています。
とはいえ、産後の身体は想像以上にとてもデリケートな状態にあります。
自己流のエクササイズ方法ではじめると身体を痛めてしまう可能性が高いので焦りは禁物。
しっかり産後ピラティスのポイントや注意点などについて知ってみましょう!
産後ピラティスはいつからできる?産後の骨盤の真実を知ろう
産後の身体は全治3ヶ月の大きな交通事故にあったような状態にあるといわれています。
さらに妊娠、出産でホルモンの状態が大きく変わり産後の身体はとてもデリケートな状態です。
事故であればベッドの上で安静にしていなければなりませんが、産後はそうはいきませんよね。
そんな状態にあるので産後ピラティスは、産後の一ヶ月検診で医師に確認してからにしましょう。
帝王切開の方は産後8~10週から
産後6ヶ月が骨盤戻しの黄金期間とよく聞きませんか?
実は骨盤は産後のホルモンが整う産後4~6ヶ月の間に自然にもとに戻るので、焦らなくて大丈夫。
「産後に骨盤がひらいてしまったから早く体型を戻したい」
「骨盤をもとに戻すためにコルセットをしたいのですが、何がおすすめですか?」
こんな風に思っている方はいらっしゃいませんか?
骨盤は運動や、コルセットで締め付けて元に戻るわけでありません。
なので、無理に骨盤をもとに戻すようなコルセットの使用や、無理な運動をする必要はないのです。
ピラティスエクササイズでは、骨盤が正しい位置に戻れるように姿勢の歪みを改善していくイメージです。
冒頭にも述べましたが、産後はかなりデリケートな状態です。
産後6ヶ月まではアクティブでハードな運動はさけ、無理のないエクササイズを行いましょう。
産後ピラティスで期待できる5つの効果
(1)衰えた筋肉を鍛える
妊娠時は、非妊娠時より活動量が減ることで筋肉量が減ります。
また、お腹が大きくなることで反り腰になり、お腹の筋肉をうまく使うことが難しくなります。そうなることで、姿勢保持に必要なお腹の筋力が低下していきます。
産後ピラティスでは、1人1人の産後の状態に応じたプログラムでエクササイズをしていきます。
産後のデリケートな身体に無理のない動き・負荷でエクササイズを行い、身体の中心となるインナーマッスルをはじめとした全身の筋肉を鍛えていきます。
(2)姿勢を改善し、骨盤の歪みを整える
妊娠中・産後の筋力低下により、姿勢の歪みを引き起こします。
また、妊娠中に姿勢が崩れることで骨盤回りの筋肉がうまく使えなくなることが多くあります。骨盤回りの筋肉がうまく使えないと、産後の悩みに多い“大きなお尻、ぽっこりお腹、足が太くなる”につながります。
骨盤回りの筋肉をしっかり使えるようにするには、骨盤をニュートラルな位置にただす必要があります。ニュートラルな位置とは、骨盤が傾いていない状態。横から体をみると骨盤がまっすぐにたっている状態をいいます。
骨盤のニュートラルを解説する動画
ピラティスは骨盤をニュートラルな状態でエクササイズしていきます。そうすることで、骨盤周囲の筋肉をしっかりエクササイズすることができ、姿勢の改善につながります!
(3)尿漏れを改善する
妊娠するとプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えます。プロゲステロンには子宮や膀胱まわりの筋肉を緩める作用があり、分泌が増えることで尿漏れを引き起こしやすくなるといわれています。
さらに、妊娠中におおきくなった子宮の下には骨盤底筋という尿を我慢するときに必要な筋肉があり、この筋肉が子宮の重さに耐えきれず伸びてしまいます。
そうすることで筋力低下を引き起こし、尿を我慢しにくい状態に陥ります。
産後ピラティスではこの骨盤底筋というインナーマッスルを強化していくため、尿漏れの改善に大きな効果が期待できます。
(4)浅い呼吸の改善
妊娠後期になり、大きくなったお腹は呼吸に必要な横隔膜(筋肉)を押し上げます。そのため呼吸リズムが崩れ、妊娠中に浅い呼吸になりやすくなります。
習慣化してしまった浅い呼吸は、産後もそのまま続くケースが多くあります。
浅い呼吸は身体にデメリットしか及ぼしません。
・免疫力を下げる
・頭痛など自律神経の障害を起こしやすくなる
・肩こりになりやすくなる
産後ピラティスでは深い呼吸をしっかり身に着けていきます。
深い呼吸は自律神経系を調整し、リラックス効果もあるため産後の不調の改善に最適だと思います!
(5)産後のダイエット
ダイエットをしたい!という産後のママは多いと思います。私もその一人でした。ですがお伝えした通り、産後の身体はとてもデリケート。無理な運動は逆に不調を招く原因になりかねません。
産後ピラティスでは無理なエクササイズは行いません。
インナーマッスルを深い呼吸とともにエクササイズしていくことで姿勢を改善します。
姿勢が改善すると、身体の筋肉を効率よく使うことができ、自然に引き締まった身体にかわっていきます!
「とにかく体重をおとしたい!」のであれば筋肉を引き締める産後ピラティスは向いていないかもしれません。
「引き締まった美しい身体になりたい!」のであれば、産後ピラティスはしっかりあなたの身体づくりをお助けできると思います!
産後ピラティスと産後ヨガどっちがおすすめ?
産後運動をはじめようと思った時に、ヨガも思い浮かびますよね。
ピラティスとヨガはどちらも身体に無理のない動きで筋肉を鍛え、精神面も整えるエクササイズという点では共通しています。大きく異なるのは目的です。
先程の図をもう一度見てみましょう。
産後ピラティス | 産後ヨガ | |
目的 | 出産により衰えた骨盤回りを鍛え、尿漏れや腰痛、姿勢の歪みを改善 | ・妊娠・分娩による身体的負担、メンタルケア ・骨盤周囲の柔軟性改善 |
負荷 | 低 | 低 |
ピラティスとヨガ、どちらも産後の身体にはピッタリの手段だと思います。
腰痛や尿漏れなど、トラブルの改善を図りたい場合は産後ピラティスを。
心の安定を第一に考え、柔軟な身体を目指したい場合は産後ヨガを選んでみてはいかがでしょうか。
体の状態や理想に応じて、選択していくことをおすすめします。
育児中の姿勢チェック!産後ピラティスはこんな人におすすめ!
産後は多くの方が肩こりや首の痛みを感じています。
私も産後は常に肩こりを感じていました。
産後ママの不調の多くは、育児中の姿勢が原因になっていることをご存じですか?
チェックリストを参考に、姿勢の歪みを確認してみましょう!
- 授乳中にママの背中が丸まり(猫背)首は常に下を向いている
- いつも決まった側の手で赤ちゃんを抱っこしている
- 抱く時にお腹で赤ちゃんを支えて反り腰になっている
- 横座り・割り座(正座の状態から両あしを開き、おしりを床につけた姿勢)が多い
- お腹側に抱っこ紐をした時に赤ちゃんの位置が腰にある
何個あてはまりましたか?
1つでも当てはまった方は、産後ピラティスがきっと身体を楽にしてくれると思います。
我が子はもうすぐ2歳になりますが、毎日「抱っこして~」と。
両手でしっかり抱ければいいですが、抱っこしながら家事をすることも日常茶飯事。
この繰り返しで身体はどんどん歪んでいきます。
なかなかエクササイズ時間がとれないママは、まずは毎日の姿勢から見直してみましょう!
- 授乳する時は膝の上にクッションを入れてママが猫背にならにようにする
- 授乳する時の姿勢は骨盤を起こして左右の座骨に均等に体重がかかるようにする
- お腹側で抱く時は赤ちゃんを高い位置で抱き、腰が反らないように注意する
- 抱っこを支える手は左右交互に変える
無理に意識すると疲れ・ストレスの原因になりかねます。
できる範囲で大丈夫。1日1回でも意識するか、しないかの差が大きいと思います。
そんな1回1回の積み重ねが、確実に姿勢の改善につながりますよ!
産後ピラティスはどれぐらいで効果がでるの?
こんな言葉を耳にしたことはありませんか?
「産後の体は産後6カ月の間に引き締めないと戻らなくなる」
「産後はできるだけ早く運動をはじめるほうがいい」
実はこの考え方は危険です。産後に無理をすることで、不調を招く原因になります。
産後の回復は人によって異なるので、焦らず体調に応じてエクササイズをはじめてくださいね。
週2回、パーソナルレッスンで産後ピラティスをおこなった例をもとに、効果がでるまでの期間をお伝えします。あくまで目安です。個人差もあるのでご注意ください。
効果を感じるまでの期間は目的によって異なります。
産後のダイエットを目的にはじめた場合
筋肉がつくまでに約3ヶ月、見た目が変わるまでに約6ヶ月
骨盤まわりの歪みの調整を目的にはじめた場合
鏡をみて、姿勢が変わったと感じるまでに2ヶ月
肩こりなど不調の改善を目的にはじめた場合
良くなった!と感じるまでに1ヶ月
ピラティスを作ったジョセフ・ピラティス氏は「ピラティスを10回した後に自分自身で違いを感じ、20回後にはまわりが気づき、30回後には体質が変わってくる」という言葉を残しています。
継続が必要ということですね。
産後ピラティスは、無理ない頻度と負荷で楽しく続けられたらことが大切だと思います!
産後に取得するピラティスインストラクターの資格について
「自分の身体をもっと理解したい」「ピラティスを仕事にしたい」という思いから産後にピラティスインストラクターの資格を取得する女性が増えています。
産後にピラティスインストラクターの資格を取得する場合、選択肢は2つあります。
② マタニティに特化したピラティスインストラクターの資格を取得
①を考えている方はこちらの記事を参考にしてください。
参照:ピラティスの資格はどこがいい?種類とおすすめ12団体【徹底比較】
②を考えている方は
・いつから取得できるか
・価格
・取得日数
・取得方法
・取得できる団体
を確認していきましょう。
マタニティピラティスインストラクター資格取得について | |
資格取得の目的 | ・出産後から育児をする上で大切な女性の健康を考える ・産前産後に生じる不調に対しての指導法を学ぶ |
いつから取得できるか | 産前に取得:安定期(15週目~36週目)のみ可 ※コースによって異なる 産後に取得:産後1カ月経過し医師の許可を得た後 |
平均価格 | 6万~15万 |
取得日数 | 4日間~ |
取得方法 | オンライン or 対面レッスン |
取得できる団体については、こちらを参考にしてください。
ヴィオラトリコロール
>>https://yoga-viola.net/pilatescourse/sango-pilates/
産後ピラティスインストラクターの資格取得が可能。
産後に特化した内容を学べるコースです。
オンライン・対面と受講方法が選べる他、比較的リーズナブルな価格で学べます。
スタジオヨギー
>>https://yoggy-institute.com/pilates/mpp/
マタニティピラティス・インストラクターの資格取得が可能。
産前・産後に関する知識を身に着け、妊娠や出産後時期に応じたエクササイズ指導が出来るようになります。
産後に特化した内容を指導できるインストラクターの資格や、産前産後問わず指導できるインストラクターと2パターンあります。
なりたい自分に応じて、コースを考えてみてください。
初心者でもできる産後時期別のピラティスを紹介
産後はデリケートな時期なので、やみくもにエクササイズをしないように注意してください。産後の時期に応じたエクササイズをしていくことで、無理なく進められると思います。
産後ピラティスはストレッチ要素も多く含みます。大きなお腹を支えていたお腹~骨盤回りの筋肉は硬くなり柔軟性を失っている状態。
丁寧に伸ばしていくことで柔軟性の向上が期待できます。
ストレッチであれば産褥期からできる場合もあるので、動画で確認してください。
産褥期
この時期は、最もデリケートな時期。
寝ながら行う胸式呼吸がおすすめです。筋肉に負担をかけずにインナーマッスルを促通できるので産後に最もおすすめのエクササイズ。
ホルモンバランスの調整にも効果がありますよ。
このように、ストレッチ要素が高いエクササイズもおすすめです。
股関節回りをほぐしていきましょう。
産後2カ月~
この時期に注意したいことが腹筋を鍛えすぎないこと。
大きなお腹を支えていた腹筋は、かなりダメージを受けています。
この時期に鍛えすぎるとかえってお腹がたるんでしまうこともあるので、負荷の少ない方法で鍛えていきましょう。
産後3~4カ月以降
だんだんアクティブな動きが出来るようになってくる時期です。
ホルモンバランスも整いはじめるので、体調に応じて骨盤回り、体幹エクササイズの負荷をあげていきましょう。
産後の尿漏れなど、悩みに応じたエクササイズもおすすめです。
産後半年以降
腹筋まわりのエクササイズ負荷をあげても大丈夫な時期です。
産褥期以降実施してきたエクササイズを継続したり、量をふやしてみましょう。
子連れOK!産後ピラティスが受けられるスタジオ 4選
Zenplace
11の都道府県にスタジオをもつzenplace。
産後リカバリーピラティスプランがあり、マンツーマンでのレッスンをしています。
丁寧なカウンセリングで、体にあったプログラムを立ててくれるので安心して通えるスタジオです。
※店舗により託児サービスが異なるため事前に確認してください。
BIRTH Pilates Studio
完全個室でマンツーマンレッスンのスタジオです。産後はデリケートな時期なので個室はありがたいですね。
マシンだけでなく小道具をつかったエクササイズも多く、自宅でもできそうなエクササイズを教えてくれるそうです!
SUGATA AOYAMA
>>https://aoyama.sugata.co.jp/
託児付きのピラティススタジオ。
託児は有料ですが、安心して産後リカバリーピラティスをうけることができます。
産後でも少人数制のグループレッスンがあるため、楽しみながら通うことができるスタジオです。
TwoThree
https://jiyugaoka-pilates.com/
託児付きのピラティススタジオ。
マシン専用スタジオで、マシンの種類が豊富にあります。
医師からの許可を得た方であれば産後でもレッスンを受けることが出来ます。
体に合ったマシンを使いながら、産後時期に適した動きを指導してくれますよ。
有料ですが、託児サービスがあるのも安心して通うことができるポイントですよね。
※店舗により託児サービスが異なるため事前に確認してください。
まとめ【産後の体型戻しにはピラティスがおすすめ!】
産後の身体は、いままでの身体が全てリセットされた状態にあります。産後ほど、より良い身体づくりをするのに適している時期はありません!
ですが、産後の女性はホルモンバランスが乱れ、心にも体にも大きなストレスがかかっているので無理は禁物です。
産後ピラティスは、産後の女性の心と身体の回復に最適のエクササイズです。
産後ピラティスを通して、理想の身体に近づくことを応援しています!